牧師でハッカーで転生者な>>1   作:星茸

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※スレタイは既に詐欺です
※そもそもスレ部分も短い


【プラグイン】牧師ハッカー、ナビ蒸発事件追うってよ【ユクエフメ】 2

 

電脳へ送り込まれたヒートマンを迎えたのは、無数の獣化ウイルスたちだった。

想像以上に多いその数に、画面越しの八神が頬を引きつらせる。

 

『……お、思ったより数ヤバいな……?』

 

「ケッ、こんくらいで怖気付いてんじゃねぇよ。しっかりしろ」

 

『……すまん、前の癖で。……多分もう伊集院少年もプラグインしてるはずだ。第一目標はブルースとの合流。そのために邪魔なウイルスを駆除しながらこの電脳内を捜索する』

 

「おう。じゃ、行くぜ!」

 

掛け声とともに飛び出していくヒートマン。

それに触発されたかのように殺到する獣化ウイルスたちをすれ違うように避けながら、振り向きざまに床パネルを叩く。

ぶわりと噴き上がる熱(〈ヒートウェーブ〉)が着地もできていないウイルスを焼き、次々にパーティクル化させていくのを見ながら八神はチップを手に取った。

 

『バトルチップ〈ヘルズバーナー〉、スロットイン!』

 

「喰らいな! 〈フレイムタワー〉!」

 

呼び出されたダルストと共に、殺気立って飛びかかってくるウイルスたちをカウンター気味に焼き払う。何匹かは本能的に回避行動をとったようだが、範囲外にまで完全に逃れられたのは飛行能力を持つマグマドラゴンぐらいのものだ。並のウイルスの群れであればこれで片がつくのだが……

 

ごうと走る炎が通った後の空白地帯を埋めるように、またどこからともなく湧いて出る獣化ウイルスにヒートマンから舌打ちが漏れた。

 

「チッ、中々進めねぇな……どうする?」

 

『……なら、右の弱ってるチュートン! バトルチップ〈ライフシンクロ〉、スロットイン!』

 

言われた通りに指し示した獣化チュートンが一瞬光り、そこから急速に広がった波動がウイルスたちを襲う。

……消耗したHPを共有され、急激に減ったそれにウイルスたちの動きが鈍った。

 

『今だ、まとめてなぎ払え! バトルチップ〈エアホイール〉〈ネップウ〉、スロットイン!』

 

地を滑る〈エアホイール〉に〈ネップウ〉を打ち込めば、風を受けたホイールの回転数が上がり灼熱の暴風を撒き散らす。

宙に浮くマグマドラゴンやキラーズアイ、〈オーラ〉を纏い抵抗していたドリームメラルなどの厄介なウイルスもまとめて吹きとんでいくのを後目に、ヒートマンは電脳の奥へと進んでいった。

 

 

 

 

 

〈Zセイバー〉を手に、八面六臂の戦いぶりを見せるブルース。

獣化ウイルスを次々と処理しながら進む彼が、ふと視界の端に何かを捉え足を止める。

電脳空間を裂くように走る亀裂。明らかに異質なそれを報告しようとオペレーターへと声を掛けるが、一向に反応が帰ってこない。

 

「炎山様? ……炎山様!」

 

まさか、何かあったのか? と一瞬の動揺が隙となり、死角から襲いかかるウイルスに反応が遅れた。

回避は間に合わない。咄嗟に身構え、多少の傷を覚悟してカウンターを放とうとしたその瞬間、足元からぶわりと熱量データが広がった。

 

「〈バーンスクエア〉ッ!」

 

ごう、と周囲を囲むように燃え上がった炎が襲い来るウイルスを焼き払う。

ちりちりと燃え残った火を払いながら、ブルースが周囲を見回しその姿を捉えた。

 

「よう、らしくねぇなブルース!」

 

「ヒートマンか!」

 

宙に浮かぶジッポライター……ヒートマンがふわりと近付き軽口を叩く。

言ってろ、と毒づいて再び迫るウイルスを両断した。

 

ヴン、とウインドウが開かれ、そこに八神の顔が映される。

 

『ブルース、無事だな。伊集院少年は?』

 

「……返答がない。PETとの接続は途切れていないということは、炎山様の身に何らかの問題が発生した可能性が……ッ」

 

空気を読まない獣化ウイルスを斬り払いながらブルースが答えた。

……平静を保とうとはしているようだが、やはり僅かな動揺が見て取れる。切っ先がブレて取りこぼすなんて、普段ではありえない光景だ。撃ち漏らしたそれはヒートマンがしっかり仕留めているが。

一瞬、考えるように目を閉じた八神が口を開く。

 

『……お前のPETの位置情報、こっちに回せるか? 俺の方で合流を図る。お前たちはそのまま獣化ウイルスの対処を』

 

「……わかった、炎山様を頼む」

 

『というわけで、しばらくオペレートできないが……行けるな?』

 

「当然。さっさと炎山のトコ行ってこい」

 

ブルースが送った位置情報データを受け取り、八神を映していたウインドウが消える。

 

それを見送りふう、とひとつ息を吐いて、ブルースは改めて〈Zセイバー〉を握り直した。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

送られてきたPETの位置情報と基地の端末から引き出したマップデータを重ね合わせる。

位置的にはそれほど遠くは無さそうだ。……廊下に隔壁が降りていたりドアにロックがかかっていたりしなければ、の話だが。

溜め息をついて、八神は天井を見上げる。幸い、台になりそうなものはいくらかある。頑張れば登れるだろう。

 

ちらりと表示させた3Dウインドウへ視線を向ける。

基地のマップデータとは別に開かれた、ニホンからの映像通信。回線の悪さからか乱れがちなそこに映されているのは、ネットシティで大暴れしている獣化したロックマンの姿だ。

やがてジジ、と走るノイズが増えて完全に砂嵐へと変わったのを見て、その画面を消す。

 

「なんで俺が居ない時に限ってこう……いや居てもなんもならんが……うぅん……」

 

ままならなさに内心で頭を抱えながら、八神は天井裏へと登り炎山との合流を目指した。

 

 

 

 

 

マップを頼りに天井裏を進んでいけば、その先に一箇所ダクトカバーが外された場所を発見。そこから室内を覗きこんで、床に転がる子供の姿にここが目的地で間違いないと断定する。

 

狭い天井裏でなんとか体勢を変え、室内へと降り立つ八神。

軽く周囲を見回し、他に誰もいないことを確認して、八神は炎山の側へ膝を付きその頬を軽く叩いて覚醒を促した。

 

「少年。伊集院少年。起きろー」

 

「………ん……八神、牧師……? っつ……ここは……」

 

ぴくりと瞼が震え、ゆっくりと目が開かれる。

目を覚ました炎山が頭を振りながら身体を起こし、周囲を見回して……はっと何かに気付いたように目を見開いた。

 

「っ、あの子は!? どこへ……!」

 

「あの子、ってさっきの少女か? 俺が来た時にはお前しか居なかったが……」

 

「そう、ですか……油断した……ッ」

 

「……何があったかは後で聞くが、とりあえずこっちをどうにかしよう」

 

考えこもうとする炎山を止めて、落ちていたPETを手渡す。

……PETの画面にも砂嵐が広がっている。過剰なエネルギーの影響が強まり、電脳内にいるナビとのデータ接続が不安定になっているようだ。

 

「ジャミング……」

 

「多分、今電脳に影響を与えてるエネルギーが一時的に増加してるんだろう。……これに関しては引くのを待つしか無さそうだ」

 

このままじゃオペレートもできん、と立ち上がった八神が室内を改めて確認する。

この部屋にある設備は基地内のシステム管理を司るもののようだ。ここからならある程度の操作はできるだろうか。

 

「とりあえず、こっちでセキュリティへの介入を試してみる。少年は部屋のロック解除を頼めるか」

 

「了解」

 

PETからタッチペンを引き出し、かつりと機材の端子部分にペン先を打ち付けてデータリンクを行う。

本体モニターは死んでいても内部に直接繋げればまだ何とかなりそうだ。ウインドウを展開して基地内のセキュリティプログラムへのアクセス経路を探しタッチペンを走らせる八神。

背後ではドアの方へと向かった炎山が、同じように操作端末へアクセスして解除作業を開始していた。

 

 

 

互いに言葉を交わすことなく黙々と作業すること数分。

部屋にかかっていたロックが解除され、それに少し遅れてセキュリティシステムも正常化して隔壁が上がっていく。

 

それと時を同じくして、PETの画面がザザ、と揺らぎ正常なものへと戻っていった。

ピピ、と小さく音を立てナビとの接続も復旧、その姿が映される。

 

『炎山様!』

 

すぐにホログラムのブルースが現れて互いの無事の確認と状況報告を始めるのを横目に、八神も自身のPETへと目線を落とした。

同じようにノイズの消えた画面には今ヒートマンのいる電脳内の映像……目の前の空間に広がる亀裂が映されている。

 

『なあ、八神。アレは……』

 

……チリ、と感じるそれは、この異常が起きる前に感じたものと同一だった。

 

「……多分、この異常なエネルギーの出処はここだろうな」

 

『……これより、調査へ向かいます。行くぞ、ヒートマン』

 

『おう』

 

慎重に、一歩づつ亀裂の先、光の中へと歩みを進めるブルースとヒートマン。

その光の先に広がる光景に、彼らは思わず足を止め目を見開いた。

 

『これは……!?』

 

「いったい、どういう……」

 

「ッ! ……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やっほー! ただいまぁ、熱斗ー!』

 

【トリル! よかった、無事で……】

 

画面の向こうで再会を喜ぶ熱斗とトリルの姿を、八神は炎山の後ろで眺めながら息を吐く。

 

 

 

……あの後、調査を中断し引き返した彼らが亀裂の前で遭遇したのは、謎の少女型ナビとそれに連れられたトリルだった。

それを追って現れたらしいゾアノファラオマンの強襲を退けた後、閉じてしまった亀裂を前に姿を消した少女ナビの行方は未だ掴めていない。まるで、ネットワーク内に存在していないかのような……

 

【何者なんだ、いったい……】

 

「……今分かるのは、“その子はトリルの敵では無い”ことと“ゾアノロイドとは対立関係にある”……ぐらいか。俺たちに対してのスタンスはまだわからんが……少なくとも、トリルを害さない限りは敵対することは無い……と、思う」

 

「俺も、概ね同意見です。……熱斗、俺たちはもう少し調査を続けてみる。まだしばらく、そちらは任せたぞ」

 

【わかった。気をつけてな】

 

プツン、と画面が落とされる。

通話を切り、こちらへ振り返った炎山へ向けて八神は思わず嫌そうな顔を向けた。

 

「……おい、その“俺たち”には俺も含まれてたりしないだろうな」

 

「何を当然のことを。貴方の技術には期待していますよ、八神牧師」

 

フ、とキザったらしく笑う炎山。その小生意気な姿に盛大な溜め息をついて、八神は自身の頭をガシガシと掻きむしる。

どちらにせよ帰りの飛行機もこの副社長頼みになるのだから、それまでは付き合うしかないだろう。

 

「……まあ、言われなくともやりはするんだが……にしても、ビヨンダードか……」

 

口元へ指を添え、何かを考えこむ八神。

炎山に問われるも、んん、と上の空な反応が帰ってくるばかりで要領を得ない。

 

「……また、余計なことをしでかそうとか考えてはいないでしょうね」

 

「いや違うって……というか俺は巻き込まれてるだけで自分でやらかすことはほぼないんだが!?」

 

「巻き込まれている自覚はあるんですね」

 

呆れたようなジト目を向けられてしまえばぐう、と唸ることしか出来ない。

再び大きな溜め息を吐いて、八神は近くにあったデスクチェアに勢いよく腰を下ろす。

ぎし、と軋んだ椅子の背もたれに身を預けながら、八神はぽつりと口を開いた。

 

「……あの亀裂の先……あの空間……どっかで()()()()()()んだよな……」

 

「……ビヨンダードに?」

 

「そう、どっかで見たのは間違いないんだ。でも少なくとも、俺は世界を越えた記憶は無い。電脳空間はまあ、パルストランスミッションで行ってるけど……それでも通常の電脳だけでそこから別世界になんて行ったわけがないし……」

 

ぶつぶつと呟き考え込む八神に釣られ、炎山もまた考えるように視線を伏せる。

 

……しばらくの沈黙の後、八神がわやわやとろくろを回すように手を動かし声を上げた。

 

「………あ~~~……この、こう……なんか引っかかって取れない感じ、そわそわする~~~」

 

「それを共有された俺も巻き込まれてるんですが?」

 

「それはすまんかった」

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

104:1

アメロッパで継続調査に強制参加させられることになった牧師さんに励ましのお便りを……

 

107:名無しの転生者

 

109:名無しの転生者

やっぱり懐かれてるんだよ牧師さん

 

112:名無しの転生者 )┐

副社長×牧師さん……?

 

114:名無しの転生者

おいまた足出てんぞ!

 

117:名無しの転生者

まあ……ヒノケンといリーガルといいシャドーマンといい牧師さんが何故か男とばっかり接点持ってくるから……ネッ

 

120:1

だからこのスレは全年齢健全板だと……おい待てシャドーマンどっから出た???あいつが妙に絡んでたのはセレストであって俺じゃねぇから!!!!!

 

121:名無しの転生者

 

123:名無しの転生者

男と絡んでばっかなのは否定せんのかい

 

 




ゲームではできないチップの組み合わせも簡単に出来ちゃう。そう、アニメ仕様ならね。(〈エアホイール〉+〈ネップウ〉)

ちなみにこの「見覚えがある」は今世での話。一体どこで見たんでしょうね?


近況
鬼退治のため擬似平安京に行っているのでたぶん次回更新が遅れます。
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