最凶の一族の長男はとりあえず自由に生きてみようとする   作:〇〇総統

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本格的にお金がヤバい。

あかんこのままじゃ財布が死ぬぅ!


トスカーの最終形態

「ガハッ…!?」

「ぬぉ…ぉ!?」

 

二手に分かれ、同時に襲撃を行った悟空とベジータ。だが、スラッグは苦にせず対処し、手痛い反撃を食らってしまった。

 

現在スラッグと戦闘を開始したトスカー、フリーザ、ベジータ、悟空。

 

だが結論から言うと、スラッグが圧倒的に優勢だった。

 

「だりゃりゃりゃりゃりゃ!!!」

「だだだだだだだだだだ!!!」

「きえええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「うおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

前後左右スラッグを果敢に攻める4人にスラッグは腕を組みながら余裕で避ける。

 

「……ばっ!!」

 

スラッグが大声をあげ、気合をそのまま周囲に拡散させる。

 

「おあぁぁ!?」

「ふおおぁぁ!?」

 

そのあまりの威力にトスカーとベジータは踏ん張りきれずに遠くへ飛ばされた。

 

「ぎ…ぎぎぎ……」

「ぐ…いい気に…」

 

悟空はどうにか踏ん張り、フリーザは今にも飛ばされそうになる。

 

「いい気にぃぃぃ…なるなぁぁぁぁ!!!」

 

フリーザもお返しに自身のサイコキネシスをスラッグに向けて放つ。お互いに威力が相殺された。

 

「はぁ…はぁ…へへ、こんなに強くなってるたぁ、驚きだ」

「……想像以上だよ、ここまで強くなってるのは」

 

悟空の呟きにフリーザが何気なく返す。少しして悟空が口を開く。

 

「だけどお前達兄弟がいてこれじゃあ、オラが幾ら頑張っても勝ち目はねぇぞ」

「諦めるのかい?」

「いーや、それはねぇ」

「クウラ兄さんもいたら少しは状況が変わるかな…それまでボク達4人でコイツをここに留めるくらいはしないといけないけど」

 

フリーザが1人で策を練っていると、悟空は自身が思っていたことを口に出す。

 

「なぁ、そのクウラっちゅう兄ちゃんが来れば勝てそうか?」

「…何か奴をどうにかする手立てはあるのかい?」

「ある。…って言いたいとこだったが、今のオラじゃそんな自信はねぇ」

「やらないよりはマシだよ。聞かせてくれるかいその策を」

 

そしてスラッグと睨み合いながら作戦を共有するフリーザと悟空。飛ばされたトスカーとベジータも戻って来てまた戦闘が再開するかと思われた。

 

「貴様らの会話なぞ、俺には丸聞こえだ!」

 

聴力がいいナメック星人のスラッグは悟空達の作戦を聞いてそのままやらせる程馬鹿では無い。すぐに気弾を悟空に向かって浴びせ始める。

 

「界王拳、50倍だぁぁぁ!!」

 

悟空が界王拳を使い一気に距離を詰める。その間フリーザは力を貯めてフルパワーになる準備をしていた。

 

「トスカー兄さん!」

「なんだ!」

「孫悟空さんの援護を!できる限りスラッグをその場に留めて下さい!」

「よおぉぉぉぉし!!!」

 

トスカーがサイクロプスバイザーを再び装着し、悟空の加勢に向かう。

 

「ベジータさん!」

 

フリーザの声に反応し、渋々だがスラッグに向かっていくベジータ。

 

「………くっ!!」

 

ベジータは積極的に戦闘へ赴かず、遊撃、援護射撃に徹底するしか無かった。この中で1番戦闘力が低いのはベジータになっており、自身はその事実が受け入れ難かった。

 

(これが…サイヤ人の王子の姿か…?くそったれ!まるで小間使いのようだ……!!)

 

心の内に悔しさを吐きながらもスラッグにヒットアンドアウェイを繰り返し、体力を温存しながら戦う悟空に、劣等感を感じ始めた。

 

(下級戦士のカカロットが…俺をも抜かし、俺でさえ太刀打ちできんスラッグ相手に正面からでは無いがまともに立ち向かうことが出来ている…)

 

伝説の超サイヤ人にさえなれれば、カカロットを越え、フリーザも奴の兄であるクウラもトスカーも…

 

あのスラッグさえも、倒せるはずだ…

 

そう思いながら、自身が介入できるところはすかさず介入しスラッグの邪魔をしていくベジータ。

 

少しでも戦闘に参加しなければ自分を見失ってしまいそうだった。

 


「ぬおおおおぉぉぉぉぉ!!!」

「とっとと逝ねぇ!!くたばり損ないがぁぁぁ!!!」

 

ドゴッ!バキッ!

 

お互いに相手の身体に腕や足を深く食い込ませ、殴り合いの応酬を繰り広げるトスカーとスラッグ。

 

「はぁ…はぁ…ぐぶっ……」

「取った!」

 

だが、フリーザ達が参戦する前までスラッグと交戦していたトスカーが疲労が限界に達したのかふらりと体勢を崩す。

 

「でりゃぁぁ!!」

 

そこを悟空が界王拳を駆使し、スラッグの無防備なところを一撃与えながらまた隠れる。

 

悟空を攻撃しようものならベジータが視界塞ぎや代わりの戦闘を行うことでどうにかギリギリ戦況を保っていた。

 

「……ふんぬっっっっ!!」

「ぐおっっ!?」

 

トスカーは倒れかけた身体を足に力を入れて踏ん張り、そのまま踏み込んでスラッグにアッパーを決める。

 

「しつこい!!!」

 

もう片方の手には濃縮されたエネルギーが手に集まっていた。

 

トスカーの技であるデスシェイブだ。

 

咄嗟にスラッグがガードの姿勢をとるが、デスシェイブはお構い無しにガオン!!と音をたてながらスラッグの右腕をもぎ取った。

 

「な!?」

 

スラッグの顔が驚愕の表情を出す。

 

「……へへ」

「…なんてな」

「なっ!?」

 

トスカーが笑みを浮かべたのもつかの間、スラッグのえぐり取られた右腕が瞬時に再生を始めた。

 

「技が大振りだ!」

「しまっ________」

 

悟空の援護が間に合わず、無防備な顔面にスラッグのストレートパンチが入った。

 

脳が揺れたのか、意識が朦朧とし始める。

 

(ば…ばかな……再生が…………はやす、ぎる……!!?)

 

ナメック星人の身体が再生することに関してはトスカーも理解していた。

 

だが、予備動作も無しで瞬時に再生など本来ならありえない。あの魔人ブウでもあそこまで早くは無い筈だ。

 

(な、何が原因だ!?ドラゴンボールは使ってないハズだ!考えろ、あいつがしてきた行動…………!?)

 

そして、トスカーはスラッグの動向を思い出していき、1つの考えに至った。

 

(まさか、同化が原因か!?)

 

ナメック星人の同化による強化、純粋なナメック星人だからこそのあの速さ。これならば説明がつく。

 

(冗談じゃねぇ!こんなん根比べどころじゃない、寧ろジリ貧だ!)

 

ドラゴンボールに願って戦況を変えようかと思った。だが、空はもう明るい。ドラゴンボールは既に今頃ピッコロの復活に使われているだろう。寧ろ、ピッコロが抜けた分戦闘力は下がってるだろうがそんなもの微塵にも感じさせない程スラッグに太刀打ち出来ない。

 

(……残すべきは、あれだ)

 

出来れば、使いたくなかった作戦。これは正直言って博打にも近い。

 

(………こんな事なら、もうちょっと家族の予定、前倒しにしとくべきだったな…死ぬつもりは一切ないが)

 

脳裏に愛すべき兄弟と愛すべき部下達、そして愛する()()()()を思い浮かべ覚悟を決める。

 

「ぐおおぉぉぉぉぁぁぁぁぁああああ!!!!!」

 

膝立ちになっていた姿勢から思い切りスラッグの腹に自身の角を突き刺す。

 

「ぐぅっ!?」

「邪…魔……だぁぁぁぁぁ!!!」

 

突き刺さったスラッグを乱暴に空中へ投げ飛ばす。刺された部分は瞬時に治ってしまったが、お構い無しにトスカーはエネルギー弾を放つ。

 

「はぁっ!はぁっっ!!はああぁぁぁぁぁ!!!」

 

そしてスラッグは空高く飛ばされた、距離を稼いだと確信したトスカーは悟空の元へ向かう。

 

「はぁっ…はぁっ…なぁ、悟空よ…ひとついいか?」

「な、なんだ?」

「お前…元気玉で、あいつを倒せるか?」

 

トスカーが聞いているのはスラッグの暗雲を生み出す機械を壊した時の元気玉ではなく、原作でフリーザや魔人ブウに放ったあの特大元気玉の事だ。

 

「いけるかもしんねぇ、けどな…今のオラじゃその元気を受け切れる体力がねぇんだ…」

 

悟空は申し訳なさそうに言った。

 

「……そうか」

「すまねぇ…」

「いや、気を落とすのはまだ早い。お前にはこれから本船に行ってメディカルマシンを使用してもらう」

「待て、その間奴はどうするつもりだ?」

 

ベジータが話を聞いていたのか口を挟んでくる。勿論考えてあるが、ここが賭けの部分でもある。

 

「俺が1人で、奴の相手をする」

「……死ぬ気か?」

「いや、死ぬ気なんて微塵もない。フラグじゃなければ…

 

最後に小さい声で何かを言ったが、すぐに悟空をメディカルマシンに入れている間にトスカーが行う事を言った

 

「……俺は弟のフリーザより2回、クウラより1回多く変身できる。つまり俺の最終形態で、奴を止めるんだ」

「…クウラの方が強いと聞いたが?」

()()()()()()()()()()()()()()()()()

「!?」

 

クウラの方が強いと言われているが、それは俺が最終形態を加味していなければの話で、最終形態含めれば俺はクウラより強い。

 

では何故自分が1番強いと言わないか?それは一つ理由がある。

 

「ただし俺の最終形態は、我を忘れて暴れ回るんだ。だから俺は自分の最終形態を自分の力だと認めてない」

 

たった1度、最終形態になり我を忘れて暴れ回ったことがあるから俺は最終形態を封印した。

 

なので俺の最終形態を無いものの戦力として数えたらクウラが1番となる。

 

扱いきれない力を自分の力だと誇示するのは違うと俺は思うからだ。制御できて初めて自分の力になると俺は考えている。

 

「だから、最悪俺がお前らを襲いかかったら俺を攻撃しても構わない。何としても元気玉を完成させ、スラッグにぶつけてくれ」

「ま、待てよ。そしたらおめぇはどうなるんだ!?」

「……なぁに、心配すんな。ちょっとやそっとじゃ死なねぇよ。多分」

 

正直に言うと、最後に見る光景がスラッグで、目が覚めたら地獄でしたとか死ぬほど嫌だが、もう誰かが生贄になるくらいしか方法はない。

 

「ほら、早く回復させてこい。ベジータも行け」

「……わかった!」

 

悟空は何か言いたげだったが、すぐに宇宙船に向かって飛んで行った。ベジータは特に何も言わず複雑な表情で飛んで行った。

 

「さて、フリーザには酷な頼みになるなぁ」

 

トスカーはすぐにフリーザの元へ行った。

 

「兄さん…孫悟空さん達をどこへ?」

「フリーザ、酷なことを頼むよ」

 

既にフルパワーになっていたフリーザの肩を叩きながら俺は言った。

 

「もし、俺が完全に暴れて、お前や宇宙船を攻撃し始めたら、すぐに俺を殺せ」

「え?」

「それと、フローズとファンにも…ごめんって言っといてくれ」

「……………」

 

フリーザは顔を顰めて無言を貫く。

 

「…頼む」

「……わかったよ」

 

辛い役目を押し付けてしまった弟をせめてもの慰めに頭を撫でてから、空高くから迫るスラッグに向かって自分も飛んだ。

 

「あのサイヤ人共はどうしたぁ!逃げ出したかぁ!?」

「俺が逃がした」

「1人で俺と戦うつもりか!」

「あぁ」

 

軽く答えるだけで、自分の力を満遍なく身体に通すように集中する。

 

スラッグと俺が激突する瞬間、スラッグの攻撃が俺に当たるが俺は反撃せずそのまますれ違い、通り過ぎた。

 

身体の感覚が徐々に鈍くなっていくのを感じる。第一形態から第二形態になるように、周りのものが小さく感じた。

 

第五形態で生えていた角や棘は禍々しく捻れ曲がり、身体は更に大きく、背中からは大きな翼が生える。腕や足は伸び、鋭利な爪が生える。

 

「あれは…」

 

スラッグが空を見上げた。

 

「兄さん…」

 

フリーザが太陽の光に目を細める。

 

太陽を背に大きな翼が広がっており、その生物は地面に降りてくる。

 

ドスンッという音と共に白い身体の()が舞い降りた。

 

「グオオオォォォォォァァァァァァァァ!!!!!」

 

…………実は、俺が最終形態をあまり出したがらない本当の理由がこの姿なのだ。

 

普段なら竜のような姿になれるのはかっこいいと思うだろ?

 

だが、ここはドラゴンボールの世界。そういうことだ。

 

だって、ドラゴンボールの世界で、異形の姿で巨大化して、しかも制御権無し。死亡フラグ立ちまくりだよこれ。

 

だけどそんな事は、絶対口にはしない。

 

俺は複雑な心境だが、二度となりたくなかった最終形態になった。




最終形態は刺々しいリドリーくらいだと思っといてください。
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