「やりたいと思うことをやりなさい」
父は、そう言った。
「これが、心なのか…」
彼は嬉し気に、楽し気に笑いながら、涙を溢した。
「ご覧!プリズム、これがお前の為だけの勝負服だよ!」
抑え込んでいた感情を爆発させるかのように、父が嬉しそうに言う。
「あとはお願いしますね、プリズムさん」
たった数日で彼女の全てを教えてくれた先生に、託された思いを、今。
私は11番目の
父の実験、その最大の失敗作だった。
だからこそ何も知らせず背負わせず、今までただの子供として育てられてきたのだと。
父は、狂気の中にあってなお、愛を棄てられなかった。
私達の姉、9つの作品達を、淀みなく数え上げた。
名前を、性格を、見た目を。
込めた意味を、どうなって欲しくて、どう死んだのかを。
刹那を生きた、姉達の全てを記憶しているのだと。
母は、父を愛していた。
だから、魔法少女の母胎になった。
父の悲願、その第一歩目だった。
そして最期は娘の手によって、死んだ。
その時、父は
事実、最強だった。
それでも、届かなかった。
その時、父は私が無力であることに、心底安堵したのだと。
彼は言いました。
ブラックダイヤを必ず殺すのだと。
自身の
そのために、私が必要なのだと。
父は全てを知っていました。
後継が、最高傑作を
自分が諦めるだけで、人類の半永久的な平和が訪れることを。
それでも、私達を愛してくれました。
先生は、もう立ち止まりません。
たった一人に全てを背負わせる、罪深さを。
逃げ出した自身の愚かさを。
決して忘れることはありません。
私は誓います。
私だけの
私達の父に。
必ず神殺しを成すと。
そして、神が堕ちた日。
私達は、戦いに勝利しました。
けれど、勝負に負けてしまいました。
たった一度限りのチャンスを、無駄にしてしまいました。
ごめんなさい。
「お前に誓う、俺が必ずやり遂げると」
「
怒りんぼの
せっかく父が作ってくれた衣装がボロボロで、なんだか恥ずかしいです。
「お疲れ様、彩」
「…二人とも、愛しているよ」
理解しようともしなかった私を、それでも愛してくれて、ありがとう。
あぁ、胸に空いた穴から全てが抜け落ちていくみたいに、とても、眠い。
「さようなら、彩」
「また ね おねぇ ちゃ 」
久しぶりに見た姉の顔は、涙で濡れていました。
推しの魔法少女、殺したかった。けれど、死んで欲しくなかった。