「なるほどなぁ…こういうのは多々あるが私生活までとなると…」
だがしかし、ここまで自分が執着されるのか少女には理解ができない。小学五年生からの五年間研究所で過ごして来た少女にはいささか自他の認識とずれがあるのが原因なのか、自分に対してここまでする価値があるのか甚だ疑問だった。
「異変を感じたら
その言葉を聞いて少し安心した。一時しのぎとはいえ安全な場所で過ごせるのなら心に余裕を持たせられる、だが根本的な解決にはならない事は事実なのでまずストーカーが誰なのか見つけ出す必要がある。
「ありがとうございます…」
不安の種は取り除かれてはいない、だがいつまでも人任せにはできないし犯人を自分で見つけ出す必要がある。良案が思いつかないがそれでもやるしかないと職員室から出て気持ちを切り替えようとした時前から見覚えのある2人組が近づいて来た。
「チサ、犯人見つけるまであたし達と一緒に住むわよ」
「うん、その方がいいと思う、というか決定事項ね」
「はぇ?あっ!えっとね先生が
「ダメだったら?」
「え?」
「ダメだったらどうするつもりだったのよ」
「……」
見抜かれていると思った、肩をつかんでまっすぐこちらを見据える金髪の女子に気圧されてしまう、まるでいつかの日の様に
(…あの時とは逆だなぁ、これじゃ)
あくまでも担任は「かけあう」としか言っていない、たとえ施設に逃げ込んだとしてその後はどうなる、一時的に凌いでも犯人が捕まらなければ自宅の寮に戻っても繰り返すだけ。ストーカーに怯える日々の繰り返し
うつむいたまま答えが出せない、頼り方を知らないから。
あの研究所で大人達に囲まれながら大事にはされていた、それでも独りだった。
「たすけてって、言うんだよ」
「こういう時はたすけてって言えばいいの。」
黒髪女子の言葉で顔を上げる目の前の2人はしょうがない子だと微笑んでいた
「…巻き込んで、いいの?危ないよ?」
「いいに決まってんでしょ、友達なんだから」
「上等☆」
友達、その言葉に心が揺らぐ。他者に弱音を吐くのは初めてかもしれない
「…こわくて」
「ほんとは今も怖くて、ゴールデンウィーク中からずっと…不安でしょうがなくて…」
然るべき所以外の頼り方なんて誰も教えてくれなかった。独りで抱え込んで取り繕うのが得意になっていつの間にかそれが普通になってしまった。
「「それで?」」
「…たすけてっ!」
「まっかせなさ~い」
「まったく…しょうがないんだから」
張りつめていた緊張がほどけていく、2人に抱き着かれてその暖かさで胸がいっぱいになった。今は不思議と怖くない