首都:トロランポート
国家元首:なし(三執政の合議制)
コーヴェア大陸南部にあるノームの国ズィラーゴを最初に訪れた人々は楽園のような国であると評します。街は美しく人々もオシャレで笑顔や歌の絶えない国、それがズィラーゴです。暴力事件を見かけることはほとんどなくコーヴェア全土を見回してもここよりも犯罪の少ない国家を見つけることは不可能に近いでしょう。しかし、これを維持しているのは圧倒的な権力を持つ秘密警察トラストが予防的に犯罪を除去しているからに他なりません。ズィラーゴ市民にとってプライバシーを失うことで犯罪が減るなら必要なコストであるとすら考えています。
ズィラーゴのノームがエベロンにやってきたのは遥かなる昔です。“妖精の宮廷”セラニスより次元界を行き来する都市ピラス・ピリアルを経由して到来しました。
そして、おおよそ一万年前ゴブリン王国であるダカーン帝国の書誌にジャングルネズミとしてノームが現れます。ノーム達はゴブリン達の文化を学びながら未開人としてダカーン帝国の迷惑な隣人としてあり続けます。そしてデルキールによりゴブリンが大打撃を受けるとその機を逃さず情報戦を中核とした大攻勢をかけゴブリン達を現在のズィラーゴから追い払います。
そしてゴブリンが放棄した現在のトロランポート、コランベルグ、ゾランベルグの三都市を手中に収めゴブリン達の知識を貪欲に学び始めます。ノームの底抜けの好奇心はほとんど本能と言える程のものでした。彼らはこれによりコーヴェア大陸、いえエベロン全土の知識を貪欲に集めます。
そして、ドラゴンマーク氏族が影響力をもたらした頃1人のノームの学者がコランベルグ図書館の建造を決定します。これは知識を貴ぶノーム達に大歓迎され莫大な寄付金により建造されます。そして図書館はノームの誇りとなり全ての都市国家の代表により構成される長老評議会が結成され図書館の運営を担うことになります。
ガリファー王国の建国に向けて大陸の歴史が動き始めた際にノーム達は何者にも屈せぬ為にノームの国家ズィラーゴの結成を決意します。民主的に選ばれたトロランポート、コランベルグ、ゾランベルグの責任者3人により構成される三執政の合議制により国家は運営されています。そして、ノーム達は技術と知識により良き隣人として振る舞い独立を維持します。これは最終戦争が始まった後も変わりません。全ての国家に中立的に振る舞いました。とは言え山という天然の防壁を持つサイアリと平野で接するブレランドであれば脅威度はブレランドの方が高く必然的にブレランドには好意的な対応をしていたようです。
現在のズィラーゴは平和的で美しい国家です。人々は争いを避け政治的な決着を望みます。そして旅人に対して親切で喜んで歓待を行います。
ズィラーゴでは宝石や木材の加工技術に秀でており、様々な輸入品を製造しています。特に精霊捕縛技術はズィラーゴ独自のものであり、飛行船やライトリングレイルの製造にはズィラーゴの協力が欠かせません。
ズィラーゴ全体は三執政により統治されており、各都市は九人議会により統治されています。九人議会は有力な家により選出されています。この家こそズィラーゴの基本的な単位です。複数の家が協調して氏族を成り立たせます。氏族内での裏切りは許されても家内での裏切りはズィラーゴでは違法行為となります。
これを端的に現す例としてノームの名前は個人名・家名・氏族名により構成されます。
ノームは他国では弁護士として活動していますが、ズィラーゴには裁判所はありません。では、係争はどのように解決するのか。答えは係争など発生しないです。ズィラーゴでは秘密警察であるトラストにより法律が保持されています。彼らは三執政に直接仕えています。彼らはズィラーゴの平穏を維持するために権限を与えられており、これにより犯罪を未然に防ぐのです。社会秩序の脅威となり得るとトラストが判断した場合警告など行わずに躊躇わずに処刑をされます。これにはその相手が市民かどうかは考慮されません。
元々トラストは図書館の監視員として生み出された存在ですが、それが今ではズィラーゴ全体に広がり国外に対する諜報組織としての性格まで帯びています。
トラストにとって国家を守る事が第一義であり、最終的に国家に資産があるのであれば詐欺などに関与はしません。しかし、ズィラーゴから不当に利益を得ようとする相手であれば速やかに排除を行います。
これはノームの暴力を嫌う性質とも親和性がありノームが謀略や脅迫などの平和的な言葉の使い方で物事の解決を計ろうとする一助になっています。トラストにとって暴力にやってズィラーゴの資産たる市民が損なわれることは看過できないことなのです。
またズィラーゴでは様々な宗教に寛容で都市には地下竜教団の神殿までもが堂々と建造されています、しかし、知識を尊ぶノームに一番人気があるのは知識を司るソブリンホストのウレオンとなります。
噂では、ズィラーゴの地下には恐怖を司るオーバーロード、”シェイパー・オブ・ナイトメア”ヴァル・ガルテッシュ/Val Gultesh: the Shaper of Nightmaresが封印されており、その影響からノームたちの強い猜疑心が生まれていると言われています。
主要都市
コランベルグ/Korranberg
シビス氏族の本拠地であり、世界最大の図書館にして研究機関コランベルグ図書館を要し、コランベルグクロニクルの本社を持つ知の殿堂、愛書家の聖地、それがコランベルグです。そしてコーヴェアで最も書記、印刷家、地図製作者の集まる街です。
そしてあらゆる宗教の神殿が立ち並ぶことでも有名な都市なのです。
トロランポート/Trolanport
中央に三執政の塔を持つトロランポートはズィラーゴの首都であり政治の中心地てす。港湾都市でもあるトロランポートはズィラーゴの造船業の中心であり、交易都市でもあります。世界中から商人の集まるこの都市では見つからない物はないと言われています。
ここには精霊捕縛士ギルドの本部があり、各ドラゴンマーク氏族も拠点を構えています。
特にクンダラク氏族はノームとの親しさを誇示するように広大なエンクレイヴを保持しています。
ゾランベルグ/Zolanberg
規模ではなく富により影響力を発揮する都市、それがゾランベルグです。シーウォール山脈の麓にあるこの都市はズィラーゴの採鉱の中心都市となります。
しかし、鉱山内に拠点を構えたコボルトや鉱山奥地にある古代ダカーン帝国の遺跡を確保したゴブリン達とは間断なき戦闘が繰り広げられています。
この戦いにタラシュク氏族は傭兵の提供を提案していますが、未だに受け入れてもらえていません。
ピラス・ピリアル/Pylas Pyrial
かつては“妖精の宮廷”セラニスと物質界を行き来していたエラドリンの都市。
モーニングの後次元界の移動を行わくなり住民たちは困惑しながらも物質界の生活になじみつつあります。
現在の住民はエラドリンよりもノームの方が多くなっています。
白亜と金の塔でできた大変美しい都市で喜びの門/Gate of Joyとして知られています。
公式にはズィラーゴの都市ではないためトラストの影響力が無いと言われていますが徐々に浸透を始めています。
トラスト
ズィラーゴの秘密警察にして防諜組織、それがトラストです。
指導者は1名で三執政のみしか正体を知りません。部下への指示はマジックアイテムを通して行います。
トラストの構成員の多くはガノス(目の意味)と呼ばれる情報を集めて報告するだけの存在です。一説ではズィラーゴの人口の30%がガノスないし、その協力者と言われています。そして、その情報を元にシャロン(精神)がヴォロス(手)と呼ばれる暗殺者に指示を出します。
参考分
エベロン冒険者ガイド
ドラゴンシャード:ズィラーゴのノームたち
https://dnd.achoo.jp/CDSPE/dragonshard/20041128_ZiGnomes.htm
Eberron Campaign Guide (4e)
https://www.dmsguild.com/product/150473
Chronicles of Eberron
https://www.dmsguild.com/product/415474