エベロン概説   作:CanI_01

15 / 39
宗教:ソブリンホスト/Sovereign Host

ソブリンホストはコーヴェア大陸最大の宗教であり、そこに住む人々の精神性の中核をなしています。

一般的なソブリンホスト9柱、場合によっては暗黒六帝も含めた15柱の司るものを俯瞰して見ると、ソブリンホストの司る領域にこの世に存在するもの全てが含まれています。このことからソブリンホストが信徒に求めるのはあるがままの世界に興味を持つことです。なぜなら、そこに神々が存在するからです。この思想からか信徒達は自らをベッセル(器)と呼びます。ホストから与えられた世界を受けるからでしょうか。

この教義の根幹にあるのは神は世界であり、世界は神である。神とは世界の大いなる一部であり、かつ独立した存在であると言うものです。人々が見ている現実とは神のある側面を現したものなのです。

例えば鍛冶師が鍛冶を司る神オナサーに対して鍛冶を行う際に加護を得るために祈りを捧げるとします。その際鍛冶師は神の興味がどこにあるのかを探す必要はありません。何故なら神はどこにでも存在するからです。製作の技にも、炎の煌めきにも、鎚から飛散る火花であっても神は在るのです。そして鍛冶師が祈りにより信仰を示し、神の存在を認め敬意を表することで神の好意を得られ援助を受けることができるのです。

全ての神がこのように世界を観察するだけではなく、そこにあるのです。

ソブリンホストは直接自らの神性について語ることもなければ地上に顕現することもありません。代わりに支援や知識をもたらすのは神の力をかたどった天使などのアウトサイダーなのです。この力がクレリックにクレリック魔法をもたらしていると考えられています。

この世界と神を同一と考えるとドルイド的な信仰のようにも見えますが、ソブリンホストは文明などを含めて世界の一部なのです。

この為ソブリンホストの神格同士に優劣はありません。しかし、人々は一般的に信仰する中心となる神格を1つか、2つ選ぶ傾向にあります。もちろん、その場合も他の神格を蔑ろにすることを意味しません。

反面クレリック達は特定の神格に仕えるのが一般的です。このため大都市の神殿ではソブリンホストというよりは特定の神格の神殿としての色合いを帯びます。例えばボルドレイの神殿では貧民救済を、ドルドルンの神殿では戦闘技術の訓練を行うなどです。

このように全ての神格が同格としながらも、暗黒六帝は他の9柱の神により追放され悪神になったと考えられています。しかし、彼らの司る領域が奪われたことを意味しないことから人々は場合によっては暗黒6帝にも祈りを捧げます。

しかし、学者やクレリック達は暗黒六帝を自然の象徴であり、他の9柱が文明の象徴と考えています。このため分類は時代によって変わっているのではないかと考えられています。

ベッセルにとって魂とは神の断片の煌めきであると考えられています。世界の全てが神である以上魂もまた神であり時と共に煌きが鈍っていくのが死なのです。そして、煌めきを失った魂は再びの神の一部に戻るのです。この戻る中で向かうのがドルーラであり、神の一時保管領域なのです。

神殿におけるクレリックの大半はクラスとしてのクレリックではなく神の教えに身を捧げ人を導くことを選んだ者となります。クラスとしてのクレリックやパラディン、あるいはセレスティアルと契約したウォーロックなどはひどく珍しい存在です。このため大多数のクレリックは教会やその地区の指導者である貴族であったり技術を、伝える専門家であったりします。このような背景から神から力を、授かった人物は選ばれた者であり神の意向を世界へと広げることを期待されます。

もちろん、ソブリンホストのベッセルの中には一柱の神しか信仰しない者や、特定の一柱を主神として扱う者、ソブリンホストの代弁者と見なす天使やドラゴンを信仰する者などもいます。

また、ソブリンホストをオーバーロードを封印したドラゴンの英雄として見るかどうかなども含めて複数の解釈があります。

また、ドラゴン達はソブリンホストの原型となったドラゴンを信仰していますが、それはまた別の機会にまとめてみたいと思います。

 

ソブリンホストの諸神格

 

“愛と生命の王”アラワイ/Arawai

女神、ブロンズドラゴン、中立にして善

多くのベッセルにとってアラワイとは日々の糧、収穫物、植物の生命、豊穣などと結びついていると考えています。更に彼女の権能には文明のレンズを通して自然を見ると言うものがあります。これにより森や渓谷で遭難した際よ救難など司ります。

アラワイの神官は農業や自然の伝承に秀でている傾向にあります。往々にして神官になる前には農家、木こり、薬草学者などだった者が多くいます。

神殿は一般的に木造で屋根は葉っぱを用いて作られる傾向にあります。

 

“法と伝承の王”ウレオン/Aureon

男神、ブルードラゴン、秩序にして中立

ウレオンは全ての知識と律法の守護者です。また、定命者の扱える道具としての魔法を司る神でもあります。

教師や学者、裁判官、伝承研究者、弁護士、ウイザードなどの守護者でもあります。神話などではしばしば裁定や他の人への指示を出す場面がありますが、ウレオン自身が権威により人を動かすのではなく、信頼関係により人々が動くさまが書かれています。

ウレオンの神官は教育を受け自らの感情よりも知識を重んじることを求められます。

ウレオンの神殿は曲線を多用した石造りであるのが一般的です。

 

“角と狩りの王”バリノール/Balinor

男神、グリーンドラゴン、真なる中立

ソブリンホストで最も暴力的な神格であるのがバリノールです。冷酷であったり血に飢えている訳ではありませんが、単純に生命の循環と永遠の狩りと捕食者の関係を司っているのです。生きるための殺害は認めていますが、スポーツや勲章としての殺害は一切認めません。

彼はレンジャーやハンター、罠師の守護者でありアラウェイとは兄弟でもあります。

アラウェイの神官と同様に自然界の知識を持つ必要があり、往々にして神官になる前には、狩人や罠師であったものが多いです。

バリノールの神殿は通常は木造で屋根には毛皮が使われていることが多いです。

 

“居間と安らぎの王”ボルドレイ/Boldrei

女神、カッパードラゴン、秩序にして善

団欒や家庭、炉端などの社会における良いもの全てを司る神です。人々の快適さを護り支援する神なのです。ウレオンの妻であり、指導者や都市設計者の守護者であり、自然の脅威から村々を護る存在でもあります。

神官達は宗教とは関係なく街の寄り合いに参加し調整役を努めることもあります。また、街の防衛や設計に従事することもあります。

ボルドレイの神殿はコテージに見違えるような家庭的な設計をされています。

 

“太陽と供犠の王”ドル・アラー/Dol Arrah

女神、レッドドラゴン、秩序にして善

ドル・アラーは太陽に限らず全ての光を司り、その中には定命者の命の輝きも含まれます。そして、誠実さ、素直さ、自己犠牲などを司ります。多くのベッセルはこれらをウレオンやボルドレイよりも文明の根幹ではないと考えていますが、彼女の存在により人生がより素晴らしいものになると考えています。パラディンや政治家、正義の探求者、武器を知性や誠実さのために振るう戦士などを守護します。また新たなる知識の光をもたらす探検家の守護者でもあります。アラワイを支援することで輝く季節をもたらす神でもあります。

ドル・アラーの神官は最高の誠実さが要求されます。その多くは前職として戦士、法務官、政治家などが多くいます。

ドルアラーの神殿は東側に大きな窓を持ちます。そして堅牢な石造りなのが普通です。

 

“力と鋼の王”ドル・ドーン/Dol Dorn

女神、シルヴァードラゴン、混沌にして善

ソブリンホスト内部でのほとんどの戦いを司ります。兵士、剣闘士、運動選手など生きるために戦うもの達を守護します。戦いに際してソブリンホストを指揮し暗黒六帝をホストより追い落とした神として知られています。彼女は戦い自体を守護しますが、血に飢えた指揮官により強要された戦いは守護しません。

ドル・ドーンの神官は元々兵士や運動選手だったものが多くなります。

ドル・ドーンの神殿は多くが石造で要塞のような造りになっています。

 

“世界と富の王”コル・コラン/Kol Korran

男神、ホワイトドラゴン、真なる中立

コル・コランは交易、富、取引を司ります。コル・コランは第2世代のソブリンホストであり、世界に富と交易が生まれてから現れた存在です。

商人や行商人、富の探求者などを守護します。これは彼の闇の側面であり盗賊や故買人なども守護しているのです。

コル・コランの神官の多くは大店の店主や取引を取りまとめてきた経験者が多く、商取引の誓約の立会などを行います。また経済を学んでおり様々な商取引のアドバイスや助言を行うことがあります。

コル・コランの神殿は石造りのこともあれば、木造のこともあります。ですが、その場所で用いることのできる最高の素材を使用する傾向にあります。そして、絹のタペストリーに金糸銀糸を用いた装飾などを多用します。

 

“ご馳走と幸運の王”オラドラ/Olladra

女神、ブラックドラゴン、中立にして善

幸運を司るオラドラは最も人気のある神です。賭博師、興行師、エンターテイナー、盗賊、幸運を求めるものを守護します。

オラドラの神官は特定の分野へと秀でた人物が求められます。

オラドラの神殿はコルコランに次いで豪華なものです。この時に設計や建物の形状などは重視されません。

 

“火と鍛冶の王”オナター/Onatar,

男神、中立にして善

オナターが生まれる前、文明化された種族は社会性を持ちコミュニケーションのできる獣よりも上の存在になることはできませんでした。彼は鍛造の神であり、炎による製作や工業などを司ります。最初に定命者達に道具や武器を製造すると言う考えをもたらしすでに、あるものを鍛え上げることをできるようにしました。鍛冶師、職人、革新者、マジックアイテムの製作者、徐々に増加するウォーフォージドに加護を与えています。伝説では寒い冬を、乗り切るために炎をもたらした神であると言われています。

オナターの神官の多くは職人です。彼らはすでにあるものを拡張する方法を学ぶことを求められます。

オナターの神殿は石造で中に工房が設けられています。




エベロン冒険者ガイド

Faiths of Eberron (3.5)
https://www.drivethrurpg.com/product/51636

Exploring_Eberron
https://www.dmsguild.com/product/315887
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。