一応黒死ネキへの報酬編。
雑談スレ(山梨) その××
798:名無しの転生者
おい、今演習用異界で幼女ネキと黒死ネキがガチンコしてるから近づかん方がいいぞ、巻き込まれて死ぬから
799:名無しの転生者
え、マジで? というか何でガチンコしてんだあいつら、割と仲いいよな?
800:美大生
こないだ京都でBBQ……じゃなかった、メシアンとドンパチやるのに招集した報酬代わりって言ってたよ
黒死ネキってガチの殺し合い大好きだからマッカよりはこっちの方がいいって
あ、これ今の動画ね
[画像]
(血と呪いと雷と炎が入り乱れる戦場の画像)
801:名無しの転生者
なんだこれ地獄かね?
802:名無しの転生者
うわあ、幼女ネキが青いアーマー*1装着してるって事はこれガチ本気オーバーソウルでぶっ殺しにかかってんじゃん……
黒死ネキもこれにはニッコニコでご満悦のご様子。インドラ様VSわえちゃん*2かなんかなのこれ
803:美大生
いやー幼女ネキも強くなったよね。そろそろ私も一本取られそうだなあ、デモニホ使えば楽に勝てるけどあれ使うの基本罰ゲームみたいなもんだし*3
あ、そうだ。幼女ネキからこっちのスレの皆に伝言があるんだった。ちょっとこの動画見てね
[動画]
(いつもの配信部屋で凰音の膝の上に座っているリンとセツナ)
幼女『ようお前ら、お前らがこれを見ているという事私は今頃黒死ネキと殺し合いをしている頃だと思うが』
バハ『本当その辺大概だよねリンちゃん』
セツナ『黒死ネキさんとは違うぞって言ってるけど大体は同じだと思う……』*4
804:名無しの転生者
幼女ネキより後ろの有木さんのお胸に視線が言って幼女ネキの話が入ってこない……
有木さんの片膝に1人づつ乗ってんのに後ろの有木さんがまったく隠れてないんだよね*5
2人が細いってのもあるんだけど
805:名無しの転生者
というか美大生ネキはまだようじょに一本取られてねえのか。どんだけ強いんだ……
806:美大生
まあ私の方が先輩だしそんなすぐ追いつかれてもね*6
[動画]
幼女『まあそれはそれとしてだ。無惨ニキのラピュタ支部を知っている奴もいると思うが、この度私も宇宙に拠点を作ろうと思う!
その名もオービットベース*7支部! ガオファイガーやマイク、ポルコートがあるのだからな! 作るよな! オービットベース!
今回はその支部メンバー募集のお知らせだ! 来たれ暇人! 支部としてはシキガミで回すから別に支部運営には携わらなくてもいいぞ!
まあ仕事がないと人間って堕落するからメカの整備とか色々やってもらう事にはなるだろうが。家賃代わりに』
バハ『じゃあ別に人を呼ぶ必要ないんじゃ……?』
幼女『せっかく作るもん自慢したいし*8……あと黒札が所属してると予算とか出るらしいし。まあ金なんぞ唸るほどあるから予算なんぞ要らんのだがな。
あ、働いてくれれば給料出すぞ。中に自活・実験用の農耕異界ゾーンとかも作るつもりだからな。あと実は既に1名希望者がいる』
セツナ『いるんだ……』
807:名無しの転生者
いるんだ移住希望者!?
808:名無しの転生者
物好きな……いやまあ、無惨ニキんとこは既にけっこういるし、*9初期メンバーとして入ればなんだかんだ融通利きそうね
……誰が行くんだろうな
809:筋仮面
小生だが
810:名無しの転生者
誰よ?
811:名無しの転生者
筋仮面……そうか、あいつか……
812:筋仮面
おや、小生をご存じの方がいるようだな
名乗っておきましょう、小生、筋仮面ニキと呼ばれている。エルデンリングの『輝ける金仮面』*10コスを好んでしておる
小生としては完璧なコスである*11と自負しているのだが……いつの間にか『金』仮面ではなく『筋』仮面と呼ばれるようになってしまった。分からぬものだ
813:名無しの転生者
あー、あいつか! 思い出した! そりゃお前、装備も体の色も完璧だけど肉体が筋骨隆々の偉丈夫だもん。そんな奴が金仮面コスしてたら筋仮面なんて呼ばれるよ*12
814:美大生
筋仮面ニキは幼女ネキと運命的な出会いを果たして以降マブダチになっててねえ。それもあって今回真っ先に声をかけて快諾してくれたみたいだよ
あ、これ出くわした時の2人と私ね
[画像]
(エルデンリングの『黄金律全姿』*13のジェスチャーをする筋仮面ニキとブラッドボーンの『交信』*14のジェスチャーをする幼女ネキとるるネキ)
815:名無しの転生者
ほんとあの子変な奴らばっかり引き込むね……
816:美大生
あれは本当に運命としか言いようがない出会いだったね!
ちなみに筋仮面ニキは肉体を鍛える事が大好きで農家だった人だから農作物の研究とかもしたくてオービットベース支部に移住したいみたいだよ
[動画]
幼女『ま、そんなわけだ! 来たいと思った奴はじゃんじゃん来てくれ! まだ入るべきハコはないが! ではな!』
817:名無しの転生者
あ、動画終わった。俺山梨のホビー部だけど移住しようかな、幼女ネキにはスポンサーになってもらってるし
818:筋仮面
歓迎するぞ! 小生、本霊が魔神インティであるので、専攻しているのは農業関係だが医療関係にも心得がある。何か体の不調があれば言ってくれ
あとは手慰み程度だがシキガミ技術もあるのでな。幼女ネキ製の簡易シキガミの原型構築なども手掛けているよ、その辺りでも知恵を貸せるかもしれん
宇宙という環境で色々農作物を改良したいのと、宇宙においてこの肉体でどこまでやれるか、宇宙という環境に負けぬ肉体を作り上げるという野望もある
ふふふ、今から腕と筋肉が鳴るな!
819:名無しの転生者
うわぁすっげえ小器用……まあ、もうちょっと様子見してから考えようかね
820:名無しの転生者
ちなみに今ようじょは何してんの? まだ殺し合いしてる?
821:美大生
まだ全然殺し合ってるよ。全然死なない黒死ネキとクソ火力幼女ネキ、幼女ネキも全力でブン回せてご機嫌だね!
[配信中]
(もう画面が炎と雷と呪いと血が入り乱れて画面がよく分からなくなってきているがまだまだ元気な2人)
幼女『カス子ネキといい黒死ネキといい脳缶ニキといい殺してるんだから素直に死ねんのかお前らは! 私でさえ殺せば死ぬぞ!』
黒死『それが高レベルの戦いという者だろう! あとリアルサイコジェニー*15出来る脳缶ニキ*16と一緒にしないでほしい。私もやろうと思えばできなくはなさそうだが』
幼女『それはそう。私も首が取れる位なら死なんがそこで頭に手足を生やそうという発想は出てこん』
822:名無しの転生者
うーん常識の埒外の会話
そして会話しつつ神話の戦いレベルの激戦してんすよねこいつら
823:名無しの転生者
これでトップクラスではあれど最上位勢ではないのが怖いんだよな。黒死ネキは分からんが、幼女ネキはあれでまだ100に届いてないんだろ?
824:筋仮面
確か90台後半に差し掛かったと言ってたか?
小生もレベル上げは欠かしておらぬのだが、それでも70そこそこである
やりたいことをやっているとレベルが上がらず、レベルを上げているとやりたいことが出来ぬ、痛し痒しというものだな
825:名無しの転生者
ちょっとその辺はよくわかんないですね……
70はそこそこって言葉付けて良い数値じゃないのよ
826:美大生
そうかな? 結構好きなことしてると気が付いたら上がってるもんだと思うよ?
827:名無しの転生者
美大生ネキとかデビルマン軍団は趣味(悪魔の捕食)と実益(悪魔の殺戮)が悪魔合体してんじゃん
そりゃ好きなことしてたらレベルも上がってるわ
……それ考えると幼女ネキってなんであんな強くなってんだろうな……
828:名無しの転生者
あの子はなんか厄介事の方から飛び込んでくるらしいからなあ……
山梨の異界に潜らなくてもレベル70クラスにまでなら上げようと思えばあげられる大異界が近所にあるというのもあろうが
実際こっちの異界潜るのってだいたい深層・下層素材掘る時ぐらいらしいし? 一応健康診断で定期的に戻っては来てるが
829:名無しの転生者
次いでとばかりに巻き藁をサンドバッグにしていくけどな
なんか最近は巻き藁自体がなくなったんだっけ? かなりアホな事やらかして自業自得の粛清を受けたとか*17
830:名無しの転生者
幼女ネキに敵わんから幼女ネキの友達に手を出そうとして処されたらしいぞ
それ以前に卒業者1名、今回の馬鹿を止めようとして医務室送りになった巻き藁が1名、なんかしれっと紛れ込んでた野生の巻き藁が1名
……野生の巻き藁ってなんだよ? たまに混じってた幼女ネキの知り合いの志願兵とかじゃなく?????*18
831:美大生
巻き藁ニキは本当になんか初回からしれっと混じってた謎多き男みたいだよ
幼女ネキ自身も一応気づいてはいたけど『まあええか説明聞いた上で混じってるんなら志願兵やろ』ぐらいで巻き藁にしてたとか
今じゃ幼女ネキの専属巻き藁になったとかなってないとか? というか巻き藁自体不定期だから厳しい方の覚醒修行のリピーターという方が正しいかもだけど
832:筋仮面
苦行を好むというかシンプルにドMらしいな。小生にも分からぬ領域である
833:名無しの転生者
えぇ……
そういえば巻き藁たちって一応黒札なんだろ? ショタおじは止めなかったのか? ショタおじって黒札には甘いじゃん、TS魔人ニキネキとか
834:美大生
止めたらしいよ? 何度も。でもまあ、幼女ネキ的に話し合いで解決するラインは初手で越えてたらしいからねえ
幼女ネキとしては『ラプンツェルはメシアン無関係、日向は元メシアンだがタマ同様禊は済ませた、アズサはそもそも被害者、ラプンツェルもショタおじのいうとおりにシキガミ体に入れてあるのだから他所からどうこう言われる筋合いはない』だとか
ショタおじにだって『止めたいのなら術で縛れ。私は止まる気はない』とは言ってるんだから幼女ネキだけが悪い話でもないよね
感情的に止まれない、止まりたくないのは認識したうえで『それでも止めたいなら実力行使してくれ』って言ってるんだから譲歩はしてるんだよ*19
835:名無しの転生者
うーん、ノーコメントかなぁ
制止を振り切って執拗に報復を続けた幼女ネキにも問題はあるけど、かといって巻き藁側に問題がないとは口が裂けても言えんし
836:名無しの転生者
トラウマや悲惨な経験があるからって他人の地雷踏んでいい理由にはならんよね、知らなかったとしても
この業界どんな報復されるか分かったもんじゃねえんだから。あ、幼女ネキにも巻き藁共にも向けた言葉な、これ
まああのようじょ大概の報復は物理的に抹消するし何よりあの辺に手出すと今回の巻き藁共とかいつぞやの多神連合みたいになるけど
837:美大生
幼女ネキ流で言うなら筋は通さないとね
どういう言い方したのかは知らないけど、幼女ネキが怒って巻き藁にするぐらい執拗に報復するなんてよっぽどだよ? 大体1発殴るか1回ぶっ殺してはいこれで手打ちな、次はないぞ、なのに
第一天使も神様も、美味しいのはどっちも変わりないんだから自分にとって敵か味方かぐらいは認識しないと駄目だよね
838:名無しの転生者
おっと空気変わってきたな?
839:名無しの転生者
すいません、味に言及する必要ありました?
840:美大生
ナマの命をいただいてる! って感じがたまんないから皆にもおすすめだよ!*20
デビルマン軍団*21以外にはあんまり理解はされないけど……
841:名無しの転生者
そ れ は そ う*22
842:筋仮面
美大生ネキは本霊がちょっとアレという話は前に聞いたことがあるが……
まあ被害が敵にしか出てないのなら問題はないだろう
ともあれ、オービットベース支部への所属、前向きに考えてくれとの事だ! 来たれ若人!
843:名無しの転生者
現状移籍内定してんのがこいつなんだよな……でも多分環境は最高だよな
少なくともスポンサーとしては極太でロマンに理解のある幼女ネキの作る支部だし
844:名無しの転生者
難しい所だが……まあ、悪くはなさそう、か?
845:名無しの転生者
でも十中八九ようじょに無茶振りされるから気を付けろよ?
ソースはロボ部
846:名無しの転生者
ああ、うん……
847:名無しの転生者
要するにようじょのお膝元だもんネ……
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少し後。報酬代わりの
その傍らにはセツナを伴っていたが、先程からリンと黒死ネキの間で飛び交う
「あー、全力出せるのは楽しいんだが黒死ネキとの殴り合いはフロムのボス戦みたいなもんだな」
「ほう、その心は?」
「疲れるから暫くは良いかなって」
「ぬかしおる」
そんな益体もない事を語っていると、廊下の先に人影が見える。クラシックなナース服を纏い、意志の強そうな女性だ。
リンの顔が歪み、黒死ネキが苦笑し、その2人の様子を見てセツナが首を傾げる。
そして不意にリンがセツナを抱きかかえると踵を返すが……一手遅かった。
「総員撤しゅ救護!」
廊下に深々とした足跡を刻み、残像すら残さない速さと勢いで急接近したその女性の拳骨を脳天に受け、リンはその衝撃でセツナを取り落としかけるがどうにか持ちこたえる。
しかし、それもあり彼女に確保され、小脇に抱えられてどこかへと連れ去られるのであった。
「医療従事者がケガ人を増やしてどうするこの救護モンスターが! そんなだから顔と体以外褒める所のない女とか言われるんだぞ救護ネキ!」
「何と言われようとどんな手段をもってしても救護すべき対象を救護してこその医療従事者です! 第一そんなことを誰が言ってるんですか!」
「私だ!」
「
医務室。問答無用でリンの脳天に叩き込まれる拳骨と、それを物理無効で耐えるリン。
突如としてリンを連れ去ったこの女性は救護ネキ。*23医療班の黒札であり、医療行為に並々ならぬ熱意を持ち、治療せねばならないと思った相手に対して問答無用で医療行為を施す現代のフローレンス・ナイチンゲールである。
リンとも因縁浅からぬ中であり、ちょいちょい定期検診をすっぽかしたり戦いともなれば肉体に負担をかけることも勘定に入れるリンの事は善意でこそあるがやはり問答無用で連れ去っては治療を施している。*24
今回は黒死ネキと全力の殺し合いを繰り広げたと聞き、ならばなおのこと検診をせねばと探していた所リンが逃走を図ったため鎮圧した、というのが先程の経緯である。
なお、リンからは『問答無用な救護モンスターでなければ最高の女なんだがなあ』と思われて苦手意識を持たれているが、後に産まれる娘『美音』*25が彼女にことのほか懐いて師と仰ぎ、それを知ったリンが珍しく苦虫を噛み潰したような顔をしたのだという。
「しかし救護ネキよ、その救護モンスターだけどうにかならんか? 性癖の押しつけは良くないぞ。そこまで血道をあげているのは救護ネキぐらいなもんだろうに」
「私に言わせれば皆さんが救護に無関心すぎるんです。それにこれは使命感であって性癖とは違うのですが……」
「ある程度道理は通っているから私も今大人しく従っているが、ほぼほぼ救護ネキの自己満足なんだから性癖みたいなもんだろ。
他のやつらは本当に必要な時以外無理やり取り押さえたりはせん」
「ああ言えばこう言う……第一、そういう意味ではあなたが巻き藁たちに向けていた暴力も大概では? ショタおじの制止を振り切ってまであそこまでやる必要がありましたか。
……まあ、セツナさんへの行いに関しては私も思う所ありましたが……幼女ネキのその執拗な暴力もまた原因ではあるんですよ?」
直後、救護ネキの背筋にひやりとした感覚が走る。同時に叩き付けられる殺気。源を辿れば、そこにはリンがいた。
先程のぶーたれている顔とは打って変わり、感情という者が抜け落ち、刃のような殺気を救護ネキへと向けている。
「何か、誤解があるようだが。私は連中を問答無用で殴っていたわけではないぞ。連中が家族を侮辱した時、私は謝罪を求めた。
きちんとそれぞれの出自を説明した上でな。それでも奴らは謝らなかった。ならもう謝る気が起こるまで殺すしかあるまい?
やつらが理解できたか、呑み込めたか、そこはどうでもいい。私はきちんと説明をし、最低限の義理は果たした。
第一連中の事情についても徹底的に調べたぞ。追い込むためだが。その上で関係ないと判断し巻き藁にしたまでだ」
「関係がなくはないのでは? 彼らもそう言った事情があるからと幼女ネキを糾弾したのでしょうし」
「知るか。そも、私は連中の事情や家族を侮辱したことは一度もない。あくまで私と奴らの問題だからな。
私は最低限度の配慮はしている。それ以上が欲しかったのなら、連中がこちらの事情を汲むべきだ。
結局、ジャックニキを除いて自らそこにたどり着いたやつは一人もおらなんだがな。検診、問題なかろう? 帰っていいか」
「全くもう……強情な所は最初に会った時から変わりませんね。確かに体に問題はないようです、が。無理は禁物ですよ。あなたがどれほど頑丈だとしても、それがあなたを心配しない理由にはならないのですから」
「レン子ニキと同じようなことを言うなぁ。そう言う所を常に出していけばもう少しモテもしようものだが」
分かった分かった、と片手をひらひらさせながらリンは出口へと向かう。しかし、医務室を出る直前。リンはドアノブに手を掛けながらも救護ネキの方を振り返る。
「……一応礼は言って置くぞ。セツナのために怒ってくれてありがとうな」*26
「礼を言われる様な事をした覚えはありませんよ。私は結局後から知っただけで制裁に参加したわけではありませんし」
「それでもだ。私は理不尽に対し拳を振り上げる事は厭わん。が、あいつはそうもいかんだろう。一応、気にかけてやってくれ。今は安定しているにせよ、何が起こるかは分からんのでな」
リンはそう言うと部屋を出ていく。救護ネキはその背中を視線で追いつつ、これは筋金入りですね、と大きくため息を吐くのであった。
「……で、お前らは何やってんだ」
「おお、幼女ネキ。いや何、セツナ殿を見た途端逃げだした怪しい奴がいたのでな、幼女ネキが戻るまで居合わせた友人達と共に見張っていたのだ」
「その筋肉モリモリのマッチョ集団に周囲囲まれたら私でも引くぞ?」
医務室を出てセツナや黒死ネキ達と合流しようと移動していたリンだったが、たどり着いてみればそこには黒札らしき男性が筋仮面ニキを筆頭とした筋肉の壁で囲まれていた。
儚げな金髪の美少年、憂いを帯びた面差しの赤い長髪の女性、そして太陽を模した黄金の仮面を被った緑色の肌の筋仮面ニキ。
首から上だけを見れば『ELDENRING』の『聖樹のミケラ』『ミケラの刃マレニア』であったが、その首から下は2人共筋仮面ニキ同様の巌の如き筋肉であった。*27
なお、その後ろでセツナはドン引いていたし黒死ネキは爆笑していた。
「そう言うな。彼らとはエルデンリング好きを通じて知り合ったのだ。それぞれミケラニキ、マレニアネキだ。この2人もオービットベース支部に移籍予定だぞ!」
「やあ幼女ネキ、お噂はかねがね。ミケラニキだよ!」「……マレニアネキだ。よろしく頼む」
「お前らはオービットベースをジムかなんかだと勘違いしてらっしゃる?」
「どうでもいいからこいつらを早くどうにかしてくれよ!?」
挨拶しつつ揺るぎない自信と共にダブルバイセップスで筋肉を肥大させるミケラニキ、厳かに、しかし確かにサイドチェストで筋肉を隆起させるマレニアネキ。
『えっ、もしかしてこいつらがオービットベースで毎日筋トレしはじめんの?』とちょっと引くリンであったが、3人の足元で縮こまる青年が叫ぶと全員はっと我に返る。
リンはその男性に覚えがあった。かつてリンに突っかかってラプンツェルやウカノミタマを罵倒し、巻き藁として制裁を受けていた黒札の1人だ。
もっとも、先日セツナに手を出して処刑された者達とは違い、セツナを悪魔に食わせるのは流石にやり過ぎだ、と止めに入り暴行を受けた、処刑には参加させられていなかった1名ではあったが。*28
「……ああ、思い出した。巻き藁か。確かお前は彼女がメシアンに寝取られて殺されたのだったか。まあ、お前の背景に関してはどうでもいいんだが」
「あんだけ散々ボコっておいてかよ!?」
「そうだが?」
小首を傾げるリン。思わず声を荒げようとした青年だったが、周囲を取り囲む筋肉の壁が未だ消えていないことに気付くと口を噤む。
それを見てリンは小さくため息を吐くと、屈みこんで青年と目線を合わせ、改めて口を開く。
「私は
その上でお前たちには私に一言言いたくなるような過去があるのも知っている。だが、別にそこは関係がない。私がお前たちを殴り続けていた事と、お前たちの事情、そこに一切の関係はない」
「どういう、意味だよ……?」
「忘れたか? 私はお前たちを罵倒したことは何度もあるが、お前たちの家族を侮辱したことは一度もない。お前らの家族はお前らの愚行は関係ないからな。
お前たちがサンドバッグにされていたのは、ただただお前たちがアホだっただけだ。お前たちはただ筋違いな怒りをぶつけていただけだ。
お前は確かにメシアン被害者だ。メシアンに怒る理由は私も理解できる。だが、ラプンツェルも、アズサも、お前が憎むべき『メシア教の天使』でも『メシアン』でもない。
ギリギリ日向はメシアン
私の家族に、お前の憎む『メシア教の天使』も『メシアン』も、最初からいやしなかったのだ。それを理解出来た奴はジャックニキぐらいしかおらなんだがな。
ほんの少しでも手間を割けばその辺りの事情も知れたろうに、それを知ろうとしなかったのも、知ったところで理解しようとしなかったのもお前らの怠慢だ。そんなカス共が許してもらえると思うな」
喧嘩を売る相手を間違えたのもお前らのアホなとこだがな、とリンは付け加えると、少し考え込み、ちらりとセツナの方を見てから、口を開く。
「だが、それはそれとしてだ。同時に私はお前に感謝もしている。覚えているだろう? セツナの件だ」
「いやまあ……流石に幼女ネキの友人だからって無関係の子に実際に手を出すのはダメだろ。結局止められなかったけどよ……」
セツナの件。それは、少し前に起こった、巻き藁勢の
彼はその一件の際、セツナが拉致されるのを止めようとした。結果的に阻止は叶わなかったが、その際の抵抗で生まれたわずかな時間、それにより黒死ネキが現場に居合わせる偶然が起こったともいえよう。
その為、リンの判断により彼のみは制裁の処刑を免れ、こうして今リンと向かい合っている。
「止められはしなかったにせよ、時間を稼げたのは事実だろう。そのおかげで黒死ネキが居合わせる事が出来たともいう。それは事実だ。
私はお前の事が嫌いだし、その人間性を一切信用していない。転生者だから、黒札だから手控えるような甘さもない。
だが、お前のおかげでセツナは傷一つなかった。ギリギリではあったが間に合った。そこに関しては礼を言うべきだろう。ありがとう、助かった」
そう言ってリンは手を出すが、青年は手を出そうとはするもののその手を握る事は出来ず、リンはふん、と鼻を鳴らすと手をひっこめた。
「……まあいい、義理を果たそうとしただけだしお前と馴れ合うつもりもない。ともあれ、今後私がお前に関わることはない。だからお前も私に関わるな。
言っておくが、逆恨みなぞしてくれるなよ? お前たちが巻き藁になったのはお前たち自身の無知と自制心のなさが招いた結果だ。
私に早々に言葉で解決する選択肢を放棄させたのはお前らだ。お前たちが謝るまで殴り続ける事を選ばせたのはお前らだ。
そもそも、お前たちが私の家族を罵倒し、侮辱さえしなければ私も手は出さなかった。そこの所、勘違いするなよ。……行くぞ皆、もうこいつと会話をする意味もない」
そう言うとリンは一同を伴いその場を離れ、そのまま一度も振り返ることなく青年の視界の外へと消えていった。
そんなわけで126話でした。ようじょとしては巻き藁に対しては『関わってこなければ関心も向けなかった』というスタンスなので、ようじょとしては『自分に直接関係ない事で関わってきた挙句説得や説明に耳を貸そうとしなかったあっちが悪い』という認識。
その辺の話も盛り込んだら容量増えすぎた(のとシンプルに戦闘書くの苦手)なので黒死ネキへの追加報酬編を次回やります。なので次回もようじょ。
□解説
・ようじょ
黒死ネキとの戦いは全力出せるから楽しいけどそれはそれとして疲れる、と思っているようじょ。
報酬が一番シンプルで済むけど疲れるな、と思っている模様。
巻き藁に対しては本当に「最初に突っかかってきた方が悪い」という認識なので、その上で説得にも耳を貸さなかった以上もうぶっ殺すしかねえだろ、という判断をした。
常々語ってるけど他人を転生者だとか神だとか現地民だとかで判断しないので、一応身内の転生者であれやると決めればやるし、護ると決めれば護る。
ある程度相手の事情は汲むけど、巻き藁に対しては『お前らの事情は理解したがそれで家族を侮辱して良い理由にはならんよな? 謝りもしないしする気になるまで殺すわ』と思っている。
なお覚醒修行に殴り込んだことに関しては「ショタおじに地獄めぐりさせられるよりはかるかに楽に覚醒できるし手加減はしてるが……?」と思っている。こっちにはちょっと悪いことしたかもとは思っているが、このご時世に楽して覚醒したいとかナメてんのか、とは思っている。
・救護ネキ
多分ようじょと仲は良いんだけど、それはそれとして救護モンスターな所は苦手意識持たれてそう。
こち亀の両津と大原部長の関係に近いイメージ。
10割健康診断すっぽかすようじょが悪いんだけど、ようじょ的にはそんな頻繁にやる事でもないだろとかそんな認識。
なお最終的に逃げ切ったとしてもセリリあたりに怒られて首根っこ掴まれて連行される。
・黒死ネキ
幼女ネキと似て非なる修羅。外見も実年齢も近いけどたぶん向いてる方向性が違う。
お礼行脚編で一番報酬に悩んだのは実は黒死ネキです。黒死ネキとの戦闘を楽しく書くの結構難しいぜ……!
・セツナちゃん
今回あんまり台詞なかったけど、ようじょが山梨に行くときは大体一緒に連れ回されているイメージ。健康診断的意味でも、守る的な意味でも。
いずれドクターネキも交えて実年齢小学生ぐらいの子供にんでわちゃらせたい……
・筋肉達磨共
オービットベース支部への移籍が内定しているマッチョ共。全員ガチの戦闘系ではないけど割と強い。
筋仮面ニキは本霊に由来する太陽神・創造神関係の権能が使える。
一応マハラギオンやマハブフーラ・ライトマなどの魔法も使うが、必殺技にしているのは『ホーラの地揺らし』と言い張った『怒轟裂破(冒険王ビィトの技)』。シキガミはFGOのゴッホ(マイナー)。
ミケラニキはちょっといたずらっ子気質のあるジムトレーナー。マレニアネキの実兄で本霊がイシュタル。
ポージングで【ファイナルヌード】したり周囲にバフを掛けたりする。シキガミがブルアカの『久里浜アケミ』。
マレニアネキは穏やかで基本的には優しい女性。隻腕の剣術家。本霊が北欧神話のヘル。
自分の筋骨隆々の肉体に誇りを持っているが、それはそれとして小柄で女性的な肉体にも憧れを持っている。シキガミは「SOUL GADGET RADIANT」の『フリム』。
・元巻き藁
セツナちゃんが連れ去られそうになった時に止めようとしたらしい巻き藁勢。
ようじょからは一応感謝はされているが、ジャックニキの様にきちんと謝罪したわけではないので許されたわけではない。