「あ~ん~た~は~」
「ごめんなひゃい…」
「どうどう」
ゴゴゴゴゴゴゴゴと効果音を背景に纏わせた金髪女子は智沙音の部屋につくなりお説教モードで智沙音の頬をつねりだす、さすがに痛々しく見えたのかさっきまで怒っていたはずの黒髪女子が宥めだしている。
「自分の状況が分かってんのあんたは!!この胸か!この無駄にでかい胸に危機感吸収されてるのか!?」
「んにゃああああああああああああ!!!!えっち!!えっちなのはやめっ、にゃぁああああああああああああああああああああああ」
「ちょっと待って、わたしも触りたい」
2人がかりでもみくちゃにされたまらず仰向けに倒れてしまいされるがままになってしまう。2人の手が智沙音の胸に食い込んできてくすぐったくて体をよじるが2人は何かに取り付かれたように目をギラつかせて来る。
この部屋一帯が妖しい百合空間を展開する前に逃げなくては、何をされるかわかったもんじゃない。
「ストップ!ごめんなさい!!反省しました!もう1人で夜出歩きません!!!もうしませんから、にゃああああああああああああ!!!!!」
「このやわらかさ…もちっとしてるけど弾力があって…マシュマロか!?」
「やっぱりいつ見てもむかつくわね…この大きさで何で垂れないのよ!」
推定FカップかGカップはありそうなたわわな胸部を揉みしだかれるのにも我慢の限界、近くにあったクッションを金髪女子の顔面に押し付ける。
「ふぐっ」
「おしまい!もうおしまい!!」
「もうちょっとだけ…」
「だめっ!」
しょぼんとした顔でえーと言われてもダメなものはダメなのである。
とはいえ、このままじゃれあっていても埒が明かないと智沙音は話を切り替えた。
「と、とにかく!ちょっと探りを入れてもいいかなって思うんだよね、なんというか…勘ではあるけど…」
「まぁ、タイミングが良いのも怪しい所よね。後ストーカーって身近な人が犯人でしたって、よくある話らしいし」
統計率的には50%以上は顔見知りらしいしと、クッションが鼻にぶつかったのか鼻をさすりながら神妙な顔で話す金髪女子。落ち着いてくれたようでほっとした。
「うーん、犯人だとしてそんなに接点あったかなぁ…?なんでこうなった?」
ジトーッと鈍感にも程があると視線を2人から向けられる。
「自分が人たらしっていう自覚ないとか…あんたどういう生活してきたのよ」
「ん?11才位からはずっと研究所だよ?その前は保護施設で育ったし…」
「あ!
そういう事は早く言えと2人が天井を仰いだ。
2人の様子を見て自分が世間離れしているというのが身に染みて分かった気がする。しかし研究所を出て学校生活を送るのは五年ぶりでもあり、それに自分が関わってきた人間といえば研究員が大半なせいで同世代の恋愛模様やらコミュニケーションに多少のずれがあるのはしょうがないと智沙音はふてくされた。
「なんかこう…浮世離れしてるというか、子供っぽいなぁって思った理由なんか分かったかも」
「危ない…隙が多すぎるわこの子」
「なんか釈然としないけど…しょうがないもん…」
ぷうと子供の様に頬膨らませる。大人から見ればかわいらしいのかもしれないが、同世代の女子から見れば危うく見えてしょうがない。
「とりあえず探りを入れるのはわたし達でやってみるよ」
「あんたは近づかない事。いいわね?」
「はーい…」
あの部長に関わるのは正直嫌なのと余計にこじれるのは目に見えている。ここは2人に任せようと承諾した時黒髪女子が何か思い出したように話し出した。
「あ、そういえば明日避難訓練だ」
「げ。忘れてた」
2人が大分めんどくさそうにしているので何が不満なのだろうと首を傾げる。
「避難訓練ってそんなに大変だったっけ?」
「まじか…」
友人2人はまた天井を見上げた。