そして、キャンプ当日。
早朝から出発し、お昼前には春山田樹海に到着したなでしこたちは、さっそく遊歩道に沿って散策を始めた。
「いやぁコインロッカーが空いてて良かったな。もしいっぱいだったら、あの大荷物を抱えて散策しなけりゃいけないところだった」
テントや寝袋などのキャンプ用具一式から解放された千明は、軽快にスキップしながら進む。
遊歩道の入口には、駐車場に軽食やお土産の販売をしているお店が併設された道の駅ならぬ森の駅があり、そこに荷物を預けることができたのだ。
「天気もええし、最高の散策日和やね」
あおいが手をひさしにして木漏れ日を見上げた。
冬の樹海ということで寒さが心配されたが、しっかりと防寒対策をしてきたため問題なさそうだ。
陽が高くなれば、ちょっと汗ばむようになるかもしれない。
「アキちゃんあおいちゃん! あれ見て! リンちゃんの本に載ってたところだよ!」
雑誌の写真と同じ木漏れ日が射す場所を見つけ、テンションが上がったなでしこはスマホで立て続けに三枚撮影する。
さらに
「見て見て! あそこ! 雪が残ってる!!」
と言っては写真を撮り、
「見て見て見て! すっごい大きな岩がある!!」
と言ってはまた写真を撮っていった。
「相変わらず元気だなお前は」
千明が呆れ半分に言う。
「ホンマ、この前まで怯えまくってたのになぁ」
あおいも苦笑いをした。
ハイテンションで写真を撮りまくるなでしこを先頭に、三人は遊歩道を進む。
オフシーズンのため人はほとんどいないものの、リンが説明してくれた通り道はしっかりと整備され、案内板も判りやすいので安心だ。
三人は遊歩道に沿って森を進み、まず天然記念物指定されている溶岩道を見学、その後、樹海を一望できる高台へとやってきた。
「ふわわわわわぁ! すごおおぉぉい!」
高台にある展望台から眺めに、なでしこはさらに興奮して声を上げる。
樹海の北東部に位置するこの展望台は、北西方面には樹々の広がりとその向こうに本栖湖や西湖を臨み、南東方面には富士山を臨むという、最高の撮影スポットだ。
「アキちゃんあおいちゃん! 写真とろ写真!!」
すでに一時間以上山道を歩き通し(というかほぼずっと走っている)にもかかわらず一向に
「――あれ?」
千明とあおいが休憩している間も、展望台の周辺で写真を撮りまくっていたなでしこは、不思議なものを見つけて声を上げた。
展望台から少し離れた道沿いに、たくさんの石が積み上がっているのだ。
その石が、ちょっと普通の石ではない。
どれも奇麗な球体をしているのだ。
大きさはさまざまで、ピンポン玉くらいのものから野球のボールほどのもの、大きいものではバレーボール大のものもある。
「ねえアキちゃんあおいちゃん、コレ、なにかな?」
なでしこに呼ばれ、千明たちは疲れた体を引きずるようにしてやってきた。
そして、球体の石が積み上がっているのを見て、
「おお? 奇麗な石だな」
と、興味深そうな顔になる。
「誰かが積み上げたのかな?」
なでしこが首を傾ける。
「だと思うが、この石は作り物か? なんのために、こんなにたくさんここまで運んだんだろうな?」
千明も不思議そうに言う。
「でも、石を真球に削るのって、今の技術でもめちゃ難しいって聞いたことあるで? 自然にできた石なんとちゃう?」
と、あおい。
「自然にできるのは、もっと難しいんじゃないかな?」
あおいとなでしこの意見を聞き、千明は眼鏡をきらりと輝かせた。
「オーパーツってヤツかもな」
「オーパーツって、古代に作られた物やのに、当時の技術では作ることが不可能な物のことやな?」
「ああ。ピラミッドとか、ナスカの地上絵とかが有名だな。その中に、『真球の石』っていうのもいくつかあるんだ。コスタリカの石球とか、夜見島の奇石とかだ。これも、そんなオーパーツのひとつなんじゃないか? 持って帰ったら、高く売れるかもしれないぞ。リンに訊いてみようぜ?」
なでしこは石球の写真を撮り、スマホのライーンを使ってリンに送った。
すると、ぽこっ、と音がして、すぐに返事が返ってきた。
【丸石神様だな】
「丸石神様?」
なでしこの横からメッセージを見た千明が言うと、また、ぽこっと音がして新しいメッセージが届いた。
【山梨県内じゃ結構いろんなところに
「そんなのあったか?」
千明が訊くが、あおいもなでしこも首を捻った。
さらにメッセージが届く。
【いろんな祀られ方があるけど、
なでしこは、
【これって、人工的につくられた物なの? それとも、自然にできたものなの?】
とメッセージを送った。
【わからない】
と、すぐにメッセージが帰ってきて、さらに続く。
【実は、丸石神様については、学術的な調査がされてないから、判らないことが多いんだ】
【いつごろ始まった風習なのか、自然のものなのか人工的なものなのか、なぜ山梨一帯にしか広まっていないのか、そもそもなぜ球体なのか、その辺、何ひとつ解明されてないんだよ】
【さらに言えば、県内にはたくさん祀られているのに、住民は意外とその存在に気づいていないことも少なくない】
【それだけ、地域に深く根付いてるってことだね】
「ふーん。不思議だね」
なでしこは感心して頷いた。
ぽこっと鳴って、さらにメッセージが届いた。
【とにかく、それは神様だから、持って帰ったりしたらバチが当たるって、千明に言っといて】
「見透かされてるな」
と、あおいが笑った。
なでしこは【ありがとうリンちゃん!!】とメッセージを送った後、みんなで丸石神様に手を合わせ、キャンプが無事に終わりますように、と祈った。
「――さて、お昼も近いし、そろそろ戻ろうぜ」
展望台で休憩し、なんとかバス停に戻るだけの体力を回復した千明は、どっこいしょと立ち上がった。
「えー? もう戻っちゃうの? まだまだ行ってないとこいっぱいあるよ? せっかくだから、ぜんぶ行こうよ」
なでしこは樹海のパンフレットを広げた。
この一時間ほどで散策できたのは樹海北東部の一角だけだ。
まだ行っていない洞窟や絶景スポットはたくさんある。
「お前樹海の広さなめてんのか」
と、千明。
「全部回ると、陽が暮れるどころの騒ぎじゃねぇぞ」
今回三人が選んだのは、パンフレットにいくつか載っていたオススメトレッキングコースのうち、気軽に楽しめる二時間コースだ。
四時間や六時間の本格的なコースもあるが、それはもはやキャンプ前にふらっと立ち寄るレベルではない。
「戻ってお昼ご飯食べて夕飯の買い出ししてキャンプ場に向かうこと考えたら、もう戻らんとな」
あおいも時間を確認しながら言った。
しょんぼりするなでしこに対し、千明は「ま、いいじゃねぇか」と肩を叩いた。
「少しくらい思い残しがあった方が、また来ようって気になるってもんだぜ」
「うん、そうだね」
なでしこは笑って頷くと、最後にもう一枚、と、富士山をベストアングルで撮影し、三人で来た道を戻りはじめた。
三十分ほど戻った頃。
一度通った道でも相変わらずテンション高く走り回ってスマホで森の写真を撮っていたなでしこだったが。
「――え?」
不意に、スマホの画面に
最初はぼやけた映像だったが、カメラの
森の中に、老人が一人、ぽつんと立っていたのだ。
背が低い、やせ細った老人だった。
丸めた腰に後ろ手に手を組み、じっと、なでしこを見つめている。
真っ白な長いひげと眉に目を細めて笑う姿は街の中で出会えば微笑ましくもあるが、ここは真冬の樹海。
遊歩道が整備されているとはいえ、腰の曲がった老人が一人でやって来られるような場所ではない。
もちろん、シーズンオフとはいえ、少ないながらも観光客は何組かいたし、自殺やゴミの不法投棄をパトロールする地域の人たちもいた。
中にはそれなりに年配の人もいたから、あの老人も、あんなやせ細って腰が曲がった姿をしていても実は元気なのかもしれない。
しかし、その老人は明らかに樹海を歩くような服装ではなかった。
全身泥まみれの野良着姿で、畑仕事でもして来たかのような格好なのだ。
理解が追いつかず立ち尽くすなでしこを、老人は、身動きひとつせずじっと見つめている。
そこへ。
「森の駅まで、あとどれくらいだ? バス、間に合いそうか?」
「うーん、ちょっと厳しいかもしれへんな」
千明とあおいが、地図と時計を確認しながら通り過ぎた。
老人が立っている場所は、遊歩道から十メートルほどだ。気付かなかったとは思えない。
なのに、二人は立ち止まることもなく通り過ぎた。
まるで、そこに老人がいても、何ひとつ変ではないかのように。
数日前、樹海の説明をしてくれたリンは、近くに民宿村と呼ばれる集落があると言っていた。
あの老人は、その村の住人なのだろうか?
しかし、さっき高台から見たときは、近くに集落のようなものはなかったはずだ。
見逃していたのだろうか?
たとえ近くに集落があったとしても、遊歩道から離れた場所に老人が一人でいるのはただ事ではない。
なでしこは、声をかけようとした。
しかし。
「なでしこ? なにしてるんだ? 早く来いよ」
先を歩く千明が、振り返って言った
「そうそう。ぼーっとしとったら、おいてくで」
あおいも振り返る。
ふたりともなでしこを見て、笑顔で呼ぶ。
老人の方を見ようともしない。
ひょっとして気付いてないのだろうか?
「ねえ、あそこにお爺さんがいるけど、なにしてるのかな?」
なでしこは、森の中を指さして二人に訊いたが。
「さーて、早くバス停に戻らなきゃな」
「せやな。乗り遅れると、次のバスは二時間後やからな」
二人はまた地図と時計に目を戻し、なでしこに背を向け、そのまま行こうとする。
早く来い、と背中が言っているように思えた。
だが、なでしこは老人が気になる。
何か困ったことでもあるのなら、とても放ってはおけない。
なでしこは、もう一度老人に声をかけようとした。
すると。
「なでしこー。早く来いよー」
千明が、今度は後ろを振り返ることなく呼んだ。
心なしか、声に苛立ちのようなものを感じる。
「なでしこちゃーん。バスに乗り遅れたら、キャンプ場に着くのが夜になってまうでー」
あおいも振り返ることなく呼ぶ。
声に抑揚が無く、感情を抑えているようにも思えた。
ただならぬ様子に、なでしこは老人のことが気になりながらも、二人の元へ走った。
「さ、行くぞ」
なでしこが追いつくと、千明たちは先を急ぐように歩き出す。
それでも、なでしことしてはやはり老人を放っておけない。
「でも、アキちゃん。あそこに、お爺さんがいるの」
相変わらず笑顔を向けて森の中に立ちつくす老人を、なでしこは指さす。
しかし、千明はやはり振り返ることはなく。
「ああ。
そっけない口調で言った。
「え……ほっといていいって……?」
信じられない言葉に戸惑うなでしこは、助けを求めるようにあおいを見た。
「
そのあおいも、千明と同じようにそっけなく言う。
そして、その後、「ホンマは見るのもアカンのやけどな」と、ぼそりとつぶやいた。
ふたりとも、あの老人のことを知っているのだろうか?
ほっといていい、関わらない方がいい……なにか、この辺りで有名な迷惑系の人なのだろうか?
最近はキャンプ場などで頼んでもいないのに若い女性にテントの張り方や火の熾し方などを指導したがる『教え魔』なる困った人が出没するらしいが、そのたぐいなのだろうか。
しかし、見るのもダメというのは、どういうことなのだろう。
「よーし! じゃあ、バス停まで走るぞー」
重苦しくなった空気を吹き飛ばすように、千明がテンション高めに言った。
さっきのどこか苛立ったような様子は、もう無かった。
「ええな。なでしこちゃん、競争や」
あおいも笑顔を浮かべる。
そして、二人は走り出した。
なでしこは振り返った。
老人は、やはり身動きひとつせず、こちらを見つめている。
気になるが、千明とあおいが放っておいていいと言うのなら、それを信じよう。
なでしこは、ごめんなさいと胸の内で謝ると、二人の後を追いかけた。
走ったおかげで、森の駅には予定より一〇分ほど早く着いた。
千明とあおいはバスに乗り遅れると言っていたが、着いてみたらバスが来るまでまだ三十分以上あるし、それに乗り遅れても、次のバスは一時間後だ。
「あれ? 時間、間違えたてもうたかな?」
てへ、っという感じでおどけて舌を出すあおい。
その目が宙を泳いでいる。
あおいが嘘をついているときのいつもの仕草だが、いつもとはなにかが違うように思えた。
「しょうがねーなー。ま、せっかくだし、ここでごはんを食べていくか」
無駄に走らされたにもかかわらず、千明は文句のひとつも言わず、飲食店がある山小屋風の建物へ向かう。
どうも様子がおかしい――なでしこがそう思っていたのは、飲食店に入ってメニューを見るまでだった。
名物の富士宮焼きそばに吉田のうどんにトウモロコシソフトクリームなどのメニューを見た瞬間、なでしこの頭の中から樹海の老人や千明とあおいのおかしな様子などはきれいさっぱり無くなってしまった。
そんななでしこの姿を見た二人も、どこか安堵したような笑顔を浮かべていた。
焼きそばにうどんというダブル炭水化物をぺろりと平らげ、トウモロコシアイスも食べ終わったなでしこは、まだ半分も食べていない二人に、
「あたし、ちょっとお土産見てくるね」
と告げ、隣のお土産コーナーへ向かった。
富士山や樹海をイメージしたお菓子やキーホルダーやぬいぐるみを見て回ったなでしこは、誰に何を買うかな、と考える。
リンちゃんに
この後はコインロッカーから荷物を回収し、さらにスーパーで夕食の買い出しもしなければいけないから、とても持ちきれる量ではない。
お土産は帰りにした方がいいだろうか。
ちょっとアキちゃんとあおいちゃんに相談してみよう。なでしこは飲食店に戻った。
「ねえねえアキちゃんあおいちゃん。帰りって、どこかお土産が買えるところに……」
思わず、なでしこは言葉を失う。
二人は、ものすごく真剣な表情で向かい合っていた。
テーブルに置かれた食事には、まだ半分くらい残っている。
なでしこが席を離れてから、まったく手が付けられていない。
それほど重大な話をしていた、ということだろうか。
声をかけるかどうか迷っていると、千明が、「……まいったなぁ」と、頭を抱えた。
「完全に油断してよ。まさか、あんな遊歩道の近くまで来るなんて」
あおいもため息をつく。
「最初からなでしこちゃんを狙ってたんやろなぁ。なでしこちゃん、ずーっとスマホで写真撮ってたし……あれ、まずいんちゃう?」
「だな。絶対、
「やろなぁ」
千明は頭痛を我慢するかのようにこめかみを抑え、あおいはもう一度大きくため息をつく。
二人がなんの話をしているのか、なでしこには判らない。
ただ、ごはんを食べてすっかり忘れていたあの老人のことを思い出してしまった。
「とにかく、今日のキャンプは中止だな。ちょっとでも離れた方がいいだろうし、お
「せやな。お札はウチが行くから、アキは、電話のほう頼んでもええ?」
「ああ。任せとけ」
そして、二人は神妙な面持ちで黙り込んでしまった。
キャンプが中止……。
いったい、何があったのだろうか。
千明は今日のキャンプの計画をかなり前から立てていたし、あおいも電車・バスの時間や周辺の施設を調べるなど準備に余念がなかった。
資金を貯めるためにバイトにも励んだ。
みんな、今回のキャンプを楽しみにしていたのだ。
なのに、二人ともあっさりと中止するという。ただ事ではないように思う。
「あ、なでしこ」
千明が、出て行くタイミングを失ってまごまごしていたなでしこに気づいた。
「お土産、いいのあったか?」
さっきまでの神妙な様子は微塵も見せず、いつもの調子で言う。
「あ、えーっと。うん。いろいろあったけど、荷物になるから、買うのはまだ早いかなーって」
「そっか。まあ、そうだな」
そう言った後、千明はあおいに目配せをする。
あおいはわずかに頷くと、「ねえ、なでしこちゃん」と、視線をなでしこに移した。
「さっき、ウチの家から電話があってな。急に妹が熱出したみたいで、帰らなあかんなったんや」
「え? あかりちゃんが? それは心配だね」
「うん。せやから、ごめんやけど、今日のキャンプは中止にしてええかな?」
「もちろんだよ。早く帰ろう」
千明が時計を見た。
「よし。じゃあ、そろそろバスが来るから、行くか」
二人とも席を立つ。
コインロッカーから荷物を回収すると、再びバスと電車を乗り継ぎ、地元の最寄り駅まで戻る。
その間、二人はほとんど黙ったままで、なでしこが話しかけても、「ああ」とか、「せやね」とか、そっけない返事が返って来るだけだった。
「ホンマにゴメンな、なでしこちゃん。じゃあ、またな」
あおいは両手を合わせてなでしこに謝ると、早足で歩き出す。
しかし、その方向は、あおいの家とは逆方向だ。
「あれ? あおいちゃんの家、そっちじゃないよね?」
なでしこが言うと、あおいは振り返り、
「ちょっとな、妹に
とだけ言って、行ってしまった。
薬なら、あおいの家の帰り道に大きなドラッグストアがあるはずだ。
なぜ反対方向へ行くのだろう。かかりつけの病院でもあるのだろうか。
「なあ、なでしこ」
千明が呼んだ。
「今晩、ちょっと電話してもいいか?」
「電話? いいけど、なんで?」
「んー、まあ、野クルのこれからの活動のこととか、次のテストのこととか、バイトのこととか、いろいろ話したいことが山ほどあるんだ」
「そうなの? じゃあ、いまからうちに来る?」
なでしこは首を傾けて訊いた。
もともとキャンプ場で一泊する予定だったから、二人ともこの後の予定はない。
まだ夕方だし、せっかくだから、これからお泊り会をしてもいい。
だが、千明は。
「いや、電話じゃなきゃダメなんだ」
キッパリとした口調で言った。
電話じゃなく直接会って話すというのはあるが、直接じゃなく電話で話すというのは、あまりないように思う。
「うん。まあ、いいけど」
戸惑いながらも、なでしこは答えた
「じゃ、約束な。ちょっと遅くなると思うけど、寝るんじゃないぞ?」
「うん……」
「じゃ、また夜にな」
千明は片手を上げてにかっと笑うと、あおいと同じく早足で帰って行った。
しばらく駅前に立ち尽くすなでしこ。
なんだか、一人取り残されたような気分だった。
明らかに二人の様子がおかしい。
だが、何がどうおかしいのかは、よく判らない。
――ううん。きっと気のせいだよ。
なでしこはもやもやする気持ちを振り払うように大きく首を振り、自分も家に帰ることにした。