艦隊これくしょん ─態度と乳と乗艦がクソデカいタイプの転生者─ 作:物凄く強い美少女×戦艦はいい文明
「……本当に「大和」だ」
水偵が発見したという、深海棲艦に襲われていた「大和」が戦闘機隊に支援されながらやって来ると誰ともなしにそんな呟きが漏れる。
それは誰もが同じ思いだった。
西暦2019年現在、確かに艦娘という第2次世界大戦当時の艦艇を蘇らせた存在は居るが、それらは最大で60m程まで巨大化出来る人間のことで決して当時のまま艦艇の姿で蘇る訳ではない。
この特設輸送隊に配備されている艦娘である空母「瑞鶴」や軽巡「川内」といった艦も皆身長45~50m超の巨大な少女の姿をしている。
しかして、接近しつつある艦は確かに全長263m、全幅38.9mの巨大な艦体に46cm3連装砲3基を誇る巨大戦艦「大和」そのままなのだ。
輸送船団護衛の艦娘達も警戒しながら困惑の様子を隠せていない。
水偵によれば人類の兵器では傷1つ付けられない深海棲艦の艦載機を次々と撃墜していたらしい。
勿論、第2次大戦期に運用された、もしくはそれを模した兵器なら一定の効果がある為それ自体はおかしくはないものの、そもそも人類全体が追い詰められている現状において大和型を模した巨大戦艦を建造出来るだけの力を持った組織がどこにあると言うのか。
船団に所属する艦娘、自衛隊員、嘱託隊員、誰もが首を傾げた。
「巨人が居ますわ……」
戦闘指揮所の全周モニターに映った自衛隊を名乗る組織の艦隊……と言えばよいのでしょうか?
民間用と思われる貨物船3隻を中心に我が艦の元となった艦と同年代の設計と思しき小型の艦が1隻。
その周囲には奇抜な服装を纏った身長40m前後の女性が4人、海上に立ってこちらを睨んでいます。
中でも弓道着に身を包んだ、それなりの身長のツーテールのお方が左肩に装備した板のようなものにプロペラ機を縮小しながら着艦させると巨大な矢に変化させ回収していくのを見て、思わず目を疑ってしまいます。
詳しくはないけれど、自衛隊にこのような超常的な兵士が所属していたことはない筈です。
『こちらは海上自衛隊所属、特設輸送艦隊旗艦「ひまわり」。貴艦の所属と艦名を求む』
「……」
電波式の通信が届き、男性の声が戦闘指揮所に響く。
モールス信号といい電波式の通信といい、こんな古臭い様式を多用するということはやはりあちらは300年前の世界の人々なのでしょうか。
「……わたくしは吉月院学園所属の姫乃・ノイシュタット。この艦に艦名はありませんわ」
『……説明を求む』
相手が少女だと分かったからか、もしくは艦名が無いことにか、明らかに困惑気味の男性。
「その前に、今は西暦何年でしょうか?」
『?……今は西暦2019年の11月25日だ』
「では、ここは地球で間違いないでしょうか?」
『……それはどういう意味か?』
思わず溜息を吐きそうになって、通信中なのを思い出して息を呑み込む。
「恐らくですが……わたくしは300年後の未来から来た者になると思われます」
『……!?』
海上自衛隊 高坂基地
かつて関東地方に存在した、工業地帯に直接組み込まれる形で商業用として建設された高坂港は深海棲艦の出現によって軍港となっている。
かつての工業地帯、そして軍港としての姿は爆撃によって半分以上が瓦礫と化しており、最早その機能の多くを失った半分廃墟といった状態ではあるがそれでも海上自衛隊の基地ではあった。
その地下施設の一室で少し線の細めな背の高い青年……第12艦隊司令官小鳥遊 義一一佐は、入港してきた巨大戦艦の報告を受け頭を抱えていた。
「つまり……あー、300年後の別の星からやって来たなんて世迷言を吐く痴女が戦艦引っ提げて深海棲艦の航空隊を蹴散らしながらやって来た……と?」
「はい……まーその……そういうことです」
改松型駆逐艦「ひまわり」艦長の日吉 忠司三佐が引き攣った笑顔を浮かべながら答える。
「いや、いくら何でも突拍子無さ過ぎるだろう……。ソイツ……あー、ノイシュタットだったか?本当だった場合、宇宙人で未来人ってことになるだろう」
「しかも異世界人で超能力者です。ただ、出身は地球だそうなので宇宙人ではないですね」
「……」
「調書は読みましたね?」
好好爺然とした日吉が顎髭を撫でながら聞くと、小鳥遊は物理的に頭を抱えてしまう。
「ああ、読んださ。西暦2387年の世界には地球連邦があって異星人と交流していて超能力者が化物と戦ってるってヤツだ。信じられると思うか?」
「信じられませんな。深海棲艦や艦娘が現れる前でしたら」
「…………」
確かに深海棲艦や妖精、艦娘といったオカルトじみたものがこの世界には確固として存在し、現実に人類を追い詰めたり人類と共に戦ったりしている。
始まりは西暦2013年春。
突如として世界中の海に、後に深海棲艦と呼ばれるようになる1920~50年代の軍艦のように見える艦船群が現れ、全く動機は不明のまま人種、国家、組織、武装の有無、敵対の意思、あらゆる種別を問わず全ての生命体に攻撃を始めた。
正体も由来も分からないこの敵に対して、当然人類は直ちに対処を開始した。
最初の奇襲から立ち直った各国軍の反撃が始まったのだ。
当初は誰もが勝利を確信していた。
古臭い艦艇とは隔絶した性能の兵器群が、それを約束していた筈だった。
しかし、すぐに全世界、全人類は絶望することとなる。
深海棲艦に対して行われた攻撃のほぼ全てが効果を示さなかったのだ。
百発百中の対艦ミサイルも、絶大な威力の長魚雷も……核兵器すら深海棲艦には効果を示さなかった。
数少ない手段として、第2次世界大戦で運用された……もしくはそれらを模した兵器でならダメージを与えることが出来たが、それを発見した時にはそんな旧式兵器を大々的に復活させる工業力など人類からとうに失われていた。
戦艦、航空母艦を含む膨大な物量で押し寄せ、戦略爆撃機で内陸部まで攻撃してくる深海棲艦に対して人類は全く手も足も出ない状態となってしまった。
更に2014年になると、最大で身長60mに達する人型の深海棲艦が現れた。
これら人型深海棲艦は艦船型から変異したモノであると後に判明。
人型に変異するのが確認されたのは戦艦や重巡洋艦、空母等の大型艦艇のみだが、近い将来それ以下の艦艇も変異すると予測された。
問題は、これら人型深海棲艦は同種の艦船型……通常種を大きく陵駕する性能を手に入れていたことだ。
凄まじい火力、人型故の常識はずれの機動力、速力こそ大きく変わらないものの攻撃が効かないのをいいことに接近し格闘戦まで挑んで来るこれらの人型深海棲艦に対して人類は全く為す術が無かった。
何より、この形態になると人類唯一の牙である旧式兵器すら一切の効果を発揮しなくなってしまう。
バリアのようなものに阻まれあらゆる兵器が命中しなくなるのだ。
唯一幸いな事は、何故かこの人型艦は陸地に上陸出来ないことだろう。
勿論、その後に陸上型の深海棲艦戦力が現れたことを考えれば何の救いにもならないのだが。
人型艦まで現れた深海棲艦の圧倒的な戦闘力を前に人類は制海権の大部分を喪失。
2015年には車輌型や要塞型の深海棲艦までもが現れ、オーストラリアやアフリカ大陸、中国大陸やロシア、南米大陸の大半が制圧され欧州すらも戦場を陸上に移しつつあった。
戦いは最早、如何に人類を延命させるかという絶望的なものに変わっていた。
転機が訪れたのは2015年夏。
日本でとある兵器が開発されたことにより戦況は一変する。
始まりは、2014年に深海棲艦によって滅ぼされた異世界から妖精と呼ばれる人々がこの世界に逃れてきたことによる。
彼女達の多くは自分達の世界の奪還の為に世界の人類に協力を求めており、人類も自身の防衛の為に彼女達と手を結ぶことにしたのだ。
そして、彼女らとの協力の元オカルト要素すら含んだ新兵器開発が進められることになる。
それは確かに実を結んだ。
艦艇を建造する材料……すなわち鋼材、木材、錫、ゴム等々を依代に、かつて海で散った艦艇を少女として召喚する超常兵器、[艦娘]である。
普段は普通の少女だが、いざ艤装と呼ばれる装備を背負い海へと繰り出せば人型深海棲艦と同じく最大で身長60mに達する巨人となり人型深海棲艦と同等かそれ以上の力を発揮する戦乙女へと変身するのだ。
艦娘とも協力関係を結んだ人類妖精連合軍は通常の深海棲艦どころか人型艦とも戦える力を手に入れ反攻を開始。
こうして、2016年の半ばにはある程度の制海権を取り戻し戦況を圧倒的不利から膠着状態にまで押し戻すことに成功するのだった。
環太平洋地域……特にアジア方面で、ある程度制海権を手に入れた人類は対深海棲艦用として旧式兵器の改良、再生産を開始。
2017年には欧州方面でも反攻作戦が始まった。
しかし、2018年初頭。
艦娘を保有していないながらも奮戦を続けていたアメリカ海軍太平洋艦隊が壊滅、合衆国は西海岸から本土決戦へと突入。
それに伴って北米方面に振り分けられていた深海棲艦の膨大な海上戦力が突如として西太平洋へと雪崩れ込んで来た。
自衛隊も防衛に尽力したものの物量の差は如何ともし難く、また中露両国の日本を中心とするアジア同盟軍に対する有形無形の妨害もあって戦線は縮小。
2018年の冬に重慶とボルゴグラードに突如として深海棲艦の陸上拠点が出現し中露が大打撃を受け妨害が消えた頃には硫黄島も陥落済みだった。
2019年になる頃には日本は先の大戦同様連日の戦略爆撃を浴び、潜水艦に包囲され、本土近海に敵艦隊が出没するまでに追い込まれてしまい、日本ほどの海軍力を持たない他のアジア各国の幾つかは深海棲艦の上陸を受け本土決戦を始めるに至ったのだった。
しかしそんなオカルトじみた戦争をしているからと言って、また別の荒唐無稽な話を簡単に信じる訳にもいかない。
小鳥遊は溜息を吐いて椅子から立ち上がった。
「せめて顔くらい見ないと話にならない。案内してくれ」
「了解しました」
日吉も立ち上がり、苦笑を深めた。
短い航海の後、わたくしは連行された地下の一室にて素晴らしい待遇でもてなされていました。
殺風景な部屋に無愛想な机と椅子、武装した兵士は護衛ではなく監視の為。
理力に対する阻害効果を一切持たないためにわたくしからすれば透明なガラスと変わらないマジックミラーで仕切られた反対側の部屋からは数時間前まで巨人だった女性や士官クラスと思しき軍人……自衛官達がこちらを覗き込んでいる。
手錠をかけられることなく、飲み物も与えられているので囚人や捕虜よりはマシですわね。
こちら側の部屋では、わたくしを検分する為に数名の男女が入ってきてはわたくしと幾らかの会話をして出て行く。
そしてまた1人の男性が部屋に入って来ました。
「う」
そして皆ここまで露骨ではないけれど、わたくしのスーツを見て一様に動揺するのです。
特に男性は目を逸らす方までいらっしゃる。
人間の容姿自体は300年程度で大きく変わってはいない筈であるし、この時代の価値観で見てもわたくしが著しく醜いということも無い筈なのでやはり衣装の方なのでしょう。
わたくしとしては人々を守る幻想衛士─特に生身で前線に立つことを許された
「初めまして、第12艦隊司令官の小鳥遊 義一一佐です。一佐は分かりますか?」
「先程教えて頂きましたわ。佐官で数字の小さな方が階級が高いのですのよね?大佐相当……でよろしいのでしょう?」
少々頼りない体型の男性が軽く頷く。
まさか艦隊司令官の御登場とは。
ですがこの若さ……しかも佐官で艦隊の長とは余程人材不足なのでしょうか。
彼ら彼女らの言葉を信じるならば、人類は全世界規模で深海棲艦という侵略者と戦っているらしい。
勿論わたくしの知る歴史において2010年代に世界規模での戦争は……しかも人類以外のオカルト的存在との戦争は存在していません。
加えて、基地の荒れようといい日本近海に敵が居ることといい今の日本はかなり追い詰められているようです。
この小鳥遊という男性も、その状況を受けわたくしをスパイか何かとして疑っているのかもしれません。
「さて……まず貴女は未来人とのことですが……」
苦悶とも取れる何とも言えない表情を浮かべる小鳥遊氏。
「正直信じられませんが、提出された端末や金属素材から300年後かはともかく未来から来たであろうと信じざるを得ません。信じられませんが」
「そこまで信用なりませんの?」
大袈裟に溜息を吐く小鳥遊氏。
よく見ればファンデーションで隠してはいますが彼の目の下にはくまが縁どられ、それなりに疲労していることが見て取れます。
わたくし、全くもって招かれざる客のようですわ。
「当然ですよ、タイムスリップなんてSFじゃあるまいし。今、人類は深海棲艦相手に劣勢を強いられている。貴女の言うことが本当なら、最悪深海棲艦に加えて未来から来るかもしれない貴女の敵……アープでしたっけ?それとも戦わなきゃいけないかも知れないってことですよ?」
「勿論、その時はわたくしが全力で対処しますわ」
胸を張ってそう宣言する。
「実質部外者であるわたくしがこの世界の危機に口を挟む筋合いは無いとは重々承知しています。それでもわたくしは幻想衛士、人類の盾にして矛。故にわたくしは戦いますわ。例え相手がアープでも深海棲艦でも。それがわたくしの義務であり、誇りですわ!」
この世界の状況を聞いた時から決めていたこと。
例え世界が違っても同じ地球人、人類。
わたくしにとって戦うに足る理由です。
「……」
呆れたような、憐れむような視線を向けられる。
「随分と甘い考えだ。まさしく理想主義的。幼稚だな」
小鳥遊氏の雰囲気と言葉遣いが一変し、口角が皮肉気に歪められる。
成る程、これが彼の本性の一端ですのね。
ただ、それだけでは無い御様子。
「我々がしているのは戦争なんだ。人が死ぬんだよ。そんな甘ちゃんな考えの子供に「是非我々に力を貸して欲しい」…なんて喜んで言うとでも思ったかい?」
「あら、小鳥遊一佐こそ随分と理想主義でいらっしゃいますのね。戦争と仰る割に小娘1人前線に追いやるのに躊躇しますの?」
わたくしの言葉にギョッと目を剥く小鳥遊氏。
完全に予想外な返答だったようだ。
「ご安心を、命を捧げる覚悟はとっくにしていますわ。例え「人間同士の殺し合い」になったとしても、です」
「……何故君はそこまで戦うことに拘るんだ」
気付いているのか、縋るような目になっている小鳥遊氏。
本来の彼は優しい方なのでしょう。
戦力は少しでも欲しい。
怪しい者を迎え入れていいのか。
少女にしか見えない者を戦場に立たせて良いものか。
彼の良心と理性が葛藤した結果、あの言葉が出力されたかと思うと相当歪んでいるとは思いますが。
「言ったでしょう?わたくしは幻想衛士、人類の守護者。わたくしの力は人類の未来の為にありますの」
「……はぁ」
参った、と言わんばかりに両手を上げる小鳥遊氏。
「分かった。取り敢えずは君の言葉を信じよう」
「全て?」
「全て。何にせよ、まずは……服をどうにかする所からかな」
「……」
やはりスーツのデザインは相当奇抜なようです。
こればっかりはショックですわ。
「私は川内!海上で会ってるんだけど覚えてる?」
忍者装束を思わせる衣装を纏う女性が朗らかな笑みで名乗る。
勿論覚えている。
海上での巨体も、マジックミラーの裏に居たのも。
「ええ、覚えていますわ。確か、艦娘という種族でしたわよね?」
「種族……。そう言われたの初めてかも」
少しだけ狼狽えたように苦笑する川内さん。
自衛隊の士官服……幹部服というらしい……を借りて着替えたわたくしを部屋に案内すると言って現れたのが彼女だった。
「昔資料で見たことがありますわ。軽巡洋艦に分類されていた艦ですわね」
「おー、よく知ってるね。そう、川内型二等巡洋艦の一番艦だね。一応今は第12艦隊の先任士官みたいなのもしてるから、もしかしたら今後お互いお世話になるかもね」
よろしく、姫乃─と手を差し出す彼女と握手を交わす。
あくまでわたくしは仮の宿としてこの基地に居る状態であり、小鳥遊一佐曰くまずは陸海空自衛隊を統括する統合作戦司令部、そして政治中枢のある東京まで出頭することになるだろうとのこと。
彼女の言う「世話になるかも」と言うのは、そもそもこの基地から離れるわたくしに対する迂遠な別れの挨拶でもある。
「さ、付いて来て」
川内に促され、廊下を進む。
基地内の通路は薄暗く、以前見た古い映画の潜水艦を彷彿させる。
「不躾ですけれど、本土への攻撃は厳しいんですの?」
困ったように眉を下げ、チラリとこちらを窺う川内さん。
「まー基地の様子見れば分かっちゃうよね。正直、結構キツいかな」
彼女が言うには戦略爆撃と通商破壊により日本の物流は滞りがちとのこと。
加えて多くの艦娘が沈んだことにより反攻作戦もままならないとか。
この基地も不規則な隔週で空襲を受けていて、先日の船団もその合間を縫った補給の為の船団だったそう。
敵に捕捉される寸前にわたくしが現れ、結果的に船団への空襲を阻止する形になったという訳。
「感謝はしてるんだよ?だけど、部屋のグレードとか夕食とかは期待しないでね」
「ご安心ください、そもそも300年も前の過去に来て便利に過ごせるとは思っていませんわ」
「成程、それもそっか」
納得したようにうんうんと首を振る川内。
その度にツーサイドアップの先端が尻尾のように上下する。
可愛らしいなと思って眺めていると、反対から巫女服のような衣装の女性が歩いて来た。
「Hello、川内!そちらが噂のfuture girlデスね。初めまして、金剛デス!」
「初めまして、姫乃・ノイシュタットですわ」
元気一杯といった様子で右手を上げ挨拶して来る金剛さん。
確か、高速戦艦の名でしたか。
「Oh、噂には聞いてマシタが本当に美人デス!ビショビショになるのを警告するというやつデスネ」
「それを言うなら傾国の美女じゃない?」
突然金剛さんが濡鼠になることを気にしたかと思ったら川内さんが突っ込みを入れる。
彼女も日本の戦艦が艦娘になった存在の筈なのに少々日本語が拙いようです。
「ああ、金剛さんはイギリス生まれなんだよ。だからちょっと日本語を勘違いして覚えてたりするんだ」
「帰国子女というやつデース!」
キョトンとしているわたくしに川内さんと金剛さんが教えてくれる。
成程、そういうこともあるのか。
「港に大和型が入港した時は何事かと思いマシタ。話を聞いてもっと驚いたヨ」
「金剛さんはこの基地の防衛担当なんだよ。だから君の話も伝わってるんだ」
「だから顔を見に来た、ということですのね?」
「Of course!まさかこんなに美人さんだとは思わなかったけどネー」
「ふふ、ありがとうございます。お世辞でも嬉しいですわ」
「本心から言ってマスよ。それに、それと同じくらいhigh specな艦を操れると聞いてマス。期待してマスヨー?」
「……ええ」
金剛さんの言葉に曖昧に頷くしかなかった。
確かに1940年代の戦艦として見ればわたくしとあの大和型はまさしく凄まじい性能を有するでしょう。
ですが転移以前のわたくしと比べたら、そしてもしアープの上位個体が現れたら……。
「わたくし、全力を尽くしますわ」
それでも……わたくしは……。