ぼっち「リョウ先輩を赤面させるシリーズ…?」   作:気弱

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前回、きくりさんによって寂しさが倍増する薬を飲まされたリョウ…果たして自分の気持ちを思い出すことは出来るのでしょうか


#最終回 リョウ「私の気持ち」

今日の私はついている…と朝から思っていたのにフンはかけられそうになったり憧れの人に変な薬を飲まされたり最悪な1日に早変わりしてしまった…スターリーでバイトや練習なんて出来る状態じゃないので虹夏達に見送られぼっちの家に行くことにした

 

ぼ「えっと…だ、大丈夫…ですか?」

 

り「うん…少し落ち着いた」

 

さっきまでの寂しさは感じられず近くにぼっちがいるだけで安心している…電車で離れたら…と、考えていたけど幸い人は少なくてずっと隣の席に座っていてくれた

 

ぼ「あ、つきましたね…」

 

り「………うん」

 

ここに来るのは…なんだか久しぶりに感じる…前にぼっちが私の事を心配して連れてきてくれた時ぶりだろうか…あの時は楽しかったけど…今の気持ちでぼっちの家族に会って大丈夫だろうか…

 

ぼ「えっと…家族には訳を話して今日だけ外出してくれています」

 

り「…ごめん、ぼっち…ありがとう …」

 

……やっぱり今日のぼっちはなんだかいつもと違うね…

中に誰も居ないということなので何とか中に入ることが出来た

 

ぼ「…お、お腹すいてませんか?」

 

り「……うん」

 

ぼ「少し…待っててくださいね」

 

ぼっちが私の横を離れ台所に向かってしまった。スターリーにいた時のような寂しさが少しづつ私の体を蝕んでいった。隣の部屋にぼっちがいることは分かってるのに震えることしか出来ない…

 

ぼ「お、お待たせしました…作り置きですけど…肉じゃがです…」

 

り「ぼ…ぼっち…」

 

ぼ「す、すみません!もっとはやく帰ってくるつもりでしたけど…暖かいものを食べて欲しくて…」

 

り「……ううん、ありがとう…一緒に食べよう?」

 

ぼ「は、はい!」

 

ぼっちの姿が見え…少しづつ震えが止まった…やっぱり少し私の体はおかしくなってるのかな…ぼっちが私の前に肉じゃがとご飯を置いてくれたので2人で手を合わせ食べ始めた

 

り「んっ…お、おいひい…」

 

ぼ「よ、良かったです…昨日お手伝いをして私も作っていたので…」

 

り「…ぼっちが作ったの?」

 

ぼ「あ、はい」

 

……うん、美味しい…やっぱりぼっちはご飯を作る才能があると思うんだ。ご飯を食べ終えた頃には震えも治まり普通に話せるようになってきていた

 

ぼ「…あ…お、落ち着きました…?」

 

り「す、少しね…スターリーでは取り乱してごめん 」

 

ぼ「じ、事故ですしリョウ先輩が気にしてはダメです!」

 

り「…ありがとう」

 

今日だけで何回お礼を言ったのかな…情けない先輩でごめんね

 

ぼ「あ…そ、それじゃあ…お風呂に行きましょう」

 

り「うん…うん!?」

 

ぼ「あ、いつものリョウ先輩の反応ですね」

 

今の私でも驚くよ…確かに泣きすぎたから入りたいけど…

 

ぼ「…えっと…お疲れ…みたいでしたので…」

 

り「!」

 

ぼ「…だめ、でした?」

 

り「…いいよ、ただしあまり体を眺めないでね?」

 

ぼ「き、気をつけます…」

 

脱衣所につき、私とぼっちは服を脱いだ。前は胸の事見てたから私も人の事いえないんだよね…少し心の中で苦笑いしているとぼっちが私の背中に周りこんだ

 

り「ぼっち?」

 

ぼ「あ、お背中…お流ししますね? 」

 

り「う、うん…」

 

……ああ…前は…他のことに集中してたから分からなかったけどぼっちの洗い方は優しくて…気持ちいい…多分ぼっち妹にもやってるからだろう…頭と体を洗い終え…ぼっちとゆっくり湯船に浸かる

 

ぼ「…その…少しは元気になられたのなら…良かったです 」

 

り「うん、寂しさってあそこまで高まると恐怖が勝つんだね」

 

ぼ「あ、分かります…私も1人の時はそうでしたので」

 

り「……」

 

ぼ「……」

 

そこからはあまり会話が続かなかった…けど、不思議と気まづいと感じることは無かった。その後湯船から上がりぼっちから借りた服を着てぼっちの部屋に向かうことにした

 

ぼ「あ、ちょっとだけ先に行かせてもらいます」

 

り「へ?」

 

ぼ「す、すぐに来てください!」

 

ぼっちの部屋から少し離れた所からぼっちは何故か私を置いて部屋に帰っていった

 

り「ま、待って…!」

 

ぼ「い、いらっしゃいませ!」

 

すぐに追いかけ中に入ると…何故か布団の上にぼっちは正座をして待っていた

 

り「…な、何してるの…?」

 

ぼ「……その、耳かきを…しようかと…」

 

り「……」

 

……何か、引っかかる…今日のぼっちの行動は初めてこの家に来た時とほとんど同じ…何か考えがあるのだろうか…

 

ぼ「…ど、どうぞ」

 

り「うん…」

 

ぼっちに促され膝に頭を乗せることにした…ぼっちの膝はやっぱり気持ちいいね…そんなことを考えているとぼっちから「し、失礼します…」と言葉と共に耳に耳かきが入ってきた…

 

ぼ「……その…私誰かを元気付けることって…したことがないんです 」

 

耳かきをつづけながらぼっちが話し始めた…確かにぼっちが誰かを励ます経験なんてあればぼっちなんてあだ名は着いてなかっただろう

 

ぼ「それで…前に励まして元気になってもらった事をしたら元気になれるかなって…」

 

……そっか、この違和感はこれだったんだ。ぼっちはわざと私を元気つけた時と同じ行動を私が無理しない程度に押さえながらしているんだ

 

ぼ「…わ、私なんかで本当にリョウ先輩を元気付けられるのかなって…本当は虹夏ちゃんや喜多ちゃんの方が適任なんじゃないかって…」

 

り「ぼっち…」

 

話しながらも耳かきは続けられ…前は気を失った吐息も今回は大丈夫だった。その代わり…スターリーにいた時の心配感を超える安心感が私を襲った

 

ぼ「……でも、私なんかに虹夏ちゃん達は大丈夫だって言ってくれました。それに…私も大好きなリョウ先輩にあんな顔をして欲しくなくて…」

 

……その時、私の頭の中で虹夏の「自分の本音に向き合ったら?」という言葉を思い出した…耳かきも終わり、私はぼっちを見るように座る

 

ぼ「…だから…その…いつもみたいに笑って欲しくて…前と同じことをしてみました…」

 

……私は馬鹿だな…ここでぼっちのことが好きだと分かって…他の人には譲らないって決めたはずなのに心のどこかで私はぼっちには釣り合わない、だからぼっちは郁代や虹夏の方がいいと思って遠慮した結果回りくどくぼっちに甘えていたんだ

 

そんな簡単な、私らしくないことをこんな事になるまで分からなかったなんてね…虹夏はどこまで分かってたんだろう…やっと私の本音を思い出したんだここで私が今言うことは…一つだけ

 

り「……ぼっち、今から…私が本当に笑えるようになる為に通らないといけない事を言うね…」

 

ぼ「…?は、はい」

 

心臓の音がうるさい…今にも張り裂けるんじゃないかってくらい高鳴っている

 

り「わ、私…」

 

言葉だっていつものようには出ない…すぐに喉が渇いて黙って下を向きそうになる…けど、ここで言わなかったら見送ってくれた2人に二度と顔向けなんて出来ない。

 

り「……私、ぼっちのことが好き。大好きなんだ、この薬なんて関係ない…ぼっちを誰にも取られたくない。だから私と…」

 

「付き合ってください」

 

……言えた……頭を下げてるせいでぼっちの表情は見えない…けど、私は言えたんだ。今までの回りくどい私じゃなくて本心を真っ直ぐとぼっちに言えたんだ…恐る恐る視線をぼっちに向けると…ぼっちは静かに泣いていた

 

り「っ…ごめん…嫌だったよね…わ、私…もう帰るから…忘れて…」

 

私はずるいやつだと思う。あんな前フリをしたらぼっちは忘れるなんて出来ないことを知ってて言ったんだ…やっぱり….私じゃダメだったみたい…逃げるように立ち上がるとぼっちが私の手を掴んだ

 

り「は、離して…!こんな優しい気持ちで呼んでくれたぼっちの心に漬け込んで告白するようなやつなんてほっといてよ!」

 

ぼ「は、離しません…!わ、私…嫌じゃなかったです!」

 

り「…え?」

 

突然ぼっちから嫌じゃないと言われた…さっきまで静かに泣いていたのは嫌だったから…じゃないの…?

 

ぼ「こ、告白…されたことなんて1度もなかったです…でも青春だから私には関係ないって…ドラマとかで聞いても発作が起きるんです…でも、リョウ先輩に言われた時…嫌じゃなくてとても嬉しかったんです!」

 

り「…嬉しい…」

 

ぼ「は、はい!…だから…先程のお返事なのですが…こんなダメダメな私で良ければ…よろしくお願いします」

 

その瞬間、私はぼっちの胸に飛び込んでいた

 

り「……いいの?私…お金を借りるし…めんどくさい性格だし…ズルいんだよ?」

 

ぼ「そ、そんなの…嫌だったら一緒にいません…そんなリョウさんだから…いいんです」

 

り「……ぼっち…」

 

私が顔を上げると…ぼっちは私の目を合わせ優しく口付けをしてくれた

 

ぼ「えへへ…これから…よろしくお願いしますね…♪」

 

 

その後、私達は薬の効果も切れたことを確認してスターリーに向かうことにした。そして私とぼっちが付き合うことを伝えると虹夏からはため息をつかれ「今度私に何か奢ってよね?」と言われ郁代からは「幸せになってください!」と言われた…やっぱり予想出来てたのかな?少し恥ずかしいけど、それでも2人から祝福されたことは嬉しかった。

 

り「…ぼっち」

 

ぼ「あ、はい…えへへ」

 

けど…みんなの前で手を繋ぐことすら出来ないヘタレなままなのは許して欲しいかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「あ、あれ…何を見ているんですか?」

 

??「ん、ああ。最近ね、過去に物を発送できるようになったから試してるんだ」

 

???「えっと…誰にですか?」

 

??「それはね、好きな人がいるのに奥手になってついには自分の本音すら分からなくなった子に面白い薬や催眠術のやり方を送ってる」

 

ここは未来、いつか有り得た世界なのかもしれない

 

「……リョウさんは変わらないですね」

 

「ぼっちこそ、まぁそこが好きなんだけどね」

 

「あ、またあの2人イチャついてますよ!虹夏先輩!」

 

「この光景も見慣れたねー」

 

幸せそうに手を繋ぐ青とピンクの後ろ姿と、それを見守る黄色と赤の後ろ姿がそこにはあった

 




無事に付き合えさせることに成功?しました。最後の方は未来のぼっち達のお話になります。
自分が恋愛なんてほとんどしたことないしドラマも見てないのでこんな形で大丈夫なのかとか心配です…この先はぼっちとリョウが付き合った後の話を書けたらなと思っています!
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