デザイナーのキース・ベイカー曰くエベロンのモチーフは第一世界大戦後の世界とのことです。
決着のつかぬまま終わった戦争、世界を変貌させる技術革新、そして大規模な戦争により意識の変化、各国はいずれ来る次の戦争に備え爪を研ぎ、互いの情報を奪い合う。
更に戦争を利用して力を身に着けた資本家ドラゴンマーク氏族は我らこそ世界の支配者として暗躍を行う。
そのような不安定な政情は地下に封じられたフィーンドや異形達の開放の後押しをし様々な思惑が混じり合っていく。
そんな混沌とした世界でPC達はどのような英雄を目指すのか。
エベロンとは、そんな世界であると認識しています。
また、エベロンは他の多元宇宙から隔離されたと明記することにより他の多元宇宙とは異なる設定を導入していると言えます。
エベロン、それは大地を形成したドラゴンの名前であり世界の名前。
ドラゴンが化身した世界。それをエベロンと呼ぶ。
エベロンを支える構成要素
地球では産業革命により市民の生活レベルは向上し、世界大戦を行えるだけの技術力を発達させました。
エベロンにおいては、この技術革命を支えた資源はドラゴンシャードであり、活用技術を敷衍させたのは統一王国ガリファー王国であり、大量生産技術を生み出したのがドラゴンマーク氏族なのです。
このエベロンと言うマジカルパンクワールドの根幹を支える三大要素を説明したいと思います。
ドラゴンシャード
世界を創造したと言われる3体のドラゴン、シベイ、エベロン、カイバー。
彼らの死体が変化したものがドラゴンシャードと言われています。
このドラゴンシャードは汎用な魔法素材であり、強力なエネルギー源となります。
このドラゴンシャードは源になったドラゴンにちなんでシベイシャード、エベロンシャード、カイバーシャードと呼ばれています。
シベイシャードはドラゴンマーク氏族の能力を増幅させる能力があります。
これにより飛空艇を制御する舵や魔法機関車ライトニングレイルの制御装置、銀行のセキュリティ機構などのコア素材となります。現代の半導体チップと考えても良いかもしれません。
そして、シベイシャードがドラゴンマークの能力を強化する特性上この機構を扱えるのはドラゴンマーク氏族のみとなり、ドラゴンマーク氏族の特異性優位性を支える一因となっています。
エベロンシャードは魔力を蓄積したり呪文を強化したりと言った能力を持ちます。このため日常的に使われるマジックアイテムの原材料やエネルギー源として使用されます。
これは大型の魔導機械であるエルドリッチマシンの動力源となるだけではなく魔法スロットを持たない魔法使いメイジライトの呪文のリソースとして使われたり、戦場で用いられる魔導大砲などの火薬としても使われます。
これによりエベロンでは様々な事に魔法が使われます。例えば飲み物を冷やしたり温めたり、部屋を清潔にしたり、ちょっとした物品の破損を治したりといった感じにです。こういったキャントトリップ(初級呪文)を本業の補助手段として使う者のことをメイジライトと呼ぶのです。彼らは自らを魔法使いとは考えていません。我々が仕事でパソコン使用するからと言ってハッカーやプログラマーと名乗らないのと同じようなイメージかと思われます。
カイバーシャードは拘束魔法と相性がよく飛空艇やライトニングレイルの動力源である精霊を拘束するためのマジックアイテムには欠かせないシャードです。
また所謂属性を帯びたマジックアイテムの作成でも使用されます。
このようにエベロンの社会インフラを支えているのがドラゴンシャードであると言っても過言ではないでしょう。
ガリファー王国
エベロンの主要舞台であるコーヴェア大陸。過去この大陸を支配していたヒューマンの王国こそガリファー王国です。
今から3000年ほど前にサローナ大陸より渡来してきたヒューマンは当初からコーヴェア大陸に住んでいたゴブリンやオーク、ドワーフ、ハーフリングなどを蹴散らし大陸中央部に版図を築きます。
そして2500年程前になるとヒューマンは5つの勢力に別れ他の種族を巻き込みながら互いに争いを繰り広げます。
この動乱を沈めたのがガリファー・イル=ワイナーンであり初代ガリファー王なのです。
ガリファー王は北方の国カルナスの王として即位し自国内での奴隷制の廃止を宣言します。これにより奴隷の軛から逃れたゴブリン達がガリファー王を支持します。ガリファー王は他の四王国にも奴隷制の廃止を要請していきます。
7年後ガリファー王は硬軟両面から他の5カ国を攻めついに連合王国の成立へと行き着きます。ここにガリファー王国は成立しガリファー王はガリファー一世として即位し、この年を王国歴元年と定めます。
ガリファー一世は五王国の政略が済むと魔法学院を設立します。
ここでは魔法を再現性のある技術として研究し、それをガリファー王国全土に普及させていきます。これによりドラゴンシャードの活用技術が発達しライトニングレイルや飛空艇の開発へと繋がっていきます。
この平和と発展の時代は894年に最後のガリファー王であるジャロット王の死まで続きます。
900年近い統一王国はコーヴェアの人民に同じ国家への帰属意識を与え、奴隷制などを非人道的とする倫理観を与え、他の多元世界では想像もできない程市井の技術を発展させました。
これがエベロンの生活レベルを引き上げた一因であると言えるでしょう。
しかし、現在は998年です。ジャロット王の没した894年からの104年はどうなっていたのでしょうか。
それはガリファー王朝の血脈である5王国の国王がそれぞれが正当なるガリファー王は自分であると主張し戦争に突入したのです。
一長一短こそあれど国力は似たり寄ったりの王国の戦乱が100年続きました。
ある日5王国の1か国であるサイアリが謎の魔法現象により滅亡します。
各国はこの魔法現象を他国の魔法兵器ではないかとの疑惑から停戦を結びます。
それから4年各国は疑心暗鬼の中仮初の平和な時を過ごしています。
そして、この100年戦争は最後の戦争であって欲しいとの願いから最終戦と呼ばれています。
ドラゴンマーク
国家がエベロンの表の支配者であるのであればドラゴンマーク氏族は裏の支配者であると言えるでしょう。
ドラゴンマーク氏族はドラゴンマークをその身に宿す職能集団であり、コーヴェア大陸の特定の商業分野を牛耳る存在です。
市場の独占はしばしば技術の停滞を招きますがエベロンにおいては他のドラゴンマーク氏族の領域への進出や100年に渡る最終戦争を繰り広げた五王国へと物資を提供してきたことから順当に技術革新を進めています。
当然これらの技術は民間転用され市井の生活を潤しています。大量生産体制により日常的にマジックアイテムが出回っていくのですね。
ランタンなどの照明器具の店には魔法のランタンが並ぶといったようにマジックアイテムとカテゴライズされず、あくまで汎用的な高級品と言った立ち位置なのです。
おまけ
エベロン種族概要
エベロン独自分
ハイエルフ/エアレナル
アンデットと化したエルフたちの支配する島出身のエルフです。
エアレナルは死ぬとアンデットとして不死宮廷に加わりエルフ王国を差配します。
エアレナルは不死宮廷を神としてあがめています。
ウッドエルフ/ターナダル
褐色の肌のエルフで戦の業の成就に全生涯をささげるエルフ。
そしてかつての戦場の英雄達は守護祖霊となり自分たちを護っていると信仰している。
エルフのドラゴンマーク:影のマーク、フィアラン氏族とチュラーニ氏族
諜報や暗殺に特化した氏族
ドワーフ
ドワーフは古代地下帝国に住んでいたが地下帝国を拡張した結果、地下に封じられた異形の神デルキールの封印を破ってしまう。
これによって彼らは地下帝国を失い現在は地上で職人として商人として生きている。
しかし、デルキールの封印を破ったことを反省し地下からの侵略に対抗する防人として活動するものも多くいる。
また地下帝国を奪い返すために活動するものもいる。
ドラゴンマーク:監視のマーク、クンダラク氏族
宝物管理や防諜、暗号化などの技術を牛耳る
また銀行を経営している。
ハーフリング
都市生活するものはヒューマンの生活様式になじみ、タレンタ平原に残るハーフリングは小型の恐竜に騎乗し草原を走り回る騎馬民族である。
ドラゴンマーク:
歓待のマーク、ガランダ氏族
宿屋や吟遊詩人などを牛耳る
治療のマーク、ジュラスコ氏族
治療院を牛耳っている。
ティーフリング
エベロンではフィーンドと呼ばれる悪魔たちは3体の始祖竜の1体カイバーの肉体から生まれた。そしてカイバーが始祖竜エベロンに封じられた際共に地下へと封じ込められた。
ティーフリングはこのフィーンドの血筋であると考えられており大変忌み嫌われている。
このためティーフリング部族は辺境に暮らしている。
ドラゴンボーン
クバーラ地方に住む少数種族で基本的にヒューマンと関わらあない。
彼らはかつてフィーンドの侵略により同胞たちが堕落させられた。
これに対抗するために現在も彼らはフィーンド支配するものオーバーロードと戦い続けている。
ノーム
知識として趣味として陰謀を張り巡らせる種族。
奇想奇策を張り巡らせることに生きがいを感じる。
ノームの支配する国では市街は清潔で目に見える犯罪はほとんどない、そう目に見える犯罪。
ノームのドラゴンマーク:刻印のマーク、シヴィス氏族
電報や郵便、証書などの分野を牛耳る
ハーフエルフ
コーヴィク大陸のどこにでもいるありふれた種族で自分たちのことをコラヴァール、コーヴィク大陸の子と呼ぶことを好む。
エルフとヒューマンの血脈が混じったことで世界をつなきより良い世界にできると考えている。
ハーフエルフのドラゴンマーク:
嵐のマーク、リランダー氏族
飛空船による交易や天候操作により影響力を持つ
探知のマーク、メダーニ氏族
リスク管理のコンサルタントを行い荒事をなく顧客の安全を守ろうとする。
ハーフオーク
辺境であるシャドウマーチにある門を護る者に連なる者が多い種族。
このため都市部である5王国での人口は少なく、無知な人間からは沼地から来た野蛮人とみなされやすい。
しかし、世界の種族としての誇りを持つオークの文化を継承し誇り高いものが多い。
ハーフオークのドラゴンマーク:
発見のマーク、タラシュク氏族
鉱脈の発見や人捜しなどで力を発揮する氏族。
調査員と賞金稼ぎの免状を発行している。
ヒューマン
コーヴィク大陸の最大数の種族。どこにでもいる。
ヒューマンのドラゴンマーク:
移動のマーク、
マジカルリニアモーターカー、ライトニングレイルで陸上交易を牛耳る。
創造のマーク、カニンス氏族
様々な物資やアーティファクトの製作、ウォーフォージやメイジブリードという魔法生物の創造までを行う。
調教のマーク、ヴァダリス氏族
動物を飼いならし飼育する能力に秀でている。
カニス氏族と共同で新しいメイジブリードの開発も行っている。
発見のマーク、タラシュク氏族
鉱脈の発見や人捜しなどで力を発揮する氏族。
調査員と賞金稼ぎの免状を発行している。
歩哨のマーク、デニス氏族
守護兵ギルドを差配する武人氏族。
また国際執行官を有し国家の垣根を越えて犯罪者を追跡することもできる。
エベロンオリジナル種族
ウォーフォージド
カニス氏族により創造された戦闘用ロボット種族。
現在は新たなる生産を禁止され市民権を得て生活している。
カラシュター
別次元から脱出してきた光の霊と繋がりを持ち異次元からの侵略を防ごうと考えている光の種族。
シフター
限定的な獣化能力を持つ種族。
魂の根源が獣であると考えている。