ようこそ原作クラッシャー(モブ)のいる教室へ 作:ゆうき35
「ご…ごめんなさい…」
「俺は大丈夫だ。佐倉さんは?」
「えっ…な…なんで…わ…わたし…急いでいるので」
【佐倉愛里】は逃げるように走っていった。
もうすぐ6月になろうとしている。須藤暴力事件の始まりだ。
俺はこの事件に大筋では関与しない事にした。須藤が停学になってもならなくてもDクラスに得るものはない。中間テストで獲得するであろうクラスポイントは3バカが5月中にしっかり吐き出してくれる。
『真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である』
須藤にはこれからも綾小路の足を引っ張ってほしい。また、仮に原作に介入した場合の懸念が『佐倉愛里ストーカー被害』だ。俺の頭では解決策が全く思い浮かばなかった。
今回の事件だが【綾小路清隆】は間違いなく解決に動くと考えている。平田・櫛田からの協力依頼は断れないだろうし、この時点で須藤を切り捨てるとの判断も時期尚早だ。
【堀北鈴音】は須藤を切り捨てる判断を下すかもしれない。だが、この事件。解決にむけた堀北の役割は目撃者が【佐倉愛里】である事に気づくだけだ。裁判?最初は兄を見て呆けており、後半もようやく再審議に持ち込めただけ。平田でも櫛田でも代替は可能だろう。
今回、俺のミッションは堀北・綾小路組と一之瀬・神崎組との関係を希薄なものにする事だ。近い将来に締結されるであろう同盟を結ばせない。原作でDクラスは協力関係と呼んでいるが、実際の所、Bクラスに全くメリットがないのである。都合よく使われて、不要になれば捨てられる。そんな関係である。
まず櫛田にそれとなく「一之瀬に相談してみては?」と促す。一之瀬の性格では困っている人を見過ごす事はできないだろう。DクラスとBクラスの窓口は平田・櫛田組に担ってもらう。
監視カメラを購入する為のポイント貸付や綾小路との同行(対石崎達・対佐倉)は俺が担当する事にした。友達だからな。綾小路にさり気なく協力を申し出た。
堀北が全く協力しない場合の保険に特別教室棟から逃げだす佐倉に接触。入学当初Dクラスへ訪れた際も、佐倉に櫛田の所在を確認している。人違いでの言い逃れは難しいだろう。あくまで保険だがな。堀北の協力に素直に期待しよう。
さんざん悩んだのだが、やはり暴力事件が終わるタイミングで大きな決断をしなければならない。先延ばしにできないかな〜。無理だな…。
……
「先生に相談って何かな?恋の悩み??それとも私に愛の告白かな〜?」
「それも吝かでないのですが」
「えっ!?えっ〜!!」
「何を自分からふって驚いているんですか。正直、女性としての星之宮先生の評価は高いです。そもそも俺は年齢差は気になりません。また、自立している(相手に依存しない)点は同年代の女生徒に求められないですからね。ですが、今日は別件です。これからクラス対抗の試験が行われる場合、俺をCクラスつまり【龍園翔】の担当にして下さい」
「…どういう事かな?」
「分かっているでしょう?今回の事件の黒幕は龍園です。今のBクラスでは龍園の相手をするのは難しいでしょう」
「西園寺君ならできるの?」
「他の生徒よりマシなだけですよ」
「う〜ん…どうしよっかな〜」
「今日は意思表明だけです。実際どうするかはおまかせします」
「ふ〜ん。今年の生徒には期待してたけど、正直物足りなかったんだ〜。いいよ〜。西園寺君」