シャディク達のスクール時代IF   作:ガラクタ山のヌシ

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おねーさんサイドのお話。


第2話

別に、アーシアンの地位向上だとか、スペーシアンに一泡吹かせてやろうだとか…アタシがグラスレーのスクールに入ったのはそんな高潔な理想やら大それた目的があったわけじゃない。

 

ただ、苦労をかけた父さんに楽をさせてやりたかった。

あと、単純にいい暮らしがしたかったし…。

理由らしい理由なんて、本当にそれだけだ。

 

アタシの母親は、その界隈じゃそれなりに名の知れたらしい娼婦だった。

その母が死期を悟ったのか、はたまた何の気紛れか…最後に産みたいと言って、生まれたのがアタシ。

 

お陰で優れた容姿はもらえたけど、それを活かす機会はなさそうなんだよなぁ。

 

だって…アタシは生まれながらにいわゆる性病を持っていた。

 

夫婦の行為をすれば当然相手にうつしてしまうし、生まれた時点で生涯独身が決まってしまったわけだ。ちゃんちゃん。

 

当然、医師にそんな診断結果を出された以上はそっちの店で使うわけにもいかない。

だからもっぱらの問題は、誰がアタシの世話をするのかってこと。

そこで名乗り出てくれたのが今の父さん。

 

不器用で寡黙なアーシアンのモビルクラフト乗りだったけど、まぁ…良い人だったと思う。

少なくともアタシにとっては。

 

たまたま耳に入ってきたスクールに入るのに必要だったのは、書類と何回か繰り返される面接。

学力は…これから伸ばす方針らしく、特にはテストとかは無かったけど。

そんなこんなで、割とスクールの入学は叶ってたけども…まぁ退屈な日々の連続だ。

 

スペーシアンとしての最低限の教養、文字や言語は当然として、宇宙空間での物理法則だとか…今にして思ってもよく卒業出来たなぁと自分でも思う。

 

ただ…同じことを考える奴ってのはやっぱりいるもんで、まぁ、御三家の未来の跡取りとその側近を選ぼうってんで集められてるんなら、そりゃあ皆必死になるよねって…。

 

ぶっちゃけちゃえば、言えばイジメ蹴落とし何でもあり。

勝ってのしあがれればそれで上等。

 

まぁ〜子供が置かれる環境としちゃあクソだよね。

もう一度あそこで学び直せって言われたら普通に嫌だし。

 

しかもその現状をあろうことが教師陣が握り潰してたモンだから改善なんてされるはずも無く…。

 

おかげで随分と精神的に成長できたっていうか…まぁ擦り切れたよね。

 

ま、そのおかげで『ライカ・ゼネリ』の名前とスペーシアンとしての地位、それからアスティカシアっていう最高の教育機関で学べたって経験が得られたから、そこだけは感謝かなぁ…。

 

決闘委員会なんて大仰な役職もやったけど…少なくともアタシの頃は生徒の自力救済のための立場ってくらいで、やりたがる奴の方が少なくってねぇ…。

せいぜいが御三家の箔付けくらいじゃない?

知らんけど。

 

何とか主席で卒業してからは…まぁ、親父殿の手伝いという名目の元色々連れ回されたしなぁ。

お陰で一時期義兄貴連中にヘンに睨まれたっけ。

 

父さんとは…。

卒業後に一度会いに行ったきりだ。

 

「父さん!!何で一緒にスペーシアンにならねぇんだよ!!スペーシアンになりさえすりゃあ、こんなボロっちい家に住み続ける必要も、節約しなくったって、綺麗な服も!!美味いメシも!!好きなだけ…」

「いらねぇよ」

 

父さんは…アタシに恩返しもさせてくれなかった。

それどころか……。

 

「○○○よぉ…オメェは変わっちまったなぁ…」

 

何で?

 

何でそんな悲しそうな顔でこっちを見るんだよ…!!

 

結局、地球に自分の居場所が無くなった気がして…それに嫌気がさしてたのもあって、ボロ屋を飛び出すように雑にオヤジ殿に連絡入れてからスクールに行ってみたんだけど…まぁ変わってなかったなぁ…。

 

でも、面白い子達にも会えたのは収穫だったかも。

 

特に記憶に残ったのは…歳の割にかなりしっかりしてる子だったり、恋愛話が大好きなおしゃまさんだったり、ぬいぐるみを抱きしめてる弱気な子だったり、いつも元気で笑顔な子だったり…。

 

そして、そんな子たちを引っ張ってた男の子は…どこか纏う雰囲気からして違くて…。

 

でも、その子達や他の子達と遊んでる間だけは、幾分救われてた気がする。

 

本当に…幸せだったんだ。

 

あの時は。

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