私には夢遊病やワープ機能なんてない普通の女子高生だったと思う…だけど…
り「……ここどこ?」
今日はスタ連があるからとベースを背負ってスターリーに向かっていた…んだけど…久しぶりにいい風が吹いてきて気持ちよさから目を瞑って開けると…私は知らない場所に立ってた。え?なんで…?私さっきまで下北沢にいたよね…周りを見ても海があってここが下北沢では無いことしか分からないし携帯も何故か圏外になってるし周りを見てもスマホを触ってる人は1人もいなくて代わりにハードオフでしか見たことがないガラケーというものを使っている…あれを使う人少しは増えたって聞いたけどこんなに見かけることってあるのかな?
とりあえず使えないスマホをポケットに入れ辺りを少し歩いてみることにした
り「……おっ…看板が…金沢八景?もしかして…横浜?」
看板には金沢八景としか書かれてない…そういえば前にぼっちの家に来た時に見た景色と何だか似てるよね。でもなんで急にこんな所に…とりあえずぼっちに会いに行こうかな?
前に連れてきてもらった時と大分風景が違ったせいか着く頃にはもう16時を指していたけどなんとか到着することができた。やっぱり歩き続けるのは疲れる…息を整えチャイムを鳴らす
「はーい?どちら様?」
り「山田です。ぼ…ひとりさんいますか?」
「山田…?どちら様でしょうか…それにうちのひとりは保育園生ですよ?」
り「え?」
多分ぼっちのお母さんがインターホン越しに出てくれた。だけどその言葉に私は顔が青くなるのを感じた
……ぼっちが保育園生…?ぼっちのお母さんはたまに突拍子も無いことを言ったりしたりするけどこの様子だと本当に知らなそう…混乱する頭を落ち着かせつつぼっちの家を離れることにした。あのままだと確実に不審者に思われるしね…でも1つ分かったことがある。ここは過去の世界だと言うこと、だったらぼっちが保育園生だということもぼっちのお母さんが私を知らないのも説明が着く…だけどなんでこの世界に来たのかもどうしたら戻れるのかも分からない…1つだけでも状況を理解出来たのが救いかな…色んな情報がいっぺんに来て疲れた私は近くにあった公園のブランコに腰をかけることにした
り「……これからどうしよう」
「………(じー」
り「………」
「!(ガサガサ」
り「えっと…何してるの?」
「あっ…あぅ…」
り「……ぼっち?」
「…ぼっち…?」
ブランコに座っていると草葉の陰から私を見つめる子供がいた、声を掛けるとモジモジしながら短いピンクの髪に青と黄色の髪飾りをした子供が出てきた…初めはぼっちの妹かと思ったけどここは過去の世界で年齢的にぼっちの妹の可能性は0だし…なによりこんなに暗い雰囲気では無かったはず…だったらこのちびっ子はぼっちなのだろう。でもなんでこんな時間にここにいるんだろう?家は確かに近いけど…
り「えっと…あー…気にしないで。それよりどうしたの?もう日がくれるけど」
「えっと…その…今日もお友達を作りたくて…ここにいたの」
り「(この反応は絶対にぼっちだ)……それで?友達と遊んでたの?」
「……うう…」
り「あっご、ごめん!そんなつもりじゃなかったの」
「…わ、私なんかが友達作れるわけないの…」
り「………そっか……じゃあ、私と友達になる?」
「えっ…?」
ここは過去の世界…変な事をしたら未来で何が起きるのかなんて予想はつかない。だけどそんな事よりも私はぼっちが悲しそうにしてるのが許せない
私の隣にいたぼっちに手を出すとゆっくりと手を繋いでくれた。まだギターを触った事がなくとても柔らかい手…でもどことなく今のぼっちと手を繋いだ時と同じ感じがした
り「んっ…これで私たち友達だね」
「と、友達…!私の初めての友達!」
り「そんなに嬉しい?」
「うん!だって…このまま1人で大きくなるのかなって…」
り「……ねぇ、1ついい?」
「ど、どうしたの…?」
り「1つまちがってるよ。君は大きくなったら沢山の友達が出来るはずだから」
「……なんで?」
り「…
「…変なの…」
り「まぁ、根拠を付けるとしたら…私は手を握ったらその人の未来が分かるんだ」
「えっ!?凄い!」
り「ふっ…君はこれから確実にいい方向に行くよ…絶対に」
私は変って言われるのに慣れてるんだ。だから…変な人としてでもいいからぼっちに元気付けたいんだよね
私の言葉を聞いてからぼっちは先程まで他人(この時代ではまだ他人だけどね)と接してる感じは取れたかな?
この頃のぼっちの笑い方は明るい所もあるけど…うん、私が好きなぼっちの笑い方が出てるね
喜んでいるぼっちを見ているとぼっちが笑顔で話してくれた
「私ね、知らない人と話すのが苦手なの…でもね!お姉ちゃんはなんだか大丈夫なの!」
り「うん、私も…ひとりと話してるの楽しいよ」
「えっ?私…名前言ったかな…?」
り「気にしないで?これから大きくなっても今日の事は変なお姉ちゃんと会ったって覚えてたらいいよ」
「んっ…えへへ…ありがとうね!変なお姉ちゃん…!」
ぼっちの頭を優しく撫でてあげると無邪気な笑顔で私に返してくれた。
そして気がつくと私はスターリーの前に立っていた。あれは夢なのかなんなのかは分からないけど…夢だったらいい夢だったかな?そんなふうに思いながらスターリーの中に入った
虹「あっ!遅い!」
り「ごめん、おばあちゃんが危篤で…」
虹「はいはい!冗談はそこまでにして来たのなら荷物下ろして早く練習するよ」
り「…そうだね 」
虹「あれ?今日はなんだか素直だね…それになんかいい事あった?」
り「なんで?」
虹「いつもより機嫌がいいよ?」
り「…まぁ、友達が増えたからね」
虹「ええ!?リョウに友達!?」
り「まっ、そういう事だから…今日も頑張ろう」
虹「ええー…」
(そして時は流れて1週間後)
虹「今週もお疲れ様ー」
り「疲れた…」
ぼ「あっ…はい…今週もハードでしたね…」
喜「私は楽しかったですよー?まさかリョウ先輩からお出かけのお誘いがあるなんて思いませんでしたし!」
虹「あっそれは私も思った!本当に急にどうしたの?」
ぼ「ふ、2人とも…言い過ぎでは…私も気になりますけど…」
り「……まぁ、私の「初めての」友達さんに記念してかな?」
虹「そういえばそんなこと言ってたね…誰のこと?」
喜「先輩がそんなに嬉しそうにするなんて…気になります!」
あれから私は珍しくみんなを誘って出掛けた。みんなから「えっ…偽物?」とか「せんぱい…草を食べすぎて…」とか「お熱があるとか…病院に!?」とか言われたのは納得いかないけど…私にだって色々あったんだから気にしないで欲しいな?だって…初めての友達で…初めての恋人になれたんだよ?私だってサービスするよ
り「ぼっち」
ぼ「は、はい?」
り「これからもよろしくね?」
ぼ「へ?」
虹「また2人でイチャイチャしてる!!」
喜「熱々ですね!!」
ぼ「せ、先輩!?どうしたんですか!?急に!?///」
り「私が気まぐれなの…知ってるでしょ?」
ぼ「ぐぅ…///」
虹「リョウがぼっちちゃんを赤面させてる!?明日は大雨…!?」
喜「い、いえ!槍ですよ!」
り「2人とも私をなんだと思ってるの?」
虹/喜「チョロイン(でしょうか)?」
り「……」
ぼっちがあの事を覚えていなくても…覚えててもどっちでもいいや、これからもぼっちと恋人を続けながら…虹夏や郁代と一緒に上に行けたらいいね。それと私はチョロインなんかじゃないから
なんだかまとまらなかった上にベースを弾けなかった…悔しい…