今回は穂乃果視点から始まります。
本作では雪穂と亜里沙も音乃木坂中学に通っています。前回の話で出てきた白羽の制服はアニメで雪穂達が着ていた制服を男物にしたとイメージしてください
オリキャラのイメージ画像が完成したので貼っておきます。
白羽
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真白
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ツバキ
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――――白羽と穂乃果が出会う数分前
「海未ちゃん、ことりちゃん!おはよう!」
「おはようございます」
「おはよう!穂乃果ちゃん」
私の名前は
今日から音ノ木坂学院の2年生。私は今、昔から仲の良い幼馴染2人と一緒に登校している
「穂乃果、流石に今日は遅刻しなかったのですね」
そう言ったのは私の幼馴染の1人、
「だって久しぶりの学校だよ!」
「ふふっ、穂乃果ちゃんは学校大好きだもんね」
可愛い笑顔でそう言ったのはもう1人の幼馴染
「うん!」
「では、授業もちゃんと受けてください。ほとんど寝ているじゃないですか」
「そ、それは………そ、それより!学校まで競争しようよ!」
「競争?」
「うん!負けた人が罰ゲームね!よ~いドン!!」
「「穂乃果(ちゃん)!?」」
私は海未ちゃんの言葉を誤魔化すために走った。海未ちゃん、勉強の事となると話長くなるんだもん!
「待ってください!」
「穂乃果ちゃん、待ってよ~」
海未とことりも走り、穂乃果を追いかける。しかし、先に走り出した穂乃果は二人をぐんぐん離していき学校に向かって行く。
「よしっ!ここを曲がれば学校はすぐ……えっ!?」
「えっ!?」
「「………ッ!!!!」」
私は学院の正面に続く、桜がたくさん咲いている大通りに出た瞬間………帽子をかぶった男の子(?)とぶつかってしまった。その子はぶつかった衝撃で道に座り込んでしまう。
「ご、ごめんなさい!ちょっとよそ見してて」
急に飛び出した私が悪いのにその子はすぐに謝ってくれた。
「う、ううん。謝るのはこっちだよ!今日から学校が始まるからテンションが上がっちゃって……本当にごめんね!君、立てる?」
「はい、大丈夫です」
私もすぐに謝って、座り込んでいる男の子に手を差し出した。男の子は微笑みながら手を取り、立ち上がってくれた。よかった~!怪我が無くて
この子に怪我がなくて安心し、私も微笑み返した。
あれ?この子が着ている制服ってどこの学校のだろう?なんか雪穂が通っている音ノ木坂中学の制服に色合いがよく似てるけど……
そんなことを考えていたら、突然……私達の周辺に強い風が通り、私は咄嗟に目を瞑った。
そして目を開けた瞬間――――
穂乃果が見たものは先程まで帽子で顔が見えなかった少年の素顔だった
「――――綺麗」
無意識のうちに穂乃果はそう口にしていた。本来、男の子に言う言葉ではないだろう。
だが、純粋に高坂穂乃果という少女は目の前の少年が持つ白い髪や顔立ちに見惚れて、小さくそう呟いた
<<<白羽side>>>
え、え~っと……なんか凄く見られているんだけど。やっぱり髪色が気になるのかな?あんまり嫌な視線じゃないから別にいいんだけど……なんか変な人だな。っていうか帽子を取りに行かないと!
僕は風で飛ばされてしまった帽子を取りに行こうと、この人の手を離そうとしたが、相手の方が手を掴む力を緩めてくれないからずっと手を握っている状態になっている
「……あ、あの〜」
「……え?……あ!ご、ごめんね!」
手を離して欲しいことを伝えようとしたら、それが伝わったのか女の人はすぐに手を離してくれた。僕は飛ばされた帽子を取りに行き、地面に落ちてしまったため帽子を2、3回はたき、汚れを落としてから被った。
「あの……」
「穂乃果、待ってください!」
「穂乃果ちゃん!」
僕がもう一度謝ろうとした時、この人が来た脇道から2人の女性が走って来た。そういえばこの人の制服って音乃木坂学院の制服だよね?
「もう!急に走り出さないでください!」
「ごめーん!だって海未ちゃんの話長くなりそうだったし」
「まったく……ん?そちらの方は?」
後から来た先輩のうち1人が僕に気付いたようでこちらに目を向けて来た
「ああ、この子は……あ!そういえば名前聞いてないね、君の名前は?」
「えっと、僕の名前は……」
「………シロ君?」
名乗ろうとした瞬間、名乗る前にもう1人の先輩がそう小さく呟いた。僕は反射的にその先輩の方に目を向けた。そこには見覚えのある人物が立っていた。その人は昔、雛菜さんの家でお世話になった時によく面倒を見てくれていた人だ
「………もしかして、ことりさん?」
「シロく〜ん!!」
「「ことり(ちゃん)!?」」
僕を優木白羽だと確信したのか、ことりさんは僕のことを抱きしめてきた。最近は全然会えなかったので僕も会えて嬉しい………けど、外で抱きしめるのはやめてほしい。先輩方も驚いてるし
「ことりさん、先輩方が驚いてますよ。それに、ここは外ですから抱きつかないでください」
「む〜!敬語なんて使わなくていいのに!昔みたいにことりお姉ちゃんって呼んでよ!」
「やめてください。恥ずかしいです」
確かに昔はそういう呼び方で呼んでいたけど、さすがに中学にもなってその呼び方は恥ずかしい。あとそのシロ君ってあだ名もやめてほしい。
…………なんか犬みたいだし
「………あの、ことり?その子は……?」
「もしかして!ことりちゃんの彼氏だったり?」
違います違います!変な誤解しないでください!
「ち、違うよ!……この子はお母さんの知り合いの子供で、昔よく一緒に遊んでたの」
ことりさんは少し顔を赤らめて否定した。やっぱり友達に勘違いされるのは恥ずかしいですよね
「そ、そうですか。私もてっきりお付き合いしている男性かと……」
「違います。ことりさんが言った通り、ただの知り合いです」
「…………………」
あれ?…なんか……ことりさんが怖い。
笑ってるように見えるけど、目が全然笑ってない!
そんなに僕が彼氏と間違われたのが嫌だったんですか!?さすがにショックなんですけど!?
「……………シロ君のバカ」
「えっと〜改めまして、僕の名前は優木白羽と言います。よろしくお願いします」
ことりさんが何か言ったような気がするけど怖いから無視しよう。「今なんて言いました?」とか聞いたら怒られる気がする
「はい、よろしくお願いします。私は園田海未と申します」
「私は高坂穂乃果!穂乃果でいいよ」
「はい、よろしくお願いします。穂乃果さん、園田さん」
話を聞いたところ、二人はことりさんの幼馴染らしい。僕と出会う前からの付き合いで小学校、中学校、高校とずっと同じ学校だったそうだ。そういえば昔、仲のいい友達が二人いるって話してた気がする、流石に名前は覚えていないけどおそらく穂乃果さん達のことだろう
「うん!」
「ええ」
僕は二人に頭を下げ挨拶をした。なんか最近、音ノ木坂学院の人と知り合いになることが多い気がする。
「そういえば、シロ君ってどこの学校に入学したの?そんな制服見たことないけど」
「え?音ノ木坂中学ですけど」
「「「………え!?」」」
「………ん?」
………あれ?もしかして聞いてないんですか?
でも雛奈さんは説明したって言ってたし、東条さんも知っていたし。てっきり音ノ木坂の人は全員知ってるのかと思ってた。っていうか早く説明しないと女子校に入学しようとしてる変態だって思われる!!
「え〜っと………じ、実は………」
僕は共学化のテスト生として音ノ木坂中学に入学することを説明した。説明の際には廃校の可能性については話さなかった。理由は雛奈さんから、学院の子たちが混乱するかもしれないから話さないでと言われているからだ
「なるほど、優木君が例のテスト生だったんですね」
「お母さんも言ってくれればいいのに、驚いちゃったよ」
「………あ、あはは」
僕はことりさんが音ノ木坂の学生ってことに驚いたけど、まぁ考えてみれば雛奈さんが理事長をやっている学校なんだから当然か
「………海未ちゃん。テスト生って何?」
「………穂乃果…学校から届いた資料に書いていたではないですか!音ノ木坂は共学化を計画していて、その試運転として男子生徒が一人、中学に入学すると」
「えへへっ!文字がいっぱいだったから~」
「……まったく」
「穂乃果ちゃんらしいね」
そう言って笑っている穂乃果さん。呆れながらも優しい目で穂乃果さんを見ている園田さん。そんな2人を微笑ましそうにながめていることりさん。三人を見ていると本当に仲が良いんだなっていうことが分かる
「ねぇ!せっかくだから白羽君も一緒に学校行かない?」
「……え!?」
誘われたことよりいきなり名前でよばれた事にビックリした。穂乃果さんって結構フレンドリーな人なのかな?さっきの事といい、やっぱりちょっと変な人だな
「…いや……でも」
「うん!私もシロ君と一緒に登校したい!」
「そうですね、せっかくですし」
「………」
まぁ、ことりさんも一緒にいるし穂乃果さんも園田さんもいい人そうだし………別にいっか
「……じゃあ、一緒に行きましょうか」
「「「うん!(はい)」」」
こうして僕はことりさんたちと一緒に登校することにした。正直、初対面の女の人とは話しずらいけど、これも苦手意識を完璧に克服するためだ!頑張ろう!
「ねぇ、白羽君はなんで帽子被ってるの?せっかく綺麗な髪なのに勿体無いよ!」
「髪…ですか?」
穂乃果さんが僕にそう言ってきて、園田さんは困惑した表情で僕を見た。
ああそういえば、さっき見られたんだっけ。
すっかり忘れてた
「うん!白羽君の髪って、すっごく綺麗なんだよ!
白餡みたいに真っ白で、顔も女の子みたいに白肌だし!」
「うん!シロ君って昔からうさぎみたいに可愛いんだよね!」
し、白餡……うさぎ……ひどくない?これバカにされてないよね?「女の子みたい」とか「可愛い」って男に言っちゃダメな言葉でしょ。
うん……僕、泣きそう
「ど、どうも……」
「??」
この中で唯一、僕の素顔を知らない園田さんは話についてこれていない。流石に蚊帳の外っていうのは可哀想なので僕は帽子を取り、素顔を見せた
「っ!!」
僕の髪と肌を見た園田さんは驚いたような表情を見せた
「やっぱり綺麗。ねぇ、白羽君って外国人なの?」
「穂乃果ちゃん、シロ君はアルビノなの」
「アルビノ??」
「たしか………稀に皮膚や髪の色が薄く、白い体で生まれてくる個体のことですよね」
「うん!」
園田さん、よく知ってるな………穂乃果さんは………うん、やっぱり知らないみたいだ。
「ねぇ白羽君、もしかして………あんまり、見られたくなかった?」
穂乃果さんは何処か不安そうな顔で聞いてきた。おそらくさっきぶつかってしまい顔と髪を見てしまったことを気にしているんだろう。
……………本当に変な人だ
「いえ、大丈夫ですよ!コンプレックスとかではないので。隠していたのは目立ってしまうからです。こんな白髪や肌だと好奇な視線を向けられることが多いので。どうか気にしないでください」
「……そ、そっか」
「……すみません、穂乃果が失礼なことを」
あ、もしかして…辛いのを我慢してるって思われてるのかな?
「いえ、本当に気にしないでください!強がっているわけではないので、ですよねことりさん」
「うん!二人とも大丈夫だよ。白羽君も昔から気にしてなかったし、2人も気にしないであげて」
「……うん!分かった!」
「…分かりました。私も気にしないことにします」
………優しい人たちだな。ことりさんが仲良くしているのも分かる。いくら友達の知り合いだからって、まだ会って一時間も経っていない人間にあんなに心配そうな顔ができる人なんてそうそういない。それに、この髪を見ても変な視線を向けない人も珍しい
それから学院の正門前まで一緒に登校し、ことりさん達と別れた。別れ際、ことりさんと穂乃果さんに「「学院の方から一緒に行こうよ!!」」っと言われたが丁重にお断りした。
ちなみに、学院と中学は繋がっているので生徒は自由に行き来ができる。
まぁ、わざわざ学院の方に行ったりする生徒はほとんどいないらしいが
「さてと、まずは職員室に行かないと」
僕は雛奈さんから学校についたらまず職員室に向かうように言われていた。担任の先生は前田先生という人らしく、その人の指示に従って欲しいとのことだ。どっちみち入学式が終われば先生方には自分から挨拶しに行こうと考えていたのでちょうどよかった。
「ここか……失礼します」
僕は扉をノックし職員室の扉を開けた。中には先生が何人かいてその内の1人が僕を手招きで呼んだ
「優木白羽くんね。こっちよ」
「はい」
やっぱり目立つ。先生方は全員僕を見ている。当然だ、先生の中にも男性はいない。正真正銘この学校で唯一の男なのだから
「聞いていると思いますが私が君の担任を任されています。前田です。1年間よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「ええ、南理事長からあなたの事は聞いています。女性を苦手としている事もあなたの体質のことも。私達教師陣もあなたがより良い学生生活を送れるように協力していきますので、テスト生だからといって特に気にせず学生生活を謳歌してください」
「はい」
「くれぐれも問題は起こさないで下さいね。親御さんの中には何人かテスト生のことを快く思っていない人もいますので」
やっぱり……そういう人もいるよね。逆に許してくれた人の方が多いのが驚きだ
「はい!引き受けたからにはしっかりやらせていただきます」
「はい。それでは教室に向かっていただいて結構です。クラスは事前に伝えられている通りです」
「はい、失礼します」
それから、前田先生や他の先生に挨拶し、職員室を出ていたった。
ふと外に目を向けると、新入生がどんどん登校してきて学校の正面に出されているクラス表を眺めているのが見えた。クラスは事前に雛奈さんから伝えられているので僕は直接教室に向かった。
先生方もいい人そうだし、学校生活も想像以上に上手くやっていけるかもしれない。これなら僕が女性の苦手意識克服もツバキの課題もきっと大丈夫だ!!!
……………っと思っていた時期が僕にもありました
「「「「「「「…………」」」」」」」
「………」
今、僕は指定された教室に行き黒板に書かれていた席に座っている。ちなみに席は教室のど真ん中だ。
そこまではいい、ただ………ものすっごく見られているのだ!!!
いや、注目されることは覚悟して来た!僕もアルビノということでそういう視線にはある程度慣れてる。
けど、こんなにキツイの!?前後左右からみんなガン見してくるんだけど!?
ごめん、真白。今朝あんなにカッコつけて家を出たけど、もうお兄ちゃん帰りたくなってきた。こんな状況で友達なんて作れるのかな?
……………これ、来年は女装生活が確定したのでは?
「みなさん、ご入学おめでとうございます。私は担任の前田です、一年間よろしくお願いします」
教室の雰囲気に居心地の悪さを感じていると、前田先生が教室に入ってきた。
「それでは、入学式まで自己紹介をしてもらいます。まずは優木君、あなたからお願いします」
………マジですか?
まぁ唯一の男子なんだから先に名乗っておいた方がいいか
「………はい。え~っと……」
「「「「「「「…………」」」」」」」
「テスト生として入学してきました、優木白羽と言います。この学校唯一の男子ですけど、みんなと仲良くなれたらと思っているので、よろしくお願いします」
「「「「「「「…………」」」」」」」
(え、反応無し!?)
「よろしく~!仲良くしようね!!」
紹介が終わっても、周りから何の反応も無く『終わった』と思った矢先、隣の席の女子生徒が反応してくれた。その言葉をきっかけにクラスの皆も暖かい言葉をかけてくれた。よかった~、受け入れられて。
もしあのまま何の反応もなかったら終わってた
「はい、では次の………」
それからクラスの出席番号順に自己紹介をしていった。そして全員の自己紹介が終わり、今僕達は入学式の会場である講堂に向かっている
「………はぁ〜、やっぱり話しかけずらいよね」
クラスメイト達は僕の事を少し離れて観察している。「男子と話してみたい」っていう会話も聞こえてくるけどやっぱり怖いのか話しかけずらいみたいだ。僕から話しかけようとしても逃げられるからどうしようもない。どうすればいいんだろう?
なんとかしてクラスに溶け込む方法を考えていると講堂に着き、僕は指定された席に座った。他のクラスの人もいるので先ほどよりも多い視線が僕に集まった
「ヤッハロー!大変そうだね」
この先どうしようかと考えていたら、隣の席の子が独特な挨拶で話しかけてきた
「………えっと、たしか
彼女は僕のクラスメイトの1人。先程、僕の自己紹介の時に反応してくれた人だ。桜色の髪でポニーテールの女の子。見るからに明るい人で多分コミュニケーションが得意なのだろう
「お!覚えてくれてたんだ。嬉しい!」
「さっきはありがとう。反応してくれて助かったよ」
いや、本当に助かりました!あのまま反応してくれなかったら教室内が変な空気になってたかもしれないし
「気にしないで!しろはっちと仲良くしたいのは本当だったし」
「しろはっちって誰!?人をたまごっちみたいに呼ばないで!」
「あはは!いい反応だね!私の事は桜でいいからさ、これからよろしくね!しろはっち!」
そういって柏木さんは僕に手を差し出してきた。
………そのあだ名は決定なのね?
「よ、よろしくね。桜……でいいのかな?」
「うん!!」
僕は彼女の手を握り、握手を交わした。それから式開始の時間まで桜と会話を弾ませた。話してみると気のいい人だというのがすぐに分かり、僕も少しずつ普通に喋れるようになってきた
「ねぇ、何で帽子で顔を隠してるの?」
「え、えっと~………」
………帽子は外さない方がいいよな。今でさえ周りから避けられているのに、髪を見られてさらにひどくなったら困るし。それに僕は共学化のテスト生だ。周りから孤立してしまったら意味がない。
「ちょっと事情があってね。まぁ気にしないでよ」
「………ふ~ん、わかった。それより!……」
桜は何かを悟ったのか、それ以上聞かずに話を変えてくれた。
「皆さん、ご入学おめでとうございます」
桜と話をしているといつのまにか時間になり入学式が始まった。入学式と言っても先生の話を聞くだけで特にやることはなかった。テスト生についても少し話していたが、廃校の可能性については一切触れていなかった。まぁ当然か、廃校の危機があるのはあくまで学院だからわざわざ説明しても混乱させるだけだし。
「ではこれで今年度の入学式を終わります。新入生の皆さんは先生の指示に従い、帰宅してください」
そうして入学式は終わった。どうやら今日はもう帰ってもいいらしい
「………桜、そろそろ起きて。入学式終わったよ」
ちなみに桜は先生の話を聞かずにずっと寝ていた。
「………う~ん……ん?入学式終わった?」
「うん、もう教室に戻るよ」
別に寝るのは良いんだけど(※良くありません)、僕の肩に頭を乗せて寝るのはやめてほしかった。ちょっと重かったんだけど
「………ふんっ!!」
「痛っ!?な、なんで殴ったの!?」
「なんかムカつくこと言われた気がした」
え!?もしかして心読まれた!?
何この子………怖っ!!
「……いや、そういう意味じゃなくて」
「………まぁいいわ、それでしろはっちはもう帰るの?良かったら遊びに行かない?」
「ごめん、今日は帰るよ。なんか疲れちゃって」
「そう、じゃあまた誘うね!」
「うん」
それから僕達は前田先生の指示で教室に戻り、解散となった。やはりまだ慣れないらしく教室に戻っても話しかけてくる人はいなかった。
僕はすぐに帰ろうとしたのだが前田先生から3年生の教室まで資料を運んでほしいと頼まれたので、3年生の教室に来ていた
教室を覗くと中には1人の先輩が椅子に座って本を読んでいた
「あの!前田先生から頼まれて資料を持ってきたんですけど」
「!?」
この資料をどうすればいいのか聞くために教室にいたその先輩に声をかけた。急に話しかけられてびっくりしたのか、その先輩は一瞬驚いた表情を見せた。
「あ、ありがとう。そこに置いてくれる?」
その先輩は教卓を指さして置く場所を教えてくれた。僕は言われた通り、資料を教卓の上に置いた。仕事も終わったので出ていこうとしたらその先輩が声をかけてきた
「もしかして、噂のテスト生の子?」
「は、はい!優木白羽っていいます。さっきは急に声をかけてしまってすみません」
「ううん、大丈夫。私は
高坂?………あれ、もしかして…
「あの…高坂さんってお姉さんがいたりします?」
「うん。一人いるけど…それがどうしたの?」
「もしかして、高坂穂乃果さんですか?」
「え!?なんでお姉ちゃんの名前知ってるの!?」
やっぱりか………もしかしてとは思ったけど、まさか本当に姉妹だったとは
「実は………」
僕は高坂さんに今朝の出来事を話した。話を聞いた高坂さんは頭を抱えて、僕に謝ってきた。
「………ごめんね、うちのお姉ちゃんが迷惑かけて」
「い、いえ。僕も悪かったですし!気にしてませんよ」
どうやら高坂さんは穂乃果さんよりしっかり者のようだ。姉妹でこれほど性格が違うと少し違和感がある。いや…僕も真白と似てないから言えたことではないけど
「それじゃあ、僕は用事も終わったので帰りますね」
「あ、ちょっと待って!!」
「??」
「せっかくだから正門まで一緒に行こうよ。私もちょうど帰る所だったの」
「え?いやでも…」
「ほら!」
返事を聞かず高坂さんは僕の手を取って歩き出した。あれ、やっぱり穂乃果さんにちょっと似てるのかな?この強引なところとか
それから高坂さんに連れられて下校した。
驚いたことに高坂さんの家は僕の家の近くにある穂むらという名前の和菓子屋さんだった。高坂さんとは正門で別れる予定だったけどせっかくなので途中まで一緒に帰ることになった。
「クラスはどうだったの?男の子1人だけだと大変じゃない?」
「ア、アハハ……まぁそうですね、今日はあまり交流はできませんでした」
「大変だね、テスト生も」
「………そうですね」
本当だよ!!!喋りかけても逃げられるし、遠巻きに観察されるし。なんとかしないとまずいよな〜
「ねぇ、音乃木坂学院が廃校になるかもしれないって本当なのかな?」
「えっ!?」
なんで知ってるんだ?まだ中学の生徒には伝わってないはずだけど
「みんな言ってるもん。今回の共学化も廃校を阻止するために計画されたんじゃないかって。優木くんは何か知ってる?」
す、鋭い…………まぁ共学化なんて聞いたら気付く人もいるか
「可能性があるってことは聞いてます。それ以上のことは僕も知りません」
「そっかー」
「ちなみに……高坂さんは来年どこを受けるんですか?」
「ん?私はUTXだよ。廃校になるかもしれない所を受けても仕方ないってみんなも言ってるし」
デスヨネ……そこまで噂が広がっているならこの先、学院に進む人はどんどん減っていくだろうな。
「じゃあ、私こっちだから。よかったら今度、うちの和菓子買いに来てよ」
「はい、今度お邪魔します!」
「それと、雪穂でいいよ。お姉ちゃんのことは名前で呼んでるでしょ?」
「そ、そうですか?じゃあ…雪穂さんで。僕の事も白羽で大丈夫です」
「うん。それと今度私の友達にも紹介させて。亜里沙って子なんだけど、テスト生の子に会ってみたい!って言ってたし」
テスト生に興味があるのかな?まぁ雪穂さんの友達なら別にいいか
「わかりました」
「ありがとう。じゃあ私は行くね」
「はい。また学校で」
「うん!バイバイ!白羽君」
そう言って雪穂さんと別れた僕は家に帰宅し、自分の部屋のベッドに倒れ、すぐに眠ってしまった。朝早くからいろいろな所に出かけてしまったので流石に疲れたようだ。
それから、僕が目を覚ましたのは夕飯の時だった。仮眠のつもりだったがよっぽど疲れていたようでぐっすり眠ってしまった。
「兄さん、学校はどうでした?」
「……え!?…えっと~………友達は作れたよ!……2人だけ」
桜はともかく雪穂さんはカウントしていいのかな?
大丈夫だと信じよう!うん!
「そうですか。それで、その方達は大丈夫でしたか?」
「……………会話は出来たけど、やっぱりまだ苦手って感じる部分はあるかな」
「………そうですか。でも克服するって決めたのなら頑張ってくださいね」
「うん!明日からも頑張るよ!………女装は嫌だし」
「何か言いました?」
「い、いや!ナンデモナイヨ!!」
「??」
流石に来年は女装して生活するかもなんて言えないよ!!もしそんなことになったら、軽蔑される未来しか見えない!!
Prrrrrrr♪
「ん?」
真白と話していると僕のケータイに着信が入った。こんな時間に誰だろうと思い、着信画面を見たら…南ことりと映し出されていた。連絡先は今朝会った時に交換しておいた、ちなみに穂乃果さんや園田さんとも交換している。
『あ!シロ君。今大丈夫?』
『はい、どうしました?』
『実は、明日の放課後に学院に来てほしいの』
『ん?何かあったんですか?』
『今日、音ノ木坂学院が廃校になるかもしれないっていうお知らせがあったの』
雛奈さん、随分早く発表したんだな?いや、僕の事もあるし廃校の事は伝えないわけにもいかないか。
『それで、廃校を何とかしたくて穂乃果ちゃんと海未ちゃんの3人で学校の良い所を探してみたんだけど』
『……無かったんですね』
『う、うん………それで……シロ君も手伝ってくれないかなって』
やっぱりことりさんたちも学校が無くなるのは嫌だよな。学院が好きで無くなってほしくないと思っている人は何人もいるはずだ。
『いいですよ』
『本当!?』
『はい、僕もなにか手伝います』
協力するのはテスト生だからってこともあるけど、やっぱり……困っている人がいたら放っておけない
『明日、皆で考えてみましょう』
『ありがとう!じゃあ明日、私たちの教室で待ってるね!』
『はい』
そう言って、僕は電話を切った。でも……どうすればいいんだろう?廃校を何とかするってことは生徒を集めなくちゃいけないということ。それにはここに通いたいと思わせるほどの魅力が必要だ。でもそんなものが音ノ木坂にあれば廃校の危機なんて陥っていない。
………つまり……そんな魅力を見つけるのではなく、
う~~~ん、わかんない!もう明日考えよう。
考えてみたが思いつかず、あきらめてもう寝ることにした。え?寝すぎだろって言った?ほっとけ!
―――――翌日
今日から本格的に授業が始まった。まぁ最初だからほとんど先生の自己紹介や授業の説明とかで終わったけど。ちなみに今日も桜以外の人とは喋れなかった。1日経てば慣れると思ったんだけどそんなに甘くはないみたいだ。お昼ご飯も1人で食べる事になるかもと思っていたけど、桜が「しろはっちー!一緒に食べよ!」っと言ってくれた。
……………あの時は本当に泣きそうになった。
そして放課後になり、僕は昨日言われた通り学院の校舎に来ている
当然、中学と同じで周りの人には注目されるのだが、いちいち気にしていたら切りが無いのでもう気にしないことにした
「……………ここだよな」
僕はことりさんたちのクラス、2年1組に着いた
「あ!シロくーん!こっちだよ」
「すみません優木君、わざわざ来てもらって」
僕を呼んだことりさんの方を見ると、隣には園田さんもいた。あれ?穂乃果さんはいないのかな?
「いえ、大丈夫です。それで穂乃果さんは来ないんですか?」
「ううん、穂乃果ちゃんは「すぐ戻ってくるから!」って言ってたよ」
「そうですか……それで、廃校を何とかしたいんですよね」
「はい。私達も昨日、学校のいいところを探したのですが…」
「部活動とかは?」
「それも調べてみたよ!………でも、最近目立った成績は珠算関東大会6位とか」
「…………微妙ですね」
「合唱部地区予選、奨励賞」
「…………なんかパッとしませんね」
「最後は………ロボット部、書類審査で失格」
最後に至っては結果出してないじゃないですか!!
予想はしてたけど、これはかなり厳しいな
「まぁ、部活が目立っていればもっと生徒はいるはずですよね」
「はい。私もそう思います」
うーん、考えてみると音ノ木坂の魅力って何だろう?校舎は綺麗だし、古くからある学校だから魅力がまったく無いってわけじゃないけど……それだとちょっと弱いよな
どうしようかと僕達が頭を悩ませていた時、教室に穂乃果さんが勢いよく入ってきた
「みんな!お待たせ!!」
「「「穂乃果(さん)(ちゃん)!?」」」
「まったく、どこに行っていたのですか!」
「ごめーん!あっ!白羽君も来てくれたんだ!」
「はい、それでどこに行ってたんですか?」
「これを買いに行ってたんだよ!見て見て見て!!」
そう言って、穂乃果さんは持っていたものを机に置いた。それはたくさんの女の子が映っている雑誌だった
―――――――今思えばここから始まった
「………これ、何の雑誌ですか?」
―――――――この一言から、すべてが始まったんだ
「スクールアイドルだよ!!」
今回出てきた柏木桜のプロフィールです
【挿絵表示】
名前:柏木桜
年齢:12歳
誕生日:9月10日(乙女座)
血液型:O型
身長:157cm
好きな物:桜餅
嫌いな食べ物:辛いもの
音乃木坂中学の一年生で白羽の友達。コミュニケーション能力が高く友達が沢山いる典型的な陽キャ。白羽のことをしろはっちと呼び、仲良くしたいと考えている。
綺羅ツバキと面識があり、彼のことを嫌っている。
その理由は……