怠惰の魔女さん(1200歳)とか弱い人間くん 作:タスマニアたけしMK1a
三月四日 バチくそ矛盾のある描写があったので修正しました。
「相変わらず汚いッスね」
「ほんっっっっとうに何も変わらないな君は、もう慣れたが」
少年が兵士になると決めたあの日からさらに数年の月日が経ち、少年は立派な青年になっていた。
その身に纏う鎧からもわかる通り、彼は夢を叶えた。
「...結局、なったのだな、兵士に」
「もちろん、これでもかなり優秀なほうなんですよ?魔女さんに比べたら弱いかもしれませんけど」
「ふ、私にかかれば君のような軽歩兵なんて文字通り塵に出来るからな」
「ワースゴーイ魔女さんパネェっす」
「君最近、私の扱い雑じゃないか?キレるぞ?約1200歳が大人気なくキレるぞ?」
ここ数年でさらに、仲が良く?なったのか、完全に、互い遠慮はしなくなっていた。
「あ、そういえば今回の魔女集会はどうでした?また火の魔女さんが暴れましたか?」
「あぁ、今回は特になにも、前回私にドヤされたのがまだ響いてるらしく借りてきた猫のように大人しかったよ」
「魔女さん怒ると鬼怖いっすからねぇ、ノールック水魔法は今でも俺の心に焼き付いてますよ」
「あれは君のデリカシーのなさが招いたものだからな」
少年、いや青年も大人になったためか、昔のような無鉄砲さは鳴りを潜め、大人の余裕が出来たように見える。
いつの間にか身長も魔女を抜いていた。今では彼女が見上げる側である
「あはは....それで、本題なんすけど。実は俺っ!彼女が出来ました!!!!」
「っ!....そうかい。君と付き合うとは、その子はとんだ物好きだな」
「いやー配属先の街にあるパン屋の娘さんなんすけどね?なんというか素朴な感じなんだけどすっごい可愛いんすよ!」
「良かったな。いや良くないな。君のようなノンデリゴリラの遺伝子が受け継がれるのは良くないな」
「ひどいっ!」
恒例と化した軽口の叩き合いをして、お互いに笑って過ごした。
夢中になって雑談するうちに、気が付けば、もう夕方になっていた。
「あ、そろそろ帰りますね」
「今日は少し早いな?彼女がお待ちか?」
「まあ、それもそうなんすけど。....魔女さん森の中に居るから知らないっすよね」
「?」
「戦争っすよ、うちの国と隣国でやるんです。俺は最前線に駆り出されますね。若いしそこそこ優秀なんで」
先程までにこやかな笑顔を浮かべていた魔女の顔が曇る。
「...そうか、まあ君はしぶといし大丈夫だろうが、死ぬなよ」
「もちろんですよ!可愛い彼女も待ってるんでね!」
「あぁ、そうだな.....」
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街は嫌いだ。
臭いし、煩いし、あと狭い。
本当ならこんなところ今すぐ出ていきたい。でも、確かめなければいけないから。
今この街は、暗い空気に包まれていて、ただでさえ嫌な場所がさらに陰険な雰囲気を纏っていてサイアク。まあ、ここは最近発生した戦争の激戦地にほど近い所にある街だから、仕方がない。
忙しなく動き回る衛生兵、顔を真っ赤にして指示を出す佐官、暗い顔で俯く兵卒。
戦争が起きた時に、よく見る光景だ。
「あれは?」
1つ目に付いた。担架で運ばれる死体。若い女だった。
「うわ!?お嬢さんどこから出てきた?...あの娘は、男が戦争で死んじまって、その後を追ったらしいんだよ。若いのにねぇ...」
女の死体が運び出されたところを聞くと、どうやらこの近くにあるパン屋であるとの事。
決して美人では無いが、優しく真面目で、愛嬌のある子だったと、人々は口々に言った。
また、同じ道を辿る。
貴方は死ぬ
あなたが直ぐに死んでしまうなら、私は何度でも因果をねじ曲げる。
何度も何度も繰り返す。あなたと過ごす十余年を噛み締める。
私の目標、それはあなたと少しでも多くの時間を過ごす事。
「えと、ここに魔女が居るって聞いて、来ました」
「はぁ、まあ取り敢えずそこに掛けたまえ『少年』」
私が1番綺麗だった時、私は諦めた。
幾度も幾度もあなたは生まれ変わる、けれども死の運命だけは覆せない
抗うことすら諦めて、ただあなたとの短い蜜月を幾度も繰り返す
そうして気付けば1200余年。私はいつまでも此処に居る。あなたは何度でも此処に辿り着く