ハイスクールD×G 作:オンタイセウ
で、近況報告なんですけど……
ガンバライジングの全国ランキング50位以上にいったァァァァァ!!
しかもエリアで8位!!
これであとLREXのファイズさえ出てくれれば……鎧武極のLREXは二枚も出たのに。
「ふっざけんな、冗談じゃあねぇ!!」
ダイスケは下水道の中を走る。
状況は最悪と言っていいものになっていた。
まずは小猫のリタイア。小戦力のグレモリー眷属にとってかなり痛い損失だった。
しかし、それでもそれを覚悟して戦わなかればならないのが“戦争”だ。
はっきり言って、このレーティングゲームは少人数の戦争と言って差し支えない。
そこに余計な感情を持って向かえば負けるのは必定だ。
その愚を朱乃が犯した。
小猫が撃破されたのを聞いて、真っ先に敵討ちに向かっていってしまった。
いくら朱乃に実力があるといっても、相手との経験値の差は絶望的。そんな相手に、自身の力を過信した上、頭に血が上った状態で立ち向かっていったのだ。
無論、ダイスケは無線で止めた。無視して作戦を続行するようにと。
だが、朱乃は一方的に無線を切った。間違いなく戦闘に入ったのだろう。
その後、イッセーと木場が作戦通りに行動して戦車一名、騎士二名、僧侶一名、兵士二名を倒した。
これ自身は良かったが、二人が目の前の戦闘に夢中になりすぎてダイスケの支援攻撃のことを完全に忘れていた。
その証拠に、こちらの呼びかけに一切応答しない。恐らくダイスケ謹製の鉄針も使うのを忘れているだろう。
さらに最悪の知らせがアーシアから届いた。
ライザーが大将同士の一騎討ちを呼びかけ、リアスがそれに応じたというのだ。
ダイスケは大音量で止めた。
大将が本陣から動くべきではない。一騎討ちを提案してきたからにはライザーには確実に勝てる見込みがある。だからこそ応じるべきではない、と。
さらに自分も行くから、やるなら自分と一緒に挟み撃ちにするとも提案した。
だが、プライドの高い彼女はこれを却下。無線も切られた。序盤がうまくいったのが災いして、気分が高揚したためだろう。
確かに大将自ら先頭に立つ軍隊は総じて士気が高い。第一次大戦や第二次大戦のドイツ軍がいい例だ。
だが、戦闘指揮官の損耗率が高いことも確かだ。指揮する者がいなくなれば、戦闘集団はその体を維持できずに瓦解する。
この効果を狙ったのが、アメリカ独立戦争時の植民地軍の戦術だ。
当時の欧州の戦争では指揮官を狙わないことが暗黙の了解だったが、これをあえて無視して指揮官を集中して狙撃していった。この戦術はアメリカが独立を勝ち取った要因の一つとも言われている。
それはどまでに指揮官の存在は重要なのだ。
ダイスケは止めるために下水管の中を必死で走った
イッセーと木場も間違いなく、戦闘で体力を消耗しているだろう。このまま短期決戦に持ち込もうにもスタミナが持たない。
ダイスケは急いで地上に戻るために運動場の外れあるマンホールへ向かう。
そこへ非情なアナウンスが聞こえる。
『リアス・グレモリー様の女王一名、リタイア。』
最悪の予想が当たった。
こうなればもう余裕はない。上につながるハシゴを見つけ、腕時計に仕込まれた地図で位置を確認する。
このハシゴで間違いない。
その時、またもや不幸な知らせが届く。
『リアス・グレモリー様の騎士一名、リタイア。』
木場までやられた。
もう眷属で残っているのはイッセー、そして一騎打ちに向かうリアスと同行するアーシア。
ハシゴを登り、ダイスケは地上に出る。
新校舎が見える。その屋上には、ライザーとリアス、それにアーシアと満身創痍のイッセーがいる。
アーシアはイッセーに駆け寄り、聖女の微笑で回復をかけようとする。
が、非常にもライザーはそのアーシアを攻撃する。
『リアス・グレモリー様の僧侶一名、リタイア。』
もう迷ってはいられない。
一刻も早くリアスとイッセーの助勢に入らなければ。
急ぐダイスケの前に、二人の人影が躍り出る。
「あらあら、そんなに急いで。でももう無駄よ。あなたの攻撃はすざまじかったけど、王がやられれば元も子もないわ。」
「急いでいるところ申し訳ありませんが、お兄様の勝利はもはや決定事項ですわ。潔くお諦めなさいな。」
黒いウェーブのかかった魔術師風の女といかにもお嬢様な風貌の小柄な少女。
無線で聞いていた限りの情報での判断だが、恐らく女王のユーベルーナと僧侶であり、ライザーの実妹のレイヴェルだ。
無論、言われてはい、そうですかとなるダイスケではない。
「どけ。俺は今気が立ってるんだ。さっさと退かねえとルール無視してぶっ殺すぞ、クソアマども。」
「まったく、リアス様は自分の配下の者の教育がなっていないのではなくて?先ほどの兵士も下品極まりなかったし、下賎な者の思考回路そのものがわかりませんわ。」
「姫様、それをあの下郎に言っても可哀想というもの。所詮、神器を持っているというだけで所詮は下賎な人間。高貴なる貴族の言葉など理解不能でしょうから。」
「それもそうね。オホホホホ!」
そのやりとりを前に、ダイスケの怒りのボルテージが一気に上がる。
いかん、これでは朱乃やリアスのことをとにかく言えない。
そう思いながらも、ダイスケは二人に最後通告を送る。
「……どけ、じゃなきゃ殺す。」
「……無駄だというのが分かっていないようね。ユーベルーナ!」
レイヴェルの指示で、ユーベルーナは小猫、朱乃、木場を屠ったであろう爆撃をダイスケに仕掛ける、
そしてダイスケの体は盛大に爆発する。
ユーベルーナが放った一撃の中でも最大の威力の爆発だった。
「おやおや、加減を間違えて殺してしまったか?」
「ユーベルーナ。言い訳はちゃんと自分でお考えなさいな。」
レイヴェルがそう言った瞬間だった。
もうもうと立ち上がる煙の中から、何かが飛び出す。
爆発したはずのダイスケだった。
「ば、馬鹿な―――。」
ユーベルーナは、その驚愕を表す一言を言えなかった。
ダイスケのガントレットの爪が、ユーベルーナの胸を深く切り裂いたからだ。
飛び散る鮮血。
一瞬の出来事に、レイヴェルも反応できない。
だが、これで終わらない。
ダイスケはユーベルーナの倒れる体を捕まえ、その首筋に思いっきり噛み付いた。
歯が首の奥深くにまで食い込み、骨が軋む。
そして、噛み付いた首の肉を一気に引きちぎる。
『ライザー・フェニックス様の女王一名、リタイア。』
どうやら死ぬ前に強制転送されたようだ。
呆然とするレイヴェルを前に、ダイスケは噛みちぎった肉を吐き捨てる。
「そ、そんな……!」
これまでの圧倒的有利から転げ落ちたこの現状。
そして目の前で起きた惨状。
完全にレイヴェルの常識の範疇から逸脱した現実だった。
だが、非情にもダイスケは次のターゲットにレイヴェルを選択する。
既に爆発で大ダメージを負っているはずなのに、その体は無傷。
口や胸元を濡らす血もユーベルーナのものだ。
その異様な姿に、レイヴェルはようやく恐怖を感じ始めた。
「い、いや……来ないで……!」
後ずさりし、兄であるライザーのもとへ急ぐレイヴェル。
すぐに助けを乞わなくてはならない。
本当に警戒するべきは、リアスでも、雷の巫女でも、魔剣創造を持つ騎士でも、赤龍帝の籠手を持つあの兵士でもない。
神器を持っているだけの人間である、この宝田大助だった。
その正体はわからない。だが、圧倒的な何かを秘めていることは確かだ。
自分では相手にならない。だが、不死鳥の不死身の力を持ち、上級悪魔としても実力のある兄ならば。
そう期待を込めて、レイヴェルは走り出す。
しかし、レイヴェルは兄の元へは行けなかった。
その胸元に、四本の爪が飛び出ている。
「あ……あ……。」
生まれて初めて感じる強烈な痛み。
それも、不死身であるはずの自分が死んでしまうのではないかと思うほどの痛み。
「おにい、さま……たす……。」
全てを言い終わることなく、レイヴェルの体がフィールドから消える。
『ライザー・フェニックス様の僧侶一名、リタイア。』
目の前の障害物をどかし、ダイスケは先を急ごうとする。
だが、目に見えた光景は、リアスがボロボロになったイッセーを抱いている姿だった。
「私の負けよ。投了します。」
ダイスケは呆然とした。
自分がこれまでやって来た事は?
自分がここまで必死になって、敵を殺す覚悟できた意味は?
すべてが白色に塗り替えられる。
みるみる内に、目の前の景色が元の風景に戻る。
消滅した体育館も存在し、爆撃のような跡も見当たらない普段通りの校舎。
終わった。
全てが終わった。
ダイスケの腕が震える。
敗北だ。
確かに自分はまだ戦える。
だが、大将であるリアスが負けを認めた。
ならばこれ以上、戦いを続ける理由はなかった。
しかし、この胸の中の喪失感はなんだ?
まだまだ戦えたのに、なぜ負けなければならない?
怒りがこみ上げる。
リアスに対して。
朱乃に対して。
木場に対して。
イッセーに対して。
ライザー達に対して。
そして、状況を打破できなかった自分自身に対して。
「畜生ォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
ダイスケの叫びが、夜空に虚しく響く。
という感じでVS9でした。
軽く欝ってますが、次回からはそうはいきませんのでご安心を。
それではまた次回!!いつになるかは分りません!!