ハイスクールD×G   作:オンタイセウ

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ソロ○ンよ、私は帰ってきたァァァァァァ!!!!
三年ぶりではありませんがお久しぶりでございます。
新章突入ということでサブタイのパターンも変わりますよ。
修正も終わりましたし、本編の更新に移ります……え?どこが変わったかって?
ちゃんと変わってますよ。微妙に。


VS24  ここを合宿地とする!!

夕日刺す南海の孤島。

その浜辺に二人の少女が立っている。

 

「ヒオ、いよいよネー……。」

 

「……うん。」

 

「おばあ様が言っていた『ニホン』、そこに私達の運命の人と目覚めたバカタレがいる……!」

 

「……うん。」

 

「なによ、ヒオったら。さっきから生返事ばかりじゃないノ。ニホンに行くのが嫌?」

 

「いや、嫌じゃないんだよ、マナ姉ェ。それに、その目覚めたバカタレについても。」

 

「なら、なんでそんなに嫌そうなのヨ?」

 

「あのさ……本気でその運命の人に会うつもりなの?」

 

「モチロン!!だって、おばあ様とかの御方との大切な約束なのヨ!?それを果たすのが私たちの役目なんだかラ!!」

 

「でも、もう70年以上も昔の話だろ?本人も忘れてるって。」

 

「例えそうだとしても、私の胸に燃え盛ったこの炎は誰にも止められないネー!!この私のバァニングラァブを受け止めてもらうんだかラー!!!」

 

「迷惑だよ、どう考えても。その御方にも、そのお孫さんにも。」

 

「だって、見てよこの写真!!こんな人のお孫さんよ!?間違いなく超男前のイケメンよ!!」

 

「いや、その途中に入る遺伝子でどうなるかは分かんないでしょ。」

 

「もう、何度この写真を目に焼き付けて、運命の人を想像しながら○○○○をしてきたか……おっといけねぇ、ヨダレが。」

 

「もう嫌だ、この姉……。」

 

その日の夕刻、アメリカ軍グアム基地のレーダーが謎の飛行物体を捉える。

レーダーに映った影があまりにも小さいので航空機や大陸間弾道弾ではないと判断されたが、その小ささとそれに似合わぬマッハ2というスピードであったためにすぐにロストしてしまった。

ただひとつわかったことは日本に向けて飛翔しているということだけであり、報告を受けた中空SOCもその姿を最後まで捉えることができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……イッセーん家ってこんなんだったけ?」

 

夏休み始まってから数日目の早朝に、ダイスケはリアスに兵藤家へ呼び出された。

リアスは現在、アーシアと共に兵藤家にホームステイという名の同棲をしているので、これ自体にはなんの不思議もない。

だが、明らかにおかしい点がある。

兵藤家の大きさだ。

兵藤家の建物は非常に標準的な大きさの一軒家であった。

むしろ兵藤父の年齢を考えればよくその若さでマイホームを建てたものだと賞賛したくなるほどである。

それがダイスケが見慣れた兵藤家である。

だが、実際に目の前にある建物は以前の数倍の面積と大きさを誇っており、どこかの芸能人の豪邸かと思ってしまうほどの威容を見せている。

ダイスケの家も実際は面積だけならいい勝負をしているが、この建物そのものの大きさは明らかに圧倒されている。

ひょっとして、道を間違えたか?と思って携帯のGPS機能で確かめてみたが住所は以前と変わらないので間違いはなかった。

では、誰かが突然引っ越してきたか?とも考えたがほんの数日でここまでの工事ができるわけがないし、表札は間違いなく『兵藤』であった。

さらに言えば以前からいたご近所さんはどうしただとか、どうやって短期間でここまでの劇的ビュフォーアフターを?といった疑問もある。

玄関先で一人頭を悩ませていたダイスケの目の前に、困惑しているせいでダイスケがいることに気づかずに親友がとびだしてくる。

そして背後を振り返り、驚きのあまり絶叫した。

 

「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!」

 

「そら、こっちのセリフだよ。」

 

どうやら、当人の預かり知らぬところで事は進んでいたようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやっはっはっはっは!宝田君も驚いただろう。いや、私もびっくりしてるんだよ。最近のリフォームが寝ているあいだに終わっちゃうんなんてね。」

 

イッセーの母の計らいで朝餉を相伴することとなったダイスケが、半分呆れた顔でイッセーの父の話を聞いている。

家のリフォームが寝ている間にできるわけがないだろ、とツッコミを入れたいところだったがリアスが悪魔的な力と実家の行使したとかは当人たちは知る由もない話であるのでグッと卵焼きと共に飲み込む。

食卓を囲む面々に朱乃とゼノヴィアが加わっているところを見ると、おそらく他のグレモリー眷属の連中もここに住む腹積もりなのだろう。

そうでなければ二階建てだった家をむりくり六階建てにはしないはずである。

 

「隣の鈴木さんや田村さんが絶妙なタイミングで引っ越されたらしいからね。なんでも非常にいい物件が見つかったそうだよ。」

 

「みんな幸せになったようで、ほんとうによかったですわ。」

 

いや、明らかにあんたなんかやったろとダイスケは白々しく笑うリアスに鋭い視線を突き立てるが、当の本人は素知らぬ顔で味噌汁を啜る。

まあ、基本的にリアスが自分のために他人を追いやるような悪魔ではないということが解っているので、鈴木さんにも田村さんにも実害はないだろう。多分。

 

「なんで、父さんも母さんも何も違和感を感じないんだよ……。」

 

「イッセー、何も知らないっていうのはある意味一番平穏に近いって事なんだ。下手に疑問を持たせないほうがいい。」

 

「ダイスケの言うとおりよ、イッセー。平穏平凡こそが真の幸せなの。」

 

アバンギャルド且つ非日常の世界の自分たちを誘い込んだ張本人の一人が何を言うかと思うが、ダイスケはこれも塩鮭と一緒に飲み込む。

ふと横を見れば、他の眷属連中の食事姿が見える。

この光景を写真に収めれば、学園のファン連中に高値で売れるかなと思いながらも僅かな変化に気づく。

朱乃の表情が柔らかい。

無論、普段からニコニコ顔の彼女ではあるが今の朱乃の笑顔はそれとは違う。

柔らかいのだ。

例えるなら今までの笑顔が業務用なら、今の笑顔は完全なる本心からの笑みである。

その理由は考察するまでもなくイッセーだ。

彼と生活の時間の一部を共有することができて嬉しいのだ。

それはほかの女子も同じだろうが、どうも朱乃のは毛色が違う気がするダイスケである。

なんというか、朱乃がイッセーに依存しているようにも見えるのだ。

万が一イッセーの身に何かあれば……想像するに耐えない事態になるのは明白だ。

あーあ、そんな重い女に好かれない俺は気楽でいいやと気休めに考えたダイスケが飲んだ味噌汁が先程よりも塩辛かったのは気のせいか。

そんなこんなで朝食も済み、食安めにイッセーの部屋で寛いでいた時である。

 

「「合宿?」」

 

そういえば、ダイスケは朝食を頂くためではなくリアスに何か用事があって呼ばれたのだった。

完全に気が緩んだところに本題が突きつけられたのだから思わず面食らってしまう。

 

「そう、合宿よ。これまで経験した戦いのことを踏まえても、私たちに何らかの鍛錬は必要であることは明白だわ。そこでこの夏休みを利用して合宿を行おうってわけ。」

 

思い返してみればこれまでの戦い、グレモリー眷属が活躍した場面があっただろうか。

レイナーレの一件は相手が雑魚だったので除外するとして、フェニックス戦でもコカビエル戦でも目立った戦果は上げれていない。

コカビエルの一件でグレモリー眷属の命を結果的に救ったダイスケですら、先日のアーロンとの戦いでは決定打を欠いた。

確かに、夏休みの長い時間を使って鍛錬を行うというのはいい考えだ。

 

「で、どこでやるんです?とりあえず、人目につかなくて人様の迷惑にならないところだろうけど。」

 

「私、今度の休みを利用して冥界へ里帰りするの。そのとき、みんなで一緒に行こうってことなのよ。」

 

「まあ、鍛錬以外にも出席しなければならない行事などもありますので、結構過密なスケジュールになりますけれどね。」

 

「え、ただの里帰りにスケジュールが切られているんですか?」

 

イッセーは言いながら、自身の主が悪魔に名門であることを思い出す。

高い立場にいるものであれば、それ相応の立場にあった儀式なり作法が帰郷一つにもあるはずである。

それに、魔王の妹という立場であれば挨拶回り等もしなければならないだろう。

 

「まあね。貴族である以上、いろいろとあるものなのよ。イッセー達に付き合わせちゃうことになるけれど、勘弁して頂戴ね?」

 

「そんな!滅相もないことっすよ!なあ、ダイスケ!!」

 

「あ、俺って部長の眷属じゃないから行事とかには出なくていいすよね?」

 

「バーカ。お前にも色々と予定ぐらいあるわ。」

 

呆れかえる一同の下、新たなゲストが現れる。

 

「あ、アザゼル先生!?」

 

「いつの間に!?」

 

イッセーとリアスのリアクションに、アザゼルは呆れたように答える。

 

「ついさっき、普通に玄関からだよ。気付かなかったのか?」

 

「……全く気付きませんでした。」

 

「はぁ……。木場、禁手になったんだったらそれぐらい察知できるようになれ。修行不足だ。」

 

木場が申し訳なさそうに俯くと、アザゼルは続けた。

 

「まあ、今回はそれらも込みでの修行になるが……如何せんスケジュールが過密だ。まずはリアスの家で里帰りの報告と現当主への挨拶。次の日は若手悪魔同士の顔合わせに……とにかくイベント目白押し。お嬢様の帰郷一つにメンドくせぇったらありゃしねぇ。」

 

堕天使総督にしてオカ研顧問という責任者にあるまじき言葉。

だが、彼自身が立場相応のカリスマ性と指導力があるのも確かだ。

アザゼルがグレモリー眷属の面倒を見るようになって以来、神器持ちのメンバーはメキメキと実力を上げている。

三大勢力中トップの技術力と神器に関する知識の深さ、そしてなにより、アザゼル自身の教え方がいいのだ。

そのおかげで自身の神器の特性や力の使い方、導き方を今まで以上に使いこなせている。

それに、彼の下にはほぼ毎日のように堕天使たちが護衛をしたい、身の回りの世話をしたいと自ら寄ってきていた。

中には相当なの実力者がいたとのことだったが、「いらん。帰れ。」の一言でみんな送り返している。

普段がただのチョイ悪(正確には激悪)兄ちゃんであるだけにギャップがもたらす大物感は半端ではなかった。

逆に言えば、それほどの大物が指導してくれるのだからダイスケ達は幸せものだといえる。

 

「じゃあ、アザゼル……先生は同行するのね?行きの予約の方はこっちでしてもいいのかしら。」

 

「おう、よろしく頼むぜ。なんていったってこちとら悪魔側のルートで冥界入りするの初めてだ。楽しみだぜ」

 

既に一度不法入国という形で冥界に行ったことがあるダイスケだが、正規のルートを知らないのでどのような移動手段なのか想像つかない。

当日までに集められるだけの情報は集めておこうか、と考えるダイスケであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と言いつつも、人間のコミュニティに冥界がどのようなものなのかわかる情報媒体があるはずもなく、いくらネットで検索しても出てくるわけもない。

そこでダイスケが調べ物に選んだ場所が駒王学園の図書館である。

あえて学園の図書館を選んだのには理由がある。

ネットもダメ。市や県の図書館もダメ。

しかし、駒王学園はリアスの父が経営に携わり、魔王の妹である蒼那が生徒会長を務める学園である。

もしやと思って匙を通じて蒼那に訪ねたらズバリ的中。

悪魔関係の生徒のみが閲覧できる書籍の棚が巧妙に隠されていたのである。

 

「へぇ、冥界には海がなく、ほとんどが陸地……主な水源は大きな湖で、湖のそばに都市が発達する、か。首都リリスに面するのはサタニア湖。規模はバイカル湖並……。」

 

自身が生きる人間界との違いに時には驚嘆し、時には意外な共通項に感心して時が過ぎる。

やがて資料も読み尽くし、情報収集にも飽きてきたところで資料を全て戻し、自身が好きな本を取りに行く。

 

「あれ……宝田君?」

 

背後から何者かに呼び止められる。

声からして女子。

素行の悪さからダイスケに声をかける女子は数が絞られる。

まず、グレモリー眷属や蒼那たちの声ではない。

女版兵藤とも言われる桐生はダイスケに『君』なんか付けない。

であればダイスケが導き出すことのできる答えは一つ。

 

「あれ、はるにゃん?」

 

「もうっ!はるにゃんって言わないでって言ってるじゃないですか!」

 

嫌な愛称で呼ばれてここが図書室だということも忘れて大きい声を上げてしまうはるにゃん。

慌てて手を抑えるが、幸いにもこの場にはこの二人だけ。

少女はホッと胸を撫で下ろす。

彼女の名は河内榛名。

ダイスケとは同学年でクラスは木場と同じである。

ちなみに、清楚でカワイイ。

清楚でカワイイ。

大切な事なので(以下略)。

 

「ダメだなぁ、はるにゃんは。図書室で大声上げるなんて。」

 

「宝田君が変なこと言うからですっ。」

 

ダイスケとまともに会話できるというこの稀有な才能を持つ少女、別にダイスケの彼女であるという訳ではない。

入学したての頃に図書室でたまたま同じ本を取ろうとしたことがきっかけで知り合いになったのである。

 

「悪い、悪い。ところで河内は夏休みに図書室で勉強か?優等生は違うねぇ。」

 

「別にそういうことじゃないですけど……今日は数学Ⅲの特別講習があったのでその復習に。宝田君は?」

 

「ちょっち調べごと。それも終わったから、京極○彦の小説でも読もうかと。」

 

「ほんとに好きですね、百鬼夜行シリーズ。」

 

「最新作がまだ出ないってのが難点だけどな。」

 

ちなみにこの本、二人が知り合う切っ掛けになった本でもある。

どっちが先に読むかで取り合いになった結果、共に語り合うまでの同好の士となったのだ。

 

「あっ、そういえば宝田君。課題は?」

 

「出されたその日にほとんど終わらせた。」

 

「……答えを見てやったんじゃないですよね。」

 

「勿論、疑われないように所々に回答ミスを仕込んでおいた。全部正解させちまう奴は素人だからな。」

 

「その努力を勉強に向ければいいと思うのですけど……。」

 

呆れながらもダイスケという人間を再確認した榛名は、「課題を終えた」という言葉を聞いたことによってある話題を持ち出すことにする。

 

「で、でも、課題を終えたってことはこのあとの夏休みは大分時間が空いているってことですよね?」

 

「いや、そうでもねぇの。来週の月曜日からオカ研の合宿があってさ。夏休み後半まで潰れちまうのよ。」

 

「そ、そうなんですか……またこの前みたいに百鬼夜行シリーズについて語り合いたかったんですけど……。」

 

「悪ぃ、また今度にしてくれ。時間は空けるからさ。」

 

残念そうな顔をする榛名だが、すぐに気を取り直す。

 

「わかりました。絶対ですよ?」

 

「おう。」

 

目当ての本を手に取り、榛名と別れて自分で貸出手続きを済ますと、ダイスケは図書室を後にする。

その玄関へと至る道すがら、ダイスケはあることを考えていた。

 

(アイツとの付き合い方、考え直さなきゃいけないのかもな……。)

 

それは自身の力に起因するものである。

イッセーの場合、好きな異性、または彼に好意を持つ異性は皆この世界の裏を知り、それなりに力を持っている。

例え何者かがイッセーを亡き者にしようとして、周囲の人間から狙ったとしても自衛はできるしどうしてそうなったかの理解もできるだろう。

だが、榛名は別だ。

彼女は駒王学園に通っているといっても極一般的な生徒。

イッセーの周囲の女性のように特別な力があるわけではない。

もしも何かあったとしたら……その時が恐ろしくてならない。

恐らくこれが、怪獣神器持ちは独り身になるという事なのだろう。

それを今、ダイスケはその身をもって体感しているという事になる。

 

(だからって、あんなカワイイ娘とギャルゲー的イベントのひとつも起こさずに「はいサヨウナラ」ってのはキツ過ぎだァァァァァ!!!!)

 

ダイスケも立派な思春期男子である。

彼女とキャッキャウフフな関係になれればどれほどいいことか。

彼女の平穏な日常と自身の欲求。

天秤にかけるにはあまりにも辛い現実で頭を悩ませながらも、冥界旅行の日にちは迫ってきている。

ただ、人の気も知らないで泣いているアブラゼミどもが憎くて仕方のないダイスケであった。

 




ダイスケにヒロインを付ける気はないと言っていたが……スマン、ありゃ嘘だった。
ということで、一気にオリヒロ三人登場ですよ。
一人は一般人ですが、今後の展開でどえりゃーことになるはずです。
それと、冥界の地理地名については本作オリジナルですのであしからず。
こんな怪獣神器どうよ!!は引き続き募集中ですので、ご気軽にご感想の方へ書き込んでください。
それではまた次回!!いつになるかはわかりません!!
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