DQM 異世界に転生したので最強のモンスター達を作って生きていく(準備編 作:雨宮南雲
たぶんコロコロ変わる。
キット達は教えて貰った建物に到着した。
建物に着くころにはソフィーも落ち着いたようだ。
「ここね」
「そうみたいだ」
石造りの四角い建物の前に鎧を着た男が立っていました。
キット達は近づいていくと、兵士の男が声をかけます。
「君たちどうしたの? ここは危ないから、近寄っちゃだめだよ」
「闘技場の受付の人にコレを渡せと言われました」
「何?」
兵士はキット達に、中は危険なので遠ざけようとしましたが、渡された羊皮紙を見て理解しました。
「へぇ。随分と若いモンスタマスターか。連れてるモンスターは……スライムね」
兵士はキット達を少し珍しそうに見てます。
それ視線が気に食わないのかスラきちが怒ります。
「なんか、文句あるのか」
「スラきち、どうどう」
キットはスラきちを抑えます。
その姿を見て、兵士は謝罪をします。
「いや、すまない。ちゃんと制御もできてるようだし、これは将来有望かもしれないな」
「当然よ」
兵士の言葉に、ソフィーが胸を張ります。
兵士が中の説明をします。
「受付で聞いているかもしれないけど、この中にはモンスターがいる」
「はい」
「最初の階層はスライムやドラキーなんかがいるから簡単と思うかもしれないけど、奥に行くと強いモンスターもいるよ」
「油断をしないで、ちゃんとしろってことですね」
キットの言葉に兵士は肯きます。
そして、ペンダントをキットに渡します。
「これは?」
「ここに入るための通行手形みたいな物と思ってくれ。クリアしたら返してね」
「わかりました」
キットがペンダントを装備するのを確認すると、兵士は建物の扉を開けます。
「君達が入って行ったら、この扉は閉めさせてもらうけど、扉の内側にノッカーが付いているから危険を判断したらすぐに戻って来て、それで3回叩く
「それじゃスラきち、よろしくね」
「お、おう! まかせろや」
「大丈夫なの?」
キットが声をかけると、スラきちは緊張しているのか声が上擦っています。
それを見てソフィーが不安がります。
「だ、大丈夫だぜ! 本物のマスターがいるんだ、俺はやれる!」
「頼りにしてるね」
「おう!」
そう言ってキット達は階段を下りて行きました。
降りた先は暗い洞窟が……ではなく、所々ランプが付いていて明るく、足元も石畳で整備されていました。
「意外と奇麗ね」
「おう! そうだな!」
「油断しない方がいいよ。天井を良くて見て」
キットに言われて上を見てみると所々暗くなっているところがあります。
「穴?」
「ドラキーがいるってさっきの兵士さんが言っていたし、もしかしたらあそこから飛び出してくるかもしれない。ちゃんと警戒していこう」
「りょ、了解だぜ」
言われたスラきちは、気を引き締めて先を進みます。
少し歩くと何かが動きました。
「何かいる?」
「ち、近づいてくるぞ」
それは、スラきちと同じ、スライムでした。
キット達を見つけると襲い掛かってきました。
「よし、がんばれスラきち」
「よっしゃ! 行くぜ!」
スライムがあらわれた。
スラきちの攻撃。左右にステップしながらスライムに突っ込みます。
スライムにダメージを与えました。
「どうだ!」
「反撃来るよ」
スライムの攻撃。スラきちと同じように攻撃してきました。
スラきちにダメージ。
「いて!」
「大丈夫?」
「思ったより余裕だ!」
スラきちの攻撃。今度は少し力を入れて攻撃します。
スライムは、スラきちの攻撃に後ろに転がり動かなくなりました。
スライムを倒した。
「よっしゃ!」
「意外と余裕そうだね」
「当然だぜ!」
スライムを倒したスラきちは嬉しそうです。
倒されたスライムは消えました。
「消えた」
「そうよ」
スライムが消えた事に驚いたキットに、ソフィーは説明します。
「今みたいにモンスターは倒されたら消えるのよ」
「消えてどうなるんだ?」
「またそのうち現れるわよ。それよりも……何も無いか」
「どうしたの?」
スライムが消えたあたりを、ソフィーが探しています。
「モンスターが倒されると、消えると同時に何か落とすのよ」
「アイテムとか?」
「後、お金もね。まぁ、スライムだからしょうがないか」
この世界のシステムを理解したキットは、先に進もうとします。
スラきちが後ろで震えています。
「スラきち、どうしたの?」
「初めてモンスターを倒した……お、おう! なんだ?」
「先に進むよ」
「了解! 俺にジャンジャン任せな!」
(初めてモンスターと戦い、勝利して自信が付いたのか。一応こっちで気を付けよう)
スラきちは元気よく先に進みます。
キットは注意して先に進みます。
その先でさらにスライムが居ました。
どうやらこちらには、気付いていない様子です。
「よし。次も行くぜ!」
「ちょっと待ちなさい」
「うえ?!」
スラきちは、スライムを倒そうと先手必勝を仕掛けようとしたが、ソフィーがそれを止めます。
「なんだよ。まだ気づかれてないし、チャンスじゃないか」
「チャンスだからよ。今のうちにキットに説明したいし」
「説明?」
ソフィーの言葉に、キットは大人しく聞きます。
「私が渡した指輪なんだけどね」
「この翻訳装置がどうしたの?」
「あくまでそれはおまけよ。本当の力を教えてあげる」
ソフィーに渡された指輪をキットは眺めます。
翻訳だけでも便利なのにまだ機能があるみたいです。
「その指輪ってそんなのすごいのか?」
「まぁね。それじゃキット、まずその指輪に力を溜めるイメージしてみて」
「力を溜めるってどんな感じに?」
「イメージだから念じるみたいによ」
ソフィーに言われたように、目を瞑って指輪に額をくっつけます。
すると指輪が光りだしました。
「なんだ? キットの指輪が光りだしたぞ!」
「次は、目を開けてモンスターをしっかり見て、指輪を付けてる指をモンスターに向けてみて」
「こ、こうか?」
ソフィーに言われたとおりに、指をスライムに向けます。
するとスラきちの体を青い光が纏います。
「ぬおおお?!」
「ス、スラきち?!」
突然の事にキットは驚きます。
そして、スラきちがスライムに突撃します。
「いっくぜぇぇぇ!」
「ぴきぃ?!」
突然のスラきちの突撃にスライムは驚きます。
そして、スラきちの光がスライムに移ります。
「よっと」
「スラきち大丈夫?」
「なんか、変なテンションになった」
「初めてだしそんなもんでしょ。それよりもスライムを見て」
ソフィーに言われてスライムの方を見ると、青い光が段々消えていきます。
そして、スライムが嬉しそうにこちらに跳ねてきます。
「ぴぃ、ぴぃ♪」
「な、なんだこいつ、やるのか?!」
「スラきち、落ち着きなさい。どうやらスカウト成功みたいね」
「スカウト成功……? 今のがスカウトアタックなのか!」
「ピンポーン。大正解」
ソフィーの言葉で、キットは今の出来事の答えを理解しました。
スラきちは聞きなれない言葉に疑問を投げかけます。
「なんだ? スカウトアタックって」
「モンスターを仲間にする力みたいなモノ……でいいんだよね?」
「色々細かい事あるけど、凡そそれで間違いないわね」
「つまり、この指輪が俺のモンスターマスターの力なのか」
「ふ~ん……」
その答えにスラきちは不可解な顔をしています。
それに対して、キットは聞きます。
「どうしたの?」
「なぁ、キット。その指輪外してみてくれないか?」
「ん? いいけど」
スラきちに言われて指輪を外します。
「やっぱり、変だ」
「何が?」
「キットからマスターの気配を感じるんだよ」
「うん?」
「だから、指輪無しでも、モンスターを仲間にできるんじゃないのか?」
「え?」
「ピンポーン。それも正解」
スラきちの答えにソフィーが説明をします。
「指輪はあくまでサポートよ。今スラきちが言ったように、モンスターを倒した時に消えずにそのまま起き上がって仲間になることもあるわ。それが普通の仲間の仕方よ」
「あ、そっちもあるんだ」
「でも、一流のマスターになると、今みたいに指輪無しでもスカウトアタックができて、好きなように仲間にできるようになるのよ」
「てことはつまり」
「キットもそのうち指輪無しでもできるってこと」
「へぇ~」
キットは指輪を嵌めなおして、感心します。
その様子にソフィーは満足してます。
「しかも、それだけじゃないからね」
「と、いうと?」
「キット、その指輪の宝石部分を軽くタッチしてみて」
「こう? うお?!」
ソフィーに言われたとおりにすると、キットの目の前に四角い画面が現れました。
「な、なんだこれ」
「お、おい。キット、どうしたんだ?」
「うんうん。ようやく本格的に機能が使えるようになったわね」
スラきちの反応で、画面はキットにしか見えない様子です。
キットはソフィーに説明を求めます。
「ソフィーさん。これは何?」
「その指輪の便利機能よ。モンスターマスターをさらにお助けするために、神様が特別に作った、その名も『神・スカウトリング』」
「な、なるほど」
ソフィーは胸を張って指輪の名称をいいます。
「スライムを仲間にしたことで、ようやくリングが認識したのね」
「なるほど。あれ、スラきちの時にすでになってたんじゃないの?」
「そうだ、そうだ」
スラきちが仲間になった時には、指輪に特に変化はありませんでした。
それに対してソフィーが考えながら答えます。
「おそらくなんだけど、スラきちはあくまで一時的な仲間だからじゃない?」
「と、いうと」
「スラきちは、エレナさんから借りてる扱いだから対象外とか」
「なるほど」
「変なの」
「わ、私が作ったわけじゃないから、よくわからないもの!」
2人に突っ込まれてソフィーが怒ります。
ソフィーが話題を変えるためにキットに言います。
「そんなことよりも、まずは画面のパーティーのところを見てみて」
「あ、うん。スラきちと今仲間になったスライムが表示されていて、スライムの方にビックリマークがついている」
「それじゃ、そのスライムの所押してみて」
「了解」
キットは言われたとおりにしました。
すると画面が切り替わり、名前を決めてくださいとでてきた。
「名前か」
「仲間にしたモンスターに名前を付けたら、本当に仲間になったことになるのよ」
「なるほど」
「好きな名前を付ければいいんだけど、あんまりひどい名前つけちゃだめよ!」
「了解。ただ、あんまり得意じゃないんだけどな」
キットは仲間になったスライムの名前を考えます。
少し悩んだ後、画面に入力しました。
「正直、良いのが思いつかなかったので定番の『スラリン』にした」
「いいんじゃない? これから沢山仲間にするんだし」
「ぴぃ♪」
名前を付けて貰えたスラリンは嬉しそうです。
「これからよろしくな。スラリン」
「ぴぃ♪」
スライムのスラリンが仲間になった。
スラリンは嬉しそうに跳ねまわっています。
それを見たスラきちは先輩風を吹かせようとします。
「俺の方が先輩なんだから敬えよ」
「ぴ!」
「よし!」
「何やっているのよ」
「ははは」
愉快なやり取りをして、キット達は先に進むことにしました。