コーヴェア大陸は5つの海に接しており、それぞれの海が海洋王国として海底に文明圏が形成されています。そのうちの1つであるサンダー海はコーヴェア大陸、ゼンドリック大陸、そしてエアレナルを繋ぐ海です。サンダー海ではラマニアより流れ込む元素力が流れ込み常に嵐が荒れ狂っています。このような危険な領域ながら船舶の往来は頻繁です。そして、この領域を最初に行き来したのがサファグンであり、海底王国を支配するのも、またサファグンなのです。このサファグンの王国の起源は古くゼンドリックの巨人よりも古いと言われています。この為サファグン達は自分達の文明を永劫領域/Eternal Dominionと呼びます。リランダー氏族の船には必ず海と話す者としてサファグンやアクアマンと話せる人材が乗り込んでいます。
太古の時代、サンダー海は未知への恐怖を司るオーバーロード、<影に潜むもの>/the Lurker in Shadowの支配下にありました。<影に潜むもの>はアボレスを創り出しドラゴンや巨人、サファグンを支配していました。
時が経ちドラゴンがオーバーロードに反旗を翻しアボレスについたクラーケンや巨人を打ち払い最終的に<影に潜むもの>の魂を打ち砕きます。この戦いでサファグンは両陣営の尖兵として参戦していたと言われています。<影に潜むもの>の魂はデーモングラス連峰に幽閉されそうになりましたが、かろうじて配下のアボレスに結びつき深海の奈落の果に逃げ延びたと言われています。
現在サファグンはサンダー海全域に居住しています。その中でも最大の都市はカルラーサ/kar’lassa,、偉大なる夢見る者と呼ばれる微睡む巨大な生物の周囲及び内部に都市が築かれています。
カルラーサは幅が数マイルもある巨大な獣であり、海底で半ば死んだように眠り続けています。カルラーサは有史以来眠り続けており、ドラゴンですら、これがどのような存在なのか知りません。カイバー封印の楔であるとも、エベロンが残した未来の脅威への対策だとも、新たなる世界の卵であるとも言われています。いかなる啓示呪文によっても詳細を知ることができないため、カルラーサは巨大で不死であることしかわかってはいません。また、常に13の次元界の1つと結びついており、結びついた次元界を現すかのようにその形態を変化させます。
カルラーサの13マイル以内で眠りにつくと、眠った人物はカルラーサが結びついた次元界の夢を見ます。
マーフォークはサファグンよりも浅い海域に居留地を築いています。それは顕現地帯を利用しており外敵に対しては顕現地帯の魔力を利用した儀式により対処をしています。その他の勢力としては海エルフであるヴァラエアーンプロテクトレートが存在します。彼らはエアレナル周辺を領域としサファグンの度重なる襲撃を撃破してきています。
サンダー海はアエレナルのピラス・タレアー、ズイラーゴのトロランポート、ブレランドのシャーン、ヴァラナーのピラス・マラダル、ゼンドリックのストームリーチ、ダーグーンのワイバーンスカル、シャドウマーチのザラシャーク、リエドラにとって必至の交易路となっています。
しかし、サファグンにとってドライスキン共が自分達の領域に踏み込むことは迷惑としか考えていません。もちろん、沿岸の漁師達がサファグンと遭遇するようなことは稀です。サファグンにとって地上から6マイルは地上の領域であり、漁師達が更に20マイル程度までは漁のために入り込むのは地上の権利として認めています。
サンダー海は終わらない嵐やデモングラス連峰、飢えたモンスターなどの影響により航海可能な領域は限られています。この領域を逸れないように航行するためにコモンマジックアイテムのビーコン・オブ・パッセージを用います。このアイテムはマーフォークやサファグンが自らの牙を用いて作成しており、それを買い取ることで洋上の安全を担保しています。
伝説的なサンダー海の嵐は風雨だけどはなく、時には大渦巻を引き起こし大型船ですら海底に引き釣り込んでしまいます。これはサンダー海全域に広がるラマニアの顕現地帯の影響でもあり、通常の海や天候の法則に従いません。この嵐により沈没した物は暗礁領域と化したラマニアの顕現地帯、場合によってはラマニアに流れ着くと言われています。この場所ではラマニアの顕現地帯が最も強く影響力を及ぼしているだけではなく、リシアの影響により氷結し、フェルニアの影響で海が沸騰したりもします。時にはマバールと結びつき影の中に沈むこともあります。これらの顕現地帯が現れる場所は決まっており回避することは難しくありません。反面月の影響により顕現地帯の力や大きさは変化することがあるために油断は禁物です。
このラマニアの顕現地帯からは精霊が開放されることがしばしばあります。精霊達に悪意こそありせんが、嵐に風の精霊が合流し嵐の範囲を広げたり、水の精霊が渦潮を起こして船を沈めたりと行った事が起きます。更にラマニアからは大型の獣たちも放たれます。
サンダー海の難所の1つとしてシャーンとストームリーチの間に存在するデーモングラス連峰があります。サファグンはこれをニードルティースと呼んでおり、ノコギリ状の暗礁が多くある地帯です。この為普通の船乗りはここでサファグンの先導を受けずに通過することはありません。反面これを利用して海賊や密輸屋は独自でルートを開拓し、このあたりを拠点としていることもあります。
このような自然の脅威あふれるサンダー海ですが、様々な生物も生活しています。これらの危険な生物もサファグンの生活圏と重なるものは飼いならされたり駆逐されたりしています。更に海の中で酪農もしており、彼らの財産をドライスキンが荒らす事はサファグンの多大な怒りを買います。特にサファグンが猟犬と用いているジャイアントシャークやマーフォークと同盟関係にあるドラゴンタートルの扱いは地上種族にとって悩ましいものとなっています。
ロキャーサ/Locathah
ヴァラエアーンプロテクトレートと永劫領域の間に住む種族。独自文明を持たない。
たまにはぐれものが地上を襲うことがある。
ストームジャイアント
かつてはゼンドリック沿岸部で一大勢力を築いていたストームジャイアントですが、ゼンドリックの壊滅や度重なるサファグンの勢力との闘争によりすでに集団を形成できていません。特に強力な個体が墳墓や遺跡に残り父祖の遺産を守護しています。中には雌伏の時と考え復権を目指すものもいることでしょう。
廃墟によってはストームジャイアントの生存者がなく、ゴーストとなったストームジャイアントが跋扈する遺跡なども存在するようです。
ドラゴン
アルゴネッセンから袂を分かったドラゴンの一部が自身の目的達成のためにサンダー海に身を潜めていることがあります。
また、アルゴネッセンは永劫領域のサファグン達が自分達の脅威となり得ないか、世界を損ねないか警戒しつつ監視をしています。
クオトア
サンダー海ではほとんどいませんがエベロンには存在します。
コアリンス/Koalinth
ダカーン帝国のゴブリンから進化した種族です。元々は大陸沿岸部を守護していた部族が海に適応したアクアホブゴブリンとでも呼ぶ種族です。ダカーン帝国崩壊後はサファグンの王国に従っていますが、半ば孤立した生活をしており、未だにダカーン帝国の思想を保持しています。
クラーケン
元々はカイバーによりオーバーロードの眷属として創り出された種族です。その多くはオーバーロードと共にドラゴンとの戦争に参陣し死んでいます。しかし、一部のクラーケンはオーバーロードに従うことを良しとせず独立した存在もあり、それらは生き延びています。生き延びたクラーケン達はきままにサファグンを支配したり、孤島のヒューマンを支配して信仰を受けたりしています。場所によっては複数のクラーケンが同盟して一定領域を支配している場合もあるようです。
サファグン
サンダー海の支配者種族、それがサファグンです。自らの文明を永劫領域と呼んでいます。
弱肉強食を是とする侵略文化を持ちます。
ストームリーチの船乗り達はサファグン達が暗黒6帝の一柱デヴォウラーを信仰していると言われていますが、これは正確ではありません。
サファグンの神話ではかつてデヴォウラーはアラワイとバリノールを捕らえ、その力を奪いました。これに他のソブリンホストの神々は怒りましたが、すでに時すでに遅く、3柱の神の力を併せ持つデヴォウラーを止める力は無く、ソブリンホストの神々はデヴォウラーを残し空の彼方に退去したと考えています。この神々の中の神デヴォウラーはサファグンからはジャーゴンと呼ばれています。
サファグンにとって望んで侵略できない場所はなく、地上とて必要であれば奪い取れると考えています。
サファグンは気圧の変化に驚異的な順応力があり深海より海上まで一気に上がってきても潜水酔いを起こしません。また、暗視能力により海底でも物を見ることができます。サファグンは普通の生殖ではなく魔法儀式により生まれます。この時そのサファグンの目的によって能力の方向性を規定して生み出されます。これらの儀式はソーサラーが執り行います。
サファグンは何でも食べますが、狩りによって食料を集めるのは名誉ある義務だと考えています。
サファグンにとって人生とは食うか食われるかであり、勝利が不可能ならば逃げよ、されど決して忘れるなというものです。
サファグンにとって重要なものは力であり知性など添え物としか考えていません。このため正道により力を身に着ければ永劫領域自体が進化すると考えており、そのための近道はないと見ています。サファグンとはいずれデヴォウラーに到達するデヴォウラーの子ども達であると考えています。この為天災等により死んでいくサファグンは選定の儀式のように見なしています。サファグンにとって人生とは挑戦であり常に新たなことに挑戦し実力を身に着け結果を出そうとしています。この為余暇の概念はほぼありません。サファグンの世界とは常に変化し続けるのです。それは常に勝利するためのものなのです。
サファグンには私有財産や家族の概念はなく都市に、そして永劫領域のために生きます。この為生まれたばかりのサファグンはまずシバーと呼ばれるグループで生き方を学び自分に適した方法で結果を出すことを求められます。この際に社会的な3つの組織に分かれて活動します。それは軍隊であるラハー/The Ra’har (“body”)、神官団であり魔術師団であるタハー/The Ta’har (“mind”)、そして都市インフラを支える技術者であるスハー/The Su’har (“heart”)です。
そして都市の運営はこの3部隊の隊長による合議で運営されています。
サファグン達はサンダー海全てを永劫領域の版図であると主張していますが、その人口はカルラーサに集中しています。カルラーサがどのような傷も治るため、カルラーサの肉体は素材であり、食料であり、様々な次元界と結びつく魔力であり、エネルギーなのです。このことから分かる通りサファグンの文明を支えているのがカルラーサなのです。この為中央で生産を行い物資を末端に輸送する必要があり必然的に拡張性に限界が出てきます。カルラーサは五王国におけるドラゴンシャードと同等の戦略物資なのです。
魔法技術に関してはサファグン五王国に、勝りエアレナルに劣るぐらいです。しかし、サファグン自体が魔法生物工学の結晶であることからメイジブリードの技術は抜きん出ています。特にサファグンは自分の肉体を改造して強化することに抵抗がないため若いサファグンは様々な実験を行い技術を発展させています。
永劫領域内ではマーフォークやストームジャイアント、ロカサウなどはサファグンに従い労働を提供しています。この為永劫領域では共通語の代りにサファグン語を話します。
五王国と永劫領域は国交はありますが互いのことをあまり知りません。永劫領域はサンダー海を自国と考えており通行する商船から通行料を徴収しています。また、海底に落ちたシベイシャードをメリックス・ド=カニスが求めた事からシャードの取引が拡大してきています。この流れから可に住み氏族がカルラーサについて知ることになれば、その素材を求めることは間違いなく、場合によっては五王国の工業革命の引き金を引くことになるかもしれません。
また、ヴァラエアーンプロテクトレートとサファグンの戦いにはカルラーサに関係した何かがあるようです。
なお、このサファグンの設定はサンダー海を支配するサファグンの設定であり他の海で暮らすサファグンは比較的他の世界同様スナック感覚で漁村を襲ってくるようなサファグンのようです。
マーフォーク
ラマニアの終わりなき海の申し子たるマーフォークは本来はラマニア固有の存在です。時たま顕現領域を経由してエベロンに現れることがあります。数世紀前に行われたヴァラエアーンプロテクトレートとサファグンとの戦いによりラマニアとの世界の境界が破れ無数の顕現領域が生まれました。その際に無数のマーフォークがエベロンへと現れ定着適応したのが今サンダー海に住まうマーフォーク達です。
マーフォーク達はエベロンに現れ顕現領域の状態が壊滅的であることに気が付きました。そこでマーフォークの儀式魔術により顕現領域を整えました。今でもマーフォークは顕現領域を渡り歩きながら調和を取るために儀式を執り行っています。この為マーフォークは基本的に中立の立場としてサンダー海を行き来しています。時にはこの立場を利用してヴァラエアーンプロテクトレートと永劫領域の間の交渉の仲立ちも行っています。唯一マーフォークが敵対するのは利己的な理由で精霊を拘束している場合です。この為リランダー氏族とマーフォークの間では深刻な対立があります。
マーフォークは平和的な種族で基本的に積極的に攻撃は仕掛けず顕現地帯を巡る永遠の巡礼の旅を続けています。しかし、マーフォークが何らかの理由で戦闘を選択した場合顕現地帯の力を攻撃に転用し、ラマニアからモンスターを召喚するなどして戦う恐るべき存在となるでしょう。
ヴァラエアーンプロテクトレート、海エルフ/The Valraean Protectorate: Sea Elves
かつてエアレナルの周りには平和的なロカサウが住んでいました。そこに永劫領域のサファグンが侵攻してきた為にヴァラナーのエルフ達は不死宮廷の力により水中で行動できるように変化しロカサウの支援を開始しました。しかし、サファグンの度重なる侵攻により支援では間に合わなくなり海エルフ達は自らをヴァラエアーンプロテクトレートと名乗りエアレナル周辺海域に住む者を庇護すると宣言します。
コレ以降も散発的なサファグンの侵攻はありますが、不死宮廷の圧倒的な力により今のところエアレナルの領域は護られています。
ヴァラエアーンプロテクトレートはこのようにエアレナルエルフから分かれた為に文化的にエアレナルエルフと同様で、それを海底生活にアレンジした形で実践しています。
アボレス
オーバーロード、影の<影に潜むもの>は封印こそされているものの、その意思は健在です。腹心たるアボレスの指示により様々な海棲種族、海賊、シャドウデーモンなどを配下に暗躍しています。
参考文献
Exploring Eberron
https://www.dmsguild.com/product/315887
ちなみにコラム的にサファグンやマーフォークをPCとして遊ぶ方法が書かれていたりします。
地上種族の外見をしたサファグンを遊ぶための背景とか・・・。