君は不完全で凡庸のクソボケ   作:フルポッポー

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風邪気味の時に限って忙しいって事、嫌なあるあるですよね。
今週は不定期更新になりがちになります。

申し訳ない。


第7話

<side.優>

 

 

突然だが、我が家の朝ごはんは大抵パンである。これは両親がパン派であると言うことも理由の一因にはなっているが、主たる原因は別である。

 

 

そう、アイの影響だ。

 

 

アイが我が家に来た日の夕飯はパスタであった、しかも家は大皿形式であったので問題はなかった。

 

 

しかし、次の日の朝ごはんに出てきた白米が問題であった。

 

 

昨日から笑顔であったアイの顔が、直ぐに戻ったものの能面のようになっているのが見てとれた。

 

 

母親はもちろん、俺もアイのこの小さな変化に気付く事が出来た。

 

 

この事をアイに尋ねてみると、昔にご飯の固いところを食べてしまったせいで口を切ったのがトラウマになっているらしい。

 

 

...冷凍ご飯を電子レンジで温めた時に失敗でもしてしまったのだろうか?

 

 

とはいえあそこまでの表情をするレベルだったので母親と話し合いが行われ、家から白米を出す機会がほとんど無くなってしまった。

 

 

まぁ所詮白米を食べないだけだし、我が家唯一の米派の自分が我慢すれば良いかと思っていたが流石に何ヶ月も食べていないと気がおかしくなりそうだ。

 

 

とはいえトラウマ持ちのアイがいる現状で朝ごはんに白米を出せとは言えないし、自分一人で白米を食べようとしても周りはパンを食べてるのでおかずはゼロだ。かと言ってアイ一人でパンを食べようとしてもなんかイジメの現場みたいな雰囲気がして最悪である。

 

 

だが、ここで天啓が降りてきた。そう、学校の授業において野菜嫌いを克服するために自分で作って食べてみようという授業があった。

 

 

あの授業の効果に関してはいささか疑問が残るが学べる事がある。

 

 

ズバリ、アイの白米に対するトラウマを他の白米に対する成功体験で上書きをすれば良いと言う話だ。

 

 

けどどうすれば良いのか全く分からないので母親にぶん投げることにしよう。

 

 

<side.アイ>

 

 

私は白米が苦手だ。小さい時にガラスが混じっていたことを忘れない。痛いけど、母親にそれを言ったら何をされるか分からないという二重の苦しみだった。

 

 

当然、ご飯を作るお義母さんがそんな事をする訳ないのは知っている。けど、トラウマがそう簡単に消えるわけではない。初めての朝食に白米が出てきた時にお義母さんにも優にも気づかれてしまった。

 

 

それからは私に配慮してくれて白米はほぼ出なくなったし、大皿で料理が出ることも多かった。

 

 

しかし、このままお義母さん達の優しさに甘えているばかりではダメだ。そんな事は分かっているけどズルズルと先延ばしにしてしまっているのが現状だ。

 

 

そんなある日、優がいないタイミングでお義母さんが話しかけてきた。

 

 

「ねぇ、アイちゃんちょっと良いかしら?」

 

 

「あっ、お義母さん何ですか?」

 

 

「あっそのね...ご飯の事について何だけど」

 

 

やっぱり何時までも甘えている訳にはいかなかったよね。ちゃんと向き合っていこうと考えていると...。

 

 

「アイちゃん、夕ご飯を一緒に作ってみないかしら?」

 

 

ん?どう言う事だろう?

 

 

「ほら、アイちゃんって白米が苦手じゃない?私も優もどうしようか悩んでいたんだけど...。やっぱり作ってみるのが一番なんじゃないかって優が言っててね?」

 

 

「けど、私作ったことないし...。」

 

 

変えたいと思っていても私の口からは言い訳しか出てこない。

 

 

「じゃあアイちゃん。優の好みを知りたくない?」

 

 

「えっ?」

 

 

「アイちゃんが食べるのが不安だったら、作る側になれば良いのよ。それに優の好みも知れるわよ?まぁ花嫁修行だと思って作ってみない?」

 

 

「よろしくお願いします、お義母さん!」

 

 

花嫁。何という素晴らしい響きだろうか。前までは別に結婚願望なんてモノは一切無かったが、今は別だ。優の花嫁、うんうん確かに頑張らなきゃ!

 

 

とまぁ決意をするが初めての料理が上手く行くわけもなく、味はギリギリ問題ないが、見た目は最悪だしご飯もすこし水っぽい。味噌汁も普段より薄味だ。

 

 

お義父さんが今日夕飯を食べないからマシであるが、一緒に作ってくれたお義母さん、そして優にこんなモノを出してしまう事が申し訳ないし恥ずかしい。

 

 

そんな私の思いとは裏腹に普段通りご飯の時間になってしまう。優は普段と様子の違う夕飯にすこし驚いていたが普通に食べ始めてしまった。

 

 

優への申し訳なさ、恥ずかしさ、悔しさで頭の中がぐちゃぐちゃになってしまう。そんな私に追い討ちのような形でお義母さんが優に美味しいか尋ねる。

 

 

耳を今すぐにも塞ぎたいが手は動かず、視線だけが優の方に向く。涙で視界がぼやけて上手く見えない。

 

 

けれど、優は特に変わった様子もなく普通にこう言ってきた。

 

 

「うん、美味しいよ」

 

 




優:うまい!うまい!うまい!(クソ無能杏寿郎)好み自体はあるものの特にそこまで気にしないタイプ

アイ:下手くそなご飯を美味いと言ってくれて嬉しい。頑張ろう。

お義母さん:なんでアイが作った事に気づかないのか...。自分の夕飯に自信を失った。

お義父さん:この場にはいないものの優と同じタイプ。

最近クソボケ度が薄い気がするのでそろそろクソボケ度が高いものを書きたい...。
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