最凶の一族の長男はとりあえず自由に生きてみようとする   作:〇〇総統

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セルマックス欲しい言っておいて引きすぎて3凸したバカだよ。俺は。

暑くて暑くてやる事なす事やる気が起きん……


ターレスVSターレス

ターレスに異変が生じる前の出来事……

 

戦闘中のターレスにはある考えがあった。

 

[戦闘中に考え事とは随分余裕みたいじゃねぇか!!]

 

相手から煽るような声が聞こえるが、ターレスは至って冷静だった。

 

(……傲慢で粗暴、やはり俺か)

 

(ターレス)が攻め込んできた時、初めに浮かんだ考えはコイツだけは俺が倒さねばならない。という事だけだった。

 

それは、俺の直感なのか、それとも運命による第六感のような感覚か。

 

最初に見たそいつの仕草、格好、そしてオーラ。全てが俺だった。

 

そして同時にわかったのだ。コイツは俺であると同時に、今の俺とは違う道を歩んだ俺なのだと。

 

あの日…あの場で無力に打ちひしがれる俺とは決定的に違う俺。

 

自身が成功者だと言わんばかりの自信に満ち溢れた顔。

 

気に入らねぇ……

 

「波ァ!!!」

[あぶねっ!]

 

不意を付いて頭を狙ってみたが、反応速度が桁違いだ。すぐに避けられた。

 

俺の意地っ張りでタイマン張っているがハッキリ言わせて貰う。相性不利どころじゃない。実力が完全に突き放されている。それも現在進行形でだ。

 

俺達サイヤ人は闘う度に戦闘力が増す…だが、それは相手も同じだ。俺が殴れば、アイツを痛めつければ痛めつける程俺に不利な状況になっていく。

 

それだけじゃない。アイツは神精樹の実をまるで軽食のように食っていやがる。それによって俺との差は更に広がる。

 

今も互角のように殴りあってはいるが、アイツはある程度余裕を保っている。だが俺は威力が強まるアイツの拳に身体が適応出来なくなってきていた。

 

今出来ることは余裕だとアピールする事と、それをアイツに悟られないようにするだけだ。

 

殴って、殴って、殴られ、撃たれ。

 

殴られ、殴って、殴られ、撃ち、押し負ける。

 

拳を交える度に、戦力差が開く。

 

[どうしたどうした!力が入らなくなってるぜ!?]

「ぐっ……へっ、なぁに…心配すんな、すぐに元通りになる」

 

ターレスが軽口を叩くが、相手はそれを痩せ我慢だと見抜いているのか、徐々に力が強くなっていき、その攻撃は遂に自身でも無視できないほどの威力にまで上がっていく。

 

[隙あり!]

「何っ……!?」

 

別世界のターレスが思い切り腕を振りかぶり、ターレスはガードをするが、いつまでも衝撃がやってこない。

 

「しまっ……」

[あばよぉ!!]

 

嵌められた。フェイントをかけられたと気がついた時には遅く、ノーマークだった背中を狙われ軽くない攻撃が入る。ミシッ……と嫌な音が聞こえ、そのまま飛ばされた。

 

[そらよ!!]

 

立て続けに攻撃され、背後からの攻撃、回り込まれてそのまま受けが回らなくなった前からの鳩尾を狙った1発のパンチがクリーンヒットし、そのまま受け流せなかった威力が全身を余すことなく駆け巡る。

 

「ガハッ……!?」

 

そして、クレーターを作りながら岩場に叩きつけられたターレス。口から血を溢れさせターレスの脳裏には今までの出来事が浮かび上がる。走馬灯のようなものだろうか。

 

[フフフ…これで終わりか?この世界の俺]

 

別世界のターレスが余裕を持った表情で近づいて来る。

 

[ほら、取れよ。今ならまださっきまでの事は水に流してやるぜ?]

 

神精樹の実をチラつかせながらまだ勧誘を続けるターレスに心の中で舌打ちをした。

 

(クソ…ここまでか……)

 

諦めるつもりは無いが、かと言ってこれ以上抵抗する方法も無い。

 

(………これは出来れば使いたくはなかったが)

 

取り出したのは1錠の小さな錠剤カプセル。これは言わば本当の意味での最終手段。

 

ターレスの脳裏である記憶が浮かんだ。

 


 

それは、惑星ベジータから逃げ、トスカーに完膚なきまでにやられた後、救助されしばらく経ったある日の事だ。

 

『何?神精樹の実をそのまま使いたい?』

『あぁ、俺はサイヤ人だからな。他の奴らより恩恵は多いはずだ』

 

トスカーが神精樹の実験室で作業をしている時にターレスはそのような事を言った。

 

だが、トスカーは難しい顔で顰め面をして答えを言う。

 

『普通に考えたらな。だが、その考えならお前はサイヤ人の個性を失うことにもなる』

『何?』

『簡単な説明をしよう』

 

神精樹の実は食した者の力を上げるがそれと同時に定期的に摂取せねばならない麻薬に近い効果がある。

 

そして、自前の潜在能力が神精樹の力によって制限されてしまう。

 

つまり、ターレスが戦闘する度に強くなるサイヤ人の個性が、神精樹の実を摂取することにより、食べ始めのまだ潜在能力の底が知れない今は良くても、長期スパンで見ると戦っても戦っても戦闘力が上がらなくなってしまう。星を犠牲にして神精樹の実に頼りながらの強さにしかならなくなってしまうのだ。それはあまりにも非効率すぎる。

 

『つまり、お前がこれを食えば今はこれまで以上の伸び代があるが、そのうち本来更にある筈だった底が早くに設定されてしまうんだよ』

『そうか……』

 

ターレスにしては分かりやすく落ち込んだ返事をする。トスカーは溜息をついてターレスの肩を叩く。

 

『お前が俺を殺したい程憎んでるのは分かっているが、そこまで残念がるな……ったく』

『うるせぇ』

『反骨心があるのはいいが、反骨心しかないのもそれはそれで考えもんだなぁ…』

 

トスカーが『こーれは見せてもいいものか?』と少し悩んでから『…よし!』と言ってスカウターに連絡した。

 

『少し用事が出来た。行き先を惑星トスカーNo.14から…レジョリン星に変更しろ』

 

………

 

……

 

 

 

レジョリン星

通称"宗教惑星"と言われているこの星に住む住民達はありとあらゆる信仰の発信、または行き着く場所と言われている。神と呼ばれているものの接点が多いと聞くが、詳細は定かではない。

 

レジョリン星と言われた所に着くと、そこは最先端の場所…というようなところではなく、その星の人々は生活で便利な機械などを使ってはいなかった。

 

だが、食事や様々なことにおいて何かに祈っているのは確認出来た。

 

『おい、こんなところで何するんだ』

『いいから着いて来い』

 

そして、今トスカーとターレス2人だけがレジョリン星のある場所に向かっていた。

 

飛んでからしばらくすると、この星にふさわしくない機器が揃った場所に着いた。

 

『ここには俺が本当に信用するに値する科学者しかいない。科学者以外で知っているのはラゴンと、今知ったお前だけだ』

 

そう言って中に入る。中にいたのはそれぞれ別の惑星から来たであろう異星人達が少数いた。

 

『と、トスカー様!』

『お待ちしておりました』

『やぁキリトス。ドゥーヒン、進捗はどうだい?』

 

その中からキリトスと言われたレジョリン星人は淡々と話す。

 

『例の物はまだ成功例はひとつだけ、量産は…非常に難しいとしか…』

 

ドゥーヒンと言われたレジョリン星人は奥の厳重に保管されていた物体を取り出す。

 

煙が出て、中から少量の液体が入った試験管が出てきた。

 

『これが、我々をもってしても限界でした…』

『………いや、これでも十分だ。よく頑張った。加工を頼む』

 

トスカーが褒めたそれがターレスには分からなかったのでトスカーに聞くことにした。

 

『なぁ、あれはなんだ?』

『あれか?端的に言えば神精樹の真の効果を凝縮した物かな』

『真の効果?神精樹は食えば戦闘力が上がる物じゃないのか?』

 

ターレスがもう少し詳しく説明しろと促す。

 

『確かに、お前の言う通り神精樹の実は食えば戦闘力を上げる。その認識で間違いない。だが、仮にも"神"と付く木の実。何かあると思うだろう?』

 

そう言うが、いまいちピンと来てないターレスにトスカーはある質問をした。

 

『お前、神に会ったことあるか?』

『神だぁ?そんなもん迷信に決まってるだろ』

『一般的ならそうだろうな。だが、いるんだよ。神はな。俺もフリーザもクウラも会ってる』

 

遠い目をして言うトスカーにターレスは反論出来なかった。妙に達観しているその姿に神は本当にいると思ってしまう雰囲気がある。

 

『それじゃ、ターレス。神の雰囲気ってどんなものだと思う?』

『は?』

『正解は求めてない。お前のイメージを言ってくれ』

 

そう言われ、ターレスは己の神のイメージをした。

 

『お前ら一族より荒々しいオーラを撒き散らすか、初手から勝てない雰囲気を叩きつけて来そうだな』

『んー、成程成程』

『おい、こんな事させてなんの意味があるんだ』

 

いい加減待たされ過ぎて苛立ちが隠せないターレスにトスカーは落ち着けと声をかける。

 

『ターレス、俺達兄弟は神に会ったことがある。そう言ったな?これは本当だよ。なんなら神と対談したしな』

『…はぁ……』

『それで、神の雰囲気ってのはな…厳密に言うと()()()()()()んだよ。強い弱いとかの次元じゃない。正に計り知れないんだ』

 

トスカーが言うには、絶対に勝てないオーラがするのに、スカウターも、何も反応しない。正に解ってしまえば本能だけが漠然と危機を察知し警鈴を鳴らす。だが、それはずっとそうしていると感じる事だが、意識から外せば一般人のように自然に溶け込むような気配。不自然な程自然な気配。だから何も感じない。そう答えた。

 

つまり…そう言い話を纏めようとトスカーがパンッ!と手を叩いて結論を出す。

 

『神というのは底知れない実力を隠しているんだ。そして神精樹はその神の実力を更に増やす食べ物。戦闘力然り、自身の能力然り…な。俺はそう結論付けた』

『……』

『分からんか。まぁ俺も難解にあーだこーだ考えてるけどちぃっとも分からないしな』

 

カラカラ笑うトスカーはひとしきり笑った後真面目な雰囲気になる。

 

『今俺の軍で開発途中の改良神精樹の実。あれは言わば神の要素を取り除いたただの強くなれる木の実だ。デメリットは少しの間の身体を襲う不調。お前に言った潜在能力が制限されるような心配は無い』

『トスカー様。用意が出来ました』

『あぁ、ありがとう。それで、何故軍ではなくこの星でこの実験を行っているのか。まぁ、これは宗教惑星であるこの星だから何かわかるんじゃないかっていう繋がりからの考えだからそれしか深い意味はないんだが…まぁ話を戻すとだな』

 

話している間にキリトスが錠剤を持ってきた。

 

『何故、神精樹の実を摂取すると以降は摂取し続けなければならないのか。それは神の気をその身に宿すからだと俺は思う。突然の不純物により身体が拒否反応を起こすんだ。そして、耐えきれない者はそのまま自身の潜在能力を食い潰して神にもなれない半端者の人間として成り果てる』

『……まさか』

 

ターレスの予想にトスカーは正解だと言うように笑う。

 

『この錠剤には神精樹の神と関係あると思われる要素が抽出されてある。つまり常人なら毒と同じって訳だ』

『……なんだ?服毒自殺でもしろと?』

『いや、違う。これをお前に託す』

 

そう言って錠剤を小型カプセルに入れて手渡される。

 

『これは俺の予想なんだがな、要は身体が神の気に耐えれれば神精樹はメリットしかない物だと思う。お前はまずそれに耐えられるような身体を作って貰う』

『無茶なこと言いやがるな。今使えばお前を殺せるか?』

『いや、その前に身体が耐えきれずお前自身が崩壊するだろうよ』

 

それは残念だと今は大して期待していなかったターレスはカプセルをしまった。

 

『そもそも、こんなもん俺に渡して、成功してやられるとは思わねぇのか?』

『そうなったらそうなったでいい。そういうイレギュラーは大好きさ』

『やっぱお前イカれてるな。めちゃくちゃだ』

 


 

ターレスは痛む身体に鞭打って別世界のターレスから神精樹の実をもぎ取った。

 

[おっ、俺達の仲間になるのか!いいねぇ…サイヤ人同士仲良くしようや!]

「……いいや」

 

そんな別世界のターレスの言葉を否定し、ターレスは神精樹の実を一齧りした。

 

「これは賭けだ」

 

そして、手にある錠剤を口に放り込み、飲み込む。

 

次の瞬間、身体に発熱、吐き気、頭痛、目眩などと体調不良のオンパレードがやってきた。

 

「うっ……う゛ぐッ……!?」

(な……なんだこの感覚は!?苦しいなんてもんじゃねぇ……!体の中が、空っぽになる……!!)

 

内側から湧き上がる不快感を懸命に閉じ込め、必死に耐えるターレス。

 

「うぅぅおおぁぁぁぁああああ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」

[な、なんだ!?このパワーは!!?]

 

バチバチと赤黒い稲妻が走り、真っ赤だったり紫色になったり澄んだ青色深い緑とオーラの色が変わりながらターレスの力が急激に増えていく。

 

[クソが!好きにはやらせるかよ!]

 

別世界のターレスがまたターレスに渾身の一撃を与えようと体に目掛けて拳を振るう。

 

(…殴った手応えが、ない!?)

 

だが、自身の攻撃が効かないのか、ターレスに攻撃をしてもターレスは身動ぎ1つもせずにいた。

 

そして、ターレスにも変化が現れる。髪が徐々に伸び、腰まで届く程の長さに変わる。色鮮やかに変わっていたオーラが変わる色が少なくなって定まっていく。

 

そして変化が終わり前回の話の最後、今回の話の最初に場面は戻る。

 

「ハァ…ハッ…!」

 

ターレスは浅い息を整えながら、脳をフル稼働させる。

 

(今までより頭がクリアに感じる…全てが遅く見える…アイツの動きが止まってるように見える……!)

 

ターレスがいつもの戦闘スタイルで別世界のターレスに攻撃を仕掛ける。動作が全て終わった瞬間、別世界のターレスは何が起きたのかも分からず血を吐いた。

 

[ガハッ!?ぐっ……!!?]

「へっ…形勢逆___!?」

 

本当なら、ここで先程の仕返しとして笑ってやりたいが、ターレスは感覚で理解した。

 

(…クソ…消耗が激しい、もって10秒ってところか!?)

 

お遊びも無しで、別世界のターレスを屠る為にターレスは動き出す。

 

[舐めるなぁァ!!]

 

別世界のターレスとお互い拳が交わるが、相手が届くより先にターレスの方が圧倒的に早く攻撃が届いた。そのまま予備動作無しで次の攻撃を仕掛けて反撃の余地すらなくターレスを追い詰めていく。

 

その速さ故に逃げることも許さず、防御してもその人間離れしたパワーが防御すら許さずダイレクトにダメージを与えた。

 

遂に追い詰められた別世界のターレスは額に血管を浮かび上がらせ空高く舞い上がり、両手にエネルギーを集約させる。

 

[テメェはもう許さねぇからなぁァァ!!]

 

2人のターレスが同じ構えを取る。

 

「[カラミティブラスタァァァーーー!!!!]」

 

そして、放たれるエネルギー砲。両者のエネルギーがぶつかり合いどちらかがその奔流に呑み込まれる、はずだった。

 

ボッ__________

 

そんな音と共にターレスの今までとは比べ物にならない極太のカラミティブラスターが放たれる。拮抗はせず威力が呑み込まれ別世界のターレスは呆気を取られる。

 

[は____________]

 

困惑する声も聞こえず空高く打ち上げられた別世界のターレス。カラミティブラスターは別世界のターレスを更に空へと連れていく。

 

[ぐあああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!?]

 

今まで食べた神精樹の実の効果により前よりも強くなっていた別世界のターレスは、その肉体のせいでギリギリ生きている状態で宇宙まで飛ばされる。行き先は、意図して狙った訳ではないが魔凶星だった。

 

[うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!!]

 

魔凶星とカラミティブラスターが板挟みになり、そのままカラミティブラスターが魔凶星を掘り進める。

 

[ギャアアアアアァァァァァァァ_____________]

 

別世界のターレスが断末魔をあげながら消える。

 

やがて、エネルギーが魔凶星の中心に届き…魔凶星が大爆発を起こして消え去った。

 

空から粉々になった魔凶星の残骸が小型の隕石となって降り注ぐ。

 

「ハァ……ハァ……へ、へへ…ざまぁねぇぜ…」

 

ターレスはそう言って、自身の内側で暴れる力の奔流に耐えきれず白目を向いて気絶した。

 


 

「な、なんだあの姿は…!?」

 

ダイーズは先程のターレスの逆転劇を目の当たりにしてそう言った。ターレスはサイヤ人でサイヤ人は大猿にしか変身出来ないと聞いている。大猿とは全く違う変身で驚きが隠せない。

 

「な、何が…」

「へへ、どうやらターレス隊長は勝ったみたいでさぁ……」

「アモンド、喋るな!お前は今は救援が来るまで大人しく…」

[ふざけるなぁぁ!!]

 

突如、別世界のガーリックJrが怒鳴り始める。目を血走らせて気絶したターレスを睨みつけていた。

 

[私の魔凶星を破壊しただと!?許さん…許さんぞぉぉぉぉ!!!]

 

ガーリックJrは念を込め始める。すると周りの景色が吸い込まれるような雰囲気になる。十中八九発動者であるガーリックJrの方を見ると、彼の背にはブラックホールのようなものが出現し、周りの木々や水すらも吸い上げていた。

 

[デッドゾーンだ!!貴様ら全員あの暗黒空間の中で朽ち果てるがいい!!]

「くっ!」

 

今動けるのはダイーズのみで、エネルギー弾を発生元であるガーリックJrに撃つ。

 

[無駄だ、今の私に貴様らの攻撃は通じんぞ!!]

 

ガーリックJrはそう叫ぶ。だが攻撃が来ない。維持するのがやっとで攻撃に移れないのか、そう結論付けた。だがそれが今はありがたかった。

 

だがそう喜んでもいられない。デッドゾーンによって気絶や重症で動けないメンバーが吸い込まれようとしている。ダイーズはどうにか身体の全てを使いドーレとネイズ、そしてアモンドを吸い込まれないようにした。

 

だが、気絶しているレズンとラカセイがそのまま吸い込まれていってしまう。

 

「しまった!!」

「ンダーーーッ!!」

 

そのレズン達を動けるようになったカカオがギリギリ回収した。だが、誰も今ターレスを回収しに行ける距離ではない。ターレスがそのままデッドゾーンに吸い込まれていく。

 

その吸引力はこの場からかなり離れた場所からも吸われていた。

 

[ふははははは!!!!コイツが終わればゆっくり貴様らを殺してや_________]

 

ガーリックJrが宣言し終わる前にザシュッ!!という音と共に、ガーリックJrの視線は空を見上げていた。

 

[な、何……]

「いや、あの中に行くのはお前の方だ」

 

そう言って、宙に浮いたガーリックJrを蹴り上げ、ガーリックJrはデッドゾーンに吸引されていく。

 

[なにぃぃぃぃぃぃぃ!!?]

 

ガーリックJrが立っていた所には、別世界のクウラの奇襲を受けて行方不明になっていた筈のサウザーがボロボロの姿でそこに居た。手にはエネルギーを纏わせた手刀があった。

 

「サウザー!!」

「お前!心配かけやがって!!」

 

ドーレとネイズが歓喜の声をあげる。サウザーは直ぐにターレスの回収に向かった。

 

「さて、ここまで来てお前が死ぬのだけは避けさせて貰うぞ。それに、俺も捉えたがあの大きさのエネルギー砲について詳しく聞かせてもらうからな」

[はぁぁぁぁ!!]

 

サウザーがターレスに近づこうとするが、未だに生き残っているガーリックJrがエネルギー弾で邪魔をする。

 

[俺がここで終わるのなら、せめて1人は道連だ!!]

「そうか、やってみろ」

 

サウザーが華麗にガーリックJrの攻撃を避け、すんでのところでターレスを回収。ガーリックJrは最後まで抵抗したが、そのままサウザーを逃がしてしまう。

 

「じゃあな」

[くそおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!]

 

ガーリックJrは叫びながらデッドゾーンに吸い込まれる。そのまま、空間にヒビが入り、デッドゾーンは壊れた。

 

サウザーが、ダイーズの近くにターレスを降ろす。寝たきりのドーレとネイズがサウザーの無事を喜んだ。

 

「お前どうやって生き残った!?マジでやられたんじゃないかと思ったぞ!!」

 

サウザーが言うには、当たり所が心臓から少しズレていたらしく動けるようになるまで応急処置と隠遁していたらしい。ある程度動けるようになり、遠くでターレスが戦っていた極太のカラミティブラスターを目印にそこまで飛んで行った。そしてデッドゾーンの吸引力で加速しながらガーリックJrに一気に近づき、そのまま足を切り落とした。

 

「そういう訳だ、全く…俺が居ないだけでアイツにこれだけやられるとはな、また鍛え直しだぞ」

「……すまねぇ」

「くそー…」

 

ネイズとドーレを担いで、ダイーズがアモンドとターレス、カカオがレズンとラカセイを担いで本船に戻ろうとした時に通知が入ってきた。 

 

『ハァ…ハァ…俺だ、トスカーだ…』

 

通信はトスカーの物だった。

 

「「「「!!!?」」」」

 

更に、今までとは違いあまりにも余裕のない声で全体に緊張が走る。一言一句聞き逃さないように集中し始める。

 

『いいか、今このナメック星にいる全員に告ぐ!!今すぐ、この星から避難するんだ!!もうアイツは、スラッグは生半可な奴じゃ手に負えねぇ!!』

 

遠くからババババ!!と何かを撃つような音が聞こえる。爆発音も聞こえ、声が途切れ途切れになって聞こえる。

 

『いいか!早く逃げろ!コイツはどうにかして……!!!?______________』

 

その音声を最後に砂嵐を残して通信は終了した。

 

「聞いたか?」

「あぁ、トスカー様が危険だ」

 

ダイーズとしてはすぐにでも助けに行きたいが、今はこのような状態だ。全員足でまといにしかならないだろう。

 

「お前達は立場上助けに行きたいだろうが、今のままだといかんな」

「分かっているまずは状況整理からだ」

 

クウラ機甲戦隊とクラッシャーターレス軍団はすぐにその場から離れた。




ナメック星編の主なバトルは後3つあるから少しずつサクサクと消化していこう。引き伸ばしはイメージで補って貰えばどうにかなるだろうし。
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