今回は日常回。
本編の「★悪魔召喚プログラム(メ)について語るスレ その35」のちょっと後のお話。
【マックとか】地方防衛スレ(宮城) その22【ねえよ】
489:名無しの転生者
さて、連合製悪魔召喚プログラムが出回り始めたわけだが
誰か使ってる奴いる?
490:名無しの転生者
割と今までの式神系とかで足りてるからな……
491:神社
俺は封魔管*1使ってるからな……取り立てて必要性を感じないんだよな
幼女ネキとか確かホビー部のアプリ入ったゲーム機使ってなかったっけ?
あれ確か元々COMPの受け皿にする用に作ったらしいじゃん?
492:幼女
ん、ああ、そう言えばこないだワイリーニキに頼まれて入れたな、アプリぐらいしか使ってないが
というか私も封魔管派なんだがな、アガシオンが入っとる
493:名無しの転生者
あれ幼女ネキ封魔管持ってたんだ?
だいたいシキガミちゃんらと一緒だから知らんかった
494:幼女
まあ本式のやつではないがな。契約でガッチガチに縛った大悪魔とか入れるんじゃなきゃ別にこっちでもいいだろ
495:名無しの転生者
あっ
496:名無しの転生者
>本式の奴ではない
察した*2
497:名無しの転生者
そう言えば幼女ネキって……
498:名無しの転生者
おいそれ以上はやめろ
499:幼女
お察しの通りミナミィネキのとこのやつだぞ
今時クダとかアガシオン持ち歩くのに壺とか竹の管とかかさばってしゃーないからな
というか私が悪魔娼館の常連みたいな言い方はやめろ
私があそこに行くのはスキル習得とかのためだぞ?
そりゃあすることはしとるがノワールとアイリス以外はミナミィネキとしかしとらんわい
500:名無しの転生者
うーんなんともはや
501:名無しの転生者
あそこ行って誘惑に耐えきれる鋼のメンタルの持ち主だもんな幼女ネキ……
502:幼女
まあ美人とか色っぽい悪魔は割といるが、性癖ド直球のシキガミ以外で勃つとかお前ら欲求不満か?
ちゃんとシキガミにもかまってやらんといかんぞ?
推しには手を出さないんです! なんてのはシキガミにはかえって虐待になるんだからな*3
503:名無しの転生者
いやまあ正論ではあるが
504:名無しの転生者
なんで俺らシキガミとの性生活を小学生に説教されてるんだ?
505:名無しの転生者
知るか
506:幼女
あ、そうだ。ちょっと相談があるんだが、悪魔関連で
さっき怪我した悪魔を拾ったんだが、どうしたらいい?
弱っちいし悪意もなさそうだからとりあえずディアかけはしたんだが
507:名無しの転生者
何て????
508:名無しの転生者
こらこら野良の悪魔を拾うんじゃありません
元居た所に返してらっしゃい
509:名無しの転生者
種族にもよるが……どんな奴?
幼女ネキの言う「弱い」は「自分で殴り倒せる」だからレベル30ぐらいでも驚かんぞ
510:幼女
ああ、そうだな。アイリスのアナライズによるとケットシー(Lv7)だ
……ほんとにこいつケットシーか?三度笠被って縞々マント羽織って長靴の代わりに草鞋はいて刀差してるんだが?
カブソかなんかじゃないのかこいつ? 三毛猫だし
[画像]
(三度笠に縞の外套、草鞋を履いて腰に刀を差した三毛猫が正座している画像)
511:名無しの転生者
草
笑っちゃいけないんだろうけどなんだこの渡世人スタイルのケットシー
512:名無しの転生者
いやまあ土地とか環境で若干姿変わる事はあるらしいが
しかしまあケットシーをそのまま和風に落とし込んだらこんな感じだよなって感じで笑う
513:幼女
なんでもどこぞの飼い猫が妖怪になって放浪してたらこないだ強めの悪魔に追われて逃げてたら私が助けた……
らしいんだが、覚えがないぞ……?
当人は舎弟にしてほしい! とか言ってるんだが
514:名無しの転生者
知らず知らずのうちに助けちゃったとか?
いつ頃の話とか襲った悪魔の話とか聞いてみたら?
515:幼女
三日前らしい? ……ああ、あのときか
こないだ悪魔が猫を襲おうとしてたからかめはめ波*4で叩き落としたんだよな
そうかそうかあの時の猫か、合点がいった
516:名無しの転生者
おお、いい事じゃん
野良悪魔同士の小競り合いに手を出したことがいいことかは分からんが
517:神社
で、どうすんの? 野良悪魔との契約はあんま推奨されてないが……
518:幼女
こいつ弱いしなぁ……レベル7とかアイリスでも片手でボコれるぞ?
残念ながら今回はご縁が無かったということで……?
あ、しょげた
519:名無しの転生者
可愛そうだが……
宮城でもトップクラスの武闘派の舎弟をやるにはレベル7じゃあなあ……
レベリングの手間もあるし……
520:名無しの転生者
しかし野良悪魔をこのまま放置するのもいかがなものか?
521:名無しの転生者
しかし悪魔即かめはめ波の幼女ネキが悪意がないというのなら、あるいは活用することも可能なのでは?
蛇の道は蛇ともいうし
522:リンク
話は聞かせてもらった、そのケットシー、俺が預かろう
523:名無しの転生者
リンクニキ*5! 生きとったんかワレェ!
524:名無しの転生者
うっかりパン1で山を下りて三回ぐらい警察のお世話になったリンクニキじゃないか!!
525:名無しの転生者
文ちゃんの前にうっかりパン1で出て行って泣かれたリンクニキじゃないか!!
526:名無しの転生者
幼女ネキの前にもうっかりパン1で出て行ったら股間をグーで殴られたリンクニキじゃないか!!
528:リンク
お前らは俺を何だと思ってるんだ
529:名無しの転生者
裸族
530:名無しの転生者
変態
531:名無しの転生者
露出徘徊の猛者
532:幼女
……生まれる時代を間違えた男?
534:リンク
泣いていいか?
ともあれ、そのケットシーはこっちまで連れてきてくれれば預かろう
丁度小間使いが欲しかったところだ、ついでに鍛えてやる
その代わり兄貴の方には幼女ネキから言ってくれよ
535:幼女
いいのか? 助かるが。じゃあ今すぐ行くぞ
アイリスならトラポートですぐだ
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(数日後)
878:幼女
なあ、怪我したカラスを拾って治療したら覚醒しちゃったんだけど飼っていいかなこいつ
野鳥は飼っちゃだめなんだっけ?
879:名無しの転生者
待って待って情報量が多い
何? 動物って覚醒すんの????
880:名無しの転生者
ああ、することはするぞ? 神様の加護を受けた動物とか、数字で言うと0.1とか0.2みたいなのがほとんどだが
確かあれだ、東京方面のスライムニキのペットの亀が覚醒してたはずだな
881:名無しの転生者
えーっと、確か野鳥は飼うには許可がいるはずだな、まあその辺は何とでもなるか?
下手にあちこちで暴れられてもいかんし飼っちゃってもいいんじゃね?
なんにせよ報告はいるだろうが
882:幼女
分かった、レン子ニキに相談してみる
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「おーいリンクニキ、いるか」
「おお、姐さんじゃあございませんか! 師匠なら今呼んで来ましょうか?」
また少し後。リンがリンクニキの住む山を訪れると、三度笠に作務衣を着た女性が出迎えた。
茶・黒・白の三色にわかれた髪に猫耳、腰のあたりからは髪と同配色の尻尾が生えている。
見慣れない相手だ。少なくともリンクニキのシキガミ、インパ*6ではない。
リンは顔を顰めて一歩下がり、拳を握った。
「……誰だお前? 私を姐さんなどと呼ぶのはポチぐらいなものだぞ? 名を名乗れ」
「そんなぁ! あっしは間違いなく……あ、そうか化けてちゃあ分かりませんね!」
言うなり、ぽん、と破裂音と共に女性が三度笠を被った三毛猫の姿に変わる。
その姿は間違いなく少し前にリンが保護したケットシー、ポチであった。
「……お前メスだったのか?」
「へえ、人間の皆さんには分かりづらいんですかね? あっしが変化できるようになった時も随分驚かれたもんですが」
「そういえばタマがぶら下がってなかったな……まあいい。調子はどうだ」
「ボチボチって所でございますねえ。まあ色々道具の使い方も覚えまして、細々とお手伝いさせてもらっておりやす。
手すきの時に師匠に剣も教わっておりやすが、いやあお強い。あっしも腕に覚えはあったんですがねえ……」
苦笑するポチ。あれからポチはリンクニキの所で小間使いとして使われながらも鍛えられていた。
元々リンクニキは剣技に限定すればリンとも五分に斬り合う猛者であり、
保護した時点で三倍ほどのレベル差があればさもあらんことだろう。
しかし今こうしてみれば前よりは随分と強くなっており、COMP*7でアナライズしてみればレベル15。
どうやらひとかどの悪魔ぐらいにはなったらしい。
「まあリンクニキだからな。しかしレベル15か、そろそろ連れ帰ってもいい頃かもしれんな」
「いいんですかい!?」
「リンクニキ次第だが。流石にレベル一桁はクソザコ過ぎたからな……おお、噂をすれば」
ポチと雑談をしながら山道を行くことしばし。少し開けた場所に出ると、そこでは金髪碧眼の青年が剣を振っていた。
パンツ1丁という風通しの良すぎる(なんなら素足ですらある)スタイルで無心に剣を振っており、
その傍には白髪和装の女性が静かに座っている。
彼こそがリンを保護したレン子ニキの従弟にしてポチの師匠に当たるリンクニキ。
宮城支部の、厳密に言えばレン子ニキの家の管轄の霊地を管理している
それを見るなり、リンは道中で拾っていた大ぶりな枝を投げつけた。
レベルにして30代半ばを超えた腕力で投げつけられたそれは恐ろしい風切り音と共にリンクニキに迫るが、
銀光が一閃したと思えば枝が真っ二つに割れ、ぽとりと足元に落ちた。
「……リンか。どうした?」
「不意を打ったつもりだったんだがな? まあいい。
ポチの様子を見に来た。あとは例の件をまた頼みに来たぞ」
「ポチはまあ……仕込める限りは仕込んだ。さっきの話も聞こえていたしな、
レベルも倍ほどには上がったし、連れていってもいいだろう。
……で、今度は何を連れて来た?」
その問いに応えず、リンは指笛を鳴らした。
高らかに響いたその音が止むか止まないか、と言う所で、上空からバサバサと羽音がこちらへと向かってくる。
そしてその羽音が木立を越え、リンたちの周囲に迫り、その音の主が現れた。
その正体は全身が真っ黒な鳥、有体に言ってしまえばカラスであった。
「この間掲示板に書いただろう? カラスを拾って治療したらなんか覚醒しちゃってなあ。
レン子ニキの手を借りて飼育する許可は得たんだが、まあこいつも覚醒したばっかでクソザコだからな。
ポチの時みたいに適当に鍛えて仕込んでくれ。覚醒で知力が上がったらしく人の言葉は分かる。伝書鳩にでもしてくれ」
「まあ……かまわんが。そう言えば、お前の所のシキガミはどうした?
ここまで遠出するのについてきてないとは珍しい」
「おっつけ来るはずだぞ? 私より足が遅いからな、先に来た」
それを聞いてリンクニキは頭を抱え、深々とため息を吐く。
「少しは足並みをそろえてやれ。シキガミは結構そう言うの気にするからな」
「そうか? ならそうする。ではポチ、支度しろ、行くぞ。
んで、マシロ、暫くこの人について鍛えてもらえ。しばらくしたら迎えに来る。いいな?」
その言葉に、分かったとばかりに一声鳴く
そうしてノワールとノワールに抱えられたアイリスが広場に現れる事にはポチの支度も終わっており、
ヌエ化して全員を抱え込んだリンによって三人まとめて強制下山となった。
余談だが、後々マシロを迎えにきたら、マシロはこれまた変化スキルを覚えて人間の姿になっており、
それを見たリンがリンクニキの性癖を疑った、という一幕があった(※冤罪である)。
どっとはらい。
そんなわけで9話でした。〇〇町支部の面子が増えたけど人間は一切増えません。ふしぎ!
たぶんそういう星の元に産まれている。
■解説
・幼女ネキ
ケットシーに懐かれたり覚醒カラスに懐かれたりで何か非人間系に懐かれやすい気がするようじょ。
まあ手駒が増えたのはいいかと素直に喜んでいる。
・リンクニキ
宮城支部の霊地(主に山林)の管理をしている地味に重要ポジション。
師匠適正がそこそこ高い。
レベルでこそ第三位だが、武器を使った殴り合いに限定すれば幼女ネキを完封できる剣技の持ち主。
・ケットシー
元飼い猫が悪魔化したケットシー。
別にキャラを作っているわけではなく素で渡世人スタイル。
名前が「ポチ」なのはかつての飼い主がひねくれものだったので。
幼女ネキの元に戻って来てからは猫の姿で町内をパトロールしたりしている。
なおケットシーの癖に魔法は苦手で剣術系の物理技特化。
・覚醒カラス
幼女ネキのディアを受けて覚醒しちゃった烏。性別は♀。
助けてもらったことに恩義を感じているので幼女ネキを親分と認識している。
幼女ネキの役に立ちたいとリンクニキのシキガミ、インパの教育を受け、
補助・斥候要員としての能力を伸ばす。その影響か人化するとクノイチっぽくなる。
名前が「マシロ」なのはポチの名前に合わせてひねくれたネーミングにしたため。
幼女ネキの元に戻ってからはポチとバディを組んでパトロールに勤しんでいる。