ようじょのお礼行脚はまだまだ続く。
FGO、イベント来ましたね! トンチキイベントであることを願おう……
(所長が戸惑っている様が見たいので)
【ロボを】技術開発班ロボ部【作ろう】Part.xxx
848:幼女
おーっすお前ら、元気に死んでるか。死んでたら生き返って私の話を聞け
849:名無しのロボ部
あれ、幼女ネキじゃん、どしたん?
イカルガとかは宮城のロボ部の担当だろ?*1
850:幼女
うむ、それは現在シルフィアーネも完成に向かいつつあるので近くマガツイカルガをお披露目できると思うぞ
まあそれはそれとしてちょっとこれ見て見ろ
[画像]
(胸と頭に髑髏を付け、両肩に巨大な髑髏のついた装甲を纏ったガンダムの画像。背中のX字スラスターからは炎のように揺らめくビームがたなびいている)
851:名無しのロボ部
んー? 見た感じクロスボーン・ガンダムX1*2フルクロス?*3 幼女ネキが描いたん? 上手いじゃん
852:名無しのロボ部
あれ、でもこれ手に持ってるのピーコック・スマッシャー*4じゃなくてクジャク*5じゃね? 背中のスラスターの形も微妙に違うっつーか、炎のように揺らめくビーム……ファントムライト*6?
幼女ネキの考えたオリジナルクロスボーン・ガンダム? 中々ロマンあるねえ
853:幼女
うんにゃ、これは私が描いたんじゃないぞ。これは私の知り合いの黒札の記憶から吸い出した『最新のクロスボーン・ガンダム』だ
その名も『クロスボーン・ガンダムX-11ファータモガーナ・フォーゲル・フルクロス』! 連載三十周年作品『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゼーロイバー』*7に登場した機体だな
854:名無しのロボ部
クロボン新作ゥ!? ダムエー*8はまだ長谷川先生にクロボン描かせとるんかい!*9 嬉しいけど!
855:名無しのロボ部
いやまあそんだけ人気があるって事なんだろうけど……破魔ネキ辺りが結構最近までのアニメ漫画の記憶持ってたらしいけど、これはいつのやつよ?
破魔ネキ知識だと確か種の映画*10が2024年にやってたんだっけな
856:幼女
うむ、そこに関しては本人を呼んである。ジャックニキ!
857:ジャック
OKボス! えー、ロボ部の皆さん初めまして。俺はジャックニキ。宮城支部所属の黒札で……そうだな、『巻き藁*11卒業組』って言えば、大体察してもらえるかね?
858:名無しのロボ部
……OK察した。じゃあ人格的にも問題はなさそうだな*12
859:名無しのロボ部
幼女ネキに喧嘩売ったけど許されたって経歴持ちならそりゃな。これから死ぬほど幼女ネキに振り回されるだろうけど覚悟しときなよ、巻き藁よりはマシだろうけど*13
860:ジャック
まあ、そこはな。実際俺もメシアン関連で色々あって天涯孤独になったとはいえ今にして思えばバカなことやったもんだ
それでも改心? って言っていいかは分からねえけど、幼女ネキは俺を許してくれたからな。恩返しぐらいはするさ。何より今は有形無形の援助してくれてるしな
861:名無しのロボ部
まあ、この幼女馬鹿やって殺されるようなことになってもちゃんと筋通して詫び入れれば許してはくれるからな
んで、文脈からすると件のX-1フルクロス、おたくの記憶から再現されたやつなん?
862:ジャック
ああ。と言っても『ゼーロイバー』は連載序盤で死んじまったからそれ以降は分からねえけど……一応『DUST』*14以降の記憶は2025年あたりまでは色々あるぜ
その辺も吸い出してもらって今本にしてる所らしいから期待しててくれよ
……でまあ、その辺を手土産代わりに、どうか作ってほしいもんがあるんだわ。ミノフスキー・ドライブをさ
あんたらにとっても悪い話じゃねえと、思うんだが?
863:名無しのロボ部
くっ、確かにな……!
俺達の所でもマザー・バンガード作ろうぜ! とかクロスボーン・ガンダム作ろうぜ! みたいな話はあるからな……*15
一応F90はあるけど、でもやっぱ作っては見たいよな……! かっこいいし!
864:幼女
うむ、という訳でお前らにはミノフスキー・ドライブ*16、及びその搭載機を開発してほしいわけだな
私個人としてもレコードブレイカー*17やファントム*18は欲しい。でもオラシオニキに今負担を強いるとイカルガ整備してもらえなくなるから……
まあそんなわけでお前らに依頼をしに来たんだが。あ、開発費は私持ちでな! ついででいいからジャックニキの専用機も作ってやってほしい。デモニカはもうあるから
865:田舎ニキ
まあ、その開発計画への出資で幼女ネキのお礼の代わりにしよう、って話でまとまったのもあるけど、魚沼にとっても悪い話じゃないだろ?
だからちょっとお願いできないかな、皆。あ、もちろんほどほどに、命大事にな?
866:名無しのロボ部
OK! やってやるぜ! ……ところでジャックニキの専用機ってどんなん?
いやまあ、イカルガに比べればどんな機体もイージーモードだろうけど
867:名無しのロボ部
この流れで『ジャック』ってことは『ゴースト』のジャック・フライデイ*19似なん?
確かにデスフィズ*20はロマンあっていい機体だよな
868:ジャック
お察しの通り、俺は『ジャック・フライデイ』似さ。デスフィズはデモニカで既に作ってもらってんだ。だから機体は、出来れば木星系、コルニグス*21あたりをお願いできねえかなと
あの外連味溢れる変形機構がたまんなく好きでさ……!
869:名無しのロボ部
おお、やっぱそうなのか。ともあれコルニグスもいい機体だよな! すぐにとは行かないが任されたぜ!
870:名無しのロボ部
一応あれも木星系クロスボーン・ガンダムの流れの1つだからな。開発系統としてはクァバーゼ*22の系統なんだっけ?
ともあれミノフスキードライブか。力業で解決してもいいが……どうせなら極力原作に寄って作りたいよな
871:名無しのロボ部
一応理論としては『ユニット内に発生させたミノフスキー粒子の力場を任意方向に反発させることで推進力を得る』というシステムなんだよな
あとはミノフスキー・エフェクトによる慣性緩和機能か。まあこれはV2ガンダムクラスの完成度じゃないと作用しないみたいだけどな
872:名無しのロボ部
簡単に言うと『電力を推進力に変換する』システムか。この場合の電力はMAGでいいとして……それをどう推進力に変換するか? だ
ミソなのはミノドラ搭載機の代名詞でもある『光の翼』は余剰エネルギーの放出*23に過ぎない現象だから起きない方がいいんだよな本来は
まあ、俺らに取っちゃ起きた方がかっこいいし攻撃手段にもなるからいるんだが
873:名無しのロボ部
あれがないとミノドラって感じしないもんな。実利よりロマンよ
というか一番完成度高いV2のミノドラですら未完成なんだよなミノドラ
F90Wパックから発展してマザー・バンガード*24、そこからF99、そこで一度途切れてV2とファントムに分かれて、最終的に一番発展したグランパスですら光の翼は消えてねえしな
874:名無しのロボ部
んで、本題に戻るが。ちょっと前々から色々理論は考えてはいたんだよな……
まあざっくり言ってしまえば『ユニット内の力場を周囲の空間に反発させて進む』システムだろ、あれ。
その力場をどうするかと考えてたんだが……ほら、幼女ネキの発案した『簡易領域』を使えないかな?と思ってな
875:名無しのロボ部
そういえばエグゼイド系デモニカを現実世界で運用するために開発したらしいよなあれ
あれが『電脳異界でしか使えないなら周囲数センチに電脳異界展開したらええやん』という力業思考で生み出されたとは思うまいよ
876:ジャック
噂程度に色々聞いてはいたけどほんとボスってハチャメチャな子なんだな……
877:名無しのロボ部
まあジャックニキはまだ被害少ない方だと思うよ、宮城のロボ部は週刊連載感覚でデスマーチ持ち込まれて常に悲鳴上げてるしね
でも宮城支部で幼女ネキに近しいって時点でまあ火の粉飛んでくるだろうから覚悟はしておくといいよ
878:名無しのロボ部
続けるぞー。まあ、理論としては似たような感じだな。ユニット内に作った『簡易領域』に周囲の空間と反発する性質を付加、その力を推進力にする、という
あとは効果範囲を視覚的に見せるためにビームみたいなエフェクトを追加するか、かね?
よく考えたら起動してるということを視覚的に理解させるのは必要だよな、うっかり近づいて吹っ飛ばされたりとかするかもしれんし
879:名無しのロボ部
なるほど、確かにそれはいいかもな
ファントムのファントム・ライトも、全身につけた部位から放出される力場で相手の攻撃を歪曲したり出来るから原作に近くできるかもしれん
880:名無しのロボ部
悪くないんじゃないか? 簡易領域の基礎理論そのものはデモニカサイズで出来てるし、上手いことやればデモニカとかの推進にも利用できるかもな
原作にはないけど、コルニグスにも搭載したら機動力の強化も出来るし
881:ジャック
助かるぜ……何から何まで世話になりっぱなしですまねえな
俺は一旦落ちるけど、無理だけはしないでくれよ
882:幼女
ジャックニキの保護した元メシアンの子供を長岡のシスター桜子に会わせに行くんだったか? 気を付けてな
私も魚沼近辺のパトロールしに行くから落ちるぞ! 頑張ってくれよ!
883:名無しのロボ部
いやー、中々楽しいことになってきたな!
884:名無しのロボ部
そうだな。俺自身クロスボーン・ガンダムは無印しか知らんのでジャックニキの記憶から引き出された続編も是非見たい
彼に報いるためにもやってやるぜ!
885:名無しのロボ部
派手な仕事になりそうだよな! 取り合えず図面引くか……ミノドラ周りは>>874に任せていいか?
886:>>874
ああ。とりあえず試作してテストかな……俺のデモニカにつけてやってみるわ
887:田舎ニキ
じゃあ俺も……というか幼女ネキがパトロールという名のお散歩に行くのでそれとなく黒騎士部隊とかを動かして問題をできるだけ先回りして潰しておかないと
888:名無しのロボ部
ああ……そうだよな。頑張ってくれよ幼女ネキ担当。本当に何かあると魚沼丸ごとは吹っ飛ばんだろうが割とシャレならない被害出るしな
889:名無しのロボ部
一応魚沼というか新潟所属の黒札には情報回しておくわ
890:田舎ニキ
悪い子じゃないんだけどね……当人に抑える意思があっても厄介事が飛び込んでこないとも限らないからさ……
891:名無しのロボ部
お労しや田舎ニキ上……
まあひとえに田舎ニキが真っ当な人間性を持った上で幼女ネキと仲良くて近所に住んでるからだが
892:名無しのロボ部
一応田舎ニキには敬意を表してるしそんな酷い事にはならないとは思うんだが、そこは幼女ネキだからなぁ
893:名無しのロボ部
ほんとあの子台風みたいなんだもんな。田舎ニキの言う通り決して悪い子じゃないんだが
894:名無しのロボ部
まあ悪い子ではないんだがガイア連合有数の暴れん坊だからな……辛うじて悪いと思えば向こうから頭下げてくれる程度の善性はあるから
逆に言うと折れた方が丸く済む状況でも非が無ければよっぽどじゃない限り折れないんだけどな……
895:名無しのロボ部
良くも悪くもやることが多方面に波及しやすいんだよな……ま、俺らに取っちゃ大口のスポンサーだ、仲良くはしたいよな
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「邪魔するぞ」
少し後、リンは魚沼支部管轄内にある駄菓子喫茶『カラフル』を訪れていた。
この店は黒札の経営する駄菓子屋兼喫茶店であり、色々な人間が訪れる関係上様々な事情にも通じている。
時間帯なのかテーブル席は無人であり、リンはテーブル席に座るとメニューを見もせずに手を上げて声をかけた。
「ババアネキ、とりあえずカラフルパフェ10個。うち7つはテイクアウトで頼む」
「うちはテイクアウトはやってないんだけどねぇ」
そうぼやきながらも出てくるのは老婆、というにはあまりにも筋骨隆々な肉体を持つ、2m50cmはある巨体。
漫画『北斗の拳』に出てきそうな外見であるが、これでもれっきとした女性である。彼女はババアネキ。*25この『カラフル』の店主であり黒札。
ちょくちょく魚沼を訪れるリンとも知己であり、来るたびにここにいない面子用にカラフルパフェを無理やりテイクアウトしていくリンにため息をつきつつも厨房にオーダーを伝える。
「仕方なかろう、セツナは今日留守番だし、イズナ達はアズサが積極的に魚沼に来たがらんのだ。イズナ達もカラフルパフェは大好物でな、買って帰るとすごく喜ぶのだ。あ、これに入れてくれると助かる」
そう言ってリンが取り出したのはクーラーボックスのようなもの。開けてみれば中は空間拡張されているのか非常に広くなっており、手を突っ込んでみれば何らかの術式がかかっているのが感じ取れる。
「探求ネキのアイテムボックスの派生品でな。『トリコ』の『グルメケース』を再現・応用したものだそうだ。この中に入れれば大抵のものは最適な保存状況で保たれるし、時間が極限まで0に近づけてあるから鮮度もばっちりだ。
このあいだ探求ネキのとこの生態調査する時にテストしてくれと借りたんだが、便利なんで買い取って来た」
「あの子も大概いろんなもの作ってるねえ……ともあれ、了解したよ。飲み物はいるかい?」
「水晶コーラ*26あるか?」
「駄菓子屋に何求めてんだい。サイコソーダ*27で我慢しな」
「じゃあ3本。もうじきもう2人来るからな」
等というやり取りをしていると、カラフルの前に車が止まり、そこから2m近い長身の女性が出て来た。凰音だ。それからさらに少しして路肩に車を止めた不知火が現れ、その脇に控える。
「リンちゃん、待った?」
「多少はな。ま、さっきの今だ、待った内にも入らん」
リンが一度避けた後に凰音が座り、そこに改めてリンが座り直した後、飲み物と共に出て来たパフェに舌鼓を打つリンと凰音、そして不知火。
その様子をババアネキは穏やかに見守っていたが、ふと口を開いた。
「幼女ネキの連れの……バハネキって言ったかい? かなり最近入ったと聞いてるけど、ガイア連合には慣れたかい?」
「まあ、一応……驚く事ばっかりですけど、皆優しくしてくれますから」
「大丈夫だぞ、私の嫁だしな……あいたっ」
凰音の膝の上でリンがえっへんと胸を張るが、直後ババアネキがデコピンで一撃。
額をさすりながらババアネキを睨むリンであったが、ババアネキが二発目の態勢に移ると慌てて凰音に抱き着く。
「あんたの大丈夫は普通のやつの大丈夫じゃないんだよお馬鹿。少しは振り回される方の事を考えてやりな。
……まあ、幼女ネキに振り回されてりゃ大抵の事には『まあそういうもんか』で流せるようになるから、暫くは辛抱さね」
「あはは……」
思い当たる節があるのか苦笑する凰音、そこへ来訪する少女の一団があった。
白い揃いのジャケットを纏い、黒い長髪の少女を戦闘とした人組の少女たち。魚沼の対ペルソナ案件要員、アリウススクワッドだ。
リンの保護しているイズナの親友、アズサとは姉妹同然に育った仲であり、当然リンとも知己であった。
「サオリか。他の3人も元気そうだな」
「幼女ネキ……いや、リンでいいんだったな。そちらの女性は……ああ、彼女が例の。バハネキ……だったか、アズサから話は聞いている」
「私も貴方達の事はアズサちゃんから聞いてるよ、ネキ呼びはくすぐったいし、名前の凰音でいいよ、サオリちゃん、だったよね?」
「了解した、凰音。改めて名乗ろう、魚沼支部所属『アリウススクワッド』、錠前サオリだ。こっちの3人がそれぞれ秤アツコ、戒野ミサキ、槌永ヒヨリ。
全員、私の大切な家族であり、戦友だ。アズサも含めて、な」
その後は、お互いの近況を語り合い、アズサやイズナ、宮城に来た時のコハルの話などに花が咲いた。
そうして話がひと段落した時、リンははたと何かに気付いたように顔を上げてサオリの方を見遣り、口を開く。
「そう言えば、今日、何か行く先々で田舎ニキの部下というか静の部下のあの黒い奴ら*28見るんだが、なんかあったのか? 手伝うか?」
「あー……それはだな、特に何もはないぞ。彼らもリン同様にパトロールをしているのだろう。彼らはそう言うのこそ本業だからな」
「そういうものか。まあ私があまり精力的に動き過ぎても彼らのおまんまの食い上げという奴かもしれんな」
まさか『お前にあんまり積極的に動き回られて勢い余られると困る』と正直に話すわけにも行かず、サオリは帽子を目深にかぶり直して視線を隠し、他3人は仮面を被ったり視線を外したりなどしていた。
実の所サオリ達はリンと交流があるのもあり、『それとなく接触してリンの意識を
黒騎士達がリンの行く先々で出くわすのも、異変の種を先んじて潰したり異変になりそうなものを事前に処理するなどしているからである。
田舎ニキがリンを嫌っているという訳ではないのだが、一応手加減する意志があるとはいえリンがちょっと暴れれば周辺は容易く廃墟になる。
リンが軽くパンチ1発を悪魔にかましたつもりでも、その手加減した1発で一般家屋など軽々と廃墟へと模様替えが完了するだろう。
それにより、田舎ニキの意思と静の意志が完全に一致。サオリ達による足止めを行いながら黒騎士部隊で異変を潰して回っているのだ。
なお、田舎ニキの胃袋には負荷がかかったが、この日から暫く魚沼や長岡を中心とした新潟県の治安は非常に良くなったのだという。痛し痒し。
その後、田舎ニキと静と黒騎士部隊の胃壁をすり減らしながらもアリウススクワッドはリン達と魚沼を巡り、どうにか大きな問題を起こさず(問題が起こらなかったとは言わない)に
「そういえばリンちゃん、配信で色々作ってるみたいだけど、何か面白そうなのとかあるの?」
「あるぞ!」
即答であった。アツコの問いに即答したリンは不知火に目配せをした。不知火は額に手を当ててどこかに念話を飛ばすと、少しして不知火の愛車であるローバーミニがやって来る。
だが、法定速度で走ってくるその車には動くうえで最も大事なものが欠けていた。その運転席に人は乗っておらず、無人で走行しているのだ。
「凰音さんの車……? でも、人が乗ってない……」
「ふふふ、見ていろ! 許可する! やれ!」
『了解! システムチェーンジ!』
突如として
『初めまして、お嬢さん達。私はポルコート*29。GSライド搭載型シキガミロボット、通称『勇者ロボ』の第2号です』
「……サッちゃん、何処から突っ込んだ方がいいのかな」
「……ひとまず、突如として車がロボットになった事だろうか……」
普段泰然としているアツコも、目の前の状況に思わる傍らのサオリを見る。なお当のサオリもやや遠い目をして現実逃避しそうになっていた。正しい反応である。
リンは変形したポルコートの周りを走り回り、上り、その雄姿にむふー、と満足げに息を吐いていた。
「こいつはポルコート。GSライドという動力炉を採用した変形型シキガミロボットだな。凰音の自家用車兼護衛の1つとして作ったものだ。
自律行動可能なので離れていても呼べば来る。何より自動車をモチーフにしたやつなので日常風景に違和感なく溶け込める凄い奴だぞ!
光学迷彩や幻惑系術式を応用した隠密能力、狼王を参考に作った高精度のセンサー類などだな! まあその分武装はアームパンチとルーフキャリアに乗っけたトランク型多機能武器しかない*30のだがな」
『私はあくまで移動の足を重視して製作されましたからね。何より、私が活躍しすぎては不知火先輩に申し訳ないというものです』
「当然です。あるじ様の専用シキガミとして、そこだけは譲りませんよ、ポルコート。ああ、周囲の目はご心配なく。変形する直前から人払いと偽装の術式を走らせております」
「な、なるほど……?」
「リン様は割と躊躇なくその場で『変形しろ』とお命じになる所でしたのでね……人目がないからいいってもんじゃないんです!」
「苦労してるんだね……」
その時、アツコは不知火に心底同情したのだという。なおリン当人は満足げに『次は何見せてやろうかな』とCOMPを弄っていた。
そうしてリンが次に取り出したのはフルフェイスのヘルメットのようなもの。顔の部分にはデフォルメされた目のような装飾、そして金色の立派な角。
当然、リンが『面白そうなもの』として取り出したのだからただの変なヘルメットではない。
「おいポンコツ、出番だぞ」
『リン、状況説明と指示は明確に頼む』
「うわしゃべった……まあ、今更か。宮城に行くと手足の生えたナマズ*31が喋るもんね……何だったら犬猫も場合によっては喋る*32し……」
「宮城だけ異様に覚醒動物が多いんですよね……組織化されてるし……*33」
突如喋り出した『ヘルメット』にこちらもまた遠い目をするミサキとヒヨリ。
リンは2人の反応を見て掴みはばっちりとばかりににやりと笑うと、この『ポンコツ』の解説を始めた。
『ポンコツ』*34。正式名称を『パワータイプ汎用型Aタイプ』。ヘルメット内に内蔵されたCOMPとシキガミコア制御により装着者のサポートをする展開型デモニカである。
カジオーネキの専用デモニカ『二世村正』のデータを応用し【グライ】を多方面に応用することを重視しており、飛行能力・防壁・武装と多様に用いる事が出来る。
そして―――
「最も重要なのは、本体を被せる素体さえ用意してしまえばデモニカ単体で動くことができる、ということだな!*35
コア抜きシキガミ素体を使う事を前提としているが、極論ただのマネキンや1/1デッサン人形にでも被せれば動く」
『リンは我々を主に宇宙空間での船外活動用として用いるつもりらしいが*36……あれだけ広大な格納庫を持っていてまだ足りないのか?』
「待て、その話を聞いているとまるで宇宙に何か作るつもりのように聞くが? 流石にリンとはいえそれは難しいのでは……?」
「だったら、良かったんだけどね……」
その、何かを諦めたような顔の凰音を見た瞬間。サオリは察した。『あ、この幼女マジでなんかやる気だ』と。
「おお、その話だな! うむ、友人の無惨ニキが宇宙に支部*37を作ったと聞いてな! 楽しそうなので私もやりたいと思っているのだ!
えーと、どこやったかな……ああこれだ! ほら! こういうやつ!」
そう言ってリンが見せて来たスケッチブックに描かれているのは、金色の宇宙ステーションのようなもの、そしてもう1つがいかにも悪の要塞のような何か。
もうこの時点で嫌な予感がビンビンしてきたのでサオリ達は逃げたかったが、リンを放置するわけにもいかずとりあえず話だけは聞くことにする。
「こっちの金色のが『オービットベース』*38。一部が分離して艦艇になるやつでな! 他の皆もこっちを推しているのだ」
「もう1つの方はなんと言うんだ? こう、見るからに魔王の居城のような形だが……」
「こっちは暗黒要塞ジャマハルダ*39だ」
「あんこくようさいじゃまはるだ」
「うむ! まあこっちにも艦艇の運用設備は増設するつもりなのだが……どっちがいいかと聞いたら皆オービットベースの方が良いというのでな。
確かにオービットベースはかっこいいからな……ジャマハルダも悪くはないと思うのだが、確かにややデザインが厳ついかもしれんな」
ニコニコ顔であれこれ解説を始めるリンと適宜ツッコミを入れるポンコツ、楽しみだと同意するポルコートを尻目に、一同は何とも言い難い笑顔でその話を聞いていた。
その後リンは満足して宮城へと帰って行ったが、サオリ達はその時の話を黙殺するわけにもいかず、田舎ニキへと報告。田舎ニキもなんとも言えない曖昧な笑みを浮かべていたのだという。
なお、後日田舎ニキづてに聞いた所によると、他の者達が『オービットベース』を推していた理由、それは―――
『どうせ作ることは諦めないだろうしあんな魔王の居城みたいなもん浮かべられるよりはまだオービットベースの方がマシ』
という、身も蓋もない答えだったのだという。
どっとはらい。
そんなわけで125話でした。このようじょ毎回報酬をあんまり受け取ってもらえてないな?
□解説
・ようじょ
宇宙開発計画、ですらない『なんか面白そうだし勇者ロボ作るならオービットベース作ろうぜ!』とかやり始めた奴。
流石に暗黒要塞ジャマハルダは絵面が悪の秘密結社のそれなので周りが全力で止めた。
基本的に友人に対しては善意で行動するけどその発露の仕方がようじょ流なので割と頻繁に周りの胃が痛む。がんばれジャックニキ。
・ジャックニキ
世にも珍しい巻き藁卒業組。基本的にオラオラ系のあんちゃんだけど、なんだかんだでメシアン被害者を拾い改心した。
2026年初頭あたりまでの記憶はあるが、しょせん一般人なので読んでた漫画、やってたゲームぐらいの知識ぐらいしか役に立つものが無い上割とガンダム方面に偏っている。
巻き藁卒業したあたりでそのことが判明し、ピンポイントでようじょのヘキのシリーズだったため専用機を手に入れる事となる。
シキガミはアズレンのポートランド。
なお、保護した子供は『GQuuuuuuX』のドゥー・ムラサメ似。多分ニナちゃんズと似たような出自。
・ミノフスキードライブ
現在開発中。基礎となる術式構成そのものは出来ているが、それを推進機に内蔵可能・制御可能な所にまで落とし込む段階。あと光の翼どうしようね? という問題もある。
なおようじょは理論を聞きかじった上で生身で再現していた。
・ポルコート
不知火の愛車。元々は『あるじ様を送り迎えする車が欲しいのですが』と不知火がリンに相談し、あれよあれよという間にポルコートが完成し渡された。
仕様としては覇界王ぐらいのやつ。
なお、ガンマシンも完成しており『ビッグポルコート』にも合体可能だがポルコートしか知らない。(リンがすでに伝えているだろうと思っている)
ボルフォッグではなかったのは『フェラーリのパトカーとかドバイじゃねーんだぞ』という身も蓋もないようじょの意見による。
・ポンコツ
破壊魔貞光のアレ。一応ポンコツ(Aタイプ)、ネコミミ(Bタイプ)、A.J(Cタイプ)の三種が存在する。
ようじょのものは個体名『ポンコツ』。仕様としては終盤の新調される前のポンコツ。(ポン刀装備)
一般販売仕様の者だと序盤の電池切れになる前のポンコツ。
後々夢澤とか殺嶋、聖華天メンバーの装備になる。