ようこそ原作クラッシャー(モブ)のいる教室へ 作:ゆうき35
【一之瀬帆波の場合】
「俺(達Bクラス)にとって一之瀬帆波(の存在)は特別なんだ。頼む!生徒会活動より俺(達)をみてくれないか?」
何?この状況??私、告白されている??
私は過去の失敗を乗り越える為に高度育成高等学校を選んだ。所属する事になったBクラスの皆は親しみやすく、また、私を慕ってもくれる。このクラスになった事に心から感謝する。3年間みんなと頑張っていこうと自然と思える環境は何物にも代えがたいだろう。そんなクラスの中でどこか一歩引いた存在なのが、西園寺義隆君。話しかけるとちゃんと受け答えしてくれるし、付き合いの悪い所はあるが、だからと言ってイヤな空気は感じさせない。『不思議な人』。それが彼のイメージだ。
中間テストに向けた勉強会を開始して数日後、終了後に「二人で話せないか?」と聞かれ、移動した先で冒頭の場面に戻る。
西園寺君の顔を見る事ができず、俯く事しかできなかった。混乱が収まらないまま生徒会への立候補はAクラスになるまで保留となった。当然、その日は寝つけない。異性への恋愛感情に疎いのは自覚している。もし、付き合う事になるとしても、もっとお互いを理解してからだと思う。そんな事を一晩中ぐるぐると考えていたんだけど、翌日、彼に会うといつもと様子が変わらない。そう思っていると、ふとした瞬間に優しかったりもする。
西園寺義隆君は『不思議な人』だ。彼を知るためにも、これからは正面から関わっていこう。
【神崎隆二の場合】
それは中間テストが終わった後に開かれた打ち上げの帰りに、唐突に投げられた言葉だ。
「一之瀬帆波を盲信するな」
「お前と一之瀬が対立したならば、俺はお前を支持する」
この言葉が頭から離れない。入学して直ぐに一之瀬は頭角を表した。Bクラスは優秀な生徒が多いが、その中でも頭一つ抜きん出ている。であるならば、俺は何があっても一之瀬を支えていこうと決心した。今でもその考えは間違っていないと思っている。
イヤだな。あいつが言うなら将来、そんな日が訪れるのだろう。西園寺義隆。俺は懐かしい背中を眺める事しかできなかった。
【星之宮知恵の場面】
【西園寺義隆】。彼はやばい。あの日から彼にチョッカイを出すのを止めた。
「ふ〜ん。今年の生徒には期待してたけど、正直物足りなかったんだ〜。いいよ〜。西園寺君。さ〜て、そろそろあがりなんだけど、ご飯行く?」
「そうですね。星之宮先生は何がいいですか?」
えっ。断らないの…
「う〜ん…イタリアン?」
「分かりました。ちょっと待って下さい」
西園寺君はそう言って電話をかける。
「18時半から2名なんですが予約できますか?……はい。はい。できれば個室で…分かりました。本日の前菜のお勧めは?……じゃあ、それでお願いします。……ええ。ええ、では」
「な…なにしてるの?」
「イタリアン予約できました。到着時間ちょうどに前菜を出してもらえるようお願いしています。そうですね…流石に制服の生徒と同席は風聞がよくないでしょう。着替えてきますんで、間に合わなかったら先に始めて下さい」
「……」
どうしてこうなった。普通は顔を赤らめて困惑する所でしょう。ああぁ〜担任の生徒とご飯かぁぁ〜。
予約されたお店で待っていると超絶イケメンがあらわれる。
「先生。お待たせしましたか?」
「…………」
「何を呆けてるんですか。お酒はどんなのが好みです?」
目の前に座っているのはスーツで身を固めて、ばっちり髪型をきめた西園寺くん?
「さ…西園寺君?」
「なんですか。いまさら…。俺が決めちゃっていいですかね?じゃあ、このロゼで。この色合い。星之宮先生に合うと思うんです」
今まで付き合ってきた男とは違う。ダメ。これ以上関わると本気になる。
「こ…こうやって、どんだけ女落としたの?」
「何いってんですか?こんなの同級生にはしないです。先生だけですよ」
あぁ、これ以上はダメだ。一之瀬さん…大丈夫??