DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編 作:雨宮南雲
サ「何してんの?」
キ「最初の4話をスキップした人用のあらすじ説明」
精霊樹の元に集まる国
朝早く、質素なベッドから1人の女性が目を覚ます。
「ん~! 今日もいい天気」
そして手早く着替えを済ませて部屋を移動する。
別の部屋で青色の小さな存在が眠っている。
女性はその小さな存在に挨拶をする。
「スラきち、朝だよー! 起きて―」
「ふわわ」
それはスライムと言うモンスターで、どこにでもいるスライム種である。
スラきちは大きなあくびをして、起きました。
「おーう。おはよう、エレナ」
「おはよう、スラきち。さぁ、今日も仕事を頑張ろう!」
「仕事ねぇ……」
元気いっぱいのエレナに対して、スラきちは消極的です。
スラきちは器用に跳ねて窓辺の方に移動して言います。
「モンスターの居ない牧場で、出来る仕事って何なの?」
「……確かにモンスターは居ない。でも、牧場が汚かったらそれこそマスターさんが来てくれないんだよ? だからいつでも来てくれるように奇麗にしとかないと!」
「そっか……がんばれよー」
「スラきちもやるんだよ!」
いつものやり取りをする2人、……そう、いつものやり取りなのです。
この牧場にマスターが居なくなってかなりの時が経っています。
それでも女性は、いつか必ず新たなマスターが来てくれると信じています。
(こんな外れ土地の牧場にまで見に来てくれる、物好きなマスターなんているわけないっての。仕方ないか!)
そんな女性を手助けするために、スラきちは今日も行動を始めます。
大通りを一人の少年が経っています。
少年が辺りをキョロキョロしていると、近くにいた妖精に注意されました。
「こーら、キット。そんなにキョロキョロしていると、田舎者みたいじゃない」
「まぁ、実際田舎者みたいだと思うぞ。ソフィー」
キットは周りを見渡したり、店先を注視していると疑問を口にします。
「やけにモンスターが多いな。お店の手伝いとかもしている」
「ああ、それはこのこの国の元の歴史も関係しているみたいだよ?」
「ほう」
ソフィーはキットの質問に答えるために、小さな本を取り出して言います。
「元々はとあるモンスターマスターが精霊樹の下で、牧畜を始めた開拓地なんだって」
「へー」
「それでモンスターを作業の手伝いに使う習慣が強い風習があるみたい」
ソフィーは本を見ながら説明します。
「歴史も古いんだけど、周りの高い山のせいで他国とも交流が無くて、山を開通してようやく始まったみたい」
「なるほどなー。ところで、その本は何?」
「ガイドブック。アンタをサポートするために必要と思って」
「ありがとう」
ソフィーの丁寧な説明にキットは感謝をします。
この国の事を知れたことで次に行くことにしました。
「それで、モンスターマスターになるためには如何すればいいんだっけ?」
「えっとね。この国でモンスターマスターになるためにはまず、闘技場で登録が必須なんだって」
キットはソフィーの言う闘技場の場所を探します。
大きな樹の下にローマのコロッセオを浮かばせる建物が見えます
「闘技場と言うとあそこに見える建物?」
「地図によるとそう見たい。それじゃ行ってみよう!」
「了解」
ソフィーの案内で、キットは闘技場に向かいました。
その姿を小さな存在が見ていました。
闘技場に着いた2人はその大きさに驚くも、中に入ってさらに驚愕します。
「ねぇ、ソフィーさん……」
「何……?」
「なんか、帰りたくなった……」
「落ち着いて、気持ちはよく分かるけど」
闘技場の中の豪華さに驚いた2人……ではなく、その中心のカウンターにいる人物にです。
カウンターには2人の人物がいて、1人はウサミミを付けたバニーガール(エロくない)です。
そして、もう1人が、身長は2メートルくらいの筋肉モリモリマッチョな人物で、服のサイズがギリギリなのか、とてもぱっつんぱっつんして服が悲鳴をあげていそうです。
申し訳程度のウサミミが逆に恐怖を掻き立てています。
そのマッチョマンがとても良い笑顔でこちらを見ています。
「登録ってここじゃないと出来ないの……?」
「本によるとそう……」
「ちなみにどっち?」
「書いてない……」
キットは大きく深呼吸をして、向かいます。
女性のバニーガールの方に。
「あの~マスター登録をしたいのですが」
「はーい、今日は。でも、ごめんねこっちは説明カウンタ―なの。登録は、お隣ね☆」
「やっぱり……」
「がんばってね~☆」
キットは一部の望みを掛けて女性の方に向かいましたが、やはり違いました。
そして気合を入れてマッチョの方に話しかけます。
「こ、今日は。あのですね……」
「マスター登録でしょ☆ 隣で聞いていたわ~☆」
(マッチョでこの言葉遣いって、キャラ濃すぎだろう!)
「えっと、できますか?」
「勿論よ! さぁ、こちらに記入して頂戴☆」
マッチョマンは一枚の紙を取り出します。
キットはここで困ります。
(記入って文字なんて読め──上にルビみたいなのが見える?!)
紙には見たことない文字が書かれていましたが、ルビがあって読めるようになっています。
さらに記入するところに薄っすらと字が見えました。
「読めるでしょ?」
「ソフィー。これって……」
「指輪の力だよ。記入するところは書きたい文字を思い浮かべれば、それに対応した文字が見えるの」
「うわ、超便利過ぎない?」
思わず、指輪の能力に驚愕しつつ、キットは空欄を埋めていきます。
しかし、それでもまだ空欄があります。
「使っている牧場?」
「あらん? 貴方、まだ牧場に登録してないの?」
「牧場に登録?」
「そうよ☆ ここでは、モンスターマスターの活動拠点になる牧場も登録が必須なの☆」
「ちなみに、ここ空欄では……」
「残念ながら、登録できないわね☆」
「マジか」
行き成り出鼻を挫かれました。
「とりあえず、牧場を登録してからまた来て頂戴ね☆」
「わかりました。ありがとうございます」
「いえいえ~☆ 牧場探し、がんばってねぇ☆」
キットとソフィーは闘技場の出口の方に歩いていきます。
「まさか、登録が必須とは」
「私の方も知らなくてごめん」
「ガイドブックは、旅行目的だから載ってないのもしょうがないよ」
「とりあえず、入れてくれる牧場を探してみようか! 案内するよ」
「よろしく」
2人は牧場探しに向かいました。
その様子を1匹のスライムが見ています。
「残念ながら、うちはもう一杯だよ」
「そうですか、わかりました」
2人は、登録できそうな牧場を探しますが見つかりません。
「やっぱり、無一文の、それもモンスターの1匹もいない子供を迎え入れてくれる牧場は無いのか……」
「それでもひどすぎない?!」
いろんな牧場を回って断られ続けていることにソフィーはお怒りです。
「でも、牧場主の気持ちもわかるよ?」
「だからってさぁ……」
「とりあえず、他の牧場もまだまだあるし、探してみようぜ?」
「うー……」
怒っているソフィーを宥めつつ次の牧場に向かおうとしたその時。
「たぶん、どこ行っても断られると思うぜ」
「ん?」
「誰よ?!」
声が聞こえた方に振り返ると誰もいません。
「あれ?」
「下だよ。下」
「下って……こいつスライムじゃない」
そこには1匹のスライムがこちらを見ています。
その姿にキットは感動します。
(おお! 生スライムだ!)
「おふたりさん、牧場を探しているんだろ?」
「そうだけど、貴方には関係ないでしょ?」
「ところがそうでもないんだぜ」
「どういうことだい? スライム君」
キットはスライムに話を聞くために近づきます。
スライムは説明を続けます。
「あんたらみたいな奴らでも受け入れてくれる牧場を知ってるってわけだ」
「怪しいわね……」
「嫌なら別にいいんだぜ」
「ソフィー、落ち着いて。案内してくれないか? 俺はキット。君は?」
「スラきちって言うんだ。よろしくな、キット」
キットはスラきちの話を聞いてついていくことにしました。