ミサト「あなたが碇シンジ君ね?」ジョルノ「いえ、違います」【完結】 作:サルオ
ネルフの第二発令所に僕たちが着いた頃には、すでにそこは戦場のような慌ただしさに包まれていた。
「エヴァ弐号機、起動!」
なんだと?弐号機が!?
「どういう事!?」
葛城さんが急いで日向さんに問い詰める。
「あ、アタシの弐号機が!?」
シンジ君の横にいるラングレーも驚きを隠せないようだ。
「じゃあ渚くんが!?」
「いえ、無人です!」
「無人!?」
「はい!弐号機にエントリープラグは挿入されていません!」
「そんな、馬鹿な・・・」
「セントラルドグマにATフィールドの発生を確認!!」
「弐号機!?」
「いえ、パターン青!間違いありません!使徒です!」
マズいな、これは。エヴァが乗っ取られるなんて第13の使徒以来の大事件だ。
しかも使徒のATフィールド。という事は、渚カヲルが発生させたものだという事だ。これが彼自身の意志によって行われているとは思えないが、だとすると渚カヲルは、あの『ピルグリム』とかいうスタンドに操られている事になる!
「目標は第四層を通過!尚も降下中!!」
「ダメです!リニアの電源は切れません!」
「目標は第五層を通過!!」
「セントラルドグマへ続く全隔壁を緊急閉鎖!」
発令所の上階にいた冬月副司令が、とうとう怒号を発した。彼が大きな声を出す事は珍しい。
それほど、ヤバい事態って事だな・・・!
「少しでもいい!時間を稼げ!」
『マルボルジェ全層緊急閉鎖、総員待避、総員待避!』
冬月副司令の指示を受けて、画面上にいくつもの隔壁が緊急閉鎖されていく映像が流れる。
「・・・・・・まさか・・・・・・直接・・・とは、な」
上階では冬月副司令と碇司令が何かを話しているが、この騒ぎのせいで上手く聞き取れなかった。
「老人たち・・・・・・・・・つもりだ・・・・・・手を使ってな」
何やら意味深な会話だが、今はそれどころではない!
「父さん!」
「・・・なんだ」
「初号機で、行かせてください!」
シンジ君が実の父親に向かって大声で叫ぶ。それを受けて、碇司令は。
「いいだろう。エヴァ初号機に追撃させろ」
珍しく、シンジ君の要望を承諾した。
「「はい!」」
シンジ君と葛城さんが同時に返答する。それを聞いた僕は、初号機へと向かって走り出した。
「シンジ!弐号機を・・・!」
「ん!わかってるよ!アスカ」
シンジ君もすぐに僕に追い付いてくる。僕らは二人して初号機に急いだ。
▼△▼△▼△▼△
【どうした、タブリス。エヴァの動きが鈍いな?】
「・・・・・・いまのこのアダムの分身は、心を閉ざしていないんだ。いくらぼくが操れるからと言ったって、限度がある。今、この女性は必死に僕に抗っているんだ。可愛い娘のためにね」
【なるほど。予定された運命に転がる小石。些事ではあるが、面倒な事だ】
「それより良いのかい?ぼくを殺さなくて」
【タブリス、お前の死は確定されている。それは確固たる『運命』だ。だが今じゃあない。お前の死は、この後にある】
「・・・・・・そうかい、でも」
タブリス、いや、渚カヲルは今し方突破してきた隔壁たちを見上げ──、
「もうすぐ、彼が、いや、彼らがきてくれるよ。そして僕を消してくれるだろう。それならば、ぼくは本望だ」
諦めたように、笑った。
その横で、『ピルグリム』はくぐもった笑いをこぼす。
【碇。君はよき友人であり、志を共にする仲間であり、理解ある協力者だった。これが最後の仕事だ。初号機による遂行を願うぞ】
▼△▼△▼△▼△
僕は初号機の『外』、つまり、肩のウェポンラックに捕まり、初号機とともにセントラルドグマを降下していた。
『装甲隔壁はエヴァ弐号機により突破されています!』
『目標は第17隔壁を通過!』
『シンジ君!ジョルノ!聞こえる!?』
『はい!』
「ああ!」
『目標の最下層への侵入は絶対に阻止して!どんな手を使ってもよ!』
「葛城さん。それは使徒の死をもってして、という意味か・・・?」
通信の向こうで、葛城さんたちが黙り込んだのがわかる。ついさっきまで、僕らは和気あいあいとやっていたわけだからな。躊躇するのも無理はない。
だから、僕は僕の役割を明確にして教えてやろう。
「エヴァ弐号機はシンジ君が止める。そして渚カヲルは、いや、渚カヲルを操っている『スタンド』は僕が止める。両方ともやらなくっちゃあならないが・・・・・・」
『大丈夫!僕たち二人なら、できるよ!』
ああ、そうだな。シンジ君!
『エヴァ初号機、ルート2を降下!目標を追跡中!・・・・・・第9層に到達!目標と接触します!!』
「シンジ君!」
『うん!見つけた・・・!!』
僕は初号機の肩の上で『矢』を取り出すと、『ゴールド・エクスペリエンス』に突き立てながら、初号機から飛び降りた!
「来たね、シンジ君!それに、ジョルノ・ジョバァーナ・・・!」
僕のスタンドが進化を遂げ、光の爆発とともに『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』を発動させた。
瞬間、僕と渚カヲルの視線が絡まる。
その間に割って入ってくるのは、黒いローブを着込んだ人型のスタンド。確か『ピルグリム』とか言ったか!
「引っ込んでろ!!」
【貴様がな】
『カヲル君!!弐号機を・・・!』
「ダメなんだ、シンジ君。ぼくはぼく自身を止めることができない。・・・だから」
初号機と弐号機が僕たちの横でガシィッと音を立てて組み合う!
そして、僕と『ピルグリム』は!
「ぼくを、消してくれ・・・・・・!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」
互いの拳で、攻撃を開始した・・・!
つづく