【ようじょ】地方防衛スレ(宮城) その95【行脚】
418:名無しの転生者
さて、ようじょの地方行脚が始まったわけですが*1
まあいつもの事と言えばそうだがな
419:名無しの転生者
しかも依頼じゃなくて自主的に、しかも他所の黒札んとこにピンポイントでお邪魔するそうだぞ。次はどこ行くんだっけ?
420:リンク
キノネキの所と言っていたな。元々イデニキやヤプールニキ*2に注文しに行きたいと言ってたが
421:名無しの転生者
あっ(死の気配を察知
422:名無しの転生者
まあ、そりゃな……ウルトラマンスーツ*3とかあの幼女が欲しがらねえわけないんだ
423:名無しの転生者
確か今あるのはマンとエースとタロウとセブンだっけ?*4 あのようじょ何を欲しがるかね……
424:先生
ヒカリとかじゃないかな?*5 あ、今回はあたしも行くよー。ラインバレル系列のデモニカ製作者としてはULTRAMAN系デモニカは直に見てみたいしね*6
425:名無しの転生者
まああのようじょアメリカ行った時ウルトラマンになったしな。しかし先生ネキもか? お前確か出禁喰らってなかったっけ?
426:先生
失敬な! 出禁喰らったのは破魔ネキんとこと魔王ネキんとこだよ! キノネキの所は顔を隠せばオッケーって言われたもんね!
そんなわけで用意したのがこちらになります
[画像]
(『メイドインアビス』の『黎明卿・新しきボンドルド』の恰好をした先生ネキ)
427:名無しの転生者
首から上だけ用意すりゃいいのにお前首から下まで用意したんかよw
428:先生
どうせなら全部用意したかったし……まあ再現は半端だけどねー。『明星へ登る』*7と『枢機へ還す光』*8と尻尾ぐらいしか載せてないし、後者は原作程の性能ないし
というかこれ顔出しNGの場所用のコスプレだから、この状態で戦う時は基本この上からロストバレル着るし?
429:名無しの転生者
そこまでして女の子の近くに居たいのかお前w
430:先生
あったぼうよ! そのために生きてると言っても過言ではない!
そもそもあたしは実在女の子には手を出さない主義だからね! そこんとこはき違えないでもらおうか!
431:幼女
まあ顔が気持ち悪くなっても言動だけは取り繕えるしそれで手元が狂う事もないから顔だけ隠せば万事解決なんだよな
芸歴30年のバリバリ元ダークサマナーってだけじゃない気持ち悪さがあるよな
432:先生
てれるぜ
433:名無しの転生者
褒めとらんわw
434:幼女
まあそんな訳なので先生ネキの顔によるハラスメントは起こらないわけだな!
まあ文と凰音も連れて行くので凰音の爆乳によるそれは起こるがコラテラルダメージという奴だ。拝まれはせんと思うが
435:バハ
あれ結構恥ずかしかったんだからね!?
それにしても、キノネキの所……神奈川だっけ。私の実家が横浜の方だからなあ……顔出しに行かなきゃなぁ……
街一つ滅ぼせる悪魔を殴り倒せるようになっても実家に顔を出すのが怖いんだよね、三年失踪してたから……
とりあえず海外旅行先で記憶喪失になってたという線で押し通したいと思います
436:名無しの転生者
おおう……そう言えばそうだったよな……普通に考えたら両親健在でもおかしくないもんな
437:名無しの転生者
まあようじょの知り合いの管轄に住んでるってだけでもまだ良いんじゃないか?
キノネキんとこならメシア教もなんとかなろうよ
438:幼女
まあ凰音の両親には警護を付けるので大丈夫だろうがな
我が配下、百鬼夜行の精鋭をつけることにしている
439:バハ
っていうか、幼女ネキの事どう説明しよう……いやいうのは終末後かな……流石に8歳女児の嫁になりましたとか事案だし……
440:名無しの転生者
まあ、普段は離れてるんならその辺は何とかなろう
所で幼女ネキ、百鬼夜行の精鋭って言うけどまさかてらほくんとかじゃないよね?
441:幼女
失敬な、私を何だと思ってるんだ。百鬼夜行所属の覚醒動物から3名?匹?を派遣するんだぞ
一応キノネキとキタロウさん?だかには話通してある。宮城支部所属の覚醒動物だ。猫1匹ネズミ2匹
442:名無しの転生者
そういえばこのようじょ妖怪以外にも普通に宮城県内の覚醒動物を始めとするアニマルたちのボスだからな……
レベルはなんぼぐらいなのよ? 一応東京近郊だし10ぐらいはないと厳しそうよな
443:幼女
猫が15、ネズミが12と20だな。こんな奴らだ
[画像]
(グレーの雄猫とカヤネズミらしい茶色のネズミ2匹。ネズミの方は耳が大きく、片方はシルクハットを被りマントを着ている)
444:バハ
猫とネズミっていうのは聞いてたけど……これトムとジェリーとマーリン*9だよね?
445:幼女
うん
いや全員生まれも育ちも日本なんだがな。あんまりにもトムとジェリーとマーリンなので名付けた。普通に強いしな
トムは凰音が飼ってたけど仕事が忙しいからと言う体で預ける、という体で飼って貰おうかと思っている
ジェリーとマーリンは周辺警戒と危険の排除だ。本当ならもっと厳重にしたいんだが……あんまり厳重にしすぎても耳目を集めよう
446:名無しの転生者
いや強いな!? 最近は宮城の黒札も下限が15ぐらいになってきてるが……流石はようじょの配下、生え抜きの精鋭が揃ってやがる……
何よりようじょが嫁の両親の警護につけるのなら人間?性も真っ当って事だろうしな
447:幼女
ちなみに藤堂のおっちゃんとおばちゃん、要するに文の両親の所にはスパイク*10がいるぞ
[画像]
(グレーのブルドッグが犬小屋の前で眠っている写真)
448:名無しの転生者
なんでトムジェリで揃えちゃってるの!?
449:名無しの転生者
ほんとこのようじょの部下ってどこから連れて来たんだよって面子が多いよな……
450:名無しの転生者
まあ基本が面白全部で行動してるし……
451:バハ
スパイク……やっぱあれスパイクだったんだ……!?
狼王ロボ夫妻とか……赤兎馬とか……名前がポチな三毛猫とか……よくよく考えたら幼女ネキの周りって大体トンチキな人?達しかいないような……
452:名無しの転生者
そして最寄りの黒札は筋肉モリモリマッチョマンのハゲ神主(ロリコン)だ*11
453:幼女
ちなみにこないだ凰音が美味いって言ってた萩の月は神社ニキから収穫したものだぞ
生き字引の筆で宮城県民に『植物』って書くと萩の月が採れるんだよな。一応神職だからなのか神社ニキの萩の月が一番味と手間のコスパが良い
454:バハ
知りたくなかった真実……ッ!
455:名無しの転生者
一応修羅勢以上の黒札から産出される霊的食糧だからな……一応……
456:幼女
イズナやアズサも大好きな家庭の味だぞ! なおイズナ達は出所を知らんので取りえず秘密にしている
457:名無しの転生者
いやまあ、イズナちゃんなら出所知っても気にしなさそうだよね、幼女ネキの娘だし
458:名無しの転生者
でもミチルちゃんとかは遠い目しそうだな……
459:幼女
【速報】ULTRAMAN SUIT HIKARI完成
やっほう!
460:名無しの転生者
こいつすでに注文してやがった!
461:リンク
そう言えば欲しいと言ってたのもしばらく前だからな……手遅れだったか
462:幼女
ふふふ、テストという名のブンドドにウルトラマン少年コンビを借りるのだ!
あ、勿論その間のあれこれはノワール達を派遣するので問題はないぞ! えっへん
463:名無しの転生者
こ、こいつ他所の現地民(エース)をブンドド用の遊び相手に……w
464:バハ
あの、先生ネキ……ほんとお願いしますね? 私多分2・3日実家にいると思うので……
465:先生
おうともさ! ……何かあれば宮城支部だけじゃすまないし……*12
466:名無しの転生者
あ、ちょっと本音漏れた
467:名無しの転生者
頑張れよ……
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「わはははは! 流石はウルトラマンを名乗るだけはあるな! 2人共見事だ!」
「くそ、これで本当にリミッターかかってるのかよ!? 次は同時に仕掛けるぞ!」
「分かってますよ先輩! 本当、とんでもないのとやり合う羽目になったなあ!」
神奈川県相模原・科特隊本部。そのテスト用に設けられた演習場では、ULTRAMANSUIT3機による大立ち回りが繰り広げられていた。
片や銀と赤、隼田進次郎の纏う『ULTRAMANSUIT』と、北斗星司の纏う『ACESUIT』が矢継ぎ早の猛攻を仕掛け、そしてその猛攻を苦も無くいなしながらも右腕から延ばしたブレードで切り込む、銀と青のスーツ。
これこそが新たなウルトラマンスーツ、宮城支部黒札、鵺原リンの依頼によって作られた『ULTRAMAN SUIT HIKARI』*13であった。
「それにこのヒカリスーツも中々良い仕上がりだ! リミッターをかけてなおこれほど動けるというのはなかなかいい気分だな!」
ヒカリスーツ。それはヤプールニキによって作られたリン専用のデモニカである。
元々リンは【狂神セイシンテングン】の悪魔カードを宿す霊装『ナイトブレス』を所有しているが、それに展開型デモニカの始動キーとしての機能を追加した形になる。
特徴としてはウルトラマンスーツ共有の装甲強度や魔法をアレンジする機能、そしてデモニカとしては普通の、リン所有のデモニカとしては唯一のマガタマコアによるレベル制限。
これにより『体感的に全力で遊ぶ』という事を可能としていた。
「さあ、ギアを上げていくぞ! 壊れることなど気にするな! 修理代に加えて強化代もつけて私が持つからな! レベルも上がって一石二鳥だろう!」
そう言いながらリンがブレードから放つ光弾【ブレードショット】を撃てば、進次郎は【ザンマ】をリング状にして放ち、北斗は両手首から【ガル】を一つの魔法として放つ【ツインガル】を放ち相殺。
爆炎が演習場を包み、それを突き破るようにリンの大笑いが響いていた。
「おやおやおや……これはこれは。実に面白い光景ですねえ。そうでしょうキノネキ?」
「いや気持ち悪いから普通に喋っていいよ先生ネキ」
「え? やっぱそう? じゃあ戻すか。いやー、やっぱ他の作品見るのは刺激になるね! デモニカそのものに魔法をアレンジする機能を追加する発想はなかったわ。
基本スキルをそのまま追加するか、あるいはアレンジした上でスキルカード化したものをぶち込んでるからなぁ」
演習場の環境をコントロールする制御室。演習場を一望できる高さにあるその部屋では、数人の男女が語り合っていた。
呆れ顔のキノネキに、即座にロールを打ち切ってボンドルド卿のままいつもの口調に戻る先生ネキ。その横ではイデニキが手元のタブレットを見ながら頭を抱えていたり、ヤプールニキがぐったりと倒れていたりもしたが。
その男衆の様子を見て、先生ネキはけだるげに首を傾けて見遣る。
「んで、そこの男共は何頭抱えたり死んだりしてんの?」
「イデニキは幼女ネキからの依頼品の設計、ヤプールニキは幼女ネキの襲来に合わせてHIKARISUIT仕上げたから死んでるんだって。ほんとこの男共は……
まあ、うちの支部も含めてとんでもない額の寄付してくれたらしいから発奮するのも分からなくないけど……別に幼女ネキだって欲しいとは言ったけど急かしてなかったんだからね、ヤプールニキ?」
「なんだうちの技術班と同じか。イデニキは何依頼されたのさ? イデニキんとこだと鉄血のモビルワーカーとか作ってたけど」
「『カウボーイビバップ』の『ソードフィッシュⅡ』とか言われたんだが……これやっぱりモノマシンから作らないと駄目だよな? いやでもモノ・システム*14自体は実用化すれば色々便利に使えそうだし……ううん……」
「……まあ、ゆっくりやると良いよ。あの子善意で逃げ道潰してくるけど*15きちんと事情を説明すれば汲んではくれるから」
そう言ってぶつぶつ呟くイデニキと、ぐったりと倒れ込みつつもしっかり観戦していたヤプールニキがリンに対してサムズアップしていたのを見て、先生ネキは宮城で修羅場っている大馬鹿野郎共を思い出すのであった。
「ほんと何だったんだあの子は……!? 俺と北斗相手に出来たばっかのスーツであそこまで暴れるし!」
「まあまあ先輩、新手の戦闘訓練だったと思えばいいじゃないですか。確かに僕ら2人相手にあそこまでやれるとは思えませんでしたけど……
あれでリミッターで僕らより少し上程度になってたとはいえ、元はレベル90越えって言うなら……あそこまでやれるって言うのも納得です」
少し後。パトロールがてら街を散策していた2人は、先程の滅茶苦茶な体験を愚痴り合っていた。
事前に『今日時間を空けておいてくれ』とヤプールニキから言われていた2人だったが、当日になってみれば現れたのは小学生ほどの少女、しかも黒札であり、彼女用のスーツとの模擬戦をと頼まれたのだ。
報酬も良かったし、何より自分達が抜けた穴は彼女の仲間達が入る事で埋められるという事で『ちょっと揉んでやるか』程度の考えで挑んだが……予想以上だった。
ウルトラマン2人を相手に大笑いしながら大立ち回りを繰り広げ、自分達がバテるほどの長い間戦い続けてもまだまだ元気全開。途中で仮面を被った人物『先生ネキ』なる黒札のストップがかからなければ、完全に潰れるまで付き合わされていたのではないだろうか。
「ほんと、世界は広いよな……」
「……本当に。聞いた話では、ガイア連合の上位陣はキノネキさんクラスがゾロゾロいるらしいですしね」
見せつけられた頂の高さにため息を吐きながら歩いていると、視線の先にはベレー帽にセーラー服、黒い長髪をなびかせた少女の一団。
北斗の四肢の様なシキガミ義体に全身を置き換えた『正実姉妹』達だ。しかし、その中に1人だけ服装が違う少女がいる。
揃いのセーラー服ではなく、清楚なお嬢様のような服装をした子がこちらに気付くと、周囲の正実姉妹に断りを入れてからこちらへと駆けてくる。
「あ、あの……隼田さんと北斗さんですよね? 今日リンちゃんと遊んでくれてたって言う……」
「遊んで……いや遊んでたなあの子。まあそうだけど……君は? 正実ちゃん達の新しい子……なのか? リンちゃんって言うのは今日やり合った黒札の幼女ネキさん……ちゃん?だよな」
「はい、その子です。あ、いえ、私は正実さん達とはお友達ではあるんですけど姉妹じゃなくて……」
進次郎が少し前のリンの様子を思い出しながら言うと頷く少女。
彼女は藤堂文。宮城支部の金札で、正実姉妹とは単にそっくりさんなだけらしい。キノネキとリンが友人である繋がりで出会って友人となり、今日リンがこちらに来るのに合わせて自分も連れて来てもらったのだそうだ。
何より驚いたのは、当人も小学生ながらリンとは恋人関係……もっと言えばリンの嫁の
何か嫌な予感がしたのでそれ以上突っ込むのは避けたが、恋人の無茶に付き合ってくれたお礼がしたいのだと文は言う。
「リンちゃんがこの辺で好きに動くと絶対なんかあるから足止めさせよう、って事にノワールさん……あ、リンちゃんの1人目の奥さんでシキガミさんなんですけど。その人を中心に話してて。
お二人も忙しいのに付き合わせてしまってすいません……でも、リンちゃん、2人とは一度会ってみたかった、見所のある奴らだ、って言ってて、本当に楽しそうで。お付き合いしてくれてありがとうございました」
「……北斗」*16
「……みなまで言わない方がいいと思いますよ先輩」*17
「……? どこかお加減悪くされてるんですか? あ、もしかしてリンちゃんがやりすぎちゃったとか……」
「いや大丈夫! ……ちょっと世の無常を噛み締めていただけだから……」
「そうそう。僕も貴重な体験をさせてもらったから、心配はいらないよ。ええと……文ちゃん」
流石に『何であんなハチャメチャな子をこんないい子が好きになるんだ?』『とういうかそもそも小学生同士で嫁とかどうなの?』『1人目ってことはこの子も含めて2人以上嫁が居るって事? 8歳で?』とは言えない2人は色々なものを押し込め、どうにか取り繕う。
そうして2人は文たちと別れ、引き続きパトロールを続けるのであった。
暫く後。2人の持つ端末に緊急連絡が入った。発信元は科特隊本部。しかし映し出された映像に移ったのは、フルフェイスのヘルメットを被った人物……
件の『幼女ネキ』と共に来た宮城の黒札、『先生ネキ』であった。
『おーっす未来のチャンピオン! なんつってな。ともあれ少年達、ちっと緊急の依頼があんだけどさ、報酬は弾むからなるはやでお願いできない?
……っつーか拒否権はねえんだけど。一応イデニキとかヤプールニキとかキノネキの許可は得てる。ちょっと話聞いてくんね?』
「先生ネキさん……でしたっけ? 緊急の依頼って……いったい何が?」
場違いなほどに軽い口調の先生ネキに怪訝な顔をする北斗。しかし、年若いとは言え幾多の戦いを潜ってきた直感が、脳裏に警鐘を鳴らす。何か嫌なことが起こると。
そして一瞬の沈黙の後、先生ネキが語るのは、2人を驚愕させて余りある事実であった。
「文ちゃんが誘拐された……!? マジかよ……!」
『マジもマジよ。そんなわけで、少年達にはそれを追って、かつ救出してもらいたいわけ。できるっしょ? というか、やってもらわないと神奈川どころか関東一円の危機なんだけどね』
「随分大きく出ますね……まあ、やりますけど、仮にやらなかった場合具体的に何が起こるんです?」
『レベル90オーバーの戦闘特化覚醒者の容赦ない大暴れで最低限北神奈川支部の管轄は廃墟になるね。
具体的に言うとブチギレようじょのスーパー大暴れ。幼女ネキ止められる人間が来るまでに何人死ぬかな』
あっけらかんとした物言いの先生ネキであったが、その言葉に嘘はないようだった。しかし、疑問も残る。犯人の目的、そしてなぜそれを『幼女ネキ』が見過ごしたのか。
『犯人の目的? 知らね。キノネキか幼女ネキへの恨みだろうね。特に幼女ネキってあれで敵多いし。何で見過ごしたのかに関しては……
今幼女ネキの嫁の1人で黒札のバハネキって子がいるんだけどさ、そっちにかかってるからね。横浜に実家があるんよ。今里帰り中だからそっちに行っててね。
……でまあ、あたしらのミッションは『この一件を幼女ネキに露見させずに解決する』なわけで、あたしらやノワールさんは動けねーわけよ。下手に動くとそこからバレる。
幸い奴さん、レベルはあんたらよりちょい上ぐらいだから、討伐と救出はあんたらに任せた。あたしらは幼女ネキに対して全力でこの一件を誤魔化すからさ。
以前の惨劇は繰り返しちゃならねえとあたしは思います』
「以前の惨劇……? 以前何かあったのか?」
『幼女ネキの親族にちょっかいだそうとした多神連合の馬鹿がいてね。土下座して謝罪に来るまでそいつら関連の居留地潰して回ってた。*18
それ以前にも文ちゃんに呪いまがいの加護与えて殺しかけた日本神のとこに殴り込んで血祭りにあげたし。ま、そんな訳なのでがんばれ少年! 北神奈川の平和は君たちの双肩にかかっている!』
先生ネキは言うだけ言うと通信を切り、2人の下に犯人のものと思しき位置情報が送られてきた。2人は顔を見合わせると頷き合い、即座にスーツを纏うと、その地点に向けて飛び立つのであった。
『ほう、予想より動きが早いな。流石はウルトラマンというべきかな』
「何……!?」
「その形状は……僕らへの当てつけかなんかですか?」
2人が送られてきた位置情報に到着すると、そこは人気のない廃工場だった。ガラクタが並ぶ工場内、その奥に気絶しているのか動かない文と人影。
しかしその人影は、進次郎と北斗にはどこか見覚えがあるものだった。黒鉄の装甲の各所に青いラインが入り、胸に輝く青いコア。装甲の各所が刺々しく突き出しているのを除けば、その姿は進次郎がウルトラマンスーツを纏った姿によく似ていた。
『当てつけのつもりはない。これは君たちへの、ウルトラマンへの敬意、そしてその有用性を認めたものだと思って欲しい。
そも、今回彼女を攫ったのも君たちが出てくると踏んでの行いだからな。ウルトラマン、私と戦ってもらおうか。君たちが勝てば彼女を返そう。シンプルだろう?』
加工されているが、その声に動揺も、興奮もない。ただ淡々と事実のみを告げているだろうその声に、進次郎は視線を相手に向けたまま、傍らの北斗へと呟く。
(……北斗、俺があいつを抑える。その隙に文ちゃんを助けていったん離脱しろ)
(……了解。速さなら僕のACESUITの方が上ですしね。今正実ちゃん達を少し離れた所に呼び出してます。僕が戻るまで、やられないでくださいよ?)
『相談は終わったか? なら、初撃はこちらから仕掛けさせてもらおうか』
「……ッ! 行くぞ北斗!」「了解っ!」
敵がこちらに掌を向け、その中に光が生まれる。それを察知した瞬間、2人は動いた。スラスターを全開にして突っ込んだ進次郎が光が放たれようとしていた腕を払うようにしてタックル。その勢いのまま壁に叩き付け、その一瞬の隙を見て北斗が文を救い上げ、即座に離脱する。
「残念だったな! 人質は取り返させてもらったぜ!」
『構わないとも。私の目的は君たちと戦う事だ。その方が君たちが戦えるというならば、それも良かろう。
ああ、そう言えば名乗っていなかったな。私の名は……』
「なっ……!?」
全力で押さえつけているにもかかわらず、相手は強引に押さえつける手を外し、自らの手を進次郎の腹に当てる。その掌に光が産まれ、進次郎が離れようとした瞬間、光が炸裂し、今度は進次郎が廃工場の壁に叩き付けられた。
『私の名はベムラー。*19そうだな……君達ウルトラマンのファン、そう考えてくれて構わない』
「ぐ、ぅ……ッ! 熱烈なご挨拶ありがとうよ……!」
呻きながらも立ち上がる進次郎。彼が立ち上がるまでそれを見守りながらも、ベムラーは両の掌に光を産み、片方を進次郎に、もう片方をあらぬ方に向けながらも言葉を続ける。
『そうだ。それで良い。ウルトラマンならば……ヒーローならば、この程度で折れてもらっては困る。ヒーローとはかくあるべきだ、『ウルトラマン』。
幾度倒れても、幾度死に瀕しても、幾度遥かな頂を見ても折れない、不撓不屈の魂を持たねばならない。『エース』、君もそう思うだろう?』
「……気づいてたか」
その声に答えるように物陰からは北斗が現れる。そしてすぐに戦闘態勢に映るのを見て、ベムラーは満足げに息を吐く。
『無論だ。ウルトラマンには言ったが……私は君達ウルトラマンのファンでね。中でも年若い君達の実力は、我が身で感じてみたかった。
人質もいなくなり、これで後顧の憂いなく戦えるだろう? 全力で来たまえ。私に殺されるようでは、何も守れやしないのだから』
そこからは、ただひたすらに轟音が響いていた。
入れ替わり立ち代わり、目まぐるしい連携でもって攻め立てる進次郎と北斗。そしてそれを真っ向から受け、打ち払い、2人のウルトラマンを倒さんとするベムラー。轟音と魔法が入り乱れ、廃工場がただの残骸になるまで、そう時間はかからなかった。
そしてベムラーが幾度目かの光弾を放とうとしたその瞬間、進次郎がその両手を掴み、ギリギリと締め上げながらその場に縫い留める。
「お前のスーツの攻撃魔法は万能属性……けど、何にでも効くって事は、極端に効果的って事もない! 俺のスーツなら耐えられる……って、ことだ!」
『流石だ、良くそこに目を付けた。連携も練れている……だが、私の腕を掴んでいては君も攻撃できまい? 残念だが……私の腕は2本だけではないのでね』
直後、ベムラーのスーツの胸部装甲が変形して副腕となり、進次郎のスーツに突き刺さる。激痛が頭を貫き、アラートが耳を貫く。しかし、進次郎は締め上げる手を緩めず、声を張り上げた。
「北斗ォ! 構うな、やれぇ!」
「待ってましたよ、その言葉! 【ツインガルーラ】*20!」
進次郎を巻き込むことを厭わず放たれた北斗全力の【ツインガルーラ】。圧縮された烈風がベムラーを捉え、進次郎ごとベムラーをも吹き飛ばす。
ベムラーはわずかに残っていた鉄骨にぶつかって止まり、体の青いラインやコアの光が消え、そのまま動かなくなった。
「やったのか……? 先輩、大丈夫ですか?」
「なんとかな……でも北斗、ヤツの生体反応は消えてない。警戒を――――――」
北斗に手を借りながらもなんとか立ち上がる進次郎。北斗に警戒を促そうとしたその時、2人とベムラーの中心点に現れる影1つ。
コートを纏い、その顔を不可思議なデザインの仮面で隠した人物、体のラインからすると女性。そう、今日2人にこのベムラー討伐を依頼してきた黒札、先生ネキだった。
「やっほー少年達。いやお見事お見事。いい線行くとは思ってたけどまさか倒すとはね。このBEMULARSUIT、結構いい線行ってたっしょ? そっちのスーツを参考にしてあたしなりのアレンジとリスペクトを入れた傑作だったんだけどね」
「……は? どういうことだよ?」
「待ってください、その口振り、そのスーツを作ったのは先生ネキさんってことになりますが……?」
呆気にとられる2人。それもそうだろう。このベムラー討伐を依頼してきたのは彼女。そして、ベムラーの着ているスーツを作ったのも彼女。
それは、あまり面白くない事実を示している。良い方に考えたとして『彼女が奪われたスーツを奪還するために依頼した』とも考えられるが、それにしては口振りが軽すぎる。
先生ネキの口振りの軽さ、そしてとどめを刺そうとした瞬間に現れたという事実は、悪い方、『ベムラーと先生ネキはグルである』という方が自然なように考えられてしまう。
2人からの言葉に肩をすくめた先生ネキだったが、特にそれに答えることもなくベムラーへと頭を向ける。
「……で、あたしはスーツのテストが上々で万々歳だけど、そっちはどうよ、
「「はぁ!?」」
驚愕の声を上げる2人。その言葉に答えるように先生ネキ曰くの『BEMULARSUIT』が解除されていき、それが消え去った後、そこには小学生ほどの黒い長髪の少女、幼女ネキ……つまり、しばらく前に別のスーツで2人相手に大立ち回りを繰り広げた黒札が鉄骨にもたれかかるようにして座っていた。
「つまり……文ちゃんの誘拐は狂言だったと?」
「そうなるな。そうでもしなければお前ら殺す気でかかってこんだろ。私はお前たちの殺る気が見たかったんだ」
少し後、科特隊本部、指令室。半眼で睨む北斗に、悪びれずに答えるリン。そう、文の誘拐から始まったこの一件は、リンが2人の本気の本気を見るために起こした狂言であった。
そこに自作のウルトラマンスーツを試したい先生ネキの思惑もあり、『ベムラー』を演じ2人と乗った甲斐を繰り広げたのだ。
進次郎は頭を掻きむしると、北斗同様、半眼になってリンを睨む。
「ちょっと前に俺らとやり合ったんじゃ足りなかったのか? 何でこんなことをしてまで……」
「足りるわけが無かろう。さっきもいったが、訓練や模擬戦ではない、殺す気でかかって来るお前たちの実力が見たかったという話だ。ああ、文の了解は得ているぞ?」
「すいません、隼田さん、北斗さん。騙すような形になって申し訳ないと思ったんですけど……リンちゃんのいう事ももっともなんです。
リンちゃんから聞いてるかもしれませんけど、凰音さん……ええと、バハネキさん、だったかな? その人のご家族が横浜に住んでいるんだそうです。
私達は普段宮城に住んでいますから、すぐには駆け付けられませんし……だからこそ、神奈川を管轄にしてるキノネキさんの所の主戦力である隼田さん達の実力は、知っておかなくちゃって」
綾の言葉を捕捉するようにリンが話すところでは、リンの嫁の1人である『バハムートネキ』こと有木凰音、その家族を守るために必要な事だった、という事だった。
ヒカリスーツでの模擬戦でもある程度強さは分かってはいたが、それでもリンとしては不足。本気の本気、相手を殺す気で戦っている時の力を知る必要があったとの事。
「実際の所、凰音の所には私の直属の部下を置いているからよほどの事でもない限り大丈夫だとは思うが……それでも、現地の主戦力の強さを肌で感じておく必要はある。
知人の部下だからと任せておいて、肝心な時に守れませんでした、では笑い話にもならんからな。家族を失うなどという事はあってはならん。あんな思いをするのは私だけで十分だ」
「私だけって……もしかして、君は……?」
その言葉に反応したのは北斗だ。北斗は元々、幼馴染を狙った悪魔事件で四肢を失い、矢生…ヤプールニキによりシキガミ義手を与えられ、後にウルトラマンスーツを与えられた。
そして、その幼馴染が目覚めるまでの五年、北斗を苛んでいた感情。それを思えば、リンの言わんとする所の、一部程度は理解することができたのだ。
「……まあ、そう言う事だ。万が一もないだろうが……万が一も、決してあってはならんのだ。だからこそ、私はお前たちを知る必要があった。
凰音の家族を守るためにも、お前らの強さ、本気の実力、そして……『ウルトラマン』としての、ヒーローとしての覚悟。その程度を知らねばならなかった。
必要であったし、謝る気もない。だが、お前たちは本物のヒーロー足りうると確信した。隼田進次郎、北斗星司。いや……ウルトラマン。私の嫁の家族を、よろしく頼む」
そうして差し出されたリンの両手を、進次郎と北斗はがっしと握った。互いにニッと笑いながら握手を交わし、和やかな空気が流れ始めたその時―――空気を一瞬で氷点下に落とす声が、部屋に響いた。
「――――――話は終わった? リン」
「ヒュッ」
リンの息がつまり、指令室の空気が一瞬で張り詰め、氷点下に落ちる。指令室の入り口からは緑髪の女性を先頭にした一団が入ってきており、緑髪の女性……リンの嫁の1人、セリリが、柳眉を逆立ててずんずんとリンの下へと詰め寄り、屈んで視線を合わせた上で逸らせないようにがっしと頭を抱え込む。
「リン、あたしに何か言う事は?」
「えー……あー……う……ごめんなさい」
「よろしい」
リンからの一応の謝罪を引き出すとセリリはリンを小脇に抱え、リンを受け取ろうとする他の面々―――リンの嫁達を制しながらポケットから赤い内容物の入った、明らかに毒々しいラベルの小瓶を取り出すと、即座に蓋を外し、その内容物全てをリンの鼻の中に流し込んで床に放り出す。
「------ッ! ~~~~~!!!! ァーーーーーーーーッ!!!!!!」
赤い小瓶……『デビルシフター用超濃縮タバスコ』を鼻から流し込まれたリンは当然ながら悶絶してのたうち回る。その様子を見てフンと鼻を鳴らし、セリリは進次郎と北斗に向き治り、深々と頭を下げた。
「本っ当~~~~~に、今日は
「いや、大丈夫です!」「死にますよね!?」
「これで死ぬようなタマじゃないわよ、死ぬほど辛いらしいけど。まあ、こいつはあたしがしっかりお仕置きしとくから……勘弁してやって。
それにまあ……こいつ、あんたらの事大分買ってるみたいだし……何か困ったことがあったら気軽に言うと良いわよ」
セリリからタバスコを渡されようとするが拒否する2人。依然として悶絶するリンの声にならない絶叫をBGMに、今回の一件は落着するのであった。
どっとはらい。
そんなわけで117話でした。暫く1話につき1人海戦協力組の話を描いていきたいところ。
元々ウルトラマン組との話書きたかったので今回キノネキ編というかウルトラマン組編になってるけどすまねえ……!
□解説
・ようじょ
存分に楽しんだようじょ。自分も手伝いたかったけど『こいつに好きにさせると神奈川が消し飛ぶ』という嫁ズの意見が一致したので遊ばせてた。……ら、他所のエース巻き込んで馬鹿やってた(一応真面目な理由もあったが)ので鼻にタバスコ流し込まれた。
・北神奈川組
一応今回のベムラー襲撃の一件は分かっていたうえで、ウルトラマン組への訓練にもなるだろうと黙ってた。
イデニキもヤプールニキもようじょに目を付けられたので多分折に触れ苦労することになる。オラシオニキほどじゃないけど。
・ウルトラマン組
ようじょ的に北神奈川のエース。大人組はともかく少年組の実力と覚悟を見定めるためにベムラーとして襲撃を仕掛けた。結果満点。
ようじょの嫁関係を知ったら多分あんな顔になるよな……とか思いながら書いてました。
・トムとジェリー
動物組でなに護衛につけようかなと思ってたら視界に某トムジェリ先生が入ったので……
まあそれっぽいというだけで純日本産まれのやつら。妙な補正かかってそう。
・ベムラースーツ
先生ネキ製ウルトラマンスーツ。
機能は大体ウルトラマンスーツと同一だけど、主武装がメギドだったり、サブアームがあったり、
推進機構が劔冑と同じ五行増幅装置入りのアギ・ガル方式だったりする。
□おまけ
マカーブルさんから以前の正実カス子ネキ、脳缶ニキ、黒死ネキのFAを貰いました!
それぞれの属性を踏まえつつ正実っぽくしてるのでこれはこれであり。
前回載せ忘れててすまねえ……ッ!
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