【カオ転三次】TS^2ようじょの終末対策   作:タマヤ与太郎

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そんなわけで115話。ここからは色々やりたかったことを全力でやっていくパートです。
ようじょが。


転生ようじょ、完売する。

 

【カスのコスを】同人関係スレ xx【警戒せよ】

 

 

 

918:名無しの転生者

 

うおお! 企業ブース見たか! 陰陽寮の日常の劇場版スピンオフアニメに有木さんが出るってよ!

 

 

919:名無しの転生者

 

有木さんってあれか? 三年ぐらい前に事務所と揉めて失踪したあの人。有木凰音だっけか

 

 

920:名無しの転生者

 

そう! その人! 復帰と同時にこれからはガイアニ所属としてやっていくとか言ってていやー嬉しい……

グラビアとかそっち方面をやる気はないというのが残念ではあるけど、まあしゃーないか

 

 

921:名無しの転生者

 

あの核爆弾ボディを売りにしないなんてもったいない! と思うが……まあ当人はイチ声優としてキャラに魂を吹き込みたい、というスタンスらしいからな

事務所と揉めたのもその辺で折り合いつかなかったかららしいし、ガイアニならなんだかんだその辺ホワイトだし所属してるやつの事情も汲んでくれるからな

というかあの人も黒札だったそうだぞ?

 

 

922:名無しの転生者

 

えっまじで?

 

 

923:名無しの転生者

 

マジマジ。こないだ京都で派手なドンパチあったろ、あの流れで救出されたらしい

 

 

924:名無しの転生者

 

そっかぁ。無事? でよかったよほんと……

 

 

925:名無しの転生者

 

OPはAKOと彼女で歌うらしいな、昔からキャラソンはちょいちょい出してたし楽しみだ……

所で主役の声優やる『REN』って誰だ? ガイアニにそんな子いなかったような……というかよく見たらこの子もOP歌うんか

見た感じ黒髪ゴスロリ系の美少女だけどそんな子ガイアニの所属声優で見たことないし……他のメインキャラは破魔ネキとか探求ネキとかが担当するっぽいね、何やこの豪華メンバー

その豪華メンバーに混じって主役張るって相当だぞ?

 

 

926:幼女

 

私だぞ

 

 

927:名無しの転生者

 

げえっ! 幼女ネキ!

 

 

928:名無しの転生者

 

うわでた

何、ついに声優デビューしたの君

 

 

929:幼女

 

声優デビューというか、バハネキの復帰作としてちょうど良い作品があったから彼女の身辺警護を兼ねて出て見ない? とか探求ネキに言われた

というかこのスピンオフアニメ、元々私がPC1やったTRPGリプレイが原作だからな、一応私も元々関係者だったんだ*1

 

 

930:名無しの転生者

 

え、あの年明けに突然出たリプレイ本幼女ネキ主役やってたの!?

すっげー溌溂とした元気っ子で可愛いなーと思ってたんだけど……中身がこれか……

 

 

931:名無しの転生者

 

まあ元気っ子ではあるよな、あのPC1が弾ける元気、輝くパッション! 的な子だとすると素の幼女ネキは飛び散る血潮、ギラつくバイオレンス! な子だが

いいじゃん、クオリティ高ぇシュポガキだ! と思ったらクソガキコンビ*2だったりとかするよりは。キャラと中の人は切り離していこうぜ

 

 

932:名無しの転生者

 

せやな……

 

 

933:幼女

 

あ、そうだ。今回私もサークル参加したんだ。30部ぐらいの少部数だったからすぐに掃けたけどな

いやー楽しいな漫画描くの。ちょっと京都関連でゴタついたから時間取れなくて原稿間に合わんかも……と思ったので、悪路王異界のお堂の一部を時間加速して吶喊で仕上げたぞ

印刷は自分の家でやった。こんなこともあろうかと趣味部屋に印刷ブースも作ってたんだ

 

 

934:名無しの転生者

 

こ、こいつ大異界を私物化してやがる……!w

というか自前で印刷機用意するとかお大尽やな君

 

 

935:名無しの転生者

 

まあこのようじょ、あの大異界の管理権限持ってるからな……*3でも楽しかったなら良かったわ

幼女ネキって元々モノづくりとか好きな子だもんな。俺も買ったけど、初回でこれなら結構良いんじゃない?

絵も漫画も結構上手いし、何よりゲストにカスと脳缶ニキとナマモノネキという豪華メンバーだし

格好がいつものTシャツ短パンサンダルだったからRENと違いすぎて分からんかったわ。なんだったら他の売り子のお嫁さんズが同じ格好だったからめっちゃ目立っててまぎれてたし

 

 

936:幼女

 

脳缶ニキもカス子ネキも今回サークル参加はしてなかったし、ナマモノネキは原稿落として*4ヒマだったしでアシもやってもらったぞ

まあナマモノネキの原稿が落ちたのはバハネキで本描こうとしたからだけどな。お前らもバハネキにいやらしい目を向けるなよ、私の嫁だぞ。本とか描いたらマジで殺すからな

 

 

937:名無しの転生者

 

アッハイ

 

 

938:名無しの転生者

 

ナマモノネキは自業自得として、バハネキは何があったんだよ、あれあらまだ一週間ちょっとぐらいしか経ってねえだろ

 

 

939:幼女

 

わからん……なんか性癖がヒン曲がってミナミィネキにもどうしようもなくなっちゃったから責任取んなさいね、って言われて……

何をしたかは伏すが

 

 

940:名無しの転生者

 

そっかぁ……

 

 

941:名無しの転生者

 

……この話はよそう!

 

 

942:名無しの転生者

 

……そうだな!

 

 

943:名無しの転生者

 

ともあれ、サポートが手厚かったのもあるんだろうけど幼女ネキの本も結構面白かったよ

陰陽寮の日常のゆるふわ日常本ってのも手に取りやすくていいね。流石にエロ同人は出来なんだか

 

 

944:幼女

 

私自身があんまりエロ本とかそういうものに興味がないからなぁ。生前は別だが今生はそう言う欲求は全部嫁で解消してるし*5

 

 

945:名無しの転生者

 

そっか……

そういや幼女ネキってコスプレブースとか見た? 大分クオリティ高いコスとかあって見るだけでも楽しいと思うよ

 

 

946:幼女

 

あ、コスプレはしたぞ! いやーあれはあれで楽しいな。ノワールが発狂しながらシャッター切りまくってて笑った

高まりすぎてブレーカー落ちてその後はホテルでダウンしてたのにはちょっと焦ったが

なんかいい感じのコスとかあったか?

 

 

947:名無しの転生者

 

お、コスもしてたんか。人生楽しんでるねえ

……所で何のコスしてたん?

 

 

948:幼女

 

 

[画像]

(思い思いのポーズで11人ほど並んでいるブルアカの正実モブ。半分ほどはほぼ同じ体格だが一部背が低かったりちょっと高かったりするものがいる)

 

 

949:名無しの転生者

 

あれ幼女ネキだったの!!?!?!?!?!?

 

 

950:名無しの転生者

 

え、どれだ? なんか微妙に違いがあるようなないような……

 

 

951:幼女

 

私はこの真ん中にいるギザ歯の奴な。その後ろに隠れてるのが嫁の文で、私の耳を左右から引っ張ってる2人が人魚ネキんとこのシキガミの睡蓮と文目

おんなじぐらいの体格の四人がキノネキのとこのモブちゃんズ*6

 

 

952:名無しの転生者

 

あ、あのギザ歯が可愛い正実モブちゃんが幼女ネキだったのか……歯を見せて笑ってくださいとか頼んじゃった……

 

 

953:幼女

 

一応リクエストには答えたがシンプルにキモかったぞ。そんなだからシキガミ以外に嫁がおらんのだお前らは

 

 

954:名無しの転生者

 

ぐふっ(流れ弾

 

 

955:名無しの転生者

 

>>952と>>954が死んだ! この人でなし!

 

 

956:幼女

 

変態はメシアンと同等のゴミだから私は悪くない。Q.E.D

 

 

957:名無しの転生者

 

あー、あれ幼女ネキだったんだ。んー、で幼女ネキとそのお嫁ちゃんと人魚ネキのシキガミちゃんズ、キノネキのとこのモブちゃんズ4人、あと3人いるよな?

 

 

958:黒死

 

後ろの方で銃を担いで笑ってるのは私だな。ふふ、コスプレ合わせとか言うんだったか? これはこれでなかなか楽しかったな、似てる中でもそれぞれ個性がある

 

 

959:名無しの転生者

 

黒死ネキまでおったんか……確かにこうしてみると幼女ネキとか黒死ネキとかのはそれっぽさあるな

 

 

960:名無しの転生者

 

あ、この前の方で両手繋ぎしてるモブちゃんは覚えてる! この2人だけ撮らせてもらったりしたなぁ……

 

 

961:幼女

 

おお、お目が高いな。その2人は今回の正実モブ合わせで一番人気だったんだぞ

 

 

962:名無しの転生者

 

この子らだけやたらクオリティも高かったよな、いやーええもん見たわ

 

 

963:脳缶

 

まあ僕らなんだけどね

 

 

964:カス子

 

篠澤広の時と言いシュポガキの時と言いお前ら良く引っかかるよな。キモ

 

 

965:名無しの転生者

 

お前らかよ!?

 

 

966:名無しの転生者

 

アッアッアッアッアッアッアッアッアッアッアッアッ

 

 

967:名無しの転生者

 

いかん1人精神崩壊しかけてる! 衛生兵ーっ!

 

 

968:脳缶

 

いっそトドメ刺してやった方が良くない?

 

 

969:幼女

 

大丈夫もう介錯(社会的抹殺)した*7

 

 

970:カス子

 

死んでないからセーフセーフ。いやーこの瞬間のために生きてるわ。滑稽滑稽

 

 

971:名無しの転生者

 

人の心とかないんか??????

 

 

972:黒死

 

何、こういう愉悦は人の心があるからこそ楽しめるというものだぞ?

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと……その……拝んでもご利益ないと思うけど……」

 

その日の夜。打ち上げ会場となったホテルの一室では、一種異様な光景が広がっていた。膝にリンを乗せた凰音が、その場にいる多数の面々から拝まれていたのだ。*8

カス子ネキ、破魔ネキ、妹達を回収しに来たキノネキ、そして文とキノネキの妹達。リンは我関せずと凰音の150cm砲の感触を楽しみながらお菓子を貪っていたが、*9当の凰音はリンがいるので動けず、困惑しっぱなしで拝まれ続けていた。

なお、探求ネキや脳缶ニキ、黒死ネキなどもその場にいたが、拝む面々を止めようとはせずむしろそれを肴に飲み食いをしていた。*10

 

「そうだぞ、拝むのは構わんがご利益があるかは知らん。後でご利益なかったって怒られても困るからな」

 

「リンちゃんは触ったりする側だから分かんないの!」

 

「お前も将来有望な方だとは思うし拝まんでもいいと思うんだがなぁ……確か今破魔ネキぐらいはあるだろ」*11「リンちゃんっ!」

 

「富めるものは貧しいものへと分け与えるべき」「新手の環境型ハラスメントだー」「せめて1%だけでも分けてほしい……」

 

代表して気炎を上げる文とそうだそうだと声を上げるキノネキの妹達。実際、この中で成長の余地があるのは文とリンぐらいなものである。

他の面々は肉体的には成熟しているうえ高レベル覚醒者でありこれ以上の身体的成長が望めなかったり、そもそもシキガミ体なので成長するか怪しかったり。

そんなわけなので、天然で下手な格闘家よりも体格も良くスタイルも抜群どころではない凰音がこぞって拝まれるのも無理のない話ではあろう。凰音にとっては迷惑かもしれないが。

 

「はい、皆さんそのへんで。幼女ネキもバハネキさんを占有し過ぎちゃだめですよ、動けなさそうですし」

 

そう言って割って入るのは人魚ネキだ。凰音の胸下からリンを引っ張り出して抱き上げ、少し離れた場所に座る。

左右から睡蓮と文目がリンの頬を突っつき始めるが、リンが場所を譲る気がない*12と分かると人魚ネキの左右に座り頬を膨らませ、それを見て凰音は苦笑する。

 

「すいません、亜湖さん……あ、人魚ネキさんって呼んだ方がいいですか? HNで呼び合うのにはいまいち慣れなくて……芸名で呼ぶ感じで考えればいいかな」

 

「構いませんよ、その辺りが自由にしてもらって。それにしても……体は問題ありませんか? 山梨の医療班や探求ネキが診てましたし、大丈夫だとは思いますけど」

 

「あ、それボクも気になってた! なんか一歩間違えると大惨事だったって聞いてたけど……瑞樹ちゃん?」

 

そう言ってキノネキは探求ネキを見遣る。探求ネキは視線に気が付くと、少し考えた後に口を開いた。

 

「保護当初は経絡とか気脈の流れが滅茶苦茶でちょっと危なかったですけど、今は問題ないですよ。高レベル覚醒者であったことが幸いして多少負荷のかかる治療もほぼ負担なく行えましたし。

 経絡や気脈の乱れ自体は幼女ネキが何とかしてくれましたし……割と現在進行形で馴染ませている*13ところでしょうから、問題ないでしょう。

 その辺り、房中術において幼女ネキはミナミィネキの直弟子の様な立場ですし、幼女ネキ自身幾度か経験のある事でしょうし、結果的には大事無いとみて良いでしょうね」

 

「え、幼女ネキ何したの?」

 

「何をしたというか、ナニをシたというか。というかキノネキ、文や日向の時は凰音ほどディープにはやっとらんぞ?

 文の時はキスを通じて破裂寸前にまで押し付けられたMAGを抜いただけだし、日向の時は密着してMAGを循環させただけだし」

 

何でもない事のように言うリンだったが、その一方で文がリンの横まで来ると、その頬をぷにぷにとつつく。

 

「リンちゃん、言っておくけどその『だけ』で私と日向さんの性癖がねじ曲がったの自覚してね? 凰音さんの時は凰音さんが危なかったらしいしそれしかなかったんだろうけど……」

 

「そのぐらいで曲がる性癖にも問題があるのでは……?」*14

 

「曲げた当人が言う事じゃないでしょ! ……あれだけ劇的に奪われてリンちゃん以外を好きになれとか、無理だから」

 

そうかぁ? と首を傾げるリンの横で、頬に手を当て、顔を赤らめてもじもじとする文。キノネキの妹達に囲まれその『奪われた』経緯やその後についてやいのやいのとやっている文を見て、リンは軽く微笑む。それを見て、人魚ネキはリンの頭を一撫でした

 

「嬉しそうですね?」

 

「文にも友達が出来そうだからな。元々旧家のお嬢様*15だったのもあって親友と呼べるほどの仲の相手はいなかったそうだし……

 私は友達から伴侶になってしまったしな。今回キノネキの妹達を連れて来てくれて良かった。すまんなキノネキも、面倒をかけた」

 

「いいよいいよ、ボクはボクで楽しませてもらったし。それにボクもバハネキの事は気になってたからね。元気そうで何より」

 

「ああ、そう言えば今いる黒札は全員あの時いた連中か。全員ではないにせよ、凰音も皆にはお礼が言いたいとか言ってたもんな、丁度いいか」

 

と言って水を向けられ、慌てて居住まいを正す凰音。

自分が救出されてから一週間と少し。記憶が戻ったとはいえまだまだ三年も怪物として自我も無く飼われていたという実感はわかないが、それでもここにいる面々は縁もゆかりもない自分を助けてくれた恩人たちである。

深呼吸を一つして気を落ち着かせると、凰音は神妙な顔で一礼した。

 

「皆さん、そしてここにいない人達には感謝しても仕切れないです。私を助けてくれて、体も元通りにしてもらって、仕事だって頂いちゃって……本当に、ありがとうございました!」

 

その一礼に一同は構わない、と頭を上げさせる。実際、一同にとって凰音の存在は戦いの最中に判明したので優先事項になっただけで、そもそもの海戦理由が『親戚の思い出の味を守る』であり、一部は『出来れば助けたいが見捨てるのもやむなし』とまで考えてもいたからだ。

構わない、頭を上げて、という一同の中で、時折睡蓮と文目に耳を引っ張られながらも、リンがぽつりと呟く。

 

「性癖だけは元通りにならなかったけどな」*16

 

「壊したのリンちゃんだよね!?」*17

 

唐突にぶん投げられた爆弾に真っ赤になってせき込む凰音、噴き出す周囲。『私なんか言ったか?』とばかりに首を傾げるリンであったが、直後頭上から聞こえて来た温度低めの『リンちゃん?(人魚ネキ)』に思わず息を詰まらせるのであった。*18

 

 

 

「すぴー……むしゃむしゃ」

 

「お、食ってる食ってる。ホント寝てるとただの子供だなー幼女ネキ」

 

「おっと駄目だよカス子ネキ。ちゃんと飲み物も上げないと。ストロー差したら吸うかな」

 

「ぢうー……」

 

「幼女ネキで遊んじゃダメですよ2人共」

 

暫し後。リンは人魚ネキに抱えられた態勢のまますやすやと寝息を立てていた。

そこに横合いからカス子ネキがお菓子を差し出せばかぶりつき、脳缶ニキがストローを刺した缶ジュースを出せば吸い上げる。そんな2人を窘める人魚ネキであったが、ふと視線を感じた。

そちらに顔を向ければ、そこには黒髪目隠れの少女。キノネキの妹達はキノネキのいる方に集まっている、ならばここにいるのはリンの嫁の1人、文と言ったか。

こちらの様子を伺いながら、話かけようか、どうしようか、と迷っているようだ。思えばこの少女とはリンの誕生日に顔を合わせはしたが、それ程会話はなかった気がする。

 

「文ちゃん、でしたっけ? どうしました?」

 

「え、あ。その……人魚ネキさんに、お礼を言いたくて……リンちゃんのお誕生日の時はあんまり話せなかったから……」

 

「……? 何か、お礼を言われる様な事、しましたっけ」

 

本当に心当たりがない。リンが山梨にいた頃、自分の子守歌で安眠できていた、というのは理由になるかもしれないが、それとて元を辿れば練習の副次効果である。

その後もリンと遊んだりリンの子守をしたりしたことはあるが、だいたい居合わせただけだったり、誕生日前に面倒を見ていたのはレン子ニキからの依頼だ。

そう告げても、文はふるふると首を振り、それでも、と口を開いた。

 

「それでも……リンちゃんがリンちゃんでいられたのは、人魚ネキさんがいてくれたからです。リンちゃんに心休まるひと時をくれたから……私は、リンちゃんと会えました。

 私の方がお姉さんなのに、今でもずっとリンちゃんには頼りっぱなしだけど……大好きな、私の旦那様だから。そんなリンちゃんを助けてくれて、ありがとうございます」

 

そう言って、文はぺこりと頭を下げた。そして再び顔を上げると、周囲の黒札たちを見回し、口を開く。

 

「皆さんは、色々やることがあると思うし、最優先じゃなくてもいいんですけど……どうか、リンちゃんをお願いします。

 私は随分強くなったと思うけど、それでもレベルはリンちゃんの半分もありませんし……限界まで強くなっても、ノワールさん達のように、リンちゃんと共に戦えるほどのレベルにはなれないんだそうです。*19

 正直、凰音さんが羨ましいです。凰音さんは、リンちゃんと同じ領域で戦える。リンちゃんのすぐそばでを守ってあげることもできる。他の皆さんも、リンちゃんと並び立てるような人たちがたくさんいるって、そう聞いてます。

 だから……余裕のある時だけでいいので、リンちゃんを気にかけてあげてください。どうか、お願いします」

 

そう言ってから、文は自分の言ったことを改めて理解したのか、あわあわと慌てて凰音の後ろに隠れた。

その様子に一同が苦笑した所で、リンが動く。むくりと起き上がり、のたのたと凰音の、正確にはその後ろに隠れた文の方へと歩いてゆく。

気を利かせた凰音がリンの前に文を引っ張り出せば、リンは文を抱きしめ、そのまま凰音の体に倒れ込んだ。

 

「り、リンちゃん……?」

 

「んに……にゃむ……あや……」

 

「な、なぁに……?」

 

凰音に受け止められたリンは抱きしめたままの文に頭を擦り付け、むにゃむにゃと寝ぼけながらもにっこりと笑う。

 

「いつもな、ありがとうな……あやがまっててくれるから……わたしは、かえって……これ……ぐぅ」

 

最後まで言い終えることなく、リンは再び眠りの世界へと旅立つ。大好きな()を抱きしめた、満面の笑みで。

それを、一同は温かく見守っていた――――――

 

 

 

なお、余談であるが。

文ごとリンを抱きとめた凰音であったが、行儀よく正座していたために少し後から足が痺れ始めた。しかし安らかに眠るリン、つられて眠り込んだ文を起こさないがために必死に耐え続けたが、流石に限界は訪れる。

そのため足を崩すためにリン達を人魚ネキに受け渡そうとしたのだが、そこで手が滑ってリンのみを取り落とし、足に直撃。最後の力を振り絞ってリンと文を受け渡した後、必死に声を殺しながらも悶絶したのだという。

 

どっとはらい。

 

 

*1
厳密にいうとようじょを誕生日の準備が整うまで山梨に足止めするために探求ネキがでっち上げたシナリオだったがその事実をようじょは知らない

*2
カス子ネキと脳缶ニキ。カス子ネキには他にも前科あり

*3
ようじょは悪路王異界を作った壬生一族の末裔

*4
×落とした 〇落とさせた

*5
一応泥土ニキのエロ同人を買ったりはしたりまったく持ってないわけではないががエロいと思って買う訳ではない

*6
『世界が終わるまでのバイク旅』参照。実妹ではなくシキガミボディに入った義妹たち、のうち有志四人

*7
遠隔呪詛。ようじょは当人の適正としてはジオ系が本領だがその次にブフ系、そてと同じぐらい呪殺系の適正がある。なお一思いに殺してやった方がマシなことになっている模様

*8
前話感想より。150のTを目の当たりにしては思わず拝みたくなる模様

*9
前回自分も拝んでいたがよく考えたら自分のがでかくなっても揉んで楽しい訳でもないしいいか、と思った模様

*10
ほっときゃそのうち収まるやろ、と思ってた

*11
胸が。文は現状小学校中学年ぐらい

*12
というか幼女を離すとようじょが凰音の方に行くので離せない

*13
毎夜ようじょによる『本気』の房中術マッサージを受けている

*14
素。ようじょは基本的に相手の性癖を曲げたと言う自覚があんまりない

*15
一応宮城トップの名家であるレン子ニキの分家に当たる名家

*16
おまえのせい

*17
それはそう

*18
ちょっとしわしわようじょになってた

*19
現状レベル30前後、レベル限界が45ほど




そんなわけで115話でした。ようじょが本を出す話はずっと書きたかったんだ……そして文ちゃんが他の黒札と話す感じのお話も書きたかったので。
次回も色々やりたい事をやっていくぜ……!



□解説

・ようじょ
ついにサークルデビュー。サークル名は『Tシャツスパッツは正義党』。売り子のユニフォームがいつものようじょスタイル。
ついでに声優デビューもしてたが当人は凰音の護衛についてたついでに出ただけという認識なのであんまり本業にする気はない。(要望があれば暇なときやる)
なお『REN』の時といつもの恰好があんまりにも違いすぎるので世間的には身バレの心配はない。

・バハネキ
復帰1作目が旦那(非公開)との共演だったむちでか核爆弾。
その上(なんかあった時のために)周囲が高レベル黒札で固められてたので、後で改めて全員の経歴を知って大変恐縮した。

・文ちゃん
そっくりなお友達が出来た小学四年生。キノネキの義妹たちと連絡先を交換などしたり、ようじょとのあれこれ(主に夜関係)を根掘り葉掘り聞かれたりした。
人魚ネキの事はようじょの心を守ってくれた人、としてとても尊敬しているし、感謝している。
他の黒札にも『リンちゃんと並び立って共に戦える人達』と尊敬と羨望の眼差しを向けている。

・ノワール
ギザ歯正実モブと化したようじょに大興奮しまくってたら鼻血噴いてブッ倒れた。
なお主人たちがお疲れ様会やってた隣の部屋でシキガミ達はシキガミ達で宴会してた。(のでその場にいなかった)

・劇場版陰陽寮の日常
ようじょの誕生日までの足止めに開催された長期TRPGキャンペーンのリプレイを原作とした劇場版アニメ。声優:有木凰音の復帰第一作。
元気溌剌な少女、壬生原要(みぶはらかなめ)が友達を救うために奔走する……という筋書きの話。
なお時間加速異界の中で制作・収録・編集まで済ませているので、発表時点で既に完成していた。
(破魔ネキは支部長業務もあるので)
モブやガヤの声も全員黒札(脳缶ニキやカス子ネキ、人魚ネキなど)というやたら豪華な面子。

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