ゲーマー兄妹がSAOに送り込まれたそうですよ?   作:ハッピー23

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プロローグ

現在、ここエルキア王国より

 

「ーーー暇だ」

「……すること、ない」

 

どこにでも居そうでいない兄妹の話。

 

「てか、妹よ。一体いつまでゲームする気?

ヒョイと、妹である白の手に握られた二枚のうちの一枚を引く。ちなみにババ抜きである。

 

「な、んだと……!」

「……これ、で、568勝568敗」

 

…これが、この二人が居そうでいない兄妹?さて、どこが他と違うのか考えてみよう。

兄妹二人ともニートでゲーマー……これ以上に理由がいるだろうか?

 

まぁ確かに、現実に兄妹そろってニート、ゲーマーはいない、とは断言出来ないし、むしろいる可能性の方が高いだろう。

 

だから、付け加えよう。彼らは二人揃って『』。兄が『空』。妹が『白』。二人揃って空白。この二人がよく口にする言葉ーーー。

 

 

 

 

 

 

 

『空白に敗北はない』

 

 

 

 

 

 

この二人に、ゲームでの敗けはない。この二人が元々生きてきた窮屈で退屈な世界……。つまり、二人から言わせてみれば『クソゲー』の世界だが、その世界では噂から都市伝説とまでなっていた。それほどまでに、ゲームに関してはずば抜けているのだ。はたして、都市伝説とまでなるゲーマー兄妹なんているだろうか。

 

「……これ、終わんのか?」

「……にぃ…ルール決め、た。……2回、連続で勝、ち」

「……待てよ。なんで前のゲームの続きをしなきゃならないんだ」

 

「……することない、から」

 

ただし、お互い手の内を知っている空白同士でのゲームは、また別である。

 

……ん?なんで二人でゲームなんてやってるのか?前のゲームって何かって?

 

とくに理由はなく。ただの暇潰しであり。前のゲームと言ったら前のゲームである。

 

「お邪魔するよ♪」

「おわっ!?急に現れんなよテト」

「……お、ひさ…」

「ひさしぶりだね。で、君たちは何してるのかな?まあ、見ればわかるんだけどね」

 

真上から突如降りて来たのは一人の少年。この世界の唯一神『テト』である。いや、“元“唯一神とでも言っておこうか。

 

「なんだ?神の仕事は暇で暇で覗きに来たのか?」

 

「ん~、まあ、そんなとこだね。っていうか、君たちにチェスで敗れたって言うのに神を続けろって、予想もしてなかったから驚きだよ」

 

そう、この世界では、すでにテトとのゲームは終えているのだ。

どうやったのか?さぁ、それはお教え出来ない。確かにこれは、紛れもなく『』のお話だ。だけど、『』の話であって、本来の『』の話ではない。強いて言えば、これはパラレルワールドと同じ感じだろうか。勝利という結果は同じでも、それまでの手順、ゲームが違う、そう思っていただいた上で御想像にお任せしたい。

 

 

「……空白に、神なんて立場は、務まらな、い…」

「ってよりも、俺たちはずっとゲームを楽しんでいたいからな」

「だろうね♪」

 

空白とテトはお互い似た者同士。何かと繋がるところがあるらしい。

「で、今日は一体なんのようだ?」

「ん?やっぱりバレちゃったかな?」

 

「……ただ、暇だからって、覗きにくるのおかし、い…。……私たちの、知ってるテト、真っ先にゲームに参加するは、ず」

 

テトが不適な笑みを見せる。

 

「……なるほど、確かに少しおかしかったかもね♪まあ、暇そうな君たち空白に、プレゼントがあるんだよ」

 

テトの手に、一枚の紙が現れた。

 

 

 

 

『ソードアート・オンラインへの招待状』

 

 

 

 

「……これ、マジか?いやいや、有り得ねぇだろ」

「……これ、白たちの世界の……ラノベ、ゲーム?」

「マジだし、君たちの言うラノベやボタンを押すゲームとは違うよ?実際にデスゲームの中に招待するための紙切れさ」

「……はぁ、んなことできるわけねぇだろ?神様とはいえ、現実にない世界に送り込むことなんて」

 

「ん?不思議なことを言うね。なぜ、ソードアート・オンラインっていう世界が、無いと言いきれるんだい?」

 

「「え?」」

 

「逆の立場になって、考えてみたらどうだろうか?ソードアート・オンラインの中のキャラからすれば、君たちの存在、世界は知らないわけであって、あるはずがない、と考えるし、思うのが普通だろうさ」

 

テトは「でも……」と話を続ける。

 

「実際には何とでも説明はつくんだよね。時間軸は一緒でも、選択肢次第では別の未来に辿り着くのと同じさ。君たちがいなければ、君たちの知っている世界は、『もしかしたら』ソードアート・オンラインの世界だったかもしれないし、主人公が違ったかもしれない」

 

「……なるほどな、つまり俺達の知らない空間には、空想であったはずのその世界が本当に存在している可能性があると。それも、また複雑に分岐し、複数の未来が存在する」

 

「その通り。どうだい?行きたくなったかな?」

 

「いんや。まあ、確かに興味がないと言っちゃ嘘にはなるが」

「……それ、デスゲーム…。……死ぬの、いや」

 

トランプを続行しつつこんな会話を続ける。実際のところ行ってみたい。だが、死ぬ可能性が高すぎる。てか、それ以前に、コミュ障の自分達が、あの世界に行って上手くいくのだろうか……。ん?デスゲームにコミュ障がどうとか関係ないか。

 

「そこのところは大丈夫。死んでもこの世界に帰ってくるだけだからさ」

 

「そうか……やっぱり帰ってこれな…。帰ってこれんの?マジで?」

 

「……本当、に?」

 

「うんうん、ホントホント」

 

そう言いながら空白の肩へ手をあてる。トントンっと……。

 

「「……へ?」」

 

すると、どうしたことだろう。空と白の体が突如光に包まれていくではないか。

 

「お、おい!?ちょっと待て!」

「……にぃ!」

 

白が空へとしがみつく。

 

「さあ、二人を招待しよう。君たちのよく知っている『デスゲーム』に!」

 

「何を勝手に……!うおっ!?徐々に体がうすくなってないですか!?」

「ん~。このまま送るのもいいんだけど、それだけじゃつまらないよね?」

「人の話を聞けよ!」

 

「じゃあ」とテトは空白二人が、この世界から消える前にゲームのルールを伝える。

 

 

 

 

 

 

 

「ソードアート・オンラインの世界で出会う仲間を死なせないこと」

 

 

 

 

 

 

 

そして、彼ら空白の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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