【カオ転三次】TS^2ようじょの終末対策   作:タマヤ与太郎

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そんなわけで11話、幼女ネキが関わらないところでもうろうろ動きがありますよと言うお話。


そして『故郷防衛を頑張る俺たち 「【さらなる】技術開発班ロボ部【逆境!】Part.70」』へのアンサーと幼女ネキの背景設定を語るための仕込み。

与太郎はナイツマが広まってちょっと嬉しいです。


転生ようじょ、謎のフィット感。

⭐︎???????????

 

 

 

 

 

 

 

 

 

843:名無しの悪魔

 

あぁ~……腹立つわぁ……

 

 

844:名無しの悪魔

 

おっどうしたどうした、氏子持ちの同僚に煽られたか?

 

 

845:名無しの悪魔

 

それとも人間に煽られたんじゃね?

最近人間頭が高ぇしな

 

 

846:843

 

いやあ自分豊穣神なんだけどね?

最近ようやく本霊とのリンクが復活して*1やったー実らせるぞー、とか思ってたんですわ

そしたらさあ、よその豊穣神の分霊が異界作って農業しててさ……

そこは私じゃねーのかよ! って。仮にも地元の神よ私!?

 

 

847:名無しの悪魔

 

あー、確かにそれは腹立つな

文句言えばいいのに

 

 

848:843

 

言おうとしたよ!? でも言いに行ったらほら、例のガイア連合。あそこの黒札だっけ?

あの連中肝入りの異界らしくてさ……その分霊がビビってたのはちょっと笑ったけど、

その分霊自体もよその黒札の所の豊穣神*2の株分けらしくて……

しかもそこの神社主導してた神主も別の祭神の所の黒札だしさ!?

 

 

849:名無しの悪魔

 

あー、ガイア連合。んじゃ諦めろ

 

 

850:名無しの悪魔

 

触らぬ連合にたたりなしよ。あそこ基本寛容だけど、下手に調子乗るとえらい目に合うらしいからなぁ

大人しく協力する形で助力したら?

 

 

851:名無しの悪魔

 

そんで>>843の氏子には黒札おらんの?

 

 

852:843

 

居たらこんなところでクダ巻いてないわよ! もー、氏子に当たるのも筋違いだし……

協力するにしてもこっちの方が格は上だし地元の神だし、舐められるわけにはいかないわね……

まあ言うだけ言ったらすっきりしたわ。ちょっと家で色々考えてみるわね

 

 

853:名無しの悪魔

 

……行ったか?

 

 

854:名無しの悪魔

 

まあ最近割とある感じのお悩みというか愚痴だったな……

ガイア連合って事は日本か? あそこも暫く封印されてた連中が解放されたんだっけ

 

 

855:名無しの悪魔

 

せやな

おかげで色々賑やかで見てる分には割と楽しいけどな

今回の件も続報を聞きたいもんだ

 

 

856:名無しの悪魔

 

それまで存在が保ててればいいけどな

あそこやりすぎるとガチ目に滅されるだろ?

 

 

857:名無しの悪魔

 

はははなんぼなんでもそこまではするめえよ

……しないよな?

 

 

858:名無しの悪魔

 

俺も日本の神(分霊)だけど、イエスともノーとも言えんのがな……一応天照大神を頂点に纏まっている、ように見えて、

実際は玉石混交な連中の寄り合い所帯みたいなとこあるし……

特に本霊と分霊で大筋は同じでも見てる方向が全部同じか? と言うと微妙なライン

分霊が結構いる神なら分かるかもしれないけど、本霊の一部分だけをクローズアップした分霊とか結構いるからな

あいつがそうでないことを祈りたい。特に豊穣神は稲荷神も割といるから……

キツネ系は愛情深い面もあるが恨みがましい面もあるし。一応本霊には報告しとこ……

続報あったらあとで書き込むよ、巻き添え食って消されてなければ

 

 

859:名無しの悪魔

 

よろ

 

 

 

 

 

 

★ガイア連合・人外専用お悩み相談スレ Part56

 

 

 

 

445:名無しの悪魔

 

す、すいませんお悩み相談いいですか!

 

 

446:名無しの悪魔

 

お、ええでええで

とりあえず簡単な自己紹介とお悩み内容を簡潔に頼む

 

 

447:名無しの悪魔

 

お、なんか初々しい気配

今回はどんなお悩みかな?

 

 

448:445

 

えーと、私はとある神様の分霊で、異界の中で農業をやるからって環境を管理するために株分けされた分霊なんです

ほんと一応植物の生育に関わる権能がある程度の木っ端分霊なんですけど……

あ、異界構築の主導をしてたのはガイア連合の黒札さん達だそうです

 

お悩みなんですが、最近その管理されてる異界にバンバン新入りが放り込まれてくるんですよ

どうも主導してる黒札さんとは別の黒札さんが言い出しっぺの計画らしくて、

その黒札さんが「自分は口しか出してないからモノで応援する」とか言って色々支援してくれてるんです

格で負けないように色々霊格アップ用の色々くれたりもしてるんで、

新入りさん達も大人しくて弱めの人達なんでそこそこ仲良くやれてはいるんです

 

 

449:名無しの悪魔

 

よかったやん至れり尽くせりで。それの何が悩みなの?

 

 

450:名無しの悪魔

 

羨ましい……なんだよその上げ膳据え膳の環境

うちなんて干からびかけた血筋にゴミみたいな地脈なんだぞ!?

 

 

451:445

 

霊格の成長が急速過ぎて人格の成長が追っついてないんですよぉ!

あなた達みたいに生まれて何十年何百年経ってるような悪魔と一緒にしないでくださいよ!

こちとら生後一年も経ってない木っ端分霊ですよ!?

黒札さんの「お、大分成長したな、よしもう少し成長させとくか」みたいな視線とか!

新入りさん達の「おお、流石は異界の主、頼りになるぜ……」みたいな視線とか!

背にかかる期待と信頼のプレッシャーが重いったらないんですよ!

そのくせ悪感情は無いから純粋に信頼と信仰のMAGが心地いいんでやめてくださいとも言いだせませんし!

 

 

452:名無しの悪魔

 

 

 

453:名無しの悪魔

 

ごめん笑っちゃいかんのだろうが笑うわ

 

 

454:名無しの悪魔

 

やべー俺この子結構好きだわ、なんでここまでされてこんな腰低いんだと思えば

 

 

455:名無しの悪魔

 

何やこいつ結構可愛いぞ、黒札的にも増長しないから付き合いやすいんだろうし、

配下の悪魔的にもこういう上役は親しみやすいんだよなぁ

黒札が目を光らせてればそれに乗じてやらかすバカもいないだろうし

まあ、今はプレッシャーがきついだろうけど慣れるしかないさ、今のお前さんめっちゃ恵まれた環境だしな

配下はともかく黒札にちょっと漏らすぐらいはしていいんじゃない?

 

 

456:445

 

そうでしょうか……ちょっと愚痴るぐらいは許されますかね……

あと別件なんですが、私別の土地の豊穣神の分霊なんですよ

実は少し離れた所に地元の豊穣神様が居まして……(計画を主導している黒札さんは別の神様の信奉者なので無関係の豊穣神)

そんで、最近日本神解放されて本霊からのパスが繋がって力を増したらしくてたまにうちの異界に来るんですよね

何か荒事にならないと良いんですけど……喧嘩になったらうちの配下の人達逃がさないとなぁ……

結構年季入った神様みたいなので視線が怖くて……

 

 

457:名無しの悪魔

 

おっとここで火種が出てきたぞ?

 

 

458:名無しの悪魔

 

言うて黒札肝いりの異界の主に噛みつくほどの度胸はないやろ

 

 

459:名無しの悪魔

 

せやな。まあ一応上に報告はしといていいんじゃないか?

今の世の中報告・連絡・相談が大事だぞ

 

 

460:445

 

そうですね……何とか向こうの豊穣神様とも仲良くできればいいんですけど……

 

 

461:名無しの悪魔

 

うーん、威張り腐ってる多神連合の連中にこの子の爪の垢呑ませてやりてえ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く……腹立つわね……」

 

宮城県に存在する宇迦之御魂神の分霊を主とする異界、その最奥にある本殿で、ウカノミタマの分霊は不快さを隠しもせずにその柳眉を歪めていた。

それというのも、戦後衰えた力を必死にやりくりして土地を維持してきた所に、日本神の封印解放による本霊とのリンクの復活。

それによる力の増加を好機とみてその豊穣の権能をフル活用しよう、と意気込んで出てくれば、

他所から引っ張ってきた分霊による異界で農作物を作られており、しかもそれを主導していたのが自分ではない神を祀る者だった。

怒り心頭で件の異界に踏み込むも、そこは近年話題に上ることも多いガイア連合肝いりの異界であり、

そこにいる豊穣神の分霊を少々脅かした程度で矛を収めた。その後掲示板で愚痴り散らかすが、

やはり留飲は下がらない。なおもぐだぐだと管を巻いていると、ウカノミタマの傍に一人の女性が歩み寄る。

 

「まだお怒りでしたか、ウカノミタマ様。正直ここは矛を収めて協力的に出るしかないのでは?」

 

「神子、あんたねえ……それだとあたしが軽くみられるでしょ! 少なくとも無視されて怒ってんのよ、とは示したし……

 向こうから頭を下げさせないと地元神の威厳ってもんがあるのよ!」

 

神子……朝日神子とも呼ばれ、東北地方において神隠しにあった後呪術を身に着けて戻り、

土地の者達の耕作を助け、自分もまた祀られるようになった女性。

現在においてはウカノミタマの眷属として使えており、ウカノミタマを補佐しながらもほどほどに軌道修正させたりなどしている。

今回の一件もウカノミタマの言に一理はあっても、それでもガイア連合に悪印象を持たれるような真似は避けるべき、と、

なんとか主人の溜飲が下がるように宥めんとしていた。

 

「ですが、ウカノミタマ様? 相手はウカノミタマ様の本霊だけではなく、日本各地で封印された日本神を解放されるほどの猛者なのでしょう?

 あえて人間の側から物を申しますが……『うわこいつめんどくさ……ほっとこ』となって信仰根こそぎ持っていかれますよ?」

 

「う゛。じゃあどうすんのよー! 本霊に掛け合っても返事なんてなしのつぶてだし……

 あたしからあっちに恩を売る方法……そうだ、あたしの力を農作物に分け与えたらどうかしら?

 あんな木っ端分霊なんかよりじゃんじゃんもりもり実らせるとか!」

 

「それも良いですが……下手に手出しをして余計な事を、となると面倒ですよ?」

 

「じゃあじゃあ、あれよ、私の加護を人間に与えるとか! あんたに呪術を教えた時みたいに!

 うんそうだそれが良い! じゃあ早速波長の合いそうな子を探して……

 あ、神子、なんか美味しいもの持ってきて! おいなりさん!」

 

「最近の子らはあまり丈夫ではないんですから、私の時の調子でやらないでくださいね?

 私の時だって力がなじむまで暫く寝込んだんですから……」

 

はいはい分かってる分かってる、という主人の上の空な返事を背中に受けながら、朝日神子はその場を後にする。

この時、朝日神子は不機嫌だった主人がようやく機嫌を直した事に一安心し、事態を軽く考えていた。

それが後にとんでもない事態を招くことになるとは、知る由もなく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻。ガイア連合山梨支部、技術班ロボ部の実験室。

そこでは六本腕の上半身の骨組みだけ作られた機体が鎮座し、動きを確かめるかのようにゆっくりと腕を動かしていた。

やがてそれも終わったのか、胸の前面が開き、黒髪長髪の少女……幼女ネキこと鵺原リンが飛び出した。

事の起こりは少し前。愛機トイボックス受領の際のやり取りから、原作の主役機イカルガの建造、その前提ともなる様々な研究開発群(デスマーチ)が実行され*3、概ね形となった。

その後トイボックスの余剰パーツをベースとして組み上げられた実証試験機の起動実験に呼び出され、トイボックスにない様々な新機能の実験・データ取りが行われていたのだ。

ノワールやアイリスに汗拭き・給水など甲斐甲斐しく世話をされていた所に、白衣に眼鏡の青年…オラシオニキが近寄っていく。

 

「よう、調子は良さそうだな幼女ネキ?」

 

「ああ、ヌエから人工筋肉を替えたと聞いたからどうかと思ったが、思いのほか動かしやすいな?

 なんなら人工神経分前より動かしやすいまであったぞ」

 

「あー、そう言えば数値がトイボックスより良くなってたな……何でだ?」

 

その問いにリンは小首を傾げ、掌を見つめながら握っては開いてを繰り返す。

 

「んー……説明はしづらいんだが、思いのほかしっくり来たんだよな。

 人工筋肉がファフニールのものだから、という訳ではないはずだ。そういう点では遠く(・・)感じたしな。

 強いて言うならもっと根っこの方……『ヌエとヘカトンケイルを素材にした悪魔』の人工筋肉だから、そんな感じだ。

 オラシオニキ、ヘカトンケイルの人工筋肉はまだあるか?」

 

「ああ、あるけど……どうするんだ?」

 

「少し触って確かめたい。私の勘が正しいなら、そっちもまあまあしっくり(・・・・)来るはずだ」

 

その言葉を受けて、急遽余っていたヘカトンケイルベースの人工筋肉が用意される。

それを矯めつ眇めつ眺めながら、時には指先でつつきながら、リンは推測が裏付けられたとばかりに頷いた。

 

「……うん、やはりしっくりくるな。理由は分からん。分からんが……私が乗る機体としては、

 この組み合わせ(ヌエ×ヘカトンケイル)で作った悪魔(ファフニール)の人工筋肉は最上の素材のようだ。

 金はある。トイボックスほど急がんから、このまま建造を進めてくれて構わん。……となると、次は輸送手段か。ターミナル転移は……MAGがなあ。

 サイズ的には士魂号と変わらんが、こっちの方が嵩があるし、何よりコスト度外視で積んでるから転移に使うMAGがバカみたいに多くてな」

 

「それなんだよな……イカルガになってしまえば飛べるけど、原作でだって現地までは輸送されてた*4しな」

 

「アメリカに持っていきたいがトイボックスのままでもコンテナに収まらんのだよな。

 バラしてもいいんだがそれだと組み立ての手間があるから何かあっても即応できんし……

 陸はレイバーキャリアみたいなもんでもいいかもしれんが、日本の道は狭いからな……

 やっぱ輸送船に認識阻害かなんかかけて空飛ばすのが一番面倒がない気がする。

 いっそ安直にアメノトリフネを宿らせた飛行船でも……っと、すまん、電話だ」

 

うーむ、と揃った唸り声をあげる2人。と、そこにノワールがスマホを持ってくる。

画面に表示されたのは『〇〇町支部』。はて、何かあったか? と首を傾げながらも、リンは着信ボタンを押した。

そして電話口の声に耳を傾けるなり、リンの眉が跳ね上がり、剣呑な雰囲気を纏う。

 

「私だ。……ポチか、どうした? ……は? 分かった、すぐに戻る。ノワール、五分で支度しろ。アイリス、支度が終わり次第トラポートだ」

 

「おいおい、穏やかじゃないな幼女ネキ。どうした?」

 

(あや)……ああ、現地の異能家系の子供で私の友達なんだがな。何者かに呪いをかけられて命が危ないそうだ」

 

「……ッ! そいつはやばいな……データなんかは後で送る。幼女ネキはすぐに出たほうが良いんじゃないか?」

 

事態を把握し冷や汗を流し出したオラシオニキにこくりと頷くと、リンはソファにどっかと座り準備が終わるのを待つ。

纏う雰囲気は先程までの試験機のテストで大喜びしていた少女のものではなく、殺気と敵意の籠った視線で空中を睨みつけていた。

 

「ダークサマナーか、メシアンか、それともどこぞの悪魔かは知らんが……いい度胸だ。

 その軽挙妄動、生まれ変わっても忘れない程にたっぷりと後悔させてやる……」

 

 

*1
今回の話は日本神解放後の時間軸

*2
『故郷防衛を頑張る俺たち』魚沼支部のキクリヒメの分霊

*3
『「故郷防衛を頑張る俺たち 」【さらなる】技術開発班ロボ部【逆境!】Part.70参照』

*4
原作においては人馬型シルエットナイトの曳くチャリオットやレビテートシップと呼ばれる飛行船で輸送していた




そんなわけで幼女ネキの堪忍袋の緒が爆発四散しました。
いつかは誰かがやらかしてた事ではありますが。


■解説

・幼女ネキ
イカルガ建造にも乗り気(流石にまだトイボックスも元気なので前ほど急かしてはいない)。
ヘカトンケイル肉(とヌエとヘカ肉素材のファフニール肉)との謎の親和性、これは幼女ネキのあれこれに関するもの、という想定。
『故郷防衛を頑張る俺たち』でギリシャ系素材多めになっていたのはものすごい偶然でびっくりしました。

金に糸目をつけないのは田舎ニキのような地方の責任者的立ち位置ではない(ので大体レン子ニキや神社農協漁協ニキらが金出してる、たまに幼女ネキも寄付する)のと、自分が装備ほとんど必要としないくせにかなりハイペースで依頼を受けたりしてるので金が結構貯まってる……という想定です。

そして今回ラストでついに堪忍袋の緒がはじけ飛んだ。


・ウカノミタマ
実は宮城県で豊穣神っていうとこの人、という事が前回の感想で興味持って調べたら判明したという……県内各地にゆかりの神社があるので、神社ニキが割と戦犯気味。
まあ神社ニキんちの祭神コノハナサクヤなので知らなかった、あるいは仲が悪かった、とかなのかもしれません(決めてない
外見イメージとしてはラストオリジンの「天香のヒルメ」。あっちは天照モチーフらしいけどお狐様なので……

・朝日神子
ウカノミタマ関連人物で、神隠しに合って、生還したら呪術を使えるようになっていた、それで耕作の助けになった、という逸話があるお人らしい。
本作ではウカノミタマの眷属として第1秘書みたいな立ち位置でいる。

・文ちゃん
ちょっとのっぴきならないことになった。しにはしない。

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