とある初恋の夢物語   作:凪子22

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「不条理な嫉妬と少女の物語」

とある4月下旬この時期になると日本では入学シーズンを終え新たな生活に戸惑いながらも高揚感に浮き足立ってしまう時期。学園都市も例外では無い

 

入学式とオリエンテーションが終わり本格的にカリキュラムを受け今までとは別の学校生活が待っている心浮き立つ季節だというのに1人の少女は寮の自室の洗面台で憂鬱な顔を鏡に写していた。

「はぁ……やだなぁ……」

軽くウェーブしたセミロングの黒髪、前髪には羊のヘアピンを付けた少女は学校に行く準備は済んでいるのに未だに洗面台の前から動けずにいる。

(嫌だなぁ、何がダメだったんだろう……やっぱり部活の勧誘でアイドル研究会やら演劇部とか色々一気に誘われたから目つけられたのかなぁ……)

(いや、やっぱり演劇部の先輩のあれかなぁ……)

部活勧誘発表会の日、演劇部の部長男子が演目中に壇上から降りて少女に近寄り手の甲にキスをするというトンデモアドリブに巻き込まれたのである。おかげで黄色い歓声と妬みの視線が突き刺さり、その日以来嫌がらせの日々が続いていた。

「あれは不可抗力だよぉ……研究所に帰りたいよせんせぇ〜……」

とはいえ、去年まで過ごして来た研究所を思い出しても時間は無常にも進んでいく携帯端末で時間を確認したら遅刻ギリギリの時間だった。

「んにゃっ!!やっばい!」

 

 

(良かったー間に合って)

「お、おはようございま〜す」ときまづい空気の中始業ベルがなる前に教室に滑り込んだ事にトイレの個室の中下向きに苦笑いを浮かべる少女、相も変わらず教室の空気は微妙なもので部活勧誘の日以来クラスメイトからは好奇心と妬みの視線が入り交じりおかげで浮いた存在となってしまい友人と呼べる関係性を築けていないし、謎の空気感が教室に漂っている。

迷惑千万とはこの事か

「出よう……」

そろそろ次の授業が始まる時間だと、立ち上がった瞬間頭の上から大量の水が降ってきた。

上から重力がのしかかってきたのかと思ったがポタポタと水滴が落ちていくのを見て水をかけられたと気付いた。暖かくなってきたとはいえまだ肌寒く季節の変わり目の時期風邪をひいたらどうしてくれると今まで溜まっていたストレスが限界を迎えてきてしまっている

 

「あっははは!ざまぁないわねこの尻軽女!」

「入学早々目立ちすぎなんだよ、つーかお前みたいな尻軽遊ばれて終わりに決まってじゃん」

ドアの向こうに2人分の姦しい声、クラスメイトの中にいたかなこんなコッテコテのギャルっぽい感じの子

「あのさぁ、思い当たる節がアドリブの事位しかないけど、はっきり言って巻き込まれて迷惑してるのはこっちなんですけど?」

「そもそも勧誘の演目は最初からシナリオが決まってたんだよ、あの時部長から手を引いて貰うのはあたしって決まってたの!……チッどんな色目使って奪ったのよ!」

ザバッとまた水が降ってくる、要はアドリブ風に見せた演出のはずが演者が突発的に本当のアドリブにしてしまってプライドが傷ついた八つ当たりという訳で、それは少女のせいなのか?

 

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