嘘物語 作:物語シリーズの二次創作増えろ
クロスオーバーというものを知っているだろうか。簡単に言えば異なる二つの要素が境界線を越えて交わることである。コラボやパロディなどと混同視されることが多い、らしい。
詳しくはあまり知らない。
実際、俺が見たことのあるクロスオーバーなんてネット上に大量に転がっている二次創作サイトの小説やイラスト投稿サイトのイラスト程度だ。
この作品にこの作品のキャラクターがいたらどうなるんだろう。
この作品にこの作品の能力をもった人間がいたらどうなるのだろう。
そんなもしも、ifの世界線。それがクロスオーバー。もっとも複数の作品を書いている作者本人がクロスオーバー作品を書く、なんてこともあるが。
前世ではすこしではあるがクロスオーバーしていた。まあ、少数の個人だけで大きなクロスオーバーとは言えなかったが。実際何をするわけでもなく自由に過ごしていたしな。
まあ、今世では個人ではなく世界がクロスオーバーしているのだが、そのことに気が付くのは俺が中学生に上がる直前だった。今回はそんな物語。
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二度あることは三度ある、と言うけれどまさか本当に三度目の人生が有るとは思わなかった。
完全に昼になる前に起床し、何をしようかとベッドに座りながらぼんやりとそんな事を思った。
俺、斎藤廻は転生者と呼ばれる人間だ。
前世では有名な漫画の世界に転生し、原作で語られていない世界の果てまで冒険をした。人生を満喫して死んだはずだったが、気がついたら前世に似た現代社会で子供になっていた。
前世の顔をそのまま幼くした様な外見をしており、鏡を見る度に懐かしさと前世とのギャップに少し戸惑う。
コンコン
自室のドアをノックする音が聞こえた。母さんかなと思いそちらへ顔を向ける。
「起きてるか?ちょっと相談があるんだが…」
「…ちょっと待ってて。顔洗ってくる」
「おう。リビングで待ってるぞ」
珍しく平日に自宅にいる親父だった。半分以上寝ぼけた状態で相談を受けるわけにはいかないのでさっぱりしてから聞こう。
もうすぐ中学生になるからと貰った自分の部屋を出て、階段を降りる。
「で、相談って何だよ」
「あー…廻。俺が芸能事務所の社長をやってることは知ってるよな」
苺プロダクション。親父が社長をしている所謂弱小芸能事務所である。親父が何故果物の名前なのか聞いたら、「シンプルに下の名前を変えただけだ」と言われた。
「知ってるよ。というか仕事関連なら俺に相談っておかしくない?」
いくら人生三回目とはいえ仕事なんてしたことなく、更に専門的な芸能界での相談事なんか力になれるはずもない。というか未成年で今の体は十二歳の子供だ。
「そうなんだが、そういう事に詳しそうなやつはお前くらいしか知らんくてな」
そういって親父は両手を組んで犬の影絵を作った。そう、俺は前世で十種影法術を使っていた。
親父に前世で使っていた十種影法術がどんなものかバレている。数か月前、自室をもらったことでテンションが上がっていた俺は、自室で玉犬を呼び出していたところを普通に親父に見られた。
その後いろいろ聞かれ、隠すのが面倒になったのと身近な人間が知っているのは楽なのではという楽観的な考えで前世のことを親父に話した。なおバレたのは親父だけの為、母さんは知らない。
といか、
「多分俺の使ってるのとは違うものだと思うけど、そういうことなら聞くよ」
「よし。じゃあ早速なんだが俺がアイドルのスカウトを最近やってること知ってるか?」
「そういえば、ちょっと前に新しい事業としてアイドルをやるみたいなこと言ってたね。それ?」
「そう、それだ。でだ。そのアイドルとしてスカウトした子にそういった事があるからアイドルはできない、って断られてな。それを解決出来たらアイドルとしてスカウトされてもいいって話なんだ」
「なるほどね…。それで解決できるかもしれない俺に相談ってワケね。……まあいいよ」
正直あまり気乗りはしない。ただ親父には返しきれないくらいの恩がある。ここで少しくらいは返していきたいと思った。
「ホントか!じゃあ早速で悪いんだが今からでもいいか?」
「は?今から?」
「今からその子に会って話を聞いてもらいたいんだよ。今日は特に予定もないだろ?」
「……あー、了解。着替えてくるからちょっと待ってて」
判断を誤ったかもしれないと、ちょっと憂鬱な気分になった。
親父に連れ出され、苺プロダクションの事務所にやってきた。時々、バイトみたいなことをこの事務所でやらせてもらっている為来慣れない場所、というわけではない。ただ少し緊張する。
親父はスカウトした子に連絡を取り、相談に乗る事を伝えた後「連れてくるわ!」と言って一時間前に事務所から出て行った。
暇なので事務所のパソコンで動画を見たり、漫画を読んだりして時間をつぶしていると扉からノック音が聞こえた。返事を返すと親父だったのでおそらく連れてきたのだろう。
「ちょっと遅くなって悪かったな」
「時間つぶしてたからそんなに待ってた感はないよ」
「よし。じゃあ入ってきてもらうぞ。入ってくれ」
親父が扉を大きく開くと一人の美少女が立っていた。俺は彼女を見て前々世で見たあるアニメを思い出していた。第一話が放送され、あっという間に人気に火が付いた作品。「推しの子」という作品を。
といっても、俺は一話しか見れていないし、その後の展開なんて知らないし、ドーム公演直前に厄介ファンに自宅特定されて死ぬってことしか思いだせない。
「こちら、俺がスカウト中の星野アイさんだ」
「はじめまして。星野アイです」
目の前に持ってこられた情報に盛大に混乱しているが、状況は待ってくれない。
「
「それなんだけど、私を持ってもらったほうが現状はわかりやすいと思うんだ」
「は?持つ?」
「抱っこってこと」
爆弾がもう一回爆発した気分だった。どうしたらいいのか分からなくなり、星野の横にいる親父に目線を送る。
「あー。あまりそういったことはしてほしくないんだが。非常時だし、俺も信じきれなくてしたからな。多分そっちのほうがわかりやすい」
「つまり親父は俺と同い年くらいの女の子をお姫様抱っこして嬉しかったって話か?」
「偏向報道やめろ!脇に手をやって持ち上げただけだ!」
「はたから見ると完全に通報案件だな」
「実際、通報されたわ」
大変だった…と、目が死んでいる親父を横目に星野へ聞く。
「本当に持ち上げていいの?」
「うん。ほらどうぞ?」
両手を横に広げながらそういう星野。絶賛混乱中の為、ひとまず深呼吸をして落ち着く。
仕方ない。やらないと先に進まない。
そう思い、あまり触れないように親父がやったように脇に手を入れ、持ち上げた。
「は?なんだこれ?」
軽い。まず持ち上げてそう思った。まあ同い年くらいの女の子なんてみんな軽いんだがそういった話ではない。
そう、星野アイには体重と呼べるものがほとんどなかった。
「私と同い年の女の子の平均体重が40kgくらいらしいけど、私は5キロくらいしかないんだ」
星野を下ろし、混乱しつつ離れたところで彼女は言う。
「じゃあ、話そうか。私が出会った、一匹の蟹について」
誰か書いてくれ
追記
後半はちょっとテキトー気味なので後々書き直すかも……