2人と一緒に居るおかげなのか被害は少し和らいだかのように思えた。今は2人の寮部屋に居候してたり智沙音の部屋にどちらか1人何日か泊まってを繰り返す日々、今日は智沙音の部屋に黒髪女子が泊まりに来てくれている。あれから犯人からの異常なアプローチは見なくなったが視線だけは続いている。
犯人を捜したいのは山々だが嵐の前の静けさのよう。このまま諦めてほしいがきっとそうはならないのは何となく分かってしまうのがキズである。
夕食を食べ終わって19時といったところで智沙音は無性に甘い物が食べたくなってきた、夜に甘い物が食べたくなる衝動はストレスか睡眠不足そして、女子限定の
(うっ…こんな時に限ってヨーグルトがない…)
冷蔵庫を開け比較的ローカロリーかつ罪悪感の少ないのヨーグルトを探すが運が悪いのか日頃の行いが原因なのか、冷蔵庫の中にちょうどいい塩梅のデザートが残されていなかった。
(コンビニ行くかなぁ…ちょうど近くだし、パッと行ってササッと帰ってくれば…うーん)
幸い24時間営業のコンビニは近くにある、ちなみに友人は入浴中。
5分もあれば帰ってこれはするがストーカーの被害に遭っている自分が夜1人で出歩くのはさすがに気が緩んでいるのではないかと膝を抱え脳内で右往左往する。
(2人で行く方がいいのは分かってるけど…むむむ)
「……ふぅー…甘い物には逆らえない。」
何を隠そうこのお気楽少女、甘い物となると理性が緩むのである。
「よしっ、寄り道しない。よそ見もしない、そっこー買ってパパっと帰るっ!」
玄関で1つ1つ指折り数えてよしっと意気込みドアを開けて行くのだった。
コンビニでヨーグルトを買い置き分含めていくつか購入し外に出たところで意外な人物と鉢合わせた。
「やぁ、こんばんは。こんな時間にどうしたのかな?」
「あ、え、演劇部の…こんばんは…先輩も何か買いに来たんですか?」
演劇部の部長だった手ぶらで入口の前に立っているが、どこか違和感がある。
「あー僕は、夜の散歩、かな?案外大事だったりするんだ演技でね。」
「へ、へーじゃあ、あたしはこれで…」
「待って」
ガシッと少し痛いくらい手首を掴まれる、和解はしたもののこの部長に迷惑をかけられたことと妙に距離が近いことに違和感を感じずにはいられず、なるべく関わりたくないのが本音なのだ。
「君には僕の勝手な行為で迷惑をかけてしまったからね」
軽やかな笑顔なのになぜか不気味
「寮まで送るよそれに今厄介なことになってるんだろう?1人じゃ危ないよ」
掴まれた手首が痛い
「噂になってるよ1年がストーカー被害受けてるって夜道に1人は危ないじゃないか送ってあげるよ、ね?」
言い表せない気持ち悪さを少女は知っている
「あ、あの!!」
「寮はすぐそこなので…それに今友達が泊まりに来てますし、あと…痛い、です。」
スッと手が離れる、怖くて地面に目線を向ける今すぐこの場を離れたい。
「怖がらせてごめんね…ただ心配してるんだ、夜に出歩くのは気を付けなきゃダメだよ。」
少女の頭に手を伸ばしポンポンと馴れ馴れしく触られてぞっと鳥肌が立った、嫌な予感が確実に当たっている気がする。
「それじゃ!あたしはこれで!」
彼がどんな表情をしているのか最後まで見ずに少女は走り去って行った。
「また明日…ね」
無我夢中で自分の家まで戻って玄関を開けたら鬼の形相で友人が仁王立ちしていた。当たり前である
「お か え り」
「ふぇ、ふぇぇぇ~~~~ん」
泣きながら抱き着かれて怒りよりも心配が募ってしまい何があったのかと言う前に少女が泣きじゃくりながらつぶやいた。
「は…犯人、分かっちゃったかもぉ」
さあ、ここからが本番