ようこそ原作クラッシャー(モブ)のいる教室へ 作:ゆうき35
「さて、次の生徒は【西園寺義隆】君です。入試試験の結果は筆記テストで9位。面接試験では過去最高の評価。文句なくAクラスと思いますが皆さんいかがでしょうか?」
「はいは〜い」
「なんでしょうか?星之宮先生」
「これまでの会議で既に【坂柳有栖】さん、【葛城康平】君はAクラスで決定しています。そこに西園寺君が加わるのは明らかに不平等ではないでしょうか?葛城君と比較した場合、リーダーシップという面で明らかに西園寺君のほうが劣っています。そこで私はBクラス所属を提案します。坂上先生、佐枝ちゃん。どうかな?」
「星之宮先生の意見に賛同します」
「会議の場で佐枝と呼ぶな。ただ、西園寺がAクラスに所属した場合、早い段階でAクラスが独走する可能性は否定できないかと。で、あれば是非Dクラスに…」
「え〜。Dクラスには平田君、櫛田さんがいるじゃない?一芸でみれば高円寺君、須藤君もいるのに欲張りすぎじゃないかなっ?それに…」
「それに。なんだ?」
「西園寺君…私の好みなの!今回は譲ってよ。佐枝ちゃん!」
「おいっ」
そんなこんなでBクラスへの所属をなんとか星之宮先生がもぎ取ったのも露知らず本人は入学式当日に行われる学校のルールを聞いていた。
予定通りBクラスで入学する事はできた。これからの1ヶ月。今後36ヶ月の中で最も重要な期間といっても過言ではない。つまり、唯一【綾小路清隆】がチョロインとして存在する期間だ。あの堀北でさえ、この期間に綾小路と交流をはたした結果、将来の飛躍に繋がっている。池が満場一致特別試験で退学にならなかったのもそうだろう。この時期を逃すと【綾小路】は自分にとって有益か否かが判断基準になる。いかに4月の1ヶ月間で綾小路との交流を深める事ができるか?全てを投げ売っても賭ける価値はあるだろう。
入学式から1週間後の放課後。俺はDクラスを訪れた。
「ねぇ、そこのきみ。櫛田さんはまだ教室にいる?」
「あっ…はい…」
声をかけた女生徒は顔を赤らめて俯きながらそう言った。
「ごめんね。急に他クラスの男子が声をかけたらビックリするよね。配慮が足らなかった」
「い…いえ…そんな…」
「俺は気にしてないから大丈夫だよ。あっ。櫛田さん見つけた。ありがとね」
そう言って櫛田の側まで歩み声をかける。
「桔梗〜。いたいたー。今から少し時間とれないかな?」
「えっ!えーーー」
「なんだよ。そんなに驚いて」
「義隆君…この学校だったの?」
「あれ?言ってなかったっけ?まぁ、いいや。ちょっとお願いしたい事があるんだ。パレットで奢るから少し付き合ってくれない?」
「この後、みんなと遊びに行くから少しだけなら…」
「全然OK!じゃ、早速行こうーー!」
パレットに移動した俺達は飲み物を購入して席に座った。
「で?何の用?」
「ははっ。そっちのほうがかわいいのに」
「うるさいっ!というか同じ高校ならもっと早く言えよ」
ある程度散財した後じゃないと意味ないんだよね。
「ごめんごめん。それより桔梗にお願いがあるんだ。綾小路清隆君。彼を紹介してくれないかな?」
「あの根暗?なんで…えっ。そうなの?中学時代浮いた噂なかったけど、そっちが本命…」
「そんなわけないだろ。西園寺義隆と綾小路清隆。なんか運命感じない?」
「感じない」
「まっ。そうだよね。俺、Bクラスなんだけど、なんか『皆んなで頑張ろー』的なノリで合わないんだよね。会話がなくても間が持つイメージ。綾小路君がピッタリなんだ」
「なんで他クラスのあんたが知ってんの?」
「1週間の調査結果♪」
「はぁ…段取りできたら連絡するから連絡先教えて」
「はいよ」
「じゃあ、私は約束あるから行くよ」
「サンキューな。ただ、あんまりポイント使うなよー。ポイントやばくなったら相談にのるからね〜」
「えっ?どういうこと?」
後日、櫛田から連絡があり、綾小路を紹介してもらう事ができた。入学式から約2週間。綾小路が思い描く高校生活からかけ離れていたのだろうか「友達になろう!」の一言で陥落。放課後や休日は極力一緒に過ごした。
もうすぐ5月だ。ようやく実力至上主義の教室が始まろうとしていた。