長編 これは、彼について蘇る。過去…
グロ等注意
一部公開
桜壱宗介…現在 紅ゼロと偽名している
千年月日不明 発見時4〜5歳 再提督時推定25才
生まれ不明 広島扱いにしている
家族構成不明 大将の養子になっている
出身地不明 同じく広島県民のしている
容姿 発見時 薄青い髪に黒が一つ 赤と灰のオッドアイ 顔は女性ぽい顔 涙ほくろが2つ
再提督時 白い髪 灰色の目 中性顔 涙ほくろが一つ
発見場所,,,沈没船付近の無人島 発見時推定5歳 血で判別不可能なぬいぐるみに「sousuke sakuraiti 」とローマ字しか書かれているロケットを発見だが正しいのか不定でそのロケットも本人のものなのが、傷がありボロボロのため読めなかった為仮としてこの名を与えられた。そのぬいぐるみを「このこはぼくがまもるの」と抱きしめていた。発見までを推定し彼は人肉や周りの雑草・果物・貨物にあった食べ物・野菜・果物・魚等を食して生き延びていたと思われる。その為この年で筋肉は出来上がっていた。
少し訓練をさせ才能があったためすぐに掴み出来上がったが…
他の者から見たら「(人間の善悪は育つ過程次第だとは思うが、それでも)限りなく善に近い存在として生まれてきたように見えた」と語っていた
彼については輸送ヘリで保護してる中深海の襲撃を受け桜壱と離れてしまう。
ここからスタートです
桜壱(5歳)「……」目を覚ます
?「起きたが」
桜壱「ここは…」目をゆっくりと声がした方に向ける
?「ここは俺等たちの基地みたいなところだ」
桜壱「…君は?」
ゲリラ兵(ポット)「俺?俺はポットだ。こう見えて7歳だぜ」
桜壱「ポット……」
ポット「お前は?名前くらい言えるだろ?」
桜壱「そうすけ…さくらいち……」
ポット「ソウスケだな!いやぁ日本語覚えていてよかったぜ。」
桜壱「日本語?覚えて?」
ポット「なんだ?知らないのか?ここは日本じゃないぜ」
桜壱「そうなんだ…」
ポット「って?どうする?ここに残るが?もし帰るところがあるなら伝えるぜ」
桜壱「帰る所……ない」
ポット「ならここにいるが?こういうのはすると思うけどな」銃を見せる
桜壱「大丈夫…」頷く
ポット「なら行くぜ」手を伸ばす
桜壱「うん」掴む
ここから…俺は……ゲリラ兵として始まり、多くの仲間を失いながら戦ってきた。時に大人をこの手で殺し時に同じ子供を殺し…そして裏切り者もこの手で殺してきた。そして皆から…カシムという名で呼ばれるようになった。そして
桜壱(8歳)「こちらカシム…目標を捉えた」
ポット(10歳)「おう分かった。目標見失わないよう見張れよ。」
桜壱「了解」
ポット「こちらも見つけた。行くぜ…相棒」
桜壱「うん…相棒」
・・・・
・・
・
隠れ家
ポット「おつかれ。」
桜壱「うん。ありがとう。」
ポット「本当、君はすごいよ。カシム」
桜壱「ううん。お義姉さんのおかげ」
ポット「おいおい。ねえさん呼びじゃなく本名で言ってくれよ」
桜壱「……命令なら…リア」
ポット(リア)「うん。ソウスケ。おかえり」
桜壱「……ただいま」
この頃は楽しかった…家族‥そう家族を知れそうになった。けど……あの日を境に…
桜壱「はぁはぁ……ポ…リア!」
リア「ソ………ウス…ケ…」腰から下ない 胸に欠片刺さってる 目が焼けて溶けている
桜壱「リア!リア!」揺さぶる
リア「ご…めん……も……いき…ない」
桜壱「何を……言ってるの?…生きよう?もっと…教えてよ。」
リア「……あい…てだよ……ソウ‥…ケ」
桜壱「リア?リア?……ねぇ…リア!リアァーーー!」
この日……大切な相棒を失った…メモナ・リアナ…ゲリラ名、ポットをこの手の中で息を引き取った…任務中に敵の攻撃でリアは捕まり…あのような姿にされていた……その後…無人島で会った大将に助けられ日本に帰ってき…誓った。
不幸な人を助け家族を守るって…
そのまま海軍に入り学校をこなしやっと提督になった。
………地獄の入り口だと知らず…そして俺の名を捨て今の名になる境目だと知らず
海軍学校
桜壱(14歳)「失礼します。桜壱訓練兵です」
鹿島(艦娘)「どうぞ、桜壱訓練兵」
桜壱「はい」入る
鹿島「今日呼んたのは、異例な年で首席で卒業したうえ、大将の推薦で、多く艦娘が在籍する鎮守府に配属になった。」
桜壱「大将がですか?」
鹿島「えぇ。大将のお言葉によると、『厳しい環境にいたほうが桜壱訓練兵の成長に繋がるだろう』らしい。」
桜壱「そうですか…わかりました。大将や鹿島教艦の泥を塗らないよう励みます。」敬礼
鹿島「……わかったのなら行きなさい。そして名を上げなさい。」
桜壱「はっ!失礼しました!」出る
鹿島「…本当‥…うざい」
そう…俺は、8歳で入隊し年上に負けないよう努力を惜しんた。それが実ったのか異例な年で首席で卒業し大将の推薦で多数艦娘が在籍する鎮守府に選ばれた
……裏で気に食わない者たちによって…大変なことになることも知らずに
鎮守府
桜壱「ここが…新たな居場所……頑張らないとな…」入る
ガヤガヤガヤガヤ?!………
桜壱「広いな……ん?」
シーン
桜壱「………(なんだ?急に静かになった?)」コツンコツン
執務室前
桜壱「ここだな……」ドアノブに手をおいた瞬間手が落ちる
桜壱「ングッ?!」切られた手を抑える
龍田「あらら、虫かと思ったらここの入った提督でしたかぁ〜ごめんなさいね〜」スタスタ
桜壱「ど、どういうことだ……手が先だな」落ちた手を拾い執務室を後にする
・・・・・
・・・
・
医務室前
桜壱「妖精ってすごいな」クッパクッパ
桜壱「……頑張るが…」
何ヶ月後 寝室
桜壱「アッ……朝が…ゴホッ…」身体中痣だらけ
俺は…頑張った。認めてもらえるために…暴力に耐えてきた…
朝
天龍「おい起きろ!」バシャッ
桜壱「うぷっ!?み、水?なんだいきなり」ボタボタ
天龍「黙れ。今から俺たちはお前を拘束する」
桜壱「待ってくれ、話が全く見えないぞ」
天龍「ごちゃごちゃ抜かすな!」バキッ
桜壱「グッ!て、天龍!」
天龍「名前を呼ぶな。おら、早くいくぞ」ズルズル
桜壱「まて、こんな事をしてタダで済むと思ってるの?今なら上にも報告しない。一体どうしたんだ?」
龍田「あら天龍ちゃ~ん、早速そのゴミを捕まえたのね~」
桜壱「ツッ...!」
龍田「あら?無言ですか?切り落としますよ?」ピトッ
天龍「まぁ待て龍田。こいつの処分はまだ決まってねぇ。とりあえずは営倉にぶち込んどく」
桜壱「営倉?俺が一体何をしたんだ?」
天龍「うるせぇなぁ...」
天龍「次喋ったら殺すぞ?」
桜壱「...」コクコク
ーーーーーーーー
営倉
桜壱「まさか…ここまでとはな…」
コツッコツッ
提督「(誰か来た...?)」
霞「...」
桜壱「霞…」
霞「餌の時間よ、ゴミ」
桜壱「え...?」
ベチャッ
霞「食べなさいよ」
桜壱「こ、これは?生ゴミにしか見えないんだが...」
霞「はぁ!?間宮さんが作ってくれた料理をゴミ呼ばわり!?許せないわ!そっち行くから待ってなさい!」ガチャガチャ
桜壱「くっ!何するんだ。やめっ!」
霞「ほら、早く食べなさいよ」ガシッ
桜壱「やめろ。こんなもの食べたらお腹壊しちゃうだろ」バタバタ
霞「暴れんじゃないわよ!」バキッ
桜壱「グッ!?」
桜壱「(ダメだ!このままだと殺される!けど、こんなもの食べたら...)」
霞「そんなに嫌なら特別に食べさせてあげるわ」ヒョイッ
霞「はい、魚のワタとキャベツの芯。ちょっと洗剤ついてるけど丁度いいアクセントでしょ?」
桜壱「流石にやばい!ほんとに勘弁してくれ!」
霞「はい、あーん!」グイッ
桜壱「~~~!!!」
霞「吐いたら殺すわよ?飲み込みなさい」
桜壱「(生臭い!噛んだら絶対に吐くから丸呑みにしないと...!)」ゴクッ
桜壱「ウッオエエエェェェェ!」ゲホッゲホッ
霞「なんとか吐かなかったわね。じゃあ次よ」ヒョイッ
桜壱「虫...?」
霞「ゴキブリの羽の成分はエビと一緒らしいから大丈夫よ。朝からエビが食べられるなんて贅沢ね」
桜壱「霞!いくらなんでもそれは食べ物じゃ...!?ムグッ!!」
霞「よく噛んで食べなさい」
桜壱「むひらよ(無理だよ)...」
霞「なら噛ませてあげるわ」グッ
霞「ほら?こうすれば嫌でも噛めるでしょ?」グイッ グイッ
桜壱「(こいつ無理やり顎を...!)~~!!」グッチャグッチャ
霞「飲み込みなさい」
桜壱「グッ...」ゴクッ
霞「今日の食事はこれで終わりよ」
桜壱「...」
霞「あんた食後の挨拶もできないの?」
桜壱「...」
霞「チッ」ドゴッ
桜壱「くっ!」ドサッ
霞「ご馳走様でしたは?」
桜壱「ご馳走...様でした...」
霞「あら、あんなゴミがご馳走だなんてちょっと贅沢させ過ぎたわね。次からは贅沢させないわよ」
桜壱「...」
霞「フフ、情けないったらありゃしないわ」ガチャッ
霞「それじゃあね」バタン
桜壱「...」
桜壱「オエッ!」ビチャビチャ
桜壱「ハァハァ、寄生虫とか大丈夫だよな...吐いたし問題はないはずだよな?」
桜壱「クソッ!なんで俺がこんな目に!なぜ!」
コツッコツッ
桜壱「(また誰か来た!)」
天龍「てめーの処分が決まった」
桜壱「しょ、処分!?待ってくれ!そもそも俺が何したってんだ!」
天龍「黙れ!俺が何したダァ?お前の存在自体が迷惑なんだよ!」
天龍「けどな、ようやく俺たちの役に立てる時が来たぞ?」
桜壱「え...?」
天龍「てめーの処分は俺らの道具になることだ。何でもしてもらうぜ」ガチャッ
桜壱「ま、まて!」
天龍「へへへ、俺も結構ストレスが溜まっててな」
天龍「立て!広場に行くぞ」
桜壱「一体何をする気だ!?」
天龍「さぁ?てめーに何をするかは人によるだろ」
ーーーーーーーー
広場
ザワザワ
天龍「連れてきたぜー」
オー ワイワイ
鹿島「天龍さん、わざわざありがとうございます」
天龍「おう、礼には及ばねぇよ」
桜壱「鹿島……なぜだ…」
鹿島「...」
桜壱「鹿島...?」
鹿島「私の名前を呼ばないでください。穢らわしい」
桜壱「!?」
鹿島「謝ってください」
ソウダー アヤマレー
桜壱「す、すまなかった」
鹿島「あなたは謝り方も知らないんですか?」
鹿島「謝るっていうのは...!こうやるんですよ!」グイッ
桜壱「うっ!」ドゲザ
天龍「やるね~鹿島~」
鹿島「提督さん、私だけじゃなく皆にも謝ってください。今まで上官ヅラしてすみませんでしたって」
桜壱「鹿島、考え直してくれ...」ポロポロ
鹿島「私が本当はどんな子かなんてあなたは知りませんよね?早く謝ってください。次余計なこと言ったら死ぬより辛い目に合わせてから殺します」
桜壱「...」
桜壱「今まで...上官ヅラしてすみませんでした...」虚ろな目
ソウダー ナグラセロー
鹿島「次はぁ、私は無能で役立たずのゴミです、って言いましょうか♪」
桜壱「私は...無能で役立たずのゴミです...」
シッテルゾー イマサラカヨー
鹿島「このゴミの事を、皆さんのお好きなようにしてください」
桜壱「このゴミの事を...皆さんのお好きなようにしてください...」
鹿島「だそうですよ!皆さん!」
ワーワー イイゾー
鹿島「それじゃあ順番にこのサンドバッグの貸し出しをして行くので、ひとまず間宮から順番に回していきますね!」
間宮「ありがとうございます!新しい包丁の切れ味を試したくって!」シャキッ
桜壱「………間宮」
間宮「うーん、でも普通に切っても面白くないですよね...」
天龍「文字型に肉切り取っちまえよ!切れ味も試せるし跡も残って面白いだろ!」
間宮「いいですね!でもなんて書きましょう...」
桜壱「やめてくれ...」ブルブル
霞「クソなんていいんじゃない?書きやすいしこいつの代名詞じゃない!」
天龍「いいなそれ!」
間宮「そうしましょうか!それじゃ早速...」スッ
天龍「暴れねーように抑えといてやるよ」グッ
桜壱「クッ」
間宮「それでは...」スーッ
桜壱「くそ!くっ!」
霞「煩いわね。黙りなさい」
天龍「口に布詰め込んでやりゃいいんだけどな...服は営倉で脱がせちまったし...」
鹿島「あっ、それって紙でもいけますか?」
天龍「いけんじゃねーか?」
鹿島「それならちょうど手帳があるので...」ビリビリ
鹿島「はいっ、提督、口開けてください」グイッ
桜壱「ムグッ!?」
間宮「これで少しはマシになるからしら...それじゃ次行くわね」スーッ
桜壱「~~~!?!?」ビクビク
天龍「おー、静かになった」
霞「最初からこうすればよかったわね」
間宮「それじゃあ次...」スーッ
ーーーーーーーー
間宮「ふぅ...この包丁、すごくよく切れます!」
提督「...」
天龍「こいつ途中で気絶しちまったな」
霞「つまんない男ね。まぁ間宮さんは満足してるみたいだし、次の貸し出ししちゃってもいいかしら?」
間宮「はい!ありがとうございました♪」
鹿島「にしても綺麗な『クソ』ですね...もっと雑にしてもよかったのに」クスクス
霞「間宮さんはプロだから仕方ないわよ!けどあんたには上等すぎるわね!」キズグチバチン
桜壱「~~!?!?」
天龍「あ、起きた」ケラケラ
鹿島「それじゃあ次は七駆の皆さんの番ですよ!」
曙「やっときたわね」ニヤッ
漣「鹿島さん、マイク貸してください!」
鹿島「?どうぞ」
漣「皆さん盛り上がってますかー!」
オー ナンダナンダ?
漣「うちはなんと、皆さんにも楽しんでもらえるようにゲームを用意しました!」
漣「その名も!」
漣「ガ ソ リ ン 徒 競 走 !」
ザワザワ ナンダソレ
桜壱「ガソリン...?」
漣「はい!あなたには今から50mの徒競争を一人でしてもらいます!」
曙「もしクリアできたら解放するわ」
桜壱「ほ、ほんとなのか?」
桜壱「や、やる。やらせてくれ!」
漣「ありゃりゃ、最初から拒否権なんかないのに。なんかムカつくなー」
漣「まぁいいや、じゃあスタート地点に立ってよ」
桜壱「わ、分かった」
漣「潮っちー?準備できたー?」
潮「う、うん!ちょっと準備に手間取っちゃって!」
潮「あ、あの、これ着てください」ビチャ
桜壱「これ...俺の軍服...」
桜壱「なんで濡れて...クンクン...これガソリンか!?」
曙「ご名答。あんたにはそのコートを着た上で障害物競走をしてもらうわ。そしてあんたがスタートした時点でその服に火を付けるから」
桜壱「は...?」
潮「火だるまになった状態で50m先のゴールまでいけたらクリアです」ニコッ
桜壱「そ、そんなの無理だ」
曙「やる前から諦めてどーすんのよ!」
漣「万が一ゴールにたどり着けなかったら、向こうにいる朧っちが消化してくれるから大丈夫!」
ナガイゾー アクシロー
漣「はいはーい!それじゃあ早速やっちまいますかー!」
桜壱「ま、待って!まだ心の準備が!」
潮「スタート♪」カチッ
ボワッ
桜壱「!?く!?火!!!火が!!!」ジタバタ
漣「あのー、早くスタートしないと死にますよ?」
桜壱「うおぁぁぁぁぁ!!」ダダダ
コケロー シネー
桜壱「(ゴールが遠すぎる!身体中が痛くて走るのが辛い...!)」ダダダ
シンジマウゾー オッセェナー
桜壱「あ、あれ?身体が動かなくなって...」バタッ
オイタオレタゾ ツマンネーナ
漣「ありゃりゃ、煙吸いすぎて倒れちゃったか」
漣「朧っち、消化器お願い」
朧「はいよー」プシャァァァ
桜壱「...」
潮「フフ、黒焦げってこういうこと言うんだ」
曙「よく軍服見つけたわね」
潮「うん。あれ盗んたやつだし」
曙「うわー、あんたそんなもの盗んたの大丈夫だったの?」
潮「うん。大丈夫だったよ、なんで私こんな物盗んたんだろう?」
潮「朝起きてクローゼットを開けたらね、私が一番気に入ってるコートの場所にこれがあったの」
漣「あー、朝からクローゼット開けるなり青ざめてたのはそう言うことだったのねー」
曙「あんたがいきなりゴミ箱に軍服突っ込むから何事かと思ったわよ」ケラケラ
潮「本当にびっくりしちゃって...ごめんね?」
漣「取り乱す潮っちも新鮮だったからいいのだ!」
潮「やめてよ漣ちゃ~ん!」
ハハハ
桜壱「...」
朧「消化終わったけどこれどーすんの?」
漣「あ、おけおけ!」
漣「えー皆さん、ガソリン競走、お楽しみ頂けたでしょうか?」
マァナンダカンダ オモシロカッター
漣「鹿島さん、じゃあうちはこれで大丈夫です!」
鹿島「あら、もういいの?」
漣「はい!結構楽しめましたし!」
潮「ゴミの処分もできましたから...」
鹿島「分かったわ。それじゃあ次は空母の番でーす」
鳳翔「はーい♪」
桜壱「...」
鹿島「気絶しちゃってますけど、起こしましょうか?」
瑞鳳「大丈夫よ!私たちは一回部屋に連れて帰るから!」
鹿島「あらそうですか...こんな薄汚れてるのに大丈夫なんですか?」
鳳翔「えぇ。それじゃあ連れて行くわね」
瑞鳳「鳳翔さん、私足持つからそっちお願いしていい?」ヒョイッ
鳳翔「はーい」ヒョイッ
漣「うわー、よくあんなばっちいの触れるね...」
潮「私もあの軍服触ったし手洗っとかなくちゃ...」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
三航戦room
桜壱「う...」パチッ
鳳翔「お目覚めですか?」
桜壱「ヒッ!次はどんなふうにするんだ」ビクビク
鳳翔「落ち着いてください。そんな事しませんから」
桜壱「ほ、ほんとか...?」
鳳翔「ほんとです。それより提督、お風呂へ行きましょう。ある程度は拭きましたけど、ガソリンがなかなか落ちなくて」
桜壱「あ、あぁ...」
桜壱「(鳳翔は何もしない...よかった...)」ホッ
ーーーーーーーー
風呂
桜壱「イテテ...肌まで火がいかなかったのが救いだな...」
桜壱「...」ポロポロ
桜壱「背中の傷、こんなんじゃ一生治らないんだろうなぁ」
桜壱「リア…会いたい……死にたいな...」ボソッ
ーーーーーーーー
桜壱「あがったよ」
瑞鳳「提督ー!今日ご飯食べた?」
桜壱「瑞鳳じゃないか!お前も何もしないのか..」
瑞鳳「?瑞鳳は瑞鳳だよ?」
桜壱「よかった...よかった...」
瑞鳳「それよりご飯は食べた?もしかして食べさせてもらえなかったんじゃないかなーと思って作ってきたの!」
瑞鳳「たべりゅ?」
桜壱「ウッ...うん!」
瑞鳳「へへ、よかった。はいこれ。簡単な料理だけど」
桜壱「ご飯に味噌汁に卵焼き!十分だよ!頂きます!」ガツガツ
ーーーーーーーー
桜壱「ごちそうさま」
鳳翔「フフ、沢山食べましたね」ニコッ
桜壱「すみません。朝から何も食べれなくて...」
鳳翔「そうでしたか...。それじゃあ腹ごしらえも済んだところで、付いてきていただいてよろしいですか?」
桜壱「え?あぁ...」
瑞鳳「フフ」ニヤッ
弓道場
桜壱「弓道場か...」
桜壱「それで、俺は何をしたらいいんだ?」
瑞鳳「的になって!」
桜壱「...え?」
鳳翔「的になって下さい」
桜壱「ま、待ってくれ」
鳳翔「待ちません。別に死ぬわけじゃないんですからそれくらいいいじゃないですか?」
桜壱「だが...!」
瑞鳳「提督に拒否権とかないから」ガシッ
鳳翔「手錠つけますね」ガチャッ
桜壱「もう少し緩めてくれ…」
鳳翔「緩めたら逃げるかもしれないじゃないですか...一番きつくしときますね」ギチチ
桜壱「...」
瑞鳳「それじゃあ括り付けるから付いて来てね」
ーーーーーーーー
瑞鳳「よし、人型の的の完成!」
鳳翔「人型というか、人ですけどね」フフッ
桜壱「どうして君たちまでこんな事を...」
鳳翔「どうして?練度向上のために決まってるじゃないですか」
瑞鳳「提督は私達のための道具なんだよ?的として使って何が悪いの?」
桜壱「君たちは...こんなことをする子じゃない...絶対にだ」
瑞鳳「あっ!もしかしてお風呂入れてご飯あげたから勘違いしちゃった?」
瑞鳳「お風呂に入れたのは神聖な道場に汚い物を持ち込んだらダメだからだよ?」
鳳翔「食事は的として立ち続けるのには体力が必要だから与えただけです」
桜壱「..」
瑞鳳「鳳翔さん、食事って言うから勘違いさせちゃったんだよ。提督、あれはあなたを延命させるための『餌』なの。分かる?」
瑞鳳「あなたはもう食事なんて人並みのことをできる身分じゃないの」
桜壱「...」
鳳翔「瑞鳳ちゃん、それじゃあ練習しましょう」
瑞鳳「はーい!」
鳳翔「ん...?あなた、そこで何してるの?」
青葉「あぁ!バレちゃいましたか...」
鳳翔「ここは撮影禁止よ?」
青葉「すみませぇん...実は今朝から司令官の様子をカメラに収めてるんです」
瑞鳳「へぇ~!じゃあガソリン徒競走も!?」
青葉「もちろんです!後でDVDにして販売予定ですよ」フフフ
鳳翔「あら、私も一枚頂こうかしら?」
青葉「ぜひぜひ!あっ、鳳翔さん!もしよろしければ今回だけ撮影許可をお願いできませんか!?もし撮映を許して頂けるならDVDは無料で差し上げますから!」
瑞鳳「ほんと!?鳳翔さん、今日くらいいいでしょ?」
鳳翔「う~ん...まぁ、見られて困ることはないし...特別ですよ?」
青葉「やったー!ありがとうございます!」
瑞鳳「青葉さん、練習中は静かにね」ヒソヒソ
青葉「分かりました!」ヒソヒソ
青葉「鳳翔さんから的まで結構距離ありませんか?」ヒソヒソ
瑞鳳「28mだよ」ボソッ
青葉「へぇ~。あ、矢先は丸いんですね。狙いはどこなんですか?」ヒソヒソ
瑞鳳「実戦の練習だから、狙いは頭部とか心臓、それから局部も。とにかく一撃で殺れる所だよ」ヒソヒソ
青葉「あ、射った」
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙
瑞鳳「流石は鳳翔さん。左胸にヒットしたね」
青葉「矢先が丸いから当たっても落ちちゃいますね。どうやって成果を確認するんですか?」
瑞鳳「内出血を見れば分かるよ」
青葉「なるほど。当たった場所は色で分かるってことですね」
瑞鳳「そういうこと」
青葉「あ、鳳翔さん、司令官の口になんか詰め込んでる」
瑞鳳「煩いからじゃないかな。気が散るし」
青葉「あはは、よく見たら衝撃でおしっこ漏らしてますよ」
瑞鳳「神聖な道場を穢すなんて...」
青葉「お、二射目...」
パァン
青葉「おデコに当たったのかな?結構エグい音なりましたね...」
瑞鳳「矢先はゴムだからね。肌に触れたからあんな音が出たのかな...」
青葉「うわー、額が割れて血が出てる」パシャッ
瑞鳳「録画もしてるのに写真まで撮るの?」
青葉「はい!映像は皆さんに販売する分で、写真は私だけのコレクションです!」
瑞鳳「ふぅん...結構撮ったの?」
青葉「そうですねぇ...司令官がゴミ食べさせられてる所とか間宮さんに切られてる所とかは面白すぎて何枚も撮りましたよ」
瑞鳳「それ私も見たい!後で見せて!」
青葉「も~特別ですよ?」
鳳翔「シッ」
青葉瑞鳳「!」ビクッ
瑞鳳「青葉さんのせいですよ!」ヒソヒソ
青葉「すみません!けど瑞鳳さんもノリノリだったじゃないですか!」ヒソヒソ
青葉「あ、三射目」
ドンッ
瑞鳳「鎖骨のあたりかな...折れたねあれは」
青葉「司令官白目向いてますよ」ケラケラ
鳳翔「ふぅ、瑞鳳、代わる?」
瑞鳳「もういいんですか?」
鳳翔「賑やかな声と面白そうな話が聞こえてくるせいで集中できなくって」ニコニコ
青葉「す、すみません...」
瑞鳳「それじゃ射ってくるね!」
ーーーーーーーー
青葉「瑞鳳さんが弓道してるの、初めて見ます...」
鳳翔「瑞鳳ちゃんは軽空母の中でも一二を争う実力ですよ。とても上手なんです」
青葉「へぇ~。あ、射った」
鳳翔「少しズレましたね」
青葉「どこを狙ってたんでしょうか?」
鳳翔「急所じゃないでしょうか」
青葉「ひえー!結構エグいとこ狙いますね!」
鳳翔「確実にやりに行くのが瑞鳳ちゃんですから...」
青葉「あれ?また外しましたね」
鳳翔「おかしいですね...」
ーーーーーーーー
瑞鳳「(どうしてだろう...狙いが定まらない...)」
瑞鳳「(いくら当てようとしても手が震えて...)」シュパッ
瑞鳳「(また外した!?ありえない!!)」ムカッ
瑞鳳「次こそは...!」グググ
瑞鳳「ッ!」シュパッ
瑞鳳「~~~!!!」
ーーーーーーーー
青葉「全て外しちゃいましたね...」
鳳翔「様子がおかしいです。どうしたのかしら」
鳳翔「瑞鳳ちゃん、どうかしたの?」
瑞鳳「おかしいんです...いくら狙っても当たらなくて...手が震えるんです...」
鳳翔「...瑞鳳ちゃんもだったのね」
瑞鳳「『も』って、鳳翔さんもだったんですか?」
鳳翔「実はね...」
青葉「どういうことですか?」
鳳翔「なんていうか、上手く言えないんですけど...」
瑞鳳「ここだ!って思って弦を離したら、その瞬間に手がズレるっていうか...」
鳳翔「とにかく狙いが定まらないんです...」
青葉「不思議なこともあるんですね...」
瑞鳳「なんだか興醒めしちゃったし返そっか!」
鳳翔「そうね。集中できない的なんていらないし...」
青葉「それじゃあ私が返しておきますね!」
鳳翔「あら、いいんですか?」
青葉「はい!丁度司令官に取材したいことがあったので!」
瑞鳳「じゃあよろしくね!」
青葉「はーい」
ーーーーーーーー
青葉「手錠外しますよー」カチャカチャ
桜壱「ムグゥ!」
青葉「あぁ、口のも外しますよ。はいっ」
桜壱「プハッ!青葉!折れてる!骨折れてるから治療を!」
青葉「別に骨くらい折れてたって死にませんから!はい行きますよ!」グイッ
青葉「あっ」ティン
桜壱「ど、どうしたんだ」ビクビク
青葉「もし青葉の取材を受けてくれるなら応急処置くらいはしてあげてもいいですよ?」
桜壱「取材...?分かった...痛くてたまらないんだ...早く頼む...」
青葉「よーし!じゃあ営倉へ行きましょうか!」
桜壱「?なんで営倉に行くんだ!」
青葉「え?司令官の部屋は営倉に代わったんですよ?今は貸し出し中だから外に出れてますけど、普段は営倉に住んでもらう手はずです」
桜壱「そ、そんな...」
ーーーーーーーー
営倉
霞「あら、もうここへ戻すの?」
青葉「あっ!霞ちゃん。門番やってるんですか?」
霞「えぇ。そのゴミが逃げ出さないように見張ることになってね。手間かけさせんじゃないわよ」キッ
桜壱「ッ!」ビクッ
青葉「それじゃ今から取材をするので開けて頂いていいですか?」
霞「はいはい」カチャカチャ
ギーッ
青葉「ありがとうございます!」
ガチャン
ーーーーーーーー
桜壱「あ、青葉。早速治療を頼む」
青葉「それは取材が終わってからですよ?」
桜壱「え!?」
青葉「嫌なら帰りますけど...」
桜壱「い、嫌じゃない。大丈夫だ」
青葉「ですよね」ニコッ
青葉「それじゃカメラ回していきますね」
桜壱「あ、あぁ」
青葉「3...2...1...」ヒョイッ
プラカード「配属地と階級をどうぞ」
桜壱「ト、トラック泊地勤務で、階級は一応…少将です」
プラカード「家族構成は?」
桜壱「家族...家族はいません…けど…親代わりの大将が一人」
プラカード「どうして?」
桜壱「言いたくありません...」
青葉「は?」
桜壱「!?」ビクッ
プラカード「治療しないでいいんですね」
桜壱「わ、分かった!言うから...」
桜壱「俺の家族は…知らないんです…」
青葉「ほう...」
プラカード「知らないとは?」
桜壱「俺は…船旅をしていたらしく…沈没し…1人で生き残っていた。」
プラカード「何故あなただけ生き残ったんですか?」
桜壱「親に守られ…奇跡的に生き残った。その後は大将に助けられ…」
プラカード「恋人は?」
桜壱「恋人は...居ないです...いやでした」
プラカード「でした?」
桜壱「……俺は、一度大将に助けられた時に…深海の攻撃で離れたんだ。その時に戦っていたのは榛名だったかな…」
プラカード「実は今榛名さんがここにいます!」
桜壱「えっ!?」
榛名「こんにちは♪」
桜壱「は、榛名?」
榛名「あ、触らないでください」
桜壱「...?」
榛名「今日はお話があってきただけですから♪」
榛名「まずこのこれ」スッ
榛名「青葉さん、これゴミ箱に捨てといてください」ニコッ
桜壱「...」
榛名「次に提督の左手人差し指を...」スッ
桜壱「え?」
ボキッ
桜壱「~~~!!!」
榛名「指が一本折れたくらいで大げさなんですよ!」ドカッ
桜壱「ツッ…」ジタバタ
榛名「このっ!」ドカッ
榛名「イライラするから提督を蹴ればけるほどッ!」ゲシッ
榛名「もっとイライラします!」バキッ
青葉「榛名さん!ストップストップ!それ以上やったら死んじゃいますよ!」
榛名「こんな粗大ゴミみたいな男、死んでも問題ありません」フンッ
榛名「それじゃあ私は部屋に戻りますね♪」
青葉「あ、撮影のご協力ありがとうございました!」
榛名「礼には及びません♪」
桜壱「あ、青葉...」フルフル
青葉「あ、治療するって言ったの嘘ですから。それじゃ」
桜壱「な!待ってくれ!せめて鎮痛剤だけでも渡してくれないか!青葉!青葉!」
ーーーーーーーー
夜
桜壱「うぅ...痛すぎて眠れない...腹も減った...食事も瑞鳳の料理を食べたきりだし...」
霞「さっきからブツブツブツブツ煩いわね!」
桜壱「少なくとも2箇所も骨折してるんだから当たり前だろ」
霞「はぁ?あんた何やその態度」
桜壱「(くっ!)」
桜壱「す、すまない。もう喋らないから許してくれ...」
霞「いいわ、そんなに痛いなら私が直してあげるから待ってなさい」
ーーーーーーーー
霞「戻ったわよ」
桜壱「そ、それは?」
霞「冷水と焼きごて。それに包丁よ。今日間宮さんが使ってたのを借りたの」
桜壱「は?何をするつもりだ?霞!やめてくれ」
霞「あんたが痛い痛いって喚くから治してやんなよ!ほら指出しなさい!」グイッ
桜壱「やめてくれ!助けて!誰か助けてくれ!」バタバタ
霞「暴れんじゃないわよ!」バキッ
霞「暴れて刃がズレたらもっと痛いわよ?」
桜壱「...」
霞「よし。じゃあその水に指を漬けなさい」
桜壱「分かった...」
10分後
桜壱「痛みが引いてきた...感覚がなくなったのかな...」
霞「あらそう。じゃあやるわよ」
桜壱「も、もう痛みは引いたから大丈夫だ。やめてくれ」
霞「どうせまた痛くなるわよ。そこに指置きなさい」
桜壱「ほんとにやるのか...?」
霞「当たり前じゃない」
霞「行くわよ。右手でしっかり押さえときなさい」
ザクッ ゴリッ
桜壱「ぐっ...意外と痛くは...」クタッ
ジュゥゥゥゥ
桜壱「アアァァァァァァァ!!!!!!」
霞「うっさいわね!」
桜壱「なっ何をぉ!?!あづい!」
霞「止血には血管を焼くのが一番手っ取り早いのよ」
桜壱「血、血は止まった...」ハァハァ
霞「もう大丈夫でしょ。次騒いだら殺すから」
ガチャン
桜壱「(火傷の痛みが酷すぎて寝れないのは変わらないが...あのままじゃ治らない骨折の痛みに比べたらマシなんだろうな...ハハハ...)」ポロポロ
ーーーーーーーー
バキッ
桜壱「ッ!?」
天龍「起きろ、朝だ」
桜壱「いきなり蹴り起こさなくても...」
天龍「へへ、水のがお好みだったか?」
桜壱「...」
天龍「まぁいいや。今日だけだよ、まだまだてめーの事を借りたいってやつがゴロゴロいんだ。まず間宮さんのとこ行ってこい」
桜壱「ま、間宮さん?」
天龍「へへ、昨日のことがあるから相当びびってんな」ケラケラ
天龍「ま、お前に拒否権なんかねーからさっさと行け。遅れたりしたら大変だぞー?」ガチャッ
桜壱「わ、分かった...」
ーーーーーーーー
間宮「やっと来た...」ハァ
桜壱「お、遅れてすまない!」
間宮「朝食の準備があるので奥の部屋で待っててください」スタスタ
桜壱「分かった...」
桜壱「...」チョコン
桜壱「(今度は何をされるんだろうか...いっそ包丁を奪って潔く自決するか?)」
桜壱「(いや、リアの約束がある。まだ早まっちゃダメだ)」
パタパタ
桜壱「(来たか...)」
間宮「それじゃ洗い場に来てください」
桜壱「あぁ...」
ーーーーーーーー
間宮「これ、提督の血ですよね?今朝起きたらベトベトの包丁がここに置かれてて...」
桜壱「(これ、昨日霞が使った...!)」ブルッ
間宮「お気に入りの包丁だったのに。錆びて使い物にならなくなったらどうするんですか?」
桜壱「ど、どうするって...洗うから許してくれないか...」
間宮「洗うのは当然です。早く洗ってください」
桜壱「分かった...」
ジャーッ
桜壱「(クッ!血の匂いを嗅ぐと昨日の夜を思い出す...)」プルプル
間宮「...」ジーッ
キュッ
桜壱「綺麗になったよ...錆びも付いてない」
間宮「切れ味は変わってないかしら...」スッ
桜壱「ヒッ!」ビクッ
ストン
間宮「うん、こんなに大きいかぼちゃでもスッと切れちゃいますね!」
桜壱「(よかった...)」ホッ
間宮「でも」
桜壱「!?」ビクッ
間宮「お肉がちゃんと切れるかは分かりませんし...」
間宮「かといって手頃なお肉が周りにありませんし...」
桜壱「やめてくれ」
間宮「あっ」ポン
桜壱「やめてくれ...」
間宮「丁度いいのがここにありましたね」ニコッ
桜壱「やめてくれ……頼む」
ガシッ
桜…「へ?」ジタバタ
間宮「あら伊良湖ちゃん、ありがとう♪」
伊良湖「抜け駆けはダメですよ!私も混ぜてください!」
間宮「フフ、ごめんなさい」
間宮「それじゃあ...どこを切られたいですか?」
桜壱「お願いします!それだけは勘弁してください!」
間宮「ここなんてどうかしら」スッ
桜壱「何でもする。だからどうか...どうか...」
伊良湖「ん?」
間宮「今何でもするっていいましたよね?」
桜壱「い、痛い事じゃなければ何でもだ」ビクビク
伊良湖「ふーん...じゃあ私の料理の試作品食べてくれませんか?」
桜壱「(料理...瑞鳳の時みたいに意外とまともな飯が出る可能性もある...昨日1食食べたきりだし、ここは賭けるしか...)」
桜壱「分かった」
伊良湖「それじゃあ持ってくるので奥の部屋で待っててください」ニヤッ
ーーーーーーーー
桜壱「(一体どんなものを食わされるんだろう...)」
伊良湖「はい、お待たせしました」コトッ
桜壱「これは、きのこ料理...?」ホッ
伊良湖「はい。ご飯とお味噌汁も付けてますから。どうぞ召し上がってください」
桜壱「美味そうだ...頂きます」
伊良湖「食堂の新メニューに加えるかどうか間宮さんと協議中なんです」
桜壱「(皆にも出すつもりのメニューなら安心だな...)」
伊良湖「ただ、それこの島に生えてたキノコで毒があるかもしれないんですよね」
桜壱「!?」
間宮「何しろ図鑑にも載っていない新種のようで...」
伊良湖「何か体に異常はありませんか?」
桜壱「~~!!」
間宮「もしかして喋れなくなってます?」
桜壱「カヒュッ...喉が...」ゼーゼー
桜壱「苦し...」パタッ
伊良湖「ありゃりゃ、一応医務室に連れて行きましょうか」
ーーーーーーーー
医務室
間宮「明石ちゃん、どう?」
明石「一応胃の洗浄は終わらせました。麻痺の症状は続いているようですが、命に別状はないかと」
伊良湖「よかった~!まだまだ食べて欲しい材料がありますから!」
明石「あはは...」
間宮「それじゃあ明石ちゃん、それの目が覚めたら次の予約を確認して行くように伝えてもらえる?」
明石「わかりました。伝えておきます。」
明石「(提督...どうして私は何も出来ないんだろう...)」
明石「(私はずっと提督のことをみてきたのに、少しでも距離を縮められたらと思ってとにかく話を合わせた)」
明石「(そしたらこのようなことに…彼は、幸せになれないの?)」
明石「(提督…私には分かりません...たった2日で全身打撲に火傷、骨折に指の欠損...毒による麻痺まで...)」
明石「このままじゃほんとに死んじゃいますよ...」ボソッ
桜壱「ぅ...」
明石「提督!?」
明石「提督!起きてください!」
桜壱「あ...かし...?」
明石「はい、明石です!」
桜壱「ごめん...なんだか意識がボーッとしてよくわからないんだ...」
明石「きっと毒のせいです…」
桜壱「次のとこ...行かなくちゃ...殺されちゃう...」フラッ
明石は俺の育ての親…大将の部下だ。…許せれる1人だ
明石「...次は七駆の皆さんのところです...」
桜壱「七駆だな。分かった」フラフラ
明石「(提督...)」
ーーーーーーーー
部屋の前
桜壱「...」
曙「そんなとこでなに突っ立ってんのよ」
桜壱「曙か...なんて声かけて入ったらいいのかわからなくて...」
曙「フン、ほんと無能ね」ガチャッ
曙「入りなさい」スッ
桜壱「お邪魔します...」
漣「おー、やっと来たー」
潮「...」
曙「今日呼んだ理由だけど、あんた潮の事いやらしい目で見てたでしょ?」
桜…「え?」
朧「潮は大人しい子だからずっと言えなかったけど、この前勇気を出して相談してくれたの」
漣「そーゆーわけで、お仕置きの時間でーす!」
朧「提督のそういうところ、嫌いなので」ガシッ
桜壱「フフ」
曙「は?なに笑ってんのよ」
桜壱「アハハ!もうどうでもいいよ!どうにでもしてくれ!」
潮「ッ!」バキッ
桜壱「ぐっ...」
潮「どうしてあんたがここに入ったのか納得しません!」
潮「きっと私のことを襲うためですよね?」
桜壱「そんな事してないよ...」
潮「じゃあなんなんですか!」バキッ
潮「あんたみたいなのか入って!!」バキッ
潮「それでいてあなたを傷つけたら痛くなる!」バキッ
潮「今も!」バキッ
潮「今もぉぉぉ!」バキッ
曙「潮、ストップ」
漣「完全に飛んじゃってるよ。もう聞こえてない」
潮「うぅ...」ポロポロ
漣「あちゃー、鼻血で床が...」
曙「潮の手も汚れちゃったね。手貸しなさい。拭いてあげる」フキフキ
潮「あ、ありがとう」
朧「これどうする?」
漣「廊下に捨てとけば?」ガチャッ
朧「そうしよっか」ポイッ
ドサッ
ーーーーーーーー
桜壱「う...」パチッ
明石「お目覚めですか?」
桜壱「あぁ...」
明石「鼻と頬が骨折してますから、触らないようにしてくださいね...」
桜壱「まさか治療してくれたのか?」
明石「えぇ...まぁ...」
桜壱「あ、明石!頼む、助けてくれ!」
桜壱「大本営へ連絡を入れてくれるだけでもいいんだ!」
明石「それはできません...」
桜壱「な、なんでだ...?」
明石「それは...」
明石「(……大将がなんとかしてくれます)」
明石「それより次の場所へ急いでください。蒼龍さん達のところです」
桜壱「蒼龍か...拒否権は...ないんだよな...」
ーーーーーーーー
工廠
桜壱「明石に言われて工廠へ来たが、あの二人はどこにいるんだろう」スタスタ
蒼龍「あっ!いたいた!」
飛龍「久しぶりだね!提督!」
桜壱「あ、あぁ」
蒼龍「今日なんだけどね?提督って私達の所有物でしょ?」
飛龍「だから名前書いといた方がいいかなーって思って」
桜壱「拒否権はないんだろ?どうぞ」スッ
蒼龍「...」ムッ
飛龍「なんかそんなにあっさり承諾されるとなぁ~」
桜壱「もう散々傷だらけにされたんだ。慣れたよ」
蒼龍「ふーん、慣れたんだ」
桜壱「え?ま、まぁ...」
蒼龍「じゃあ多少の事じゃ動じないよねっ...!」ガシッ
蒼龍「飛龍!予定変更!」
飛龍「ガッテン!」
飛龍「さーて、なにしちゃおっかなぁ~」ワキワキ
飛龍「やるならまだ何もされてない所がいいよねぇ...」
蒼龍「割と満遍なくされてる感はあるよねぇ。足折っちゃうと移動させるの大変になるし...」
桜壱「お、俺が悪かった!もう二度と生意気な態度はとらないから!」
桜壱「そ、そうだ!爪剥がしなんてどうだ!?まだされてないぞ!?」
飛龍「指切られてる人にそんなことやってもなぁ...」
飛龍「あ」
蒼龍「どうしたの?」
飛龍「ここは盲点だったかも...」
桜壱「お、俺の顔になんか付いてるのか?」
飛龍「顔っていうかさ」
飛龍「目」
桜壱「目?」
蒼龍「言われてみれば誰も潰してなかったね!」
飛龍「でも普通に潰すんじゃ面白くないよねぇ...」
桜壱「……」フラッシュバック
飛龍「うーん、そうだ!くり抜いて保存しとこう!」
蒼龍「いいねぇ!そのあとどっかに飾っちゃう!?」
飛龍「じゃーん!」
桜壱「あ...」
飛龍「へへ、覚えてる?これ、蒼龍がまだ着任してなかった頃、一人じゃ寂しいだろって提督がくれたやつ!」
桜壱「はは、懐かしいな...去年のクリスマスだっけ…なんで…そっちに行ったんだろうな…」ポロポロ
蒼龍「飛龍~早くしてよ~!手が疲れちゃうからぁ!」
飛龍「あぁごめんごめん!それじゃあいくよ?」
桜壱「ッ!」グッ
飛龍「こらこら!目瞑ったらダメだって!これじゃあ取れないから!」グググ
飛龍「なーんてね。こういうこともあろうかとスプーンを持ってきてたのだ!」スッ
蒼龍「さっすが飛龍!準備がいいね!」
飛龍「へへへ、それじゃ今度こそ」グリッ
桜壱「うわぁぁぁぁぁ!!」
飛龍「まだスプーン入れただけだから!そんな怖がらないで!それ!」
グリッ
桜壱「い゙だい゙!い゙だい゙!だずげでぐれ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙!」
飛龍「そぉれ!」グリュッ
桜壱「あぁぁ!?!?見えない!!!右目が見えない!!!」
蒼龍「右目抜かれたんだから当たり前じゃん」ケラケラ
桜壱「~~~!?」バタッ
飛龍「まーた気絶した。まぁいいや!」
蒼龍「このトナカイの鼻に付けるんだっけ?」
飛龍「うん」ブチッ
飛龍「ここに縫い付けてと...」
蒼龍「アハハ!やめてよ飛龍!似合ってなさすぎだから!」ゲラゲラ
飛龍「どうせだから食堂に飾っちゃうね!」
蒼龍「いいねそれ!絶対皆笑っちゃうよ」ケラケラ
明石「あのー」
飛龍「あ、明石さん。どうしたの?」
明石「もう提督回収しちゃってもいいですか?次の予約もあるので...」
蒼龍「うん!すっごく楽しかったよ!ありがとね!」
明石「いえいえ...」ドンビキ
ーーーーーーーー
医務室
明石「(流石に目をくり抜かれた時の処置なんてわからないよぉ...)」
明石「(これを使うしかないのかな...)」スッ
明石「(いや、これを使うのは最後の手段...提督はまだ死ぬって決まったわけじゃないもの...)」スッ
桜壱「ッ!?」
明石「て、提督!大丈夫ですか!?」
桜壱「大丈夫なわけないだろう...痛みがひどいと気絶してても意識が戻るんだな...」
明石「す、すみません...」
桜壱「謝るくらいなら治療をして欲しいんだけどな...」
明石「流石にそんな傷の治療は分からなくて...」
桜壱「まぁいいさ。この調子だともうすぐにでも殺されそうだ。今更治療した所で...」
明石「そ、そんなことありません!提督はまだ死ぬって決まったわけじゃ...!」
桜壱「もういいんだ...それより明石、次は誰なんだ?」
明石「次は...金剛姉妹です...」
提督「榛名も一緒なのかな...分かった...」フラフラ
明石「ッ!」ポロポロ
明石「(提督、すみません。例え命令に背いたとしても、やっぱりあなたを死なせたくありません...!)」
明石「(今ならまだ間に合う...)」ガチャッ
明石「もしもし、大将でしょうか。実は...」
ーーーーーーーー
金剛「やっと来マシタカ」
榛名「本当にあなたはノロマですね」ジトッ
比叡「ひえー、その目どうしたんですか!」
霧島「まぁまぁ、折角のティータイムなんですから今はいいじゃないですか」
霧島「あっ、提督もどうぞ」
桜壱「いや、俺は...」
金剛「霧島の誘いを断るんデスカ?」
桜壱「そ、そんなことは...じゃあスコーンを一つ...」
ザシュッ
桜壱「え...!?」
榛名「誰もスコーンを食べていいなんて言ってませんよね?」
比叡「あーあ、フォークをそんなことに使ったらダメでしょ!」
榛名「ご、ごめんなさいお姉様!つい...」
金剛「もー、提督の手を突き刺すなんて乱暴デスヨ?」
霧島「テーブル下まで貫通してますし...」
桜壱「ぬ、抜いてくれ。頼む。」ガタガタ
金剛「うーん。抜いたら血が止まらなくなりマスヨ?」
比叡「落ち着いて紅茶でも飲みましょうよ。はいこれ」コトッ
桜壱「そんな...」
霧島「折角ですから飲んでください」
桜壱「うぅ...頂きます...」
比叡「アハハ!右手が塞がってる上に左手も指が欠けてるから不格好ですね!」
金剛「絵面が間抜けデス!」ケラケラ
霧島「榛名お姉様がこんな男を助けていたなんで...」ニヤニヤ
ガタン
比叡「き、霧島!」
金剛「それはタブーデス!」シーッ
榛名「...」スタスタ
榛名は勢いよく立ち上がると、提督の右手に刺さったフォークを勢いよく抜き、言った。
榛名「金剛お姉様、この男、少し連れて行きますね」
これまでの温厚な榛名から想像できないほど冷酷な顔をした妹に、金剛は首を縦に振ることしかできなかった。
ーーーーーーーー
突如司令室から流された臨時放送によって、広場には大勢の艦娘が集まっていた。
提督が皆の憩いの場になればと私費で増設した広場は、思いもよらぬ方法で使われようとしていた。
「提督、覚悟はいいですか?」
広場中央、本来であればライブを行ったり、レクリエーションを行うステージに提督はいた。
「なんだあれ?」
「フフ、魔女狩りみたいね~」
艦娘の好奇の視線の先にいたのは、太い丸太に括り付けられた提督だった。提督の足元には沢山の木材が敷き詰められ、ほのかにガソリンの香りが辺りを漂っていた。
「司令官!最後に言い残したいことはありますか!?」
これまでの扱いとは違う。今回行われるのは処刑なんだと気づいた青葉は、カメラを回しながら矢継ぎ早に最後の言葉を求める。
「青葉...」
目に涙を溜めた提督は、最後の言葉をカメラに向かって伝えた。
「もしこの映像を見る人がいたら、伝えて欲しいことがあります...」
「どうかこの映像を元帥殿と大将へ届けてください...」
「元帥殿…大将…見ておられますか?私は今、艦娘に殺されようとしています」
「しかし、これだけは伝えておきたい」
「彼女達は悪くない…何が裏があるはずです……」
「だからどうか...」
「彼女達を処罰しないでください...」
最後の言葉を言い終えるとほぼ同時に、ガソリンで作られた導火線に火がともされた。
火は10m、5mと提督に近づいてゆき、提督の元まであと数mとなろうとした時...
憲兵「何をしている!」消化
桜壱「…憲兵……」気を失う
そこからは覚えていない…後から聞いた話、中将が裏で俺のことを酷いやつや君達を潰すような男とないことを吹き込まれていたらしい…俺は逆に助けるために動いていたことを後から知り…謝りたい人…絶望し解体をした人…中将の言葉を未だ信じ、俺を殺そうとするものと別れた…その後は…復帰し…名前を変え……今の地位を手にした…そして今、もう一度提督として表の世界に出た。
続く
次回予告
第壱拾壱話 絶望