牧師でハッカーで転生者な>>1   作:星茸

28 / 69
◇Wとの遭遇

 

秋原郊外の丘の上、教会横の駐車場に車を停める。

 

日が落ち、ただでさえない人気がさらになくなったそこはあまりにも静かで、まるで世界にたった1人になってしまったような感覚。

 

「……いや、こちとらそれ(地球滅亡)がちゃんと阻止されるように動いてるんだっての」

 

『八神、声に出てますよ』

 

「いっけね。……まあこの辺、人居ないからいいか」

 

そんなことを言いながら車から降り、居住エリアへ向かう……前に、一度教会堂の方へ足を向けた。

今日は1日空けることになるから、と最初から閉じてはいたものの、一応は戸締りを確認しようと扉に手をかけて。

 

 

「…………開いてる」

 

 

あまりにも軽いその感触に、警戒心が一気に跳ね上がった。

扉を僅かに開き、その隙間から内部の端子へPETを向けて教会サーバーへセレストをプラグイン。

そのまま管理システムへと向かわせ、八神自身も滑り込むように中へ入る。

 

灯りのない室内を極力足音を立てないように進み、礼拝堂の方へ。

隔てる扉を前にひとつ息を吐き、手をかけてゆっくりと開く。

 

同時にぱちん、と拝堂内の明かりが点った。セレストが気を利かせてつけてくれたのだろう。

 

そうして照らされた室内、そこに並ぶ長椅子のひとつに座った人影が振り返る。

 

「………本日は、終日閉館とさせていただいていたはずなのですが? ……Dr.ワイリー」

 

手配書のコート姿……ではなく、浮浪者のような出で立ちをした老人が、にやりと笑った。

 

 

 

「いやマジでなんで入ってきてんだよじーさん……鍵かかってたろ……」

 

「フン! この程度の電子ロックで施錠したつもりになるなんぞ片腹痛いわ」

 

「ぬあ~~~……やっぱ家の方だけじゃなくこっちも全部アナログ錠に変えるか……」

 

 

 

 

 

 

しれっと不法侵入を果たした老人……もとい、悪の天才科学者Dr.ワイリーを前に、八神は特に焦るでもなく大きくため息をついた。

 

「んで、あんたは何をしに来たんだよ。依頼されたデータの受け渡しならネット経由でいいだろうに……」

 

「なァに、たまには外に出ようかと思っただけじゃ。どうせ人なんぞ来んじゃろうしな」

 

「うるせえやい。……マジでそれだけか?」

 

「まあ、八神の倅がどういうもんかと見に来たのもあるがな。あの時(ゴスペル事変)こっちを探ってきた時には直接は見んかったしのぉ」

 

「……クソ親父のこと知って……ああ、時期的に科学省で同期なのか……」

 

っつーかあん時からこっちの事認知してんのかよ……と頭を抱えた八神を笑うDr.ワイリー。

その上でこちらを始末してこなかったのは慢心なのか、それとも知己の縁ゆえか……まあ、聞かぬが花だろうなとそっと口を噤む。

 

「そうじゃな。八神和正(かずまさ)のパルストランスミッション理論は、ワシらが研究しておったスペクトル技術とも無関係ではないしの。……まあ、その後あそこまでやるとは思わんかったが。“電子化した人間を使ったネットナビの構築”とはな……」

 

「……偶然とはいえ下手に成功例が出たのがいけなかったんだろうなぁ……いや、この話はやめよう」

 

再び大きくため息をついて話を切りあげた八神が、懐から取り出した一枚のデータチップを指で弾き、渡す。

 

「依頼のデータは一通り回収してきた。……まあ、ダークチップの影響がどこまで残ってるかは未確認だが」

 

「フン、ワシを誰だと思っとるんじゃ。稼働中の擬似人格データにくい込んでるならともかく、残留データに張り付いてるだけなら除去は容易いわ」

 

「へーへー、さすがは悪の天才科学者サマですねー」

 

ヒラヒラと手を振りながらワイリーのいるものとは別の長椅子へどっかりと座る八神。

褒めるならもっと気合を入れて褒めんか、とどこかズレたツッコミをしながら、彼はチップをしまい立ち上がった。

 

「ま、ちゃんと仕事もこなせるようじゃし? 今後とも使わせてもらおうかの」

 

「えぇ……一応こちとらホワイトで、今はネットセイバー側なんだが?」

 

「ハッ! いくら表に擦り寄ろうとも、お前さんはこっち側()の人間じゃろうが。だいたい、手配犯を見つけて通報もせんでなーにがネットセイバーじゃ」

 

「うーん、否定できない」

 

あっけらかんと答える八神に呆れたような視線を向けつつ、ワイリーはその場を後にする。

それを追うでもなく座ったまま見送る八神。

 

その姿が扉の向こうに消えたのを確認して、脱力したようにズルズルと姿勢を崩した。

 

「っは~~~……マジでさぁ……こういう想定外はお呼びじゃねぇんだってばよぉ……」

 

『お疲れ様です。……追いますか?』

 

「………いや、ここでは“何もなかった”。いいな」

 

『了承しました』

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

92:名無しの転生者

そういやイッチ、よくストーリー覚えてるよな

 

95:名無しの転生者

あー確かに?思い出したのが直近とかならともかく年単位で空くと忘れてくよなぁ

 

97:名無しの転生者

もう昨日の晩飯すら覚えてないな……

 

98:名無しの転生者

>>97

それは記憶力が足りない

 

100:1

俺の晩飯は野菜がしおしおになりかけてたので全部ぶち込んだコンソメスープ 多分今後一週間ぐらいこれだよ……

 

101:名無しの転生者

あるある

 

102:名無しの転生者

ついうっかり野菜室の奥に押し込まれたトマトとかな……

 

103:名無しの転生者

っていうかイッチだ!

 

106:1

イッチだよ

ちなみに記憶に関してはぶっちゃけ忘れてはいるんだよな 記録には残してるけど

 

107:名無しの転生者

記録とな

 

110:名無しの転生者

なんのこっちゃ

 

111:1

ほら、1スレ目で言ったけど俺パルストランスミッションの被験体だったじゃん?

んで、そうなると記憶っていうか脳の情報って極論言ったら電子情報に変換できるじゃん?

だからまあ、そんな感じで前世思い出した時に記憶を電脳内に保存したんだよね

 

114:名無しの転生者

いや強引だな

 

115:名無しの転生者

そんなことあるゥ???

 

117:名無しの転生者

いやさすがにおかしいって そうはならんやろ……

 

118:1

なっとるやろがい!!!

 

いやマジでそうでもしなきゃ前世の記憶なんて覚えてられないって……さすがに十数年たったら忘れるって……人間の記憶力なんてほんと信用ならないんだから……

 

121:名無しの転生者

そんな前なのぉ!?

 

123:名無しの転生者

そりゃ忘れて当然よ

 

125:1

まあ全部まるっと残したから必要な分引き出すのもなかなか大変なんだけどさ……記憶のフォルダ分けしてぇ~~~~

 

128:名無しの転生者

それは俺達もしたい

 

131:名無しの転生者

贅沢な悩みだ……




まーたなんか設定だけ盛ってる。ちゃんと風呂敷畳めるんですか?分かりません……でもがんばります……



本編とは関係ないですが交換留学に行ってきます(ゲームの話)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。