〜命懸けでダンまちの世界を生で見てきます〜   作:赤音友利

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 投稿遅れてしまってすいません。最近、少し忙しくて、遅くなってしまいました。申し訳ない。

 これからも引き続きよろしくお願いします。


〜04〜

 

 

 

 今日は、朝から団長に呼ばれていた。

 

「今日から、君にもダンジョン探索の許可をだそうと思う。ダンジョンの知識は勿論、戦闘に関しては心配していないしね。」

 

 実はこの1週間、リヴェリアとの勉強だけでなく、フィン団長との模擬戦も行っていた。団長からの俺の評価は、”恩恵無し、魔法なしの模擬戦をした場合、ロキ・ファミリアで優勝するのは間違いなく君だろう。”だった。”技と駆け引き”には自信があったが、実際にあのフィンから言われると、嬉しさでいっぱいだった。ただ、その後は、ボコボコにされたのだが....。その後、フィンは、”探索にはベートを同行させる、これは本人の申し出でね。”と言って、話は終わった。

 

 

 準備を終えて、ホームの門に向かっていくと、ベートが柱に寄りかかっているのが見えたので、近づいて行く。

 

「ベートさん、お待たせしました。今日はお願いします。」

 

「チッ....来るのが遅ェんだよ。さっさと行くぞ。」

 

(ベートさん怖っ....。まぁ待たせたのは俺も悪いしな。このツンデレ狼めっ。)

 

 心の中ではそう思いつつ、ベートの背中について行った。

 

 

「ここらは、モンスター共は産まれねぇが、もうダンジョンの中には変わりねぇ。自分1人で行ってみろ、俺は手を出さねぇ。」

 

「わかりました。」

 

 しばらくダンジョンの中を歩いていると、ついに1匹のゴブリンが現れた。すぐに剣を構え、洞窟を駆ける。

 

 ゴブリンは、こちらに気づき腕を振り上げようとするが、自分の腕が上がらないことに気づく。

 

「グギャ....!?」

 

「何を驚いてるの?」

 

 グレイは、すれ違うようにして既にゴブリンの腕を切り落としていた。そして、背後から声のする自らの敵に振り返ろうとした。しかし、身体が動かない。何事かと、ゴブリンが愕然していると。

 

「もう君の首は切ってあるよ。」

 

 その言葉と同時に、ゴブリンの首は崩れ落ち、魔石となって消えていった。

 

(よし、これなら動きに支障はなさそうだな。初めてモンスターを殺したけど、躊躇いとかは無かった....。神様の特典が効いてるんだろうなぁ。)

 

 この一戦で、肩の力も抜けたグレイはそのままモンスターを50匹ほど倒し続けて、気づけば、6階層まで降りていた。

 

(結構降りてきちゃったな〜、まだ初日だしこの辺で切り上げるか。)

 

 そう考えながら、先程から無言でついてきているベートに声をかけようとした。

 

「ベートさ........っ!」

 

 振り向くと、ダンジョンの壁が一世に崩れ始め、モンスターが現れた。

 

「ウォーシャドウだな....。」

 

 グレイの周りを囲むようにして、5体のウォーシャドウが現れた。このモンスターは”新米殺し”と呼ばれており、冒険者の最初の壁として有名なモンスターである。

 

「数は4体....か。随分歓迎されてるっぽいな〜。」

 

 ウォーシャドウはグレイの姿を見つけ、一斉に襲いかかる。

 

「一つずつ片付けてやる。」

 

 迫るウォーシャドウの長く鋭利な爪を剣で華麗に受け流しながら、複数の攻撃を華麗に捌いていく。

 

「....っと、まずは一体目........からの二体目っ!」

 

 的確に魔石を破壊し、不意に背後から迫る爪も腕ごと切り飛ばした後、返す剣でとどめを刺す。

 

 前方にいたウォーシャドウが、爪を振り下ろすが....。

 

 グレイは、自分の背丈よりも大きな大剣を蛇のように操り、首を刎ね飛ばす。

 

「これで三体だな。後もう一体....。あれどこだ?」

 

 グレイが後ろを振り向くと、ベートが近づいてきたウォーシャドウを蹴り飛ばし、瞬殺していた。

 

「最初の初陣としちゃあ十分だ。今日はもう帰るぞ。」

 

「まだ行けそうなんですけど良いんですか?」

 

「ダンジョンは何が起こるか分からねェ....。....それは覚えとけ。」

 

 ベートは少し、苦虫を噛んだような顔をしてグレイに忠告した。その後、ダンジョンでの帰り道でずっと機嫌の悪そうなベートだったが、急に止まった。

 

「新入り、一度しか言わねェからよく聞いとけ............。俺は弱ェ奴が嫌いだ。」

 

「....え、?あ、....はい。」

 

 無言で帰る中、突然話し始めたベートに、グレイは反応が遅れた。

 

「たいした努力もせずに、冒険者を名乗り、壁にぶつかると泣き叫びやがる。そういう、自分の身すら守れねェ様なクズ共を見ると吐き気がする....。それじゃあ駄目だ。それじゃあ、間に合わねェんだよ....。」

 

 普段のベートでは絶対に見せない、誰かに訴えかける様な姿を見て、グレイは心底驚いていた。

 

「新入り....嫌....”グレイ”。テメェは、これから強くなる野郎だ。その技や駆け引きを見れば、俺でも分かる。だからこそ聞く。俺は、俺の言っている事は間違っていると思うか?」

 

 この時、ベートは自分の中でひどく迷っていた。昔、自身に起こった”事件”もあり、自分で自分を守れない奴は冒険者になる資格がない、と言う気持ちは今でも強く思っている。だが、本当にそうか?....、全ての弱者が冒険者たる資格がないのか?.......と。自分も最初は間違いなく弱者だった。だったら何が違う........。そんな葛藤を、自分が駆け出しの頃より、突出した実力を持っているグレイにどうしても聞かずにはいられなかった。

 

「俺も....ベートさんが言っていることはわかります。それに間違っているとは、俺も思いません。この世界は常に死と隣り合わせですから....。」

 

 ベートは、そうか。と言いまた歩き出そうとするが、グレイの話はまだ終わっていない。

 

「でも.......!」

 

「....!.........。」

 

「それでも、自身が壁にぶつかってしまった時、”吠えることのできる者”、”逆境を覆さんと立ち上がる者”........これができる奴こそが、本当の冒険者なのだろうと、俺は思います。」

 

 俺、まだなったばっかりなんですけどね。そう言ってグレイは、また歩き始める。ベートはグレイの言葉を考える。

 

(立ち上がるヤツ、吠えるヤツ............。チッ、どうして忘れてた。俺だって散々そうやってきたじゃねェか。)

 

 今のベートに、もう迷いは無くなっていた。

 

「グレイ............、テメェはさっさと上がってこい。俺は、自分を鍛え直す。」

 

 最後に、一言”テメェの目は吠えれるやつの目をしていた”そう告げると、また無言で歩き出した。ベートから、鼓舞を受け取ったグレイはと言うと....。

 

(ツンデレ狼がデレた!!!)

 

 ベートに意味を知られたら、蹴り殺されるであろう事を思い浮かべながら、大きくなった背中を追いかけた............。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホームに戻り、俺は団長に今日のことを報告した。(ベートのデレは隠して。)

 

「なるほど。中々上手くいったようで安心したよ。まぁ君ならもう少し上の階層でも大丈夫だったと思うけど、ベートの言うことは正しいね。ダンジョンは未知で包まれている。グレイもそれだけは心に留めておいてくれ。」

 

 団長に言われた通り、その言葉を心に刻んだ。

 

「ロキってどこにいるか知りませんか?実はまだ更新をお願いしてなくて。」

 

「ロキなら、自分の部屋にいるはずさ。ちょうど僕も用事があった所なんだ。一緒に行こう。」

 

 団長とロキの部屋に来た。ロキの部屋は、このホームで一番安全な場所にある。団長が言うには、主神の安全のためらしいが、この神はしょっちゅう抜け出してほっつき歩くのであまり意味がある様にも思えないと、感じるグレイだった。

 

「ロキ、俺のステイタスの更新をお願いしても良いかな。」

 

「ええでぇ〜、そういえばしとらんかったなぁ!

 

 ロキは神血を垂らしてステイタスの更新を始める。

 

 

 

 

グレイ・リヨス・アールヴ

 

 L v 1

 

 力:G213 耐久:H182 器用:H198 敏捷:G225 魔力:I0

 

 

 《魔法》

 

[グラシエ ]

 ・付与魔法

 ・氷属性

 ・詠唱式 [枷を解け]

 

[ ]

[ ]

 

 《スキル》

 

 [剣舞神才]《ヘブンズ・ギフト》

 ・剣を装備時、早熟する。

 ・発展アビリティ「剣士」の一時発現、補正値はL v に依存。

 ・全アビリティ能力超高補正。

 

 

 

(トータルアビリティ800オーバー!?なんやこれ!1週間貯めてた言うても、異常やろこんなん。しかも、ちゃっかり魔法まで発現しとる....。これは他の神には絶対バレへんようにせなあかんな。)

 

 

「ほ〜い。ステイタスの更新できたでぇ〜。あと魔法発現しとった。おめでたやなぁ〜!。」

 

「本当ですか!............、付与魔法ですか。属性は氷....。なるほど....ちょっとリヴェリアに報告してきます!」

 

 グレイはステイタスの写しを持って、駆け出していった。

 

 

「ロキ、グレイのステイタスを僕にも見せてくれるかい?」

 

「お〜、あるでぇ〜。どうせそうやろうと思っとったしなぁ〜。」

 

 フィンはグレイと同じステイタスの写しを確認する。

 

「.........!ほぅ....。」

 

「あの子のスキルは本物やで。それにこの魔法....。ウチの勘やけど、たぶんアイズたんと同種のしろもんや。」

 

「アイズと....?!それは........まさか、グレイにも精霊と関わりがあるかもしれないという事かい?」

 

「............。」

 

 フィンの疑問に、無言で返すロキ。

 

「ハハッ、....これは本当に面白い事になっているね....。」

 

「レフィーヤがウチに連れて来たのは正解やったかもな。グレイの為にも。」

 

「そうだね........。まぁ、僕達はこれからの彼を見守って行こうじゃないか。」

 

「そうやな。」

 

 

 

 

 

 

 

 ロキとフィンが、期待の新人について話している時、グレイはリヴェリアに魔法が芽生えたことを報告していた。

 

「リヴェリア、俺の魔法は付与魔法だったよ。」

 

 アイズと同じ魔法に少し驚いて、グレイから渡されたステータスの写しを見ていた。

 

「ふむ........。超短文詠唱の付与魔法か。実際に見てみるまでは分からんが、中々良い魔法を得たようだな。」

 

(それに........、魔法の枠は3つ。ハイエルフの血を継いでいるというのは、やはり間違いではなさそうだな。)

 

「早く試してみたいなぁ....魔法........。」

 

「....分かっていると思うが、今日はもう行くなよ?」

 

「分かってるよ!?....ちゃんと準備してから試してみる事にするよ....。」

 

 リヴェリアに凄まれながら、行くなよ?と忠告されたら流石に行こうとは思わない。....何処かの兎のようになる訳にはいかないのだ。

 

「そうか、分かっているなら良い。せっかくだ、魔法を試す時は私もついて行くとしよう。」

 

 グレイの魔法にどんなものになるのか興味があるリヴェリアは、ダンジョンについて行く事にした。まぁ子供のお目付役も兼ねてだが。

 

 

 

 

 

 

 ダンジョンについた俺は、人気の無い広めのルームにやってきた。

 

「ここなら、大丈夫だよね。」

 

 早速グレイは、覚えた魔法の詠唱を開始する。

 

「【枷を解け。】」

 

「【ーーーグラシエ!】」

 

 魔法を発動すると、グレイの周囲は冷気を纏った魔力に包まれていた。

 

「....成功してるけど、いきなり何かが起こるってわけでも無いのか........?」

 

「確かお前の魔法は、付与魔法だっただろう?それならその状態で魔力を動かしてみたらどうだ?」

 

 リヴェリアに助言をもらったグレイだったが、魔力を動かすという感覚が中々つかめなかったグレイは少し苦戦していた。

 

「うーん....、難しいなぁ。」

 

 そこでグレイは、魔力を動かすのではなく、自身が使いたい魔法のイメージを描いてみた。ーーーーすると、氷の結晶がダンジョンの壁に突き刺さった....。

 

「できた........!トリガーは、イメージ....つまり創造しろってことか。それなら............。」

 

 次にグレイは、今のよりもさらに鮮明にイメージを広げる。思い浮かべるのは、鋭く研ぎ澄まされた氷槍の群れ....。するとグレイの周囲にはおよそ20本程の氷槍が宙に浮かんでいた。

 

「....できたな。やっぱりイメージが大事ってことで良さそうだな....。」

 

 グレイの魔法を見ていたリヴェリアは、魔法の生成速度、イメージ次第でどん状況でも対応でき得る魔法に驚いていた。

 

(超短文詠唱でこの効果....。やはりアイズに近いものを感じるな。....しかし、あやつの風は、戦闘時の超人的な身体強化やサポートなどの集中強化に特化しているが、グレイの氷は、汎用性が高く、状況次第で千変万化する付与魔法か........。どちらが良いのかはさておき、全く....こいつらの魔法ときたら出鱈目だな。)

 

「グレイ、その氷槍。私に撃ってみろ。」

 

「え....でも、まだ威力とか分かってないし....。」

 

「問題ない、全力で撃て。それに私も魔法を行使する。心配は無用だ。」

 

「........分かったよ。」

 

 全力での攻撃....それで思い浮かべたのは、ベル・クラネルのスキル”英雄願望”だ。そこに着想を得たグレイは、約20本の氷槍に魔力のチャージをイメージした。なんとなくだが先程より、強さが増した気がする。

 

「準備はいいよ。」

 

「では私も魔法を展開しよう。」

 

 リヴェリアは、詠唱を開始した。

 

「【集え、大地の息吹――我が名はアールヴ】」  

 

「【ヴェール・ブレス】」

 

 リヴェリアを暖かな光が包み込む。

 

「いつでもいいぞ。」

 

「....行くよ!!!」

 

 グレイは、氷槍を全力で射出させた。

 

 氷槍は、風を切り裂きながら進みリヴェリアに当たると爆散した。周囲に土埃が舞う。

 

「うわぁ............魔法ってすごいなぁ〜....。」

 

 この世界に来てから、剣で生きてきたグレイは魔法という神の奇跡に若干引いていた。

 

 それは自分が放った魔法もだが、たった今攻撃を受けたはずのリヴェリアが、何も無かったかのようにその場に立っていたからである。

 

「ふむ....、今日初めて魔法を使ったと言うのにこの威力。アイズの風に比べれば、威力は一歩劣るが汎用性の差を考えればそれも変わらん。いい魔法を得たな。」

 

(アイズの風と比べている時点で、十分可笑しいのだがな。)

 

「俺としては、リヴェリアの魔法だって可笑しいと思うけどね。........っ!」

 

グレイは、急な立ちくらみで身体がふらついた。

 

「あれ....。急に身体が重くなったような........。」

 

「魔力をだいぶ使ったからだろうな。」

 

「....めっちゃ身体だるい。」

 

「まぁ当然だろうな。初の魔法行使で、あの規模の魔法だ。安心しろ、むしろ燃費はいい方だ。」

 

 リヴェリアは、グレイに肩を貸した。

 

「リヴェリア、俺が渡したマジックポーションある?」

 

「あぁ、あるぞ?」

 

「貰ってもいいかな、結構キツくてさこれ。」

 

 グレイの状態を見ながら、少し笑って言った。

 

「....、今回はなしだ。この状態にならぬよう、次からは調整しろ。」

 

「................もしかして、今の俺見て楽しんでる?」

 

「そうだとしたら、なんだ?」

 

 ”........クッソおおおおぉぉ!!、次は絶対、調節してやる....!”そう息巻いている俺を見て、微笑む”鬼”が隣にはいた....。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今私に、何か言ったか?」

 

「........いえ、言ってません。滅相もないです。」

 

そうして結局、この状態でホームまで戻ったのだった。

 

 

 

 

 

 






 ベートは、性格が柔らかくなったと言うよりは、グレイの事を認めたって感じのイメージです。彼にはいっぱい成長してもらいたいですね。

 後はそろそろ、原作開始した頃も描きたくなってきました....。繋げ方が難しくて踏み出せませんが....。

 
 ここまで読んでくれた方々、ありがとうございます。

 これからも投稿していきますのでよろしくお願いします。
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