ようこそ原作クラッシャー(モブ)のいる教室へ 作:ゆうき35
5月1日。教室では担任の星之宮先生よりSシステムのネタばらしが始まっていた。
ここで4月の俺の行動を振り返ろう。最重要課題であった【綾小路清隆】と友人関係になるという目標は達成したと考えていいだろう。高校生らしい活動ができたか?と言われると疑問符がつくがお勧めの本を共有したり、チェスを指南してもらったりと充実した時間が過ごせたと自負している。できれば回避したい所だが、この学校で過ごすかぎりチェス大好きっ娘の強襲に準備を怠るわけにはいかない。今後は自慢の料理で少しづつ餌付けもしていこう。
櫛田との関係も良好だ。連絡先を教えて以降、なぜか頻繁に連絡がくるようになった。3日に1回は愚痴につきあっている。水泳授業の日は特別ひどかったが、だてに40年以上妻の愚痴につきあってはいない。アドバイスや正論なぞいらんのだよ。共感とねぎらいが肝要だ。それに定期的にDクラスの内情を知れるのは正直ありがたい。この関係は今後の計画遂行に寄与してくれる事だろう。
さて、俺の目的は【綾小路清隆】ハードモードだ。綾小路を懐柔してAクラスを目指す事を諦めさせる事では決してない事を再確認する。
「お〜い。西園寺く〜ん」
思考に耽っていると一之瀬から声をかけられた。
「やっと気づいてくれたよ。さっきから何度も呼んだんだよ」
「悪い!考え事してた。で、何の用だ」
「星之宮先生から説明があったクラスポイントと中間テストの対策について、放課後みんなで話し合う事になったんだ。西園寺君も参加してもらえないかな?」
「分かった」
「えっ?いいの?」
「なぜ誘った側が驚いてんだ」
「にゃはは…いや〜西園寺君ってクラスで遊びに誘っても全然きてくれないし、一人でいる事が多いから集団で行動するのキライなのかなーって」
「別にキライでも苦手でもないぞ。微力だがクラスの為に貢献したいとも思っている。ただ…なんというか…高校生のノリ?みたいなやつについていけないだけだ」
「にゃははは。お祖父ちゃんみたい」
正解だな。そして、あっという間に放課後となり、Bクラスで対策会議が始まる。
ここで中間テストまでに俺がなすべき事を整理しよう。今回の課題は堀北と3バカの勉強会を破綻させる事だ。掘り下げると3バカに勉強をする習慣をつけさせない。その結果、将来Bクラスに訪れるであろう危機が回避されれば儲けものだ。勉強会を潰すだけであれば簡単である。櫛田に3バカとの仲介をさせなければいいのだ。ただ、その場合、堀北と綾小路との関係も薄れてしまう可能性があり、それは非常にまずい。俺のアドバンテージは原作知識がある事だ。ある程度原作どおりに進めないとただのモブに成り下がってしまう。堀北と綾小路にはしっかりと勉強会開催に向けた検討をしてもらい、堀北兄との再会・堀北から3バカへの謝罪までは原作どおり進めるべきであろう。にも関わらず3バカが拒否するのが理想の流れだ。なにか良いプランはないだろうか。そうか!たしか綾小路が良い点がとれたらという条件で櫛田にデートを申し込んだ事により、やる気を促す流れだったはずだ。櫛田に拒否してもらうか。そのかわり翌日に過去問の存在を3バカにリークさせれば、櫛田の面目も保てるはずだろう。過去問が3バカに渡ってしまえば堀北・綾小路組の挽回も不可能だ。あとは試験範囲の変更も直ぐにクラスに周知してもらえば完璧じゃないか?こう考えると序盤の【櫛田桔梗】は大活躍だな。お礼に今度手料理でもふるまってやろう。
可能であれば、須藤の1点を10万で購入させ、ポイントも奪っておきたい。これは何もしなくても原作通りになるかもしれない。勉強が嫌いな人間は一夜漬けにかけるもんだ。ソースは前世の俺。須藤よ。期待している!
次に綾小路と裏櫛田を遭遇させない事だが、これは既に達成されていると思う。櫛田のストレス管理には最大の注意を払っている。念のため、初回勉強会後の櫛田の時間はこちらで確保しておくか。
そろそろCクラスからBクラスへの嫌がらせも始まる頃ではあるが、これは放置でいいな。
ちょうどBクラスの話し合いも終わったようだ。一之瀬が学級委員長で神崎・白波がそれに続く。対策も真面目に授業に取り組む事と勉強会の開催。現時点で他にできる事ないわな。えっ!?俺が講師役?なぜだ?小テストで成績上位?いやいや。ちゃんと最後の2問は白紙でだしたぞ。他の問題は高校生なら普通間違えないだろ…。
Aクラス 940
Bクラス 700
Cクラス 490
Dクラス 0
……
「義隆から連絡くれるなんて珍しいね。えっ、何?誰からデートに誘われても断ってくれってどういう事?し…心配なんだ…。ふ〜ん、そうなんだ。うん…うん…。分かった…。埋め合わせ楽しみにしてるね」