怠惰の魔女さん(1200歳)とか弱い人間くん 作:タスマニアたけしMK1a
水撃の魔女
契約している精霊は、本人の申告によればウンディーネであるが。他の魔女によると、「あんなものはウンディーネではない」「あれは既に歪み切っている」等の証言が寄せられた。
しかし、肝心な精霊の正体について質問をすると一様に口を閉ざすため、現在に至るまで詳細は不明である
概要
今から凡そ1200年ほど前からこの地に現れた水属性を得意とする魔女。見た目は10代前半の少女にしか見えないが、魔女としての実力は間違いなくトップクラスであるとの見方が強い。
実際に、1000年前に勃発した隣国との戦争においては、下記の部隊の危機を知るや否や単身突撃し、窮地に陥っていた○○旅団◆◆大隊を救った。
戦闘を終えたあと、部隊内の死亡者を弔う儀式にも参加した。平時であれば彼女はこのような儀式...と言うよりも「面倒な事」を嫌う、なぜこのような面倒事に首を突っ込んだかは、後述する「A」が◆◆大隊に所属していたからであると推測している。
なお、「A」は一連の戦闘で戦死している
彼女は自身の家、と言うよりは自身の家と山の麓に位置する■■村の近くから離れようとしない
彼女が何故この地に固執するのかは分かっていない。120年前、当時の国王が、強大な力を持つ魔女を自らの懐に置いておきたいと考え、王都にて生活を行うよう打診した所魔女の逆鱗に触れたと記述されている。
彼女の住む家は、深い森の中にあり、尚且つ人よけの魔法結界が常時展開されているようで、通常であれば辿り着くことは不可能である
しかしながら、凡そ13~15年に1度の周期でこの家に辿り着く者が現れる。
この人物には一定の条件があることは明白である。以下に続く
・5歳以下であること
・男性であること
・何らかの理由で魔女の助けを求めていること
が挙げられる。そしてこの条件に一致する人物は、例外なく18歳の年に死亡する
現在までに確認されている死因は、敵国、あるいは盗賊等の戦力との交戦による死、病死、事故死、自殺などがある。
彼女は当該人物...仮称「A」の死亡を確認した後、帰宅し、最低でも1週間は一歩も外に出歩かない。
補足
「A」本人又は彼と親しい間柄にある人物に危害を加える事は禁止されています。
過去1度のみ行われた「Aが18歳になるまでに死亡した場合」についての実験の際、激怒した魔女により、当時の国王、王妃、及び○○国軍約3万人と国境警備軍約3000人、王国親衛隊56人が殺害されました。
全ての遺体は激しく損傷しており、身元の確認に多大な時間を費やすことになりました。
カバーストーリー「戦争」を流布しました。
○○旅団◆◆大隊
王国軍、北方防衛隊の根幹である○○旅団切っての精鋭部隊。
「A」は第一中隊の中隊長を勤めていた。周囲の人物皆から期待される優秀な軍人であった
記録開始
「...えーと、『篝火の魔女』様、この度はこのような機会を設けて頂いた事に深い感謝を」
「あぁ、気にすんな。あとそれだと長いから「エレーナ」で良い」
「はい、ではエレーナさん。単刀直入に伺いますが、件の魔女に宿る精霊とは一体なんなのですか?」
「.......言わなきゃダメか?」
「可能でしたら、無理強いは致しません」
「......はぁ。アイツの言う通りウンディーネだってのは本当だよ」
「?しかし他の魔女様方はウンディーネでは無い、と仰っていましたが」
「元はウンディーネだ。それが醜く変質しただけさ。精霊をハッキリ認識できる魔女からしたら、あんな化け物をウンディーネだと認めたく無いんだろう。正直、アタシも集会の度に憂鬱だよ。あんなの極力見たくもない」
「変質...ですか?通常、そのような事は有り得ませんよね?」
「あぁ、有り得ねぇ。」
「...つまり?」
「...あの女が精霊をねじ曲げちまったのさ。魔女と精霊の力関係は精霊のが圧倒的に上、あくまでアタシらはアイツらの暇潰しに使われてるに過ぎねぇ。だってのに、アイツは精霊をねじ伏せやがった」
「それは...不可能、ですよね。本来ならば」
「あぁ、あたしだって精霊無しじゃ、小国を半壊させるくらいしか出来ねぇ。精霊をねじ伏せるなんざ逆立ちしてもムリだね」
「...精霊を屈服させた方法はまた調査を行います。ではなぜ、彼女がそのような事をしたか心当たりなどは?」
「....ハッ、お前ら、何年アイツの事調べて来た?答えなんざもう出てるだろ」
「....」
「精霊ってのは自然そのもの。自然に逆らう魔法を忌み嫌う。そう、因果を収束させる魔法、なんてのは特に嫌うだろうな。だからねじ伏せて自分に隷属させ、魔法を行使した。もっとも、どうやってそんな力を付けたかは知らねぇし知りたくもねぇ、どうせろくなことしてないだろうよ」
「.....A、ですか」
「それしかないだろう。死の運命を覆せないなら、せめて死ぬまでの間を自分の横で....はあ、拗らせババアめ...」
「....ありがとうございました。質問は以上です」
記録終了