最凶の一族の長男はとりあえず自由に生きてみようとする 作:〇〇総統
あとがきに今後の更新について書いときましたので続きが気になるという方はあとがきも読んでおいてください。
あたいは、戦闘の度にクウラ様に拾われた時の記憶を思い出している。
当時幼く、そして妹も死にかけだったあの時、あたい達を見つけ拾ってくれたクウラ様。今でこそ不敬だった態度に頭を抱えそうになるが、それは今はいいとして。
あたい達の出生は、恵まれたものじゃなかった。下級戦士の両親の間に生まれ、父親はあたいとおふくろを捨てて戦いに行きそのまま死んで、おふくろはあたいと、後から生まれたパプリにそもそも興味はなかった。
だから、あたいとパプリは父親が違う姉妹だった。でも、頼れる人がいないあたいと違い、あたいはあの子のお姉ちゃん。あの子を守れるのはあたいだけだった。
そしてたった一人の、あたいが唯一心を開ける事が出来る妹のパプリの他に、あたいが信用出来て、全身全霊をかけて忠誠を誓える程のご主人様。いや、親代わりと言っても過言ではないクウラ様。
今はまだ、まだまだクウラ様の部隊に本加入しては無いけど、いつかはあの人の元で、立派に役に立つ。
その為には、こんな小洒落た同族達に、遅れをとるわけにはいかない。
そう覚悟を決めていた時だった。
「少し…いいか」
突然、ラディッツが話しかけてくる。
「なんすか、つまらない要件なら無視するっすよ」
「俺に、あの真ん中のヤツと1対1をやらせてくれ」
ラディッツが指す真ん中のヤツは、カカロットやターレスと同じ髪型をしたサイヤ人だった。つまり下級戦士だ。
「……よわむし、今度は下級戦士狙いで逃げ腰になった?」
「……違う、それに俺の予想が正しければ、アイツは……」
ラディッツが何かを言おうとした時、ラディッツが指さしたサイヤ人以外の4人がこちらに飛び出してくる。
「なっ!?」
「姉ぇ、下がってて」
「ほい」
あたいはラディッツの首を掴んで後ろに下がる。パプリ1人だけで未知のサイヤ人と戦うということになるが、あたいは別になんの心配もしていない。
「ん」
バシィッ!という音と共にパプリは攻撃を受け止める。そのまま4人に囲まれ、四方八方から攻撃が来るが、パプリは冷静にそれらの攻撃を華麗に避けていく。
「な!?」
「んー?ラディッツ、パプリの戦闘見るの初めてっすか〜?」
「や、ヤツは何故あれだけ冷静に対処出来ているんだ!?未来でも見えているのか!?」
ラディッツはそうやって驚くが、あたいはその答えを笑い飛ばす。
「はは!違うっすよ。パプリはあたいらと同じサイヤ人。ま、ちょーっと体の造りは違うっすけどね」
パプリは特異体質のサイヤ人だ。突然変異ではなく、特異体質。
本来のサイヤ人は戦闘に力を入れた種族であり、そんな彼らは体を激しく動かす為、勿論エネルギーの消費は激しい。
だが、パプリは違う。パプリもサイヤ人として戦闘を行える体ではあるが、パプリ自身は戦闘のエネルギーが食ではなく、睡眠によって補っていた。
これは生まれたばかりに保育器から出された事が原因であると考えられる。パプリ自身の生存本能が食より睡眠に力を入れたことにより、このような身体を変化させた適応能力を手に入れたと後に担当した医者が発言するが、如何せんサイヤ人の絶対数が少なくこのような事例が今まで出た事がないため確証は無い。
話を戻すが、パプリはそのように他のサイヤ人と違う要素を手に入れていた。そして赤ん坊の頃の適応能力は今でも発動しており、それは戦闘時にも発揮している。
彼女がこの攻撃を受け流せているのはまさに適応能力が発動しているからである。反撃もせず避けているのは、今の状況の攻撃を体に慣らしている状態なのだ。
戦闘が長引けば長引く程対処出来なくなるサイヤ人、それがパプリだ。
「……もうわかった」
パプリがそう言うと、大男からのパンチを掠りながら避け、腹に目掛けて渾身のアッパーを繰り出す。
大男は腹を押さえて2歩3歩後ずさる。だが、戦闘中に手を止める程パプリは甘くない。そのまま大男1人だけを狙って集中攻撃を始め出した。
「お、こりゃあたいの出番っすかね〜!ラディッツ、あんたの言ってたあのサイヤ人は任せたっす〜!」
「あ!おい!!」
ラディッツが止めようとするがピーマは静止を聞かずパプリの元へ行った。
「くそっ!あの自由人共め!……だが今はありがたいかもしれん」
ラディッツが悪態を吐くが、目の前のサイヤ人に集中できるのはありがたい。もしかしたら、自分の意見を取り入れてくれたのでは…と思ったが
(いや…少し共に行動したが、そんな気遣いを俺にするような奴らじゃない。あれは完全にその場で任せられただけだな)
そんな思考を邪魔するかの如く、加勢に向かおうとしていた蟹頭のサイヤ人を止めるべくラディッツは動き出す。だが、戦闘力の差があるのか、すぐに加勢に入られてしまう。
(くそったれ!ここでも俺はお荷物か!?)
ピーマが驚いた顔をして何とか4対1で対処をしている。だが、パプリと違いピーマは純粋なサイヤ人。そこまで場に適応できる訳では無い。キャパオーバーで徐々に押され始めていた。
(俺は……サイヤ人の戦士だ……)
惑星ベジータが無くなり、肉親も辺境に飛ばされたカカロットのみ。下級戦士だとベジータ達に罵られ、それでも強くなると努力をしなかった日はない。
だが、大きな挫折を味わったのは弟であるカカロットを迎えに地球へ行き、そこで兄弟喧嘩という名の殺し合いに発展した時からだ。
地球でカカロットとナメック星人にしてやられ、その後非戦闘員であるシシトーに回収され、その非戦闘員よりも弱いと知らされたラディッツのプライドはズタズタだった。
そして、このままでは自分はただの無能となってしまうと危機感を覚えたラディッツは今回の作戦に入る為に死に物狂いで己を鍛えた。だが、それでも周りに置いていかれる始末。今も尚役に立った形跡はない。
(情けなくないのか…?)
このまま他のサイヤ人達に差をつけられていいのか?
「いい訳があるか!!俺はラディッツ!!誇り高き戦闘民族、サイヤ人の戦士だ!!」
ラディッツは己を鼓舞するように大声で叫びながら戦場へ突っ込む。
「ううううおおおおおぉぉぉおぉぉぉぉぉ!!!!」
ラディッツは蟹頭のサイヤ人にタックルを決めてそのまま地面に転がりこむ。
そのサイヤ人はすぐにピーマの方へ行こうとするが、ラディッツは必死で身体に掴みかかる。
「行かせるかぁぁぁぁぁ!!!」
ラディッツは振り落とされないようにしがみつくが、仮面のサイヤ人は振り落とそうと必死に体を動かす。ラディッツは振り落とされてもすぐに食らいつき、仮面のサイヤ人も遂にラディッツを始末するべく攻撃を開始した。
「俺だってサイヤ人だ!好きにはさせんぞ親父ぃぃぃ!!!」
「ふっ……ふっ!」
右、左、右、右、正面、下……
絶え間なく続く攻撃をピーマはいなしながら途中反撃を入れて戦闘していた。
一時期4対1になり追い詰められはしたものの、ラディッツの意地で再び持ち直せていた。
(ま、お礼言っても気味悪がられるか増長するか、だと思ってるけど)
ピーマが自分からこの3人に戦いを仕掛けたのは、パプリが1人に集中し始めたからだ。なら、パプリの戦闘が終わるまで他を通さない。妹の戦場を邪魔させない立ち回りをするだけだった。
「うわっ!?」
突如おかっぱ頭のサイヤ人が突進をし、そのままピーマは巻き込まれた。直線移動の速さが凄まじく、風圧により身体が固定され逃げ出せない。
「こ、この!離れろーー!」
そのまま壁に叩きつけられ、それでも尚勢いは止まらず更にパプリから距離が離される。
そして仮面をつけた女性のサイヤ人が行ってしまい3対1が、2対1になりパプリの方か、ラディッツに1人流されてしまった。
(あたいもまだまだ甘いっすね……)
心の中で反省し、力を右腕に集中する。
「いい加減に…………しろっっっ!!!」
思い切り顔面目掛けて拳を振る。
メキョッ…という音と共に首が90度横をむいた。
「ヤバっ…やりすぎたっすか?」
少々やりすぎたと思ったが、勢いは止まった。そしておかっぱ頭のサイヤ人が付けていた仮面がピキピキとヒビが入り、仮面の一部が砕け割れた。
被っていた人物は白目を剥いており、気絶しているように見える。
だが、突然グルン!と目の焦点がこちらを捉え、掴みかかってきた。その目は赤く光っており完全に正気が無かった。
「いぃ!?」
おかっぱ頭のサイヤ人がピーマにしがみつく。身動きが取れなくなったピーマはどうにかして抜け出そうとするがガッチリとホールドされていた。
ついてきていた髪が逆立ったサイヤ人がおかっぱ頭のサイヤ人を巻き込むようにエネルギー砲を放つ。
「あっ、やば_______________」
そのまま、2人は大爆発に巻き込まれた。
前書きで予告した今後の更新について話そうと思います。
まず、自分今後の予定について粗方片付いたので暇な時間が増えました。ですが、知っての通り自分ハーメルン一筋の人生って訳ではないです。この空いた時間にやりたいことは多いので。
だからと言って更新をやめるなんて思ってもいません。ですが、ハーメルンでは一応連載している作品がこの作品含め2つあり、気分バラバラで両立すると思いついた構想やらなんやらの予定がバラバラになってしまう…
そこで思いつきました。今後、ひと月毎に2つの作品を交互に1つだけ更新していきます。7月はドラゴンボールを中心に更新しましたが、8月は別の作品を中心に更新していきます。なので、次の作品の更新は9月になってしまいます、ご了承ください。
ということですので、今後もこの作品をよろしくお願いします。