バイオ7を買うべきか割と真剣に考えています。怖いの苦手なくせに。
ジョーおじさんが本当に面白そうだったから……
【やっと】地方防衛スレ(宮城) その103【後半戦】
489:幼女
カナヤゴ完成! あとカーペンターズを満載したら予定宙域まで移動してヘキサゴンの建造を開始する!
オービットベース開発もようやくスタートラインに立ったな!
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(ラピュタ支部らしき艦船用ドックで建造されている金色の工具箱のような艦。周囲にはマイクシリーズやてらほくんをはじめとしたさまざまなシキガミがいる)
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(金色の工具箱のような艦が変形し、中に様々な形状のロボットが詰まっているのが見える。格納部分にはまだ半分ほどの空きがある模様)
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(シキガミ達に混じって生身で作業している筋仮面ニキ・ミケラニキ、マレニアネキ)
490:名無しの転生者
おお、順調みたいだなぁ。異様に早く出来上がった気もするが、まああんだけ大量に簡易シキガミとか動員すれば行けるか
491:名無しの転生者
ねえなんか宇宙空間なのに平然と作業してる筋肉共については突っ込まなくていいの?
492:名無しの転生者
あっバカ言及すんな。わざと見ないふりしてたのに……
493:幼女
いや本当になんなんだろうなあいつら……まあ実際の所【簡易領域】で体表数センチを生存可能な環境に変えてるから平気らしいんだが
息は素で数時間止めてられるらしいので息止めて作業してるらしいぞ。まあ私も似たようなことはできるがめんどくさいからやらん。やる意味もないし*1
494:名無しの転生者
うーん人外しぐさ
このようじょ人力ミノドラ使えんだよな……*2
495:幼女
使うだけなら割と簡単だぞ? エグい勢いで加速するから下手すると壁の染みになるが
魚沼ロボ部のミノドラ開発担当が『スピードキングニキ』って超絶不名誉*3なHN頂戴するぐらいには扱いは難しい
一応研究データは逐次貰ってるのでこちらでも開発自体はアイリスとキャナルに進めさせているが
宮城ロボ部はマガツイカルガの最終調整に入っているので力を借りれんのだよな
496:オラシオ
資料は見てるし興味深くはあるが今タスク抱え込むと死ぬから絶対手伝わないからな……
それにこの案件終ったら整備以外で幼女ネキの依頼は暫く受けないからな!? マジで!
497:名無しの転生者
まあデスマーチに次ぐデスマーチだもんな……がんばれ
498:名無しの転生者
でも依頼は絶対受けねえ! と言いつつ整備はやってあげるあたり人の良さが出てるよね
499:名無しの転生者
宮城の黒札って基本的に人がいいからなあ
オラシオニキは移籍組だがまあ宮城だと幹部クラスだし
500:幼女
一番精神ひねくれてんの私だからな
次点で天堂姉妹。まああいつらも基本的には善人だけどな。異様にキャラ濃くて胃もたれするってこないだレン子ニキが言ってたが
501:名無しの転生者
あ、自覚はあるんだ
天堂姉妹はなあ……いい子なんだけどな……
502:名無しの転生者
キャラが濃いんだよな……製造系なのにやたら強いしな
……いや、宮城支部の製造系大体強いな? 先生ネキやカジオーネキも製造系なのに戦闘力そのものはトップ層だし
503:海魔
まあ、私達の場合合体して海えっちゃん・空えっちゃん装備した上でようやく幼女ネキに及ぶかどうかってレベルなのでほぼ単体であの戦闘力のお二人には負けますけどね
調子いい時ならOS斑鳩装備の幼女ネキと殴り合い出来るぐらいなんですが、普段は流石にそこまでは無理ですし
504:虚空
お二人の場合身体能力や武器の扱いに関してはほぼほぼ素の肉体性能なのでタイマンの殴り合いだと普通に負けますよ私達
基本的に宮城の製造系は素の身体能力や戦闘技術に加えて足りないスキルや耐性部分をデモニカやシキガミパーツで補っているので、まず戦闘が出来るのは前提なんですよね
オラシオニキさんでさえ素の私達と格闘戦できるぐらいの身体能力ありますし?
505:オラシオ
宮城製造系の幹部クラスだと純粋な肉体能力で言うと俺が一番弱いからな。武器OKデモニカ有りだと
Tier0:リンクニキ(全裸)・天堂姉妹(合体・絶好調の時)
Tier1:先生ネキ・カジオーネキ・リンクニキ(パン1)・天堂姉妹(合体時・普通の時)
Tier2:ウェルニキ・天堂姉妹(単体)
Tier3:俺
ぐらいだぞ。俺もスカルに変身して戦いたいからある程度鍛えてはいるけど、他のやつらは現役バリバリでダークサマナーやってた奴らとか現地名家出身だったり元プロボクサーだったりするし
俺自身は普通の一般家庭出身の一般人出だしな
そういや幼女ネキ、次は岩手行くんだっけ? 愛宕ネキ*4やお弁当ニキ*5に迷惑かけんようにな
506:名無しの転生者
岩手? ああ、例のお礼行脚。まあセツニキもいるから大丈夫だとは思うけど、愛宕ネキに迷惑かけたらあかんよ?
507:幼女
失礼な奴らだな本当に。私を何だと思ってるんだ
ともあれ、理由もなく迷惑はかけんぞ。第一今回はきちんとやる事あるからな!
508:名無しの転生者
そうなん? 何やんの?
509:虚空
なんか多神連合のインド神話系の人達と会談があるとかないとか?
お弁当ニキのお父さんがガネーシャ系列のシフターだか転生者らしくてそこから顔繋いでほしいと連絡があったとか
510:名無しの転生者
……大丈夫か?
511:名無しの転生者
どっちの意味でよ?
ようじょに会談を持ちかける危険性についてか? それともようじょが暴れ散らかさないかという心配か?
512:名無しの転生者
両方(かつての多神連合『への』襲撃を思い出しながら
513:幼女
別に問答無用で襲い掛かったりはせんぞ? 今んとこあいつら何もしてないし、私には
514:名無しの転生者
でもなあ、インド系というかヒンドゥー系価値観が幼女ネキのカンに触る可能性は割とあるわけで?
マジで問題起こさんでくれよ、多分愛宕ネキの胃袋がもたないから
515:名無しの転生者
インド系の連中、カルナとかアルジュナ・ヴリトラがいるらしいってのは聞いたことあるけど……多分インドラ様とかもいるよな
気が合いそうな連中はいそうなんだが……さてどんな奴が出てくるか
516:幼女
ドゥリーヨダナとかいるかなあ、FGOやってた時あいつ大分好きだったんだよな、おもろいし
ラーマとかドゥルガーもいてくれると嬉しい
517:名無しの転生者
ドゥリーヨダナ……多分幼女ネキと猛烈に相性がいいか死ぬほど相性が悪いか、かねえ*6
とりあえずキレた時に抑えられそうな面々に声をかけておくか、星祭あたり?
518:名無しの転生者
幼女ネキが素直に言う事聞く相手ってだいたい幼女ネキと方向性が近いからな……
一番素直に言う事聞く率が高いのは人魚ネキだが、こと対悪魔との交渉となると一番頼りにならんしな
519:海魔
一応私達も行きますけど……誰か呼んだ方がいいです?
520:名無しの転生者
探求ネキ辺り……? でもあの人も分身使えるとは言え忙しいしな
カジオーネキか先生ネキ、お願いできる?
521:先生
あ、ごめん無理だわ。今死者の剣*7建造中ー
522:カジオー
んじゃあたし行くわ。別に多神の連中がどうなろうと知ったこっちゃないけど、流石になー、問題起こすと事後処理めんどくさいし?
それに幼女ネキ、いずれゼウスんとこ殴り込んでテュポーン搔っ攫うんだろ? エジプト・北欧神話系は協力的だから良いとして、インド系とも顔繋いどいたほうがいいんじゃね?
ギリシャ系除くとインド系が最大手みたいなとこあるしさ
523:幼女
外堀から埋めていくのはアリだな
まあそれも向こうの出方次第だがな? まあ、調子に乗った1人を真正面から叩き潰せば大人しくもなろう
524:名無しの転生者
マジでやめようね??????
525:名無しの転生者
インドラ様とか割とそう言うエピソードに事欠かないからなぁ……
性に奔放なのはゼウスにも通づるものがあるが、まあ前例見てるだろうしそう馬鹿はやるまい
526:名無しの転生者
とは言うけど神だからなぁ……
527:名無しの転生者
カジオーネキマジお願いね……
528:カジオー
任されたけど、どっちかってーと馬鹿やったら処す側の人間なんだけどねあたし
まあ今回は流石に窘める程度はすっけどさ、宮城支部だけの問題じゃねーし
529:幼女
まあ私もそう馬鹿はせんぞ? 愛宕ネキやお弁当ニキの顔を潰すような真似はせんよ
530:名無しの転生者
まあ幼女ネキもその辺きっちり筋通すタチだから大丈夫だとは思うんだがな
531:名無しの転生者
いまいち信用しきれないのは幼女ネキの日頃の行いのせいだから仕方ないとして
532:海魔
とりあえず有事は取り押さえられるよう調子は整えておきますね
533:虚空
そうですね。しっかり海えっちゃん・空えっちゃんを含めた全員のMAGを同調させておかなければ
534:名無しの転生者
……こいつらが言うとその方法に嫌な予感がするんだが
535:カジオー
まあお察しの通りだよ。4体合体しつつ全員でMAG循環させて人で一つのMAGを共有する感じにしていくんだと
馬鹿じゃねーのって思うけど、房中術が関わるミナミィネキ直伝の方法だから効果は抜群なんだよなぁ、効果『だけ』は
536:名無しの転生者
つまりこいつらにとってはいつもの事って事だな?
537:海魔
はい
538:名無しの転生者
正直に答えりゃいいってもんじゃないのよ?????
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「……あ、おかえり、リン」
「うむ、ただいま。名誉店長ネキもすまんな、セツナを見ててもらって」
「いいのいいの。この間の京都旅行、お膳立てしてくれたの幼女ネキなんでしょ? そのぐらいはするって」
岩手支部管轄・北上派出所。その入り口でリン一行を出迎えたのは、セツナと眼鏡におさげ髪の女性。岩手の黒札、名誉店長ネキだ。
今回のインド神話勢との会談において、セツナを会談の席に連れて行くのは危険*8、と全会一致*9で決まり預けられていたのだ。
「流石にセツナを連れて行くのは危険かもしれんからなぁ……」
「何かあったら多神連合襲撃事件インド神話編開始だしねえ、そりゃ全力で阻止するよねって」
「私を何だと思ってるんだカジオーネキ」
「トリガーを爆弾自身が握ってる核爆弾」
カジオーネキににべもなく切り捨てられてぐぬぬと唸るリン。残当である。
「まあ、それでもあっちも大分譲歩する姿勢は見せてくれたのは有り難かったな……会談の場に来たの、神の化身や神はいたにせよ、一応英雄たちだったし……」
「まあ英傑悪魔としてではありますけど、最低限人の道理が通じる相手が来てくれたのは一安心ですよね」*10
「ちょいちょいカルナさんがカルナ語爆発しててアルジュナさんが『カルナァーッ!!!!』してましたけどね」
安堵のため息を漏らすお弁当ニキに、会談の席で起こった幾度かのハプニングを思い出す天堂姉妹。
事実、会談の席に現れたのはインド神話最強の英雄と名高いアルジュナやそのライバルカルナ、ヴィシュヌ神の化身ラーマを中心とした英傑悪魔達だった。
他にガネーシャやパールヴァティーなどの神格はいたが、あくまでもオブザーバー的立ち位置での参加だったのだという。
というのも、インド神話勢がリンへと会談を持ちかけるに当たり、最も危惧したのが、インドラなどの神がリンへとちょっかいを出した結果のかつての多神連合襲撃事件の再来だったからだ。
基本的に、リンは道理を弁えてさえいれば種族や人種、札の色では判断せず、己の目で見、耳で聞いたままに判断する。
かつての襲撃事件の折にも、下手人であったゼウスやオーディンを処しはしたものの、きちんと謝罪の姿勢を見せたオーディンら北欧神話勢とは友好的に付き合いを続けている。*11
ならば、ある程度人としての理を弁えている英傑悪魔達の方が相手としてはふさわしいだろう、と判断し彼らが送り出された。
「あいつ単純に言葉選びが悪いのと端的に物を言いすぎるからなぁ」*12
「そうなんだ……それで、結局どうなったの? 皆の口振りからすると良い感じになったみたいだけど……」
ガネーシャのデビルシフターであるお弁当ニキの祖父を通じて持ち掛けられた今回の会談、それは、端的に言えばリンとの協力体制を築きたい、というもの。
また、こちらから戦力を供出するので、これからも増えるであろうインド系の難民、その一部の受け入れを宮城でも行ってほしい、そんな内容である。
細かい所はこれからレン子ニキら宮城支部上層部と詰めることになるが、極力こちらの事情や都合に配慮したインド側の態度にリンも好印象で快諾。宮城支部並びにリン個人からの援助を約束する事となった。
「一応渉外交渉なんかも担当してるからな、私。あちらからは英傑ラーマを中心とした数名が宮城支部管轄に来ることとなる。定期的に行っているアメリカや中華戦線への殴り込みにも帯同できる連中らしいな」
「リンが暴れなかったんならいいかなぁ」
「本当にお前ら私の事核ミサイルかなんかだと思ってるな?」
「事実じゃんよ」
何事もなかったことに安どの溜息を漏らすセツナにリンは頬を膨らませるが、横からカジオーネキにツッコまれて渋面を作る。
そして、そこに訪れる影あり。現代風の装いをして赤い長髪をうなじで縛った少年の姿をしているが、その身体から発せられるオーラは只人ではありえない質のものであった。
少年の来訪に真っ先に反応したのはリン。セツナや名誉店長ネキを後ろに下げ、最前列で少年へと相対する。
「ラーマか。シキガミ体の調子はどうだ?」
「上々だ。後はおいおい慣らしていけばいいだろう。本当に、ガイア連合には感謝してもしきれないな」
そう言って穏やかに笑う少年。彼はラーマ。多神連合所属の悪魔【英傑ラーマ】であり、リンとの会談の結果シキガミ体へと入り、半ばガイア連合側として宮城支部へと所属する事となった。
これはヘパイストスやミネルヴァ、エキドナらと同じ、ともすれば多神連合に弓引く可能性のある扱いであるが、彼がそれを選んだのには、とある理由があった。
「ふふ、ラーマ様ったら。……でも、私も同じ気持ちですよ。まさか、分霊とは言えラーマ様と共に過ごせる日が来るとは思いませんでしたから」
「……シータ。いや、本当にそうだ。余……いや、僕も、この時をどれほど待ち焦がれた事か」
そう言いつつ、ラーマの影から顔をのぞかせる、赤髪ツインテールのラーマによく似た少女。
彼女もまた多神連合所属の悪魔、【英傑シータ】。インドの叙事詩『ラーマーヤナ』においてラーマの妻と謳われ、ヴィシュヌの化身であるラーマ同様、その妻であるラクシュミーの化身。
『ラーマーヤナ』ではラーマとは相思相愛であったが、幾多の苦難と数奇な運命の末、最終的に2人は添い遂げることなくシータが大地の女神によって去り、離別してしまう。
ラーマはそれを嘆き悲しみ、シータに会わせないのならば大地を滅茶苦茶にする、とまで取り乱すが、天界に戻れば再会できる、とブラフマーに諭され、以降妻を娶ることなく生涯を終え、ヴィシュヌへと還った。
だが、それは厳密には『ラーマとシータの再会』を意味しない。化身である彼らが天界に戻る、それは大本のヴィシュヌとラクシュミーに還るという事。結果的に一緒にいられる、という事である。
そも、ラーマとシータが引き離されたのは大本であるヴィシュヌが敵であるアスラ族を保護した聖仙の妻を殺したため、聖仙により『地上に生まれ変わった際、長い年月のあいだ妻との離別を強いられる』という呪詛を受けたことに端を発する。*13
そして、悪魔として『そういうものである』として生まれた彼ら自身にもこの呪いが適用されており、同じ世界に存在は出来ても共に暮らすことはできない。
会談の席でそれを知ったリンが宮城支部への出向組として彼らを指名、呪詛を無効化できるように調整したシキガミ体を作り、*14彼らへとプレゼントしたのだ。
「構わんさ。大事な相手と引き離される辛さは痛いほど知っているつもりだ。この程度でお前らの恩義が買えるなら安いものだ。
それに、今回の会談では大分譲歩してもらっているからな。初期投資と思ってくれればいい。働きの方、期待しているぞ」
「無論だ。コサラの王ラーマ、妻と再び共に暮らせる日々をくれた幼女ネキ……いや、リンで良いのだったな。リンへ、出来得る限りの助力をするとここに誓おう」
そう言ってがっしりと手をつなぎ合うリンとラーマ。と、俄かに周囲が騒がしくなってくる。日系人と思しき男性と言い合いながら、紫髪のインド人と思しき男性がこちらへと歩いてきたのだ。
その後ろには紫髪の男性とよく似た男性たちが数人、面立ちの似た女性が紫髪の男性を宥めながらも付き添っている。その様子を見て、ラーマは思わずかぶりを振る。
「あれは……ハリードニキか? それ以外のやつらは分からないけど……」
「すまんリン、お弁当ニキ、こちらの手落ちだ。悪い奴ではないのだがなぁ……カルナやアルジュナを知っていたのだ、ドゥリーヨダナという名を聞き及んでいるだろう?」
ドゥリーヨダナ。それはラーマが謳われるラーマーヤナと並び称される叙事詩『マハーバーラタ』に登場する王の名である。
聖仙の祝福を受けた王妃から肉塊として生まれ、その肉塊を101に切り分け、オイルの入った壺で培養された結果百男一女の大家族の長男として生まれた。
マハーバーラタにおいては主役であるアルジュナを始めとするパーンダヴァ5兄弟と幼少期から対立し、策謀を巡らせるヴィラン的立ち位置の人物。
そのドゥリーヨダナが今ここに来ている。その事に、ラーマは先程とは打って変わった大げさな溜息をつくのであった。
「―――待て! 話し合おう! 金ならある!」
「奇遇だな、私も金ならある。ので別に金なぞいらん」
少し後。北上派出所では先程の紫髪の男性、ドゥリーヨダナが床に正座させられ、ドラゴンロッドを振りかぶったリンが無慈悲にそう言い捨てた。
あの後、到着したドゥリーヨダナを出迎えたリンだったが、そこで彼は『わし様が力を貸してやる故アルジュナらより我らを重用しろ(意訳)』と上から目線で言い放ったのだ。
居合わせた者達が止める間もなくそう言う上から目線の物言いを何より嫌うリンが即座に殴り倒し、何故か誰にも助けてもらえずそのまま床に正座させられる事となる。
「あのだな、リン。その辺にしておいてやってくれると助かる……知っているだろうが、こいつは昔からアルジュナやその兄弟、特にビーマとは仲が悪くてな……
恐らく会談に参加させてもらえなかったのを不満に思ってやってきたのだろう。友であるカルナもいたが、そう口の回る方でもないからな……」
沈痛な面持ちで止めに入るラーマ。事実、先の会談においてドゥリーヨダナは不参加であった。
その理由も『アルジュナが中心となった会談で絶対こいつなんか問題起こすから不参加。ギリギリカルナはいてもいいだろう』という判断からである。
「……はぁ、まあいい。別に私としても嫌いではないからな。むしろアルジュナやビーマよりはこいつの方が好きだが」
「ならばなぜわし様は殴られたのだ!?」
「バカをやれば殴られるのは当然だろうが。第一お前上半身無敵だろ、こっちだって手加減してたぞ」
「どこがだ!? 首が捥げると思ったが!?」「首と胴が繋がってるだろ、骨も折ってない」
ドラゴンロッドをしまい肩をすくめるリンに、そのあまりにもあんまりな物言いに絶句するドゥリーヨダナ。
ガイア連合の誇る(誇ってない)核弾頭に喧嘩を売ってこれで済んでいるだけまだましな方である。本当に。
なお背後ではラーマとカジオーネキが『本当にアレで手加減しているのか?』『してるよ、死んでないじゃん?』というやり取りをしていたし、セツナとお弁当ニキと名誉店長ネキとハリードニキはドン引きしていた。*15
「本当に兄さんがすいません……」
そう言いながら頭を下げるのはドゥリーヨダナと共に来た女性と男性たち。
彼女らはドゥリーヨダナの弟妹である末妹のドゥフシャラー、そして99人いる弟の
「別に構わんよ、大分穏便に済んだしね。信じらんないだろうけどあれで幼女ネキはあんたの兄ちゃん大分評価してるし、見た感じ大分わかりやすいやつみたいだし大丈夫でしょ」
「あの、お姉さん……何かあったらリンと契約してる悪魔のセリリさんって人に言えばちゃんと怒ってくれるから……でも、リンも理由もなく怒ったり叩いたりはしないから、たぶん……」
「いや今回は兄者が悪いよ、あれは。多分カルナが会談でちょいちょいやらかしてたカバーに入ろうとしてたんだろうとは思うんだけど」
「何でお前らわし様を助けようともせんのだ!?」
「兄者がかなわない相手に俺らがかなうわけないじゃん」「そうそう」「あとでヴィカルナ*16に怒られときなよ兄者」
などとカジオーネキやセツナからのフォローが入りつつもやっぱり弟妹達から見捨てられて憤るドゥリーヨダナ、そしてそれを見てフンと鼻を鳴らすリン。
その様子を見てお弁当ニキがちらりと横を見れば、同様にこちらを見ていたらしいラーマと視線がぶつかる。
「あー、何というか、その……ほんとすいません幼女ネキが……」
「いや、こちらの落ち度でもあるし、気にするな。……そう言えば、お前がお弁当ニキ、でいいのか? 本名で呼ぶべきなのだろうが、呪い除けであだ名を名乗っていると聞くが」
「まあ、
「何、此度の会談で幾度かリンが話題に上げていたのだ。『心折れてもなお立ち上がる、勇者と呼ぶにふさわしい気骨のある良い男だ』とな。それにガネーシャ様からも王族を救出するにあたり助力してくれていたと聞く。礼を言わねばとは思っていたのだ」
「え」
硬直するお弁当ニキ。王族を救出した件についてはともかく、まさかリンがそんな場でまで自分を高評価していることに思わず顔が引きつる。
実際覚醒者としては一廉のレベルでこそあるが、リンのような上澄みにそこまで言われているのは、正直面倒事が増えそうなので勘弁してほしい。
「いやぁ、なんでか幼女ネキにはすごい評価してもらってるけど、実際俺はそんな大したもんでもないですよ? 幼女ネキやカジオーネキ達に比べればずっとレベルも低いし……」
「ああ、確かにそうも言っていた。僕の目から見ても強さはそれ程ではない。……とはいえ、一般の者達に比べれば比べるべくもないが。
だが、お前は心が強いのだろう、目を見れば分かる。リンもそう言う所を評価しているのだ。少しは誇ってもバチは当たるまい」
「そうだぞお弁当ニキ。謙遜するな。レベルなんぞは鍛えれば上がる。だが心根はそうも行かん。特にお弁当ニキは一度折れた後再び立ち上がり剣を取ることを選んだ。それは余人にマネできる事ではない。
仮に名剣を持っていたとしても、立ち上がらぬ者はただの臆病者だ。折れた剣しか持たずとも、誰かのために立ち上がり立ち向かう気骨のある者。それこそを勇者というのだ。お弁当ニキのようにな」
「うわでた」
ひょっこり顔を出すリンに思わず飛びのくお弁当ニキ。ドゥリーヨダナはどうしたのかと思えば、ハリードニキに説得され、弟妹達共々どこかへと歩いてゆくところであった。
「とりあえずあいつらも
「そっか……しかしなぁ、幼女ネキ? 高評価してくれるのは嬉しいけどさ、あんまりあっちこっちで触れ回られても……その、なんだ、気恥ずかしいんだけど」
「事実だろうに。実際、岩手に限れば星祭を除けば上位だろう? 面倒をかけてくる奴がいるなら言ってくれ、潰すからな」
「そう言うのやめようねって宮城の皆にも言われてるだろ? ……まあ、気にかけてくれるのは嬉しいよ。
でもさ、幼女ネキだって周りから色々心配されたり気にかけてもらったりしてるだろ? ちょっとは省みてあげなよ」
「ぐうの音も出んな!」「いやそんな勢いよく認める事じゃないからね?」
などと言いつつ、誰ともなしに笑い声が上がる。ひとしきり笑った後、リンははたと何かを思い出すと、COMPを弄りお札で封のされた小さな壺を取り出し、お弁当ニキに持たせる。
「……これは?」
「魔女の軟膏*17だ! 私も愛用している逸品でな、この製造元の奴はお値段ほどほどで質も良いのでお勧めだぞ!
名誉店長ネキとのあれこれの時に使うt『そう言う下世話な気遣いはすんなっていっつも言ってんでしょうがーっ!』げふう」
大真面目にとんでもないことを口走りかけたリンだったが、直後駆けつけたセリリによる飛び蹴りで真横に吹っ飛んで行く。
吹っ飛んで行くリンを目線で追いながら、お弁当ニキはふと名誉店長ネキと視線が重なり、どちらともなく苦笑する。
そうして、一騒動ありつつも、北上派出所の賑やかな一日は過ぎてゆくのだった。
なお。
リンはその後セリリからガチ説教を受け、しわしわようじょになって宮城へと帰って行ったのだという。
どっとはらい。
そんなわけで128話でした。いずれインド系と絡めたいな……と思っていたので、ガネーシャのシフターが家族にいるお弁当ニキと絡めてみようかなぁと。
会談の内容はまあ大体ようじょが偉そうにしてお弁当ニキが胃をを痛める感じなので割愛。
比較的穏便に済みました。
なお、次回もようじょです。恩返し行脚編もう終盤になってきたので。
□解説
・ようじょ
インド神話系と協力体制になったようじょ。
援助や避難民の受け入れなどをする代わりラーマ達幾人かを宮城に戦力として運用する、みたいな感じ。
直接契約しているのはラーマ・シータ夫妻のみ。
協力体制とは言うが馬鹿をやれば容赦なく処す。
ない嫁ズや各員のシキガミは会談中岩手を飛び回って異変潰ししてた。
・お弁当ニキ
本日の胃痛枠。ようじょ的には本当に尊敬しているし敬意をもって接している(本人としては)。
魔女の軟膏も茶化すのではなく本当に必要だろうしな! 私一押しのやつだぞ! という親切心。
なのでセリリに怒られた時本気で『え、何で私怒られてるんだ?』当顔をしていた。
・セツナちゃん
割とようじょが馬鹿やってセツナちゃんがフォローする流れになっている気がする……残当。
折に触れ連れ回されているけど、いろんなものを見てほしいという気持ち半分、目の届くところに居て欲しいという加護補半分。
・ラーマ夫妻
外見はFGO版。ラーマ、意外と身長あるんだという事を今回初めて知りました。
所属的には多神連合だけど、ほぼほぼようじょ配下というヘパイストスとかと同じような立ち位置。
・ドゥリーヨダナ
その後なんやかんやでようじょと意気投合して宮城に来た長男。
たまに馬鹿やってようじょにしばかれるけど三馬鹿ラスぐらいの立ち位置に収まる。
なお、アナライズすると彼だけ【英傑ドゥリーヨダナ】として独立しており、他の弟99人とドゥフシャラーは【軍勢カウラヴァ】扱い。
ドゥフシャラーが軍勢悪魔としての核になっている。