牧師でハッカーで転生者な>>1   作:星茸

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今回は地の文多めでお送りしています


【プラグイン】牧師でハッカーで転生者だけど反逆する【科学省】

教会の地下にタイピング音が響く。

モニターに表示されたいくつものウインドウに視線を向けながら、必要なキーを叩くだけの作業。

 

……復活したファラオマンは流れ通りにロックマンをデリート。科学省を占拠し、各地への“侵略”を開始した。

事前に用意した“(バックドア)”は書き換えに巻き込まれて使い物にならない。これから侵入するなら改めて開ける必要があるだろう。

そのための下準備と、“侵略”の余波への対処。そのために休みなく手を動かす八神の耳に、PETからの通知音が届く。

 

『八神。《天の瞳(エグリゴリ)》宛のメール、2件です』

 

「誰からだ」

 

『ひとつはネットエージェント。もうひとつは……IPC副社長です。内容はどちらも科学省へのアクセス手段の確保依頼との事ですが』

 

ぴたり、と手が止まる。

数秒目を閉じ考える素振りを見せて、PETへと向き直った。

 

「エージェントの方には断りを。その代わり“ヒグレヤ店主がウラインターネットに通じている”という情報を渡しておいてくれ。副社長の方には“準備に10分”と返信」

 

『承知いたしました。………副社長より返信、【5分で済ませろ。迎えに行く】と』

 

「無茶言うなぁ」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

1:名無しの転生者

何故かIPC副社長と一緒に科学省突入することになったってマジ???

 

3:名無しの転生者

なんで???

 

4:名無しの転生者

いつの間にフラグを立てた 言え

 

6:1

知らん……俺がハッカーだってことは知られてる(たまに仕事受ける)けどこのタイミングで頼られるのは想定外……

 

7:名無しの転生者

初期炎山の貴重なデレだぞ、喜べよ

 

8:名無しの転生者

なんでやろなぁ……

 

11:1

デレというか便利屋扱いでは???

現在とてもハイテク()でメカメカしい車でドナドナされています。このコンピューター下手なパソコンよりスペック高いじゃん……ヤバ……

 

12:名無しの転生者

頼られてるだけええやんけ

 

14:名無しの転生者

嫌われてるより全然いいよね

 

16:1

それはまあそう……そもそも敵対したらマジで勝てないから詰むんだよな……高速近接型、めちゃくちゃ相性が悪い

 

19:名無しの転生者

そんなに

 

20:名無しの転生者

攻撃がチップ主体だと張り付かれるのキツイんか

 

23:1

そういうこと

もうすぐ到着するわ さすがに作業しながらこっち見んのは無理なので……一通り終わったら報告するのでユルシテ……

 

26:名無しの転生者

そんなー

 

29:名無しの転生者

しかたないね……

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「……どうだ、座標の検出は」

 

『概ね想定通り、大まかな座標はほとんど変わっていないかと。流石に本陣に直接……はあちらに感知されて難しいでしょうが、“穴”の生成も問題なく行えます』

 

科学省外部の端子にコンピューターを接続し、そこから内部を解析。

相手方に気付かれないように探るのはかなり骨が折れるが、今のところはなんとかバレずに情報を得られている。

 

「ふむ……伊集院、どこから行く?」

 

「最短距離……いや、その前に行くところがある」

 

「行くところ?」

 

「借りを返すだけだ。それ以上の理由は無い」

 

「……ほーん?」

 

すい、と逸らされた顔。

それを見てニヨニヨと笑う八神に、炎山はじとりと視線を向ける。

 

「なんだその目は」

 

「いやなんにも?じゃあ行き先はシステム最奥フレーム置き場、ってことで」

 

『かしこまりました……っ、内部領域に変動あり。目的座標の再検出を行います』

 

「げ、バレたか?……いや、違うな。別口からの“お迎え”か」

 

『そのようです。……座標検出完了。“穴”の生成を開始します。完了まであと1分……』

 

「了解。……そういうわけだ、準備はいいな?」

 

「言われずとも。行くぞ、ブルース」

 

『は、炎山様』

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

“穴”が開く。

プラグインして即飛び込んだブルースを追うように、セレストもそこへ身を滑らせた。

 

たどり着いた先は、崩落した地下エリアだった。

崩れた天井と外壁が転がり、床はひび割れ、一部は大きく裂けている。

地割れの底にご丁寧に再現された溶岩は誰の趣味だろうか。

 

「……ロックマン様の反応は、あの地割れの下部ですね」

 

「そうか」

 

「お気をつけて。こちらは先行した方々を捜索します」

 

躊躇無く裂け目へと飛び込んでいく赤い背を見送り、セレストは周囲を見渡す。

 

……ふと、瓦礫の下に黄色いフレームが見えた。

瓦礫に半ば埋まった彼は、上体を重点的にパワー型にカスタムしたネットナビ。

おそらくは、その腕力で崩落する瓦礫を抑えたのだろう。

 

「要救助ナビ一名、発見しました。……外部損傷大、システムは……無事のようです。一時的にPETとの接続が途切れ、強制スリープ状態に入ったものと思われます」

 

『よし……瓦礫の除去後、応急修理プログラムを送る』

 

「了解しました。……そうですね、崩すよりは持ち上げるのが良いでしょうか」

 

『オーケー。バトルチップ〈ウッディタワー〉、スロットイン』

 

床からから生えた丸太が瓦礫を浮かせ、隙間を作る。

素早くその大きなボディを引っ張り出して比較的安全な場所で横たえさせ、送られてきた応急修理プログラムを適応。

少々大げさ……というか、ネタのような包帯姿になっていくが、これでも修復プログラムとしては優秀なのだ。これで一応彼は大丈夫だろう。

 

『ガッツマン以外がここにいないなら、他の奴らはここから出て外にいるはずだ。探してくれ』

 

「かしこまりました」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

……車内は、重苦しい空気に包まれていた。

 

ロックマンを救うために、父親と友人たちの手を借りてここまで来た。

危険は承知の上、科学省の奥地に辿り着いて、もうすぐ手が届く……はずだった。

目覚めることのなかったロックマンは地の底へ落ちていき、協力してくれたナビたちは全滅。

 

ネットエージェントの手により一度は科学省システムのシャットダウンが行われたものの、ファラオマンの力はその上を行く。

衛星の墜落というタイムリミットを迫られた今、打てる手は限られていた。

 

「……ロックマン」

 

反応のないPETを握る。返答は無い。

 

 

──ザザッ

 

「……ん?」

 

モニター前に座る祐一朗が、その異常に気付く。

 

「これは……こちらへハッキングがかけられている!?」

 

「えぇっ!?」

 

「まさか、ファラオマンの……!」

 

「いや、違う。これは……」

 

否定の言葉と同時に、モニターにひとつの画像が表示される。

 

広げられた翼と、見開かれた目を模したアイコン。

天の瞳(エグリゴリ)》、と、祐一朗の口から零れた。

 

【……初にお目にかかる。まずは、このような形で接触することへの謝罪を】

 

僅かにノイズがかった男の声がスピーカーから聞こえてくる。

 

「……何故、今我々に接触を?」

 

【とある依頼により……とだけ。こちらを確認していただきたい】

 

その声と共に、いくつかのウインドウが開かれる。

 

「が、ガッツマン!」

 

「ロール……!」

 

「グライドに、アイスマンも……」

 

そこに表示される包帯姿のガッツマンに、石化したロールとグライド、アイスマンの映像と、いくつかのデータウインドウ。

 

【ガッツマンは外殻の損傷が激しいが修復プログラムを適応済み。ロール、グライド、アイスマンの三体はファラオマンの力で石化こそしているが内部データに欠損はなく、状態異常による強制シャットダウン状態にあるものと思われる】

 

「……確かに、このデータを見る限りはそのようだね」

 

「じゃあ、みんな無事ってこと!?」

 

【そういうことだ。そして、彼も】

 

もうひとつ、追加で開かれたウインドウ。

そこに映った砂原に寝かされる青に、熱斗の目が大きく見開かれた。

 

「ろ……ロックマン!!!」

 

【落ち切る前に救助されていた。曰く、“借りは返した”だそうだ】

 

「よかった……みんなも、ロックマンも無事で……!!!」

 

【……光熱斗。あとは、君たち次第だ。ロックマンが目を覚ますのが先か、ファラオマンがすべてを飲み込むか】

 

ザザ、とノイズが大きくなる。そろそろ時間切れのようだった。

 

【私は、君たちの勝利を願っているよ──】

 

それを最後に音声は途切れ、モニターに映されたアイコンも消える。

 

車内を静寂が包む。

だがそれは、先程までの悲痛に満ちたものではなく──

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

63:1

というわけで作業終了!ヨシ!!!

 

64:名無しの転生者

急に帰ってくるじゃん

 

66:名無しの転生者

作業とは

 

68:1

・ブルースの侵入口作成(ついでに一緒に入る)

・イツメンナビの救助と状態確認

・↑の報告を交えつつ光親子車にみんな生きとるでの連絡

 

73:名無しの転生者

有能だった

 

76:名無しの転生者

その生存報告いる?

 

77:1

いらないかもしれないけどほら……子供が悲しい顔してるの、嫌じゃない……

 

78:名無しの転生者

たし蟹

 

79:名無しの転生者

下手すりゃ自分のせいでって熱斗くんが曇っちゃう

 

82:1

せやろ?

とりあえずやることは概ねやったのであとは見学しとこうね

 

 

ウイルスから逃げつつなぁ!!!(PETに〈エスケープ〉を叩き込む牧師の図)

 

83:名無しの転生者

 

84:名無しの転生者

締まらねぇなァ!!!

 




▼その後の会話より
「そういえばガッツマン、その包帯どうしたの?」
「ン?よく覚えてないでガスが、誰かが……そう、アレはシスター……あの人がやさしく巻いてくれたでガッツ……(ポワポワン…」
「へ、へー……」
「(シスター……確かあの時、僕の傍にも……まさか、ね?)」


▼その後の会話 2
「これで依頼は達成……でいいんだろ?」
「ああ、これは追加報酬だ」
「おん? チップ? ……!? さ、〈サンクチュアリ〉ィ!!?」
「どうせもう情報は持ってるだろう? 次のアップデートまでは使えないがな」
「お前が神か」



ロックマン復活篇、完!!!
言うほど(スレ主は)反逆してないのには突っ込んではいけない、いいね?

ここまで爆速で更新してましたがさすがに今後はちょっと落ち着きます。タブンネ
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