「えっと、本当にごめんね....。私のせいであなたを殺しちゃって....。」
俺が狂喜乱舞してようやく落ち着いてきた頃、幼女の姿をした女神様?は、改まってこちらに謝罪をしてきた。
「いえ、起きてしまったことは仕方ないですし、俺が女神様に文句とかは言えないですよ。」
「ううぅぅ、君は優しいね。私の心は罪悪感でいっぱいだよ....!!」
女神様は、まるでオーロラのように輝く瞳から滝のように涙を流していた。そんな中、聞いておかなければならないことを思い出し、期待と不安を感じながらも俺は聞いてみることにした。
「でも、俺って本当に死んだなぁ、名前も思い出せないし....。....えっと、女神様....。もしも、許してくださるなら、別の世界に俺を転生させて頂くことはできないでしょうか!!!どうかお願いします!」
これを逃したら俺には転生できるチャンスなんて訪れないだろう....。女神様に付け入るようで申し訳ないけど、ここで引くわけにはいかないんだ....。
そして女神様は言った。
「いいよ、君を別の世界へ転生させてあげる。........って偉そうに言ったけど、本当は君を元の世界に帰すことはできないんだ。だから私が殺してしまった謝罪の意も込めて君を好きな世界へ転生させてあげるよ!それが架空の世界でもなんでもね。」
それを聞いて俺は間髪入れずに答えた。
「本当ですか!?!...........もし”ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか”という創作物の世界へ行きたいと言ったらそれは可能なのでしょうか....!」
「うん、君が望むならその世界に関する今の記憶は持ったまま転生させる事を女神の名においてここに誓うよ。ただ、君が介入する事で原作の歴史とは違う部分も出てくると思うから、そこは気を付けてね。」
俺は今まで自分が行きたくても、行けないはずの世界へ転生できると聞いて、不安の気持ちはとっくに晴れて、ただただ嬉しさと女神様への感謝が込み上げていた。女神様がダンまちの世界について調べているとふとこちらに向き直って言った。
「この世界は、君が暮らしていた前の世界と違って生きていくには厳しそうだね....。君には3つだけ好きな能力を与えてあげる。君には好感が持てるし私からの大サービスだよ!」
生きててよかったああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!女神様好きです。これにつきます!
「女神様っ!本当にありがとうございます!もう感謝しかないです!」
「心の声がダダ漏れだよ〜。よく考えてね。これからの君には大事な選択の時だよ。」
そう言われて、俺は頭の中でダンまちの知識を総動員させながら、3つの特典について考えていた。そうして何時間か、数日か分からなくなるほどに考え耽って、やっとお願いする3つの特典が決まった。
「女神様、お待たせしました。3つの特典で欲しいものが決まりました。」
いまいちど、女神様が目の前に現れた。
「ついに決まったんだね。欲しい特典を言ってみて?」
「俺が欲しいのは...............”精神耐性””剣技の才能””精霊の血族”の3つです。」
女神様はうんうんと言いながらこちらを見つめて言った。
「しっかりと強そうな特典を選んだね。よく考えられてると思うよ。君の世界では殺し合いが常とされる世界ではなかったからね。特に平和な日本で暮らしていたんだから、精神的ストレスはかなりのものになるはずだし、私もこの特典は賛成だな〜。」
女神の賞賛を聴きながら、俺はモンスターだとしてもいきなり殺せと言われたら情けないけど、足がすくむ気しかしないのでこれは必須だと思った。怪我をした際の苦痛の軽減も兼ねて。
「それから剣技の才に精霊の血ね。才能に関してはこの世界でも随一にしてあげるよ!世界に愛された才ってやつだね!でもこれは才能であって、努力はしなきゃ開花することはないから、頑張らなきゃだよ!まぁ才能が凄いからすぐに成長を感じれると思うけどね〜。あと精霊の血についてはどんな属性の精霊になるかは私にも分からなくて........。そこは許してね〜。」
そう言いながら、女神様が俺に向かって手をかざすと、黄金色の光の奔流が俺の身体に吸い込まれていった。
「これで、特典の受け渡しは完了だよ。お別れだね、君を転送する時間だ。」
「ありがとうございました!おかげで物語の主人公たちを生で観れます!!........女神様、行ってきます!」
女神は、青年を異世界へと送り出した。そして、自分が殺してしまった青年が完全にこの場から消えたと同時に....。
「君はもう観るだけじゃなくて、この世界で最強の一角にもなれる”資質”を持ってるんだけどなぁ〜。」
悪戯っぽい笑みを浮かべながら、女神もこの場から、姿を消した。
次話からダンまちの世界へ行きたいと思います。