【もってくれよ】地方防衛スレ(宮城) その104【俺らの胃】
2186:幼女
そういえばこないだインドの一部連中*1が私の部下になったろ、実はインドだけじゃなくタイあたりの連中も何人かいるんだよ
こっちは現地民というか避難民の護衛役だった奴らだが
[画像]
筋骨隆々のムエタイ選手のような恰好をした巨漢の男性2人
2187:名無しの転生者
ねえこいつらケンイチのアパチャイとアーガードじゃない?
2188:幼女
うん。裏ムエタイ界の死神ことアパチャイ・ホパチャイ*2とその兄弟子、拳帝肘皇ことアーガード・ジャム・サイ*3だぞ
2189:名無しの転生者
いやまあ黒札に秋雨ニキ*4とかいたけどさぁ……
2190:カジオー
つうかあれよ、日向ちゃんに聞いたけど、日向ちゃんの通ってる高校にいる半覚醒ぐらいの奴にケンイチ*5いるらしいよ?
あと中国拳法の達人と喧嘩百段の空手家と武器の申し子*6がいたら梁山泊できちゃうじゃん
2191:名無しの転生者
無敵超人*7は?
2192:カジオー
幼女ネキとか?でも幼女ネキってどっちかっつーと拳魔邪神*8の類だよね
2193:幼女
そこは人越拳神*9にならんか?
2194:名無しの転生者
いやああの暴君っぷりで本郷さんは無理でしょ
ジュナザードが嫌なら笑う鋼拳ぐらいじゃね、幼女ネキが該当しそうなの。って言うか本郷さんでも闇サイドじゃんね
2195:幼女
まあジュナザードもあれはあれで好きだからいいか……
所で本題だが。全く関係はないのだが、次のお礼行脚は京都になりそうだぞ。魔王ネキから依頼を手伝って欲しいと要請が来た
2196:名無しの転生者
あ、全く関係ないんだ?! じゃあ何でこの話したんだよw
2197:幼女
いやだって部下にアパチャイたち居たら誰かに言いたくなるだろ
ケンイチの素質次第では*10あとで秋雨ニキに声かけて梁山泊計画発動するかな
2198:名無しの転生者
死ぬのでは?*11
2199:名無しの転生者
いや半覚醒はしてるようだし死ねた方が幸せかもしれんぞ*12
2200:幼女
本当に失礼な奴らだなお前ら。とまあ、話は戻るが。どうも最近京都方面で辻斬り事件が多発しているようなんだよな
折り悪くアーッニキ*13はいないらしいし、微妙には魔王ネキんとこの管轄からは離れてるそうなので私にお声がかかったらしい
後実は倉橋のじっさまも襲われたらしくてな、無関係の話ではなくなってきているのだ
2201:名無しの転生者
え!? 大丈夫だったん!?
2202:レン子
大丈夫だったみたいよ。雀部さん霊装と斬魄刀のおかげでその時の襲撃は凌いだとかで
2203:名無しの転生者
あーよかった……駒姫ちゃんも頑張ってるし、あの人に何かあると倉橋グループ総崩れになりそうだからマジで死んだらやばい重要人物よね
2204:幼女
割とそうなんだよな。黎斗*14が大半ぶちのめしたそうだが数が多かったらしくてな、じっさまもレベルは20を越えたらしいので振りかかる火の粉を払うぐらいは出来たそうだ
コマ姉も心配はしていたが、ビデオ通話で無事な姿を見せたら安心していた
2205:名無しの転生者
あの人も強くなってんだなあ……しかし辻斬りねえ。メシア教の仕業かね?
その辺倉橋会長から話聞けたらいいな。直接相対したんならアナライズとかもしたろうし
2206:幼女
分からん。それを今調べてもらっているところだが……ただ襲ってきたのは悪霊系の悪魔らしい
個体名軍勢・シンセングミ。嫌な予感がするな
2207:名無しの転生者
うわぁ
2208:名無しの転生者
新選組かぁ……そりゃな、新選組って言えば京都の治安維持がお仕事だったしな
でも幼女ネキなら瞬殺じゃね? レベル40台の黎斗と20台の倉橋さんで追い返せたんだろ?
2209:幼女
出来るだろうが確実に京都は火の海になるぞ? 流石にそれやると伏見稲荷*15の胃がはじけ飛ぶでは済まん
ただでさえ京都は木造建築*16多いからな
2210:名無しの転生者
そりゃそうか……というか軍勢悪魔って言うんなら数だって膨大だもんな、悪路王異界みたいに派手にやらかしても問題ない環境でもねえし
2211:レン子
やめてね幼女ちゃん、本当にやめてね……?
2212:幼女
流石にやらんぞ。まあその辺り手加減してやることになるだろうが、そもそも一番弱くてレベル30台半ばのヴェールあたりか? あいつ用の新装備のお披露目にはいい機会かもしれんな
最近あいつもようやく自分のスタイルを見出してきたとこらしいし、身体も高級シキガミ仕様にアップデートもしてる
2213:名無しの転生者
あ、そうなんだ? あの子もブランちゃんの役に立ちたい! とか言ってたもんな
まあブランちゃん自体ノワールさん専用デモニカだから中々追い付けてなかったようだが*17
どんな感じになったん?
2214:幼女
ノワール同様の変形型デモニカを装着したり共闘したりして戦うスタイルに落ち着いた。
丁度モビルスーツ開発の流れで作った変形型デモニカがあってな、相性が良かったようなのでそいつのテストも兼ねて任せることにした
[画像]
(3頭身ほどのアンテナのない緑色のガンダムのようなロボットと並んで歩くヴェールの画像)
2215:名無しの転生者
SDガンダムスタイルのファントム*18やんけ!?
「劔冑」じゃなくてわざわざ「変形型デモニカ」って言ってるからなんかおかしいなと思ったらw
2216:名無しの転生者
え、これデモニカなの? サポートロボット的なあれじゃなく?
2217:幼女
そうだぞ。変形型デモニカ『ファントム』。SDガンダム系も好きだから作りたいなー、と思っててな。その一環として変形型デモニカとして作った
装着するとMS少女みたいな感じになるな
[動画]
(ファントムがパーツ単位に分割し、ヴェールの鎧として装着されていく画像)
2218:名無しの転生者
バディ式MS少女*19だこれ!
2219:幼女
だいたいあんな感じのノリだ。ちなみに搭載武装は原作そのまま、ロボ形態でもそこそこ戦えるぞ! 武装をそのまま使用可能なので、独立形態での戦闘能力で言うなら変形型デモニカの中ではトップクラスだ
ファントムにはミノフスキードライブ*20も積んでるぞ! 私のフルパワー運用*21とスピードキングニキ*22の尊い犠牲*23の末に修羅勢ならまあなんとか使えんじゃね、ぐらいに改良されたバージョン
普通の奴がまともに運用できるようになるにはまだまだかかりそうだ。なんかヴェールはそう言う方面にやたら適性があったらしく、私の6~7割ほどの出力で使いこなしとったけどな
ボディのバージョンアップの際私とブランの肉体素材混ぜ込んだからだろうか
2220:名無しの転生者
え、あれを使いこなせてんのヴェールちゃん。すげーなぁ
2221:名無しの転生者
あれほんとエッグい速度で加速するからあれで戦闘機動すんのって自殺行為なんだよなぁ
F-15(最高マッハ2.5)で7~9Gぐらいらしいけど、そのレベルを使いこなせてるって事だろ?*24
2222:幼女
その辺は色々頑張ったらしいぞ。元々は劔冑を使いたいようだったから遷音速域での高速戦闘を主眼にスキルとか追加してったらしい
それがいい具合にミノドラの適正と合致したようだな
ちなみにファントムも一応自我がある。パイロットのフォントを模した人格をぶち込んであるぞ
2223:名無しの転生者
まあサポートAI的なものはあっていいだろうしな
そういえばSDガンダム風変形型デモニカって他にもあるの?
2224:名無しの転生者
幼女ネキの事だしクロスボーン系列機は作ってそうだよな
2225:幼女
お目が高いな! クロスボーンガンダムX-1~X-3は作っているぞ! オービットベース支部に送ってネモシリーズの船外活動用デモニカになっているがな
あとはマリーン用のフリントも作った。全部ホビー部で売ってるから欲しかったら買うといい! 私もX-0を青く塗って*25フルクロスにしている! かっこいいぞ!
ちなみに付属装備はビームサーベル2本とブランドマーカー、バスターガン・ビームザンバーだけだ。X2にはショットランサー、X3にはムラマサブラスターが付属しているが。ファントムには色々持たせているがなー
ピーコックスマッシャーやクジャク、バタフライ・ザンバー、フルクロスはオプション武装なので装備するには追加料金が必要なことに注意だ
お値段としては真打劔冑と同じぐらいになるな、系統的には同タイプだし まあその分お値段以上の働きはしてくれると思う!
2226:名無しの転生者
幼女ネキ出資ならその辺妥協はしてないだろうしなw
2227:名無しの転生者
性能はきっちり実用レベルだろうから俺もちょっと欲しくなるな……
ファントムのテスト結果如何によってはレコードブレイカーも作ってくれそうだし、期待してるわ
それでなくともミノドラ技術が進歩すればミノドラ搭載型ロボも出来るだろうし
2228:幼女
アイリス・キャナルやホビー部には頑張ってほしいものだな! まあこれから京都でひと暴れしてくるから市街戦でのテストも出来そうだ
2229:レン子
幼女ちゃん、本っ当に文化遺産とか壊したりしちゃだめよ? 絶対に控えめに戦ってね? ね?
2230:名無しの転生者
レン子ニキが念押ししてて草
まあ気持ちはわかるよ、幼女ネキって広域殲滅が大得意だし、デモニカあっても魔法が使えないわけじゃないからなぁ
アメリカ行った時オクラホマシティ周辺の悪魔一撃で半壊させてたしな
2231:幼女
私とてその辺りに気を配る程度の常識はあるぞ? 本当に私を何だと思ってるんだ
2232:レン子
可愛い義妹兼胃痛の源
2233:幼女
ぐう
2234:名無しの転生者
あ、ぐうの音が出た
2235:名無しの転生者
一応自覚はあるのな……
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「ほいさっと」
実に軽々しい言葉と共に突き出されたた光刃が、白い僧衣をやすやすと貫いてその主の生命活動を止める。
それを成したのはダークブルーのデモニカ、専用デモニカ『ロストバレル』を纏った先生ネキだった。
「あー、魔王ネキ? あたしあたし。とりあえず下手人は皆殺しにしたけどこれから事情聴取なんで細かい所の究明はもうちっと先かな。終ったら帰るけど、幼女ネキの方は大丈夫だよね?」
『いや、殺しちゃったら聞けなくない?』
「死体から情報ぶっこ抜く手段なんていくらでもあるし……聞く? 参考とかになるかもだし」
『いや、いい。聞きたくない』
そっかー、そんじゃ後でねー、とからから笑いながら通信を切る先生ネキ。周囲を見回せば、そこには苦悶の表情で倒れ伏す僧衣の人間たち。メシア教徒だ。
京都は華門出張所へと向かい、魔王ネキよりの説明を受けたリン一行。
今回の事件は例によってメシア教が諸悪の根源であり、気取られぬよう在野のダークサマナーを唆し事件を起こした、との事。
後は捕らえるだけ、という段階であり、リン達が呼ばれたのは呼び出された悪魔達を討伐するためであった。
しかし敵もさるもの。根本の犯人であるメシア教徒は逃げ回るのが上手くなかなか足取りが辿れず、そこで歴戦の元ダークサマナーである先生ネキが起用された。
その後どういう手段を取ったのかあれよあれよという間にメシア教徒の根城を突き止め、報告を上げる頃には既に全員物言わぬ屍となっていた。
「そんじゃみんな、洗いざらいぶっこ抜いてねー。ヒトハちゃんはPCから情報抜いといて」
「了解しました。しかし先生、幼女ネキさんの方は手伝わなくていいのですか?」
フタバ達救急医学部が尋問を開始する。ヒトハが残されたPCを調査しながら先生ネキに問えば、先生は少し思案した後肩をすくめる。
「別に頼まれてないし良いんじゃない? 第一あっちの方が戦力揃ってるし……」
「まあ、私達九人より幼女ネキさん一人の方が処理能力は上ですし、何より数も下手すると軍団規模を気軽に動員出来ますからね……」
「幼女ネキファミリー除いても、覚醒者・覚醒動物だけで下手すると宮城・東北方面で最大戦力まであるからねえ。
それに広域殲滅に向いてるってだけで、単体処理が苦手って訳じゃないんだよね。あれで芸歴1年ちょいぐらいなのがな……
こちとら芸歴30年でようやくこれよ? いやー最近の若い子って成長速度恐ろしいね! というか0歳でそれに匹敵する娘さん居るけど!」
「先生がそう言うという事は本当に相当ですね……」
本当あの幼女なんなんだろう。その時、その場にいる10人の心が一つになったのだという。
『幼女ネキ、先生ネキから伝言。
……本当に文化財とか家屋とか一般市民とかそう言うのには極力配慮してね? 本当にお願いね?』
少し後。先生ネキからの伝言をリンに伝えた魔王ネキ。あとは悪魔を始末するだけという段だったが、そこはさるもの。
ともすれば暴走しかねない幼女に釘を刺すことも忘れない。
「何で皆同じことを言うんだ。*26流石に京都で大暴れなんてしたら倉橋のじっさまも迷惑するし、伏見稲荷やマルコ-ニキの胃も死ぬし、やらんぞ。
第一京都にはハルカの友人もいるらしいからな。下手にそっちに被害が及ぶと写真撮らせてくれなくなるし……極力配慮はするぞ」
『ならいいんだけど……幼女ネキって前科あるからね? 京都沖のメドローア事件、忘れてないよ?』
かつてのやらかしを蒸し返す声は、声のトーンが幾分か低い。魔王ネキは巻き込まれただけではなく、その極大置きメドローアに加担させられたのだからそれを言う権利はあるだろう。
リンからの返答は沈黙であったが、通信に映し出されるリンはそっぽを向いて口笛を吹いていた。この野郎。
「あれは終わった話だろう。悪いとは思ってるが。しかしあれだな魔王ネキ、アーッニキって確か京都ヤタガラスの血筋だよな?」
『え? まあ、そうらしいって聞いてるけど』
「先祖が安倍晴明らしいくそみそニキも血筋としてはこっち側だろうし、阿部孝和が割と近い範囲に2人いるって恐ろしい事だなと思ってな。
いやアーッニキは人格者だと聞いてるし、顔がそっくりなだけで別人だというのは分かってはいるが」
『そう言えばそうだね……ほんと何なんだろうねこれ』
「まあ遠い血縁か何かなのかも知れんな。……私もルーツをたどれば安倍晴明所縁の京都ヤタガラスの陰陽師の血筋だからごく薄い程度には血が繋がってそうなのがなんともアレだが。
ともあれ、全員配置についたようだ。出現し次第鎮圧に入る。連中は軍勢悪魔だ、システム通りの仕様ならダメージを与えれば規模は減っていくはず……
組長クラスがいなければいいんだがな。ドゥリーヨダナの例を見るに軍勢として有名な奴でも有名な個体は独立した悪魔として出現する可能性がある」
『近藤勇は出そうだよね……福島のお墓で出たんでしょ? 首塚あるこっちじゃ悪霊寄りのが出そう……
……そういえば、出たとしてもどうやって察知するの? アイリスさんとかキャナルさん任せ?』
そう問われれば、リンはにやりと笑った後に指を鳴らす。それに合わせて現れたのは、はだけた巫女服を着た金髪九尾の悪魔。妻の1人であるウカノミタマだ。
「伏見稲荷に許可を取って、タマの指揮の元稲荷神ネットワークで捜索している。タマはウカノミタマの分霊の中でも特にレベルが高いからな、このぐらいはできるのだ」
『許可取ってるならいっかぁ……』
諦めの声を漏らす魔王ネキ。恐らく許可を出さなかったら出さなかったで最上位クラスの分霊*27としての権限を使い強制的に情報収集を行ったであろうことは想像に難くないからだ。
今回もまた藤野さんやウカノミタマ様は胃を押さえてるんだろうなあ……などとあらぬ方を見ていた所で、通信越しにリンが『ぬ』と声を上げたのを、魔王ネキは聞き逃さなかった。
『幼女ネキ?』
「来たぞ。京都各所から軍勢シンセングミ発生。今キャナルとアイリスに詳細を探らせている……ビンゴだ。壬生寺と光縁寺に悪霊カテゴリーの特に強い反応がいくつか……恐らく組長クラスだ。
そっちは私達で対応する。魔王ネキは京都各所の悪霊シンセングミを頼めるか、ヴェールを連れて行って構わん。あいつも実戦に慣れさせねばな」
『スパルタすぎない?』
「あいつが一刻も早くブランに追いつきたいというのだ。魔王ネキがいれば大事は無かろうよ」
『信頼されてるって事にしとくね……』
その声は、まるで何もかもに疲れたOLのような響きであったとリンは後に語った。お前のせいだぞ。
「……あの、魔王ネキさん。どこかお加減でも……?」
「うん、ちょっと胃がね……今は大丈夫なんだけどこれが終わったら痛くなりそうでね……」
「あっ(察し」
ヴェールの待機地点にやって来た魔王ネキ。その目がやや淀んでいることに言及するヴェールであったが、その原因が大好きな姉や自分の主人であることを察したのでそれ以上の言及を止める。
「とりあえず、ヴェールちゃんは私と一緒に悪霊退治で。
「お寺とか壊れないと良いなぁ……」
『まあ散々釘刺されてたし大丈夫だとは思うけどね……俺達は俺達でやるべきことをやっていこう。……ヴェール、合言葉を』
2人の掛け合いにため息を吐きながら加わるのはヴェールの傍らにいた三頭身ほどの緑色のロボット。ヴェール専用変形型デモニカ、『ファントム』だ。
視線の先に、剣呑な雰囲気を纏った浅葱色の羽織の集団。件の悪魔、軍勢・シンセングミだ。顔は曖昧にぼやけ、体格に多少違いがある程度にしか判別は出来ない。
これは新選組隊士の悪霊というよりは、『新選組隊士は恨みと共に死んだに違いない』などのネガティブなイメージから発生したものではないか、との事と事前の調査で推察されていた。
ならば人を殺すわけではないのだろう、とヴェールは大きく息を吐くと、きっと前を向いて口を開く。
――――――幽霊の名を持つ機械よ もし消えゆく人の痛みと悲しみが ほんのひとかけらでもわかるなら
その言葉と共にファントムがパーツ単位に分解。ヴェールの兜・鎧・手甲・脚甲という形で再構築され、装着が完了する。
「EMS-TC02『ファントム』、行きます!」
「ヴェールちゃん、好きにやっちゃって! ……あ、勿論周り壊さないようにね!」
「はいっ! ファントム、ファントム・ライト起動! 制御お願い!」
『了解! ファントム・ライト起動、活動限界まで15分!』
直後、ヴェールの装着したファントムの装甲の各部から炎が吹き上がる。アニメ『機動戦士Vガンダム』を原典とする原作再現術式、『ミノフスキードライブ』が稼働したのだ。
推進器を中心に展開した【簡易領域】に周囲の空間と反発するという性質を持たせ、その方向を制御することによって超高速で移動をする、という術式だ。
炎そのものは余剰エネルギーの放出・起動しているというサインのために発生している発光現象であり、炎のように揺らめくそれは『ファントム・ライト』とも呼称される。
原作においては未成熟殴術を無理やり制御するために余剰エネルギー排出用のサブ推進器を全身に増設、フィールドで強引にベクトルを収束させることでギリギリ使い物になる程度の性能を確保している。
この再現術式でも再現半分、制御方法の確立半分で設置されており、ファントムの演算能力・音速域での高速戦闘を主眼としてカスタムしたヴェールの性能もあり、一応の戦闘能力を持つに至る。
突如炎を噴き出したヴェールを強敵と見たか、シンセングミの一部が拳銃や小銃を構え、発砲。しかしその弾丸はヴェールに到達することなく、全身に纏う炎に弾かれて散る。
これは全身に纏う【簡易領域】によるもの。ファントム・ライト起動時はミノフスキードライブ…空間と反発する作用を持つ【簡易領域】の乱流が全身を覆い、言うなれば全身にバリアを張っている状態である。
この点に関してはビームしか弾けない原作の『ファントム・ライト』より上回っており、高速機動中に飛来物に当たるなどの事故を抑止できる。
もっとも永遠に張り続ける事は出来ず、ファントムのMAGバッテリー容量の限界、そしてファントム・ライトで高速機動することによる大気との摩擦熱、そして技術的限界により発生する放熱により、原作同様現状の連続稼働は15分。
それを過ぎれば機体やヴェールの安全のために強制冷却からの再起動に入り、ただの鎧に成り下がるという弱点も存在している。
「ファントム!」
『了解! フレイム・ソード、
ヴェールは腰にマウントされた剣、ファントム唯一の専用装備『フレイム・ソード』を抜き放ち、逆手に構える。
この装備もまた原作における『ファントム』の再現装備であるが、『ビームサーベル』という再現装備の中でも【アギ】ではなく【メギド】を用い、MAG操作技術の応用でブレード状に形成している。
これは先生ネキの専用デモニカ『ロストバレル』のビームソードと同様の仕様であるが、このブレードもまた全身に纏った【簡易領域】の嵐にさらされるため、原作のそれ同様に炎のように揺らめく。
これにより細かい見切りを困難とするという副次効果もあり、技術において周囲に劣るヴェールの助けとなっていた。
『魔王ネキさん、フレンドリーファイアは気にしなくていい! 俺がフィールドを調整して敵に当たるように歪める!』
「無茶苦茶いうよね……まあ、気にしなくて良いなら遠慮なく!」
魔王ネキが杖を構え、その先からビームのように放つ【メギド】で援護射撃を行い、ヴェールが『ファントム・ライト』を全開にして突っ込む。
無論敵もさるもの、迎え撃たんと刀を振るが、超高速で動き回るヴェールの動き、そして不規則に揺らめくフレイム・ソードの刃にかき乱され、切り裂かれてゆく。
そこへ後方から撃ち込まれた【メギド】で確実に数を減らし、【メギド】を回避したとしても、ファントムによりヴェールの周囲に渦巻く空間の乱流に軌道を歪められたそれを交わし切れずに貫かれていった。
『強制冷却実行・
少し後。ヴェールとファントム、魔王ネキは、危なげなくその場のシンセングミを殲滅し終えていた。
稼働限界に達しファントム・ライトが消え、全身から放熱するファントム。一部機能が停止しているためずしりとファントムの重さを感じつつも、ヴェールは安堵の溜息を漏らす。
「何とか、やれたかな……魔王ネキさん、他の皆も……大丈夫ですよね?」
「勿論。何とか市外への被害も最小限に収まってるしね。ファントム君じゃないけどまだ幼女ネキの大暴れが控えてるから油断できないというか……ごめん、ちょっと周囲警戒しててくれる? 胃薬飲むから」
「ほんっとマスターがすいません……」『お大事に……』
その時の魔王ネキの苦渋を噛み締めたような顔は、自分の主人である幼女ネキことリンに振り回される宮城支部長、レン子ニキにそっくりだった、とヴェールは後に語る。
どっとはらい。
そんなわけで131話でした。多分この後のやりたいことパートねじ込むと50kb越えそうなので分割。
□解説
・ようじょ
一応周辺環境に配慮するつもりはあるようじょ。でも多少はコラテラルダメージだよな? と思っている。
今回あんまり出番なかったので詳細は次回。
・ヴェール
ようやく戦闘スタイルが確立してきたのでお披露目。
デモニカがファントムなのは緑色だったから。ミノフスキードライブ術式のテスターという面もあり、V2ガンダムに対するファントムぐらいの精度で使いこなせる。
・ミノフスキードライブ
術式は完成しているが使いこなせる奴があんまりいない。
ようじょがマニュアルとすると、ヴェールがセミオート、今スピードキングニキが実用化しようとしているのがフルオート、という感じ。
・ファントム
ヴェール専用デモニカ。
大体作中で開設した通りの感じ。全身に簡易領域を纏っている関係上本来まともに射撃武器が使えなかったりするが、その辺りはファントムが射撃時に調整している。
・SDガンダム型変形型デモニカ
宮城のモビルスーツ開発から派生した変形型デモニカ。全身を覆わないので系統的にはカジオーネキ系とウェルニキ系の中間ぐらいに位置する。
現状クロスボーンX1~3とフリントが完成済み。パワータイプデモニカと一緒にオービットベース建造の際の船外作業服&作業員として使われている。
SDガンダムなのはようじょの趣味。
一般販売分のやつはメダロットとかガーディアンぐらいのAI詰んだ簡易型。字が持たせるのは実費でな! との事。
・軍勢シンセングミ
京都に渦巻く負の念が新選組に対するネガティブなイメージと新選組自身の恨みの念と結びつき、そこにメシアンとダークサマナーがいらん事した結果大発生した軍勢悪魔。
根っこを断たないと延々発生し続けるので、今回ようじょに恩返しとして依頼し根っこから殲滅しようということになった。
なお魔王ネキは『これ自分達で処理した方が大変だったろうけど絶対胃の負担少なかったよね』とちょっと後悔している。