ハイスクールD×G 作:オンタイセウ
なんだか、さらに次話投稿に時間がかかりそうです……。
公開授業の翌日の放課後。
オカ研一同は旧校舎一階にある「開かずの教室」と呼ばれる部屋の前にいる。
「みんな、ちゃんと装備品のチャックはしたか?ここのモンスターは一階から強いのがいるから気を引き締めていくぞ。」
「いや、それシ○ンのあかずの間ね。俺もアークド○ゴンに何回もこんがり焼かれたけど。」
ダイスケのボケに律儀に相手するイッセーだが、緊張が解くことはない。
目の前の「開かずの教室」のドアには「keep out!」と記されたテープが何重にも張られている。
それどころ、明らかに邪悪的な何かを封印する為としか思えない呪術的な刻印までいくつも刻まれている。
その近寄りがたい雰囲気を放ちまくっている扉の向こうに、オカ研メンバーが青うとしている人物がいる。
もう一人の僧侶《ビショップ》だ。
ダイスケが聞いたところによると、持っている力を制御できないからという理由で眷属であるにもかかわらず、四代魔王はおろか大王バアル家、大公アガレス家、そして並み居る悪魔のおエライ方から危険であるとして厳重な封印がなされていた。
だが、これまでのグレモリー眷属(ダイスケ含む)のこれまでの戦歴が評価され、それが解禁されたというのだ。
それにしても、とダイスケは思う。
先のフェニックス戦もコカビエル戦も、どちらも主たるリアスの一大事であった。
その緊迫した状況にも投入できない程の戦力とはいかほどのものなのだろうか。
それに、悪魔の駒の事もある。
イッセーを転生させたとき、赤龍帝の持つポテンシャルが理由で兵士の駒を八つ、ありったけ消費したのだ。
であるのに、その封印された眷属は何故アーシアが僧侶となる駒を残したのか。
その謎を秘めたまま、イッセーとアーシア、そしてダイスケが見守る中でリアスと朱乃は一つづつ封印を解いていく。
ついには「keep out!」のテープまでも取り払われて、封印は完全に取り払われた。
「あの……ここにいるもう一人の僧侶って、普段何しているんですか?」
気になったイッセーがリアスに尋ねる。
「一日中、ずっとここに居るわ。一応、深夜には自動的に封印が解除されて外にも出歩けるようにはしているのだけど、本人がそれを拒否しているの。」
「それっていわゆる引こもり?」
ダイスケが思わず出したその言葉に、リアスがため息をつきながら頷いた。
「ですが、眷属の中では一番の稼ぎ頭なんですよ。」
朱乃のそのフォローに、イッセーは衝撃を受けた。
なにせこの部屋から一歩も出ていないにも拘らず、契約相手の満足度ナンバーワンを誇るイッセーよりも実績があるというのだから。
「え、デイトレでもやってるんですか?」
「まあ、近いわね。インターネットを利用した契約を結んで、ネット越しで依頼を受けているのよ。私たち悪魔と直接面を合わせたくないっていう依頼主もいるから、かなり重宝されているのよ。」
リアスがダイスケに答える。
悪魔の世界も一昔で言うところのIT化が進んでいるということなのだろうか。
イッセーがそんな感想を抱く間にリアスが固く閉じられていた扉を開いた。
「イヤァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
とたんにとんでもない絶叫が廊下に響き、イッセーは思わず耳を塞ぎ、ダイスケは何事かと身構える。
だが、リアスと朱乃は驚くこともなく共に中へと入っていく。
「ごきげんよう。元気そうでよかったわ。」
「こ、こ。こんな時間に何事なんですかぁぁぁ……?」
中が暗すぎるのでよくわからないが、その声から女子らしいということはわかる。
「あらあら、封印が解けたのですよ?もう自由にお外に出られるのです。さあ、ここから出ましょう?」
朱乃が優しく声をかける。
誰からでも分かる、その優しく接しようといういたわりの姿勢。
だが。
「い、い、い、い、嫌ですぅぅぅぅぅぅうううううう!!!ずっとここにいますぅぅぅぅぅうううううう!!!!!お外いやぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!他人いやぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!」
「……いくらなんでも重症過ぎないか?」
ダイスケは前にテレビで引きこもりを特集した番組を見たことがあるが、ここまで酷くはなかった。
何か理由があってここまで酷くなったのだろうことは予想できるが、それにしてもこれは専門家相手でも更生できないのではないかと思えてしまう。
「兎に角、部長たちのとこまで行こう。」
イッセーのその一言が合図となって、残りのメンバーも真っ暗な部屋の中へ足を踏み入れる。
だが、あまりにも暗すぎるので機転を聞かせた木場と小猫が締め切られているカーテンを開ける。そのおかげで日光が室内を照らし、中の全貌がようやく見て取れた。
中は意外にもファンシーに飾られており、初めて入る四人は意表をつかれた。
壁紙や家具は花柄やロココ調の調度品で彩られており、まさに「女の子の部屋」を体現するかのようだった。
だが、その中で異彩を放つものが一つ。洋風の棺桶だ。
すると、部屋の奥にリアスと朱乃の姿がある。おそらく、そこに件の僧侶がいるはずだ。
その予想は当たり、壁際に小柄な人物がへばりついているのがわかる。
「女の子……ですか?」
アーシアの言うとおりだった。
ショートにしたブロンドヘアーに赤い双眸。
まるでフランス人形のような美少女が床にへたり込んで震えていた。
「な、なんちゅう美少女!!!」
ダイスケが声を大にして言うのも無理はなかった。
アーシアとは違うベクトルの守ってあげたいタイプの小動物キャラが、目の前で涙目になって震えているのだ。その手の偏執家でなくともグッとくるものがある。
イッセーも喜んでいた。
なにせ自分のところの僧侶二名が共にブロンドづくしになったのだから.
「イッセー……グレモリー眷属に関わって良かったって、俺は今心底感動している!!!」
「ダイスケ……俺もさ!!!」
ビシ、ガシ、グッ、グッ、グッと潜水艦の中で意気投合した某スタン○使い二名のように喜ぶ馬鹿二人。
「二人共喜んでいるところに水を差すようで悪いのだけど……この子は男の子よ。」
その非情な一言で二人の心臓は止まった。
「止めを刺すようですけども、このギャスパー・ヴラディ君は正真正銘の男の子です。なんでしたら、ウチの生徒名簿でもお見せしましょうか?」
朱乃のその一言が、フリーズした馬鹿二名の心臓に深く突き刺り止めを指す。
「あ、あの……イッセーさん、ダイスケさん、お二人とも大丈夫ですか?」
アーシアが心配して聞いてくるが、そんなの一言も耳に入ってこない。
なんなのだろう、この裏切られたわけでもないのに手ひどい裏切りを受けたような気持ち。
例えるなら、夏野菜の料理を作るからと言って畑で野良仕事をさせられ、その一ヶ月後に収穫に来たと思ったら「皿がないから」という理由で皿を焼きに行かされた上に親友に無理言って作ってもらったパイ生地を2回も駄目にした上に実はそれがピザ生地だったと十年後に明かされたようなものだ。
「「いやいやいやいや……どう見ても女の子じゃないっすか。」」
最後の抵抗とばかりに二人の声がハモる。
「女装趣味があるんですの。」
朱乃の見事なリターンエースが決まる。
「「ふ、ふ、ふ、ふ、巫山戯んなァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」」
「ひ、ひぃぃぃぃぃッッ!!ご、ごめんなさぁぁぁぁぁぁああああい!!!!!」
狭い室内に響く三人の絶叫。
悲しいかな、そのギャスパーの悲鳴はまさに女の子の悲鳴だった。
そのソプラノヴォイスで馬鹿二匹の心はまたも蝕まれた。
「「うわああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」」
仲良く揃って頭を抱えて絶望に打ちひしがれる馬鹿二匹。
「なんでだ……なんでこんな完璧な美少女が野郎なんだ……。下手したらそこらの女の子よりよっぽど可愛いじゃないか……。それなのに股間にチ○コが付いているだなんて……。」
「……イッセー先輩、卑猥な発言はやめてください。」
「この世は無慈悲だ……神はいないのか!?って死んでいるんだった……。畜生……頼むから人生をやり直してくれ……オヤジの金○袋にいるあたりから……。」
「ダイスケ君。気持ちはわかるけど、それってギャスパー君の存在そのものを否定してるから。」
イッセーとダイスケの理不尽極まりない言葉にツッコミを入れる小猫と木場。
だが、阿呆二匹の絶望の吐露は続く。
「女装が趣味っていうのがさらにひでぇ!!!外見がもともとそうならしょうがないけど、さらにそれを趣味にしているあたりに世界の悪意を感じるよハレ○ヤ!!!」
「大体、人に見せるからこその女装だろうがよ……。それなのに引きこもりって、何のための女装なんだよ!!!ロー○・○ーラじゃないんだよ!!!!」
イッセーとダイスケの一言に、ギャスパーはこれまた可愛らしい声で反論する。
「だ、だって……女の子の服の方が可愛いんだもん。」
「「“もん”とか使うなやぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!」」
しまいに二人は部屋の隅で体育座りで世界に対する無言の反抗をみせ、アーシアとゼノヴィアが宥めに入った。
「と、ところで……この人たちは何なんですか?」
部屋の隅で固まっている四人を指してギャスパーが尋ねる。
「最近眷属になった子達と協力者よ。自己紹介の場は後で設けるから。」
リアスに振られて四者四様に「よろしく」という。無論、沈んでいる二人は力なくだが。
「ま、また人が増えたぁぁぁあああああ!!!知らない人いやぁぁぁぁあああああああ!!!」
これは引きこもり以前に極度の対人恐怖症というやつなのではないか、とダイスケは思う。やはり、制御できない力というのが関係しているということなのか。
「さあ、お願いだから外へ出ましょう?もうあなたを閉じ込める必要なんてないのだから。」
「いやですぅぅううううう!!!僕が外の世界に出るなんて無理なんだぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!どうせ、迷惑をかけちゃうだけだよぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!!」
主であるリアスの懇願にもかかわらず、ギャスパーはそれを拒む。
元々眷属思いのリアスだ。彼を封印していたのだって、本心でないのは眷属に関わって日の浅いイッセーとダイスケにも分かることだ。
行き場のない怒りも相まって、二人はギャスパニー対する苛立ちが募る。
ついには二人は立ち上がり、駄々をこねるギャスパーの腕を掴み連れて行こうとする。
「ほら、部長が外に出ろって――――」
「ヒィィィィィィ!!!」
イッセーの言葉とギャスパーの悲鳴が重なったその時、イッセーの視界が一瞬で白く染まる。
「あ、あれ?」
すると、いつの間にやらイッセーの掴んでいたギャスパーの腕の感触がない。
見ればギャスパーの腕を掴んでいるのはダイスケだけ。なのに、一緒に腕を掴んでいたイッセーのみ、いつの間にか腕を離している。
「おかしいです。何か今一瞬……。」
「……彼に何かされたのは確かなようだ。」
その謎の現象に、アーシアもゼノヴィアも驚く。しかし、他のメンバーはため息をつくだけ。つまり、その現象の正体を知っているというわけだ。
だが、それに全く動じていない、というか気づいていない人物が一人。
「……何、お前らずっと固まってたの?」
ダイスケだけがその異変に全く気付いていない。
「な、なんなんですかあなたぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!?????」
現象を起こしたであろうギャスパーも驚いている。
「ダイスケ、あなた……!」
ダイスケだけが何が起きたのか理解できてない様子をみて、リアスがあることに気づいて驚く。
「部長、これはもしかして……。」
「ええ、無効化したんだわ。」
リアスと朱乃の間だけの短い会話だったが、古参メンバーはそれだけでどういうことなのか理解したようでダイスケに驚異の眼差しを向ける。
「……部長、一体何が起きたんですか?」
全くついていけないイッセーが我慢できなくなってリアスに問う。
「ギャスパーはね、興奮すると無意識のうちに視界にある全ての物体の時間を一定時間停止させてしまう神器を発動させてしまうのよ。」
時間停止。
あんなボスキャラやそんなボスキャラが使うことでチート能力の代表選手のような能力。
そんな反則みたいな能力を持つ神器を目の前にいる女装野郎が持っている。
リアスから知らされたその情報にイッセーは戦慄した。
そんな超強力な能力を制御できないのであれば大公や魔王に封じること命じられるのも納得だ。
ただ、能力を使って外に逃げずに部屋の中にとどまろうとするあたり、そっちのほうが重症のようだが。
その危険物といってもいいギャスパーをリアスは後ろから優しき抱きしめ、イッセーたちに言う。
「改めて紹介するわ。この子はギャスパー・ヴラディ。私の僧侶で、一応一年生。そして……転生前は人間と吸血鬼のハーフよ。」
ダイスケは気づく。
ああ、コイツも面倒なもの背負ってるなぁ……と。
*
「“停止世界の邪眼《フォービドン・バロール・ビュー》”?」
イッセーの問にリアスが頷いた。
「ええ。神滅具ではないけれど、非常に強力な神器よ。その威力は身をもって体験済みね。ダイスケ以外は。」
「なに、また仲間はずれ?つーか、なんつー厨二ネームだよ。もうその設定でライトノベル一本書いちゃえよ。」
ダイスケが不貞腐れる。
「大体、コーカソイドで吸血鬼、しかも時間停止ってお前はどこのDI○様だよ。悪のカリスマでもなんでもないくせに。」
「僕に言わないでくださいィィィィィ!!!!好きでこうなったんじゃあないんですからぁぁぁぁぁぁ!!!!それに僕はイギリス出身じゃなくて東欧の出ですぅぅぅぅぅぅ!!!!!」
早速ギャスパーはダイスケのおもちゃになっている。
しかも、ネタについてきている上、反応もいいとあってこのポジションは当分変わらないだろう。
「だけど、時間停止って反則級の能力じゃないですか。」
イッセーの抗議めいた言葉にリアスが応じる。
「確かにね。でも、あなたの持つ赤龍帝の倍加や白龍皇の半減の力も十分反則よ?」
「うっ……確かにそうですよね。でも、それを無効化したダイスケは一体なんなんですか?」
「泣きたくなるくらいのチートね。まあ、そのこともおいおい話すわ。」
「ですが、問題はそれを制御できないという点。悪魔の上役からも問題視されるほどの危険と判断されていたのです。」
朱乃の補足がイッセーの予想を裏付ける。
「だけどスゴイじゃないですか。そんな強力な神器を持つ奴を眷属にするなんて。でも、どうして僧侶の駒一つで済んだんです?」
それはダイスケも気になるところだ。
疑問に答えるべく、リアスは手元に一冊の本を中に出現させ、あるページを見せる。
それは悪魔の駒に関する記述だった。
「えーと……『“変異の駒《ミューテーション・ピース》”についての項目』?」
そのページの見出しを読んだイッセーは、初めて見る単語に首をかしげる。
「通常の駒と違って、明らかに複数の駒が必要な転生体を一つで済ませたりする、特異な現象を起こす駒だよ。」
「それを部長が持っていて、ギャスパー君に使ったというわけですわ。」
木場と朱乃が答えた。
イッセーが続けて開かれたページを読むと、上位悪魔の十人に一人は持っている事、本来は悪魔の駒のバグなのだが開発した本人が「それも一興」とそのままにした結果とも書いてあった。
「でも、問題はギャスパーの才能よ。」
リアスの一言にイッセーが尋ねる。
「低いから制御できないんですか?」
才能が低いから制御できないというのなら納得だ。だが、リアスは首を横に振る。
「高すぎるのが問題なの。この子自身の神器に対するポテンシャルは類稀なものよ。でも、無意識に神器の力が高まっていくみたいで日毎に力が増しているの。上の話だと、近いうちに自然と禁手に至る可能性があるということよ。」
ただでさえ危険と言われる禁手。
もしそれが制御できない者が至ったとしたら……。
それも時間停止能力である。
目も当てられない結果になるのは火を見るより明らかだ。
イッセーの驚く顔を見て、リアスも困り顔になる。
「まあ、危うい状態というのは確かね。だけど、先の二戦で私の評価が認められたから、今ならギャスパーを制御できるというふうに判断されたの。幸い、禁手に至っている神器所有者が二名もいるし、指導もできるだろうということよ。」
「ぶちょー。何、人の手柄取ってるんですか。コカビエルをヤッたのは俺でしょ。」
「上がそう判断したのからしょうがないじゃない。だけど、私の推薦であなたに特別報奨は授与されるのは決まっているから。今度の会談の時に授与されるから安心なさい。」
「いや、それ初耳。」
「ごめんなさい。今まですっかり忘れていたわ。」
「あんたそれでも上級悪魔?」
ダイスケとリアスの会話を聞き流しながらも、イッセーはその上役たちの決定に異を唱えたかった。
イッセーの禁手は木場とは違い限定的なもの。しかも未完成だ。
それで潜在能力未知数のギャスパーの指導などできるのだろうか?
いっそのこと、先程ギャスパーの時間停止を無効化していたダイスケの方が……。
そこまで考えたとき、あることを思い出した。
「あ、そういえばさっきダイスケが時間停止に巻き込まれなかったのはなんでなんです?」
「多分、あれは宿しているモノの格の違いね。意識すれば、イッセーにもできるはずよ。神滅具持ちだしね。」
それで納得がいった。
なにせ、ダイスケが宿しているのはあのゴジラだ。
時間停止もなんやかんやで無視しそうだから怖い。
そういえば、とイッセーは思い返す。
クラスのみんながダイスケとの間に壁を感じていていること。そして、この前のプール開きにダイスケが来なかったこと。
あれもダイスケがゴジラを宿しているからなのではないのだろうかと思い至る。
ひょっとしたら、これはダイスケがゴジラの力によって孤立していくということなのではないだろうか?
もしそうだとしたら、自分が最後の味方になるのかもしれない。
そんな不安がイッセーの胸に去来する。
だが、それに構わずに足元のダンボールから声が聞こえる。
「……うぅ、ぼ、僕の話なんかして欲しくないのにぃ……。」
親友の将来で真剣に思い悩んでいたとこのにそんな声が来たのだから思わずイラッときて、イッセーは無言でそのダンボール箱を蹴る。
「ぴぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
ギャスパーである。
外が怖いとのことで、自室から持ち込んだ大きなダンボール箱に入り込んでいる。
「この世アレルギーみたいだな。どっかの吸血鬼ヒーローみたいな。」
なのにやっていることは伝説の傭兵である。いっそのこと、蛇でもキャプチャーしてくわせてやろうかとも思ってしまう。
「能力的には朱乃に次ぐぐらいのポテンシャルなのよ。ハーフとは言え、由緒正しい吸血鬼の家柄だし、神器も人間の部分で手に入れている。勿論、吸血鬼の能力も備えているし、人間の魔法使いが扱う魔術にも秀でているわ。本来なら僧侶の駒1つで済まない傑出した才能の持ち主ね。」
ハイブリットで高性能。まるで最近の自動車だ。
「あ、でも日光は?吸血鬼って日光苦手なんじゃあ……。」
「デイライトウォーカーなんだろ。ほら、ネ○まにもいたじゃん。」
イッセーの疑問がダイスケの説明で即刻解決した。相変わらずわかりやすい説明(イッセーのみ)だ。
「日光いやぁぁぁぁぁぁ!!!!太陽なんてなくなっちゃえばいいんだ!!!!」
「おい、そこの女装吸血鬼。いますぐ全世界のお百姓さんに謝れ。」
そう言ってダイスケは足元のダンボールに鉛筆で穴を開けていく。気持ちはわかるが、ここまできたらただの嫌がらせだ。
日光は差し込んだせいか、「ひいいいいいいい!!!!」とギャスパーは悲鳴を上げるがダンボール箱の外には出られない。悲痛なジレンマがギャスパーを襲う。
「でもさあ、おまえ授業に出てないんだろ?お前はここの生徒なんだし、力も克服してクラスにも打ち解けなきゃ。」
イッセーがギャスパーを慮って言うが、当の本人は喚くだけ。
「嫌です!!!僕の世界はこのダンボールの中だけで十分です!!!外界の空気と光は僕にとっての外敵なんです!!!箱入息子ってことで勘弁してくださぁぁぁぁぁい!!!!!!」
「お前、どこの吸血鬼ヒーロー!?」
「やっぱ、そう思うよな。あっちは序盤に克服したけど。」
ダイスケが思わず出した言葉にイッセーが共感する。
やはり考えることは一緒のようだ。
「あ、もう一つ。コイツは血を吸わないんですか?吸血鬼なんでしょ?」
イッセーの疑問にリアスが答えた。
「ハーフだから、完全な吸血鬼と違ってそこまでの吸血衝動はないの。十日に一度、輸血用の血液を補給すれば済むの。」
「血、嫌いですぅぅぅぅぅぅぅ!!!!生臭いの嫌ぁぁぁぁぁぁ!!!!レバーも大ッ嫌いですぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」
「「お前、もう吸血鬼やめろ!!!向いてねえわ!!!」」
「……ヘタレヴァンパイア。」
イッセー、ダイスケ、そして小猫の痛恨の一撃。
やはり、一年生どうしなので遠慮していないというということなのだろうか。
とすれば、イッセーは上級生なのに遠慮されていないということになる。
「取り敢えず、私はちょっと用事があるから、その間だけでもギャスパーの教育を頼むわ。私と朱乃は会談の会場の打ち合わせがあるから。それと祐斗、お兄様があなたの禁手について詳しく聞きたいそうだからあなたもついてきて。」
『はい、部長。』
「ういーす。」
勿論、最後のはダイスケ。
「じゃあ、イッセー君、ダイスケ君。悪いけど、ギャスパー君のことよろしくね。」
「おう。まあ、アーシアに小猫ちゃん、ゼノヴィアも付いてるし、最悪ダイスケが何とかするって。」
「おう、俺任せか。」
そうして、三人は部室から出ていく。
問題はこのダンボールヴァンパイアだ。
「……何とかするって言っちゃたけど、どうする?」
イッセーの一言で悩む一同だが、ゼノヴィアが一歩前に出る。
「私にいい考えがある。」
何故だろう。セリフのせいでいい予感がしない。
ということで、こんな可愛い子が女の子なわけがないなVS19でした。
吸血鬼なんで、ギャオスと絡ませたいとも思うのですがなにせガメラ怪獣ですからね……。
それだはまた次回!!いつになるかはわかりません!!