そろそろ話を進めないとなぁと思いながらまだ小学生時代の話を抜けられない...。
<side.アイ>
突然だが、優は結構モテるのである。私が言える事ではないが他人にあまり興味がないから気づいていないのだろうけど。
確かに優はクソボケではあるが、頭も足の速さも顔も結構良い方だ。また、他人にあまり興味がないというのもそこまで知らない人からしてみたら大人びて見える...らしい?
まぁそんなわけで優は結構モテるのだ。
だからこんな風に軽い気持ちで優と付き合いたいとか抜かしてくる女がいるわけだ。
「あなたと優くんってどういう関係なの!」
ふ〜ん、同じベッドで毎日一緒に寝ていて、もう既に家族であって、将来2人で子供をつくる関係だ。と答えても良いけど、相手は女子のカーストのトップだから敵に回すのは面倒だ愛想良く適当な返事をしよう。
というか私と優の関係も知らないぐらいの関係値であるのに既に彼女面しているのが、不愉快というかもはや滑稽にしか見えない。
それに優には好きな女性が私以外いない事は既にリサーチ済みである。
早く優と一緒に帰りたいし、まぁ適当な返事で良いかと考えて口を開こうとする。
「まぁ彼を好きになる女子なんて私ぐらいよね。優くんって色んなことを頑張ってるけどなーんにも1位になれない良いところなしだし。まぁ顔は良いけどねー。だからさ、アイちゃんは優くんから手をひいてね?」
まぁやっぱり碌でもない女だったか。イラッとするしサッサと優と帰るとしよう。
「優のことを何も知らない田中さんがどうしようと私には関係ないね。それに私と優は相思相愛だから、何も知らない田中さんに入る隙はないから、それじゃあね。」
「私は中田よ!それに何よ入る隙が無いって!私が何も知らないっていうならあなたは優くんの何を知ってるのよ、私だって優くんのことを知ってる!」
「そう。じゃあ優が嬉しいことがあった時の癖は?」
「...は?」
「優はね、嬉しいことがあった時は鼻が少しピクピクってするし、逆に悲しいことが会った時は小指がピクピクってするの。恥ずかしくなったら眉を少し下げて斜め右下に視線がいくし、疲れてる時は普段よりも私を抱きしめる力が強くなるの。まだまだお風呂に入る時の順番とかいっぱい色々なことを知ってるけど、田中さんみたいな人に喋る必要はないから。」
もっと穏やかにやり過ごそうとしたけど、これぐらいの方がちょうど良い。さて、さっさと帰るとしようと思ったらまだ声をかけてくる。
「それなら自分の名前でも書いとけば良いじゃない!」
「あっそ。じゃあ今から書くね。」
後ろでまだワーワー言ってるけど無視する。
確かにさっきみたいな勘違いした女が出てこないように名前を書いておこう。
うんうん、名案だね。碌でも無い女だったけど案外役に立つものだ。
教室に戻ると優は私の事を待っていたようだが、私に気づいて立ちあがろうとしていた。そんな優を席に押し戻して、私の机に置いてあったペンを持つ。
「ちょっとだけ目を瞑っててね?」
<side.優>
帰りの回も終わり、サッサと帰ろうとしていたがアイが...中田さん?って人に呼び出されてしまったので手持ち無沙汰だ。
ぼーとしてると急に教室に扉が開く。
何故だろうかアイが不機嫌な顔をしながら近づいてくる。
「ちょっとだけ目を瞑っててね?」
?本当に急にどうしたんだろう?まぁ断る理由も無いので目を瞑る。
キュッ キュッ
「はぁ!?アイ、人の顔に急に落書きをするなよ!」
「うんうん、ごめんね。まぁまぁ早く帰ろ?」
「いや、まぁまぁじゃ無いが...。分かったよ帰ろう。」
なんで急に落書きをされたのだろうか。何故か今日のアイはゆっくり歩いて帰ろうとするし、近所の奥様方には微笑ましいものを見る目で見られた。
本当になんて書いたんだ...。
優:人の顔に落書きをするな。
アイ:優の右頬にア、左頬にイと書いてご満悦。
近所の奥様方:あらあら