丁度京都だったから……!
【京都】京都防衛戦実況スレ【大火】
1:カジオー
幼女ネキが魔王ネキからの依頼を受けて始まった京都の悪霊シンセングミ退治の実況スレ。
バトル風景の配信は幼女ネキのチャンネルでやってるよ。みんな仲良く!
・幼女ネキのチャンネル『ヤードポンド法とDレベル撲滅協会』
ttp://〇〇〇.DDS.net/〇〇〇〇
50:名無しの転生者
何とか現状京都市街に大きな被害はないな……ヴェールちゃんも強くなったねえ、今回の戦いで40いくんじゃない?
51:カジオー
あたしとウェルニキ合作の特注デモニカ使ってるんもあるけど、あのこブランちゃんに追いつきたい! の一念でかなり頑張ってたからねえ
ちなみに現状レン子ニキが胃痛でぶっ倒れて傷薬ガブ飲みしてるし伏見稲荷と藤野さんが常時胃を抑えてて穴空くのも秒読みかもだってさ
あたしら今福島の草神ネキの居酒屋の個室から配信してるから現場にいないけど
[配信中]
カ『いやー時代劇見てるみたいで酒が進むね。あ、福島某所の黒札経営の居酒屋から人妻コンビ*1がお送りしてまーす』
鉄『福島支部の鉄球ネキです。たまたま居合わせただけなんですけど……まあ、真人*2は夜勤だからいいんですけどね』
草『店主の草神ネキです。配信とか本当に便利な時代になったものねえ』
カ『旦那が今京都でチャンバラしてるから飲みに来たんよね。後ついでに幼女ネキの配信の管理してる感じ?』
60:名無しの転生者
いないのかよ!w
というかカジオーネキが京都にいないって事は幼女ネキのストッパーおらんって事じゃないの?
64:カジオー
先生ネキならいるから大丈夫っしょ。あいつやると決めたら幼女ネキ以上に即断即決だし
メンタルオンとオフがシームレスっていうか、極端な話オンもオフもないからね。昔よりは丸くなったらしいけど
多分宮城で一番イカレてると思うよ? 顔面が土砂崩れしてても言動や挙動は一切狂わないあたり切り分けできてるっていうか、本能と理性が脱着自在というか
常時SAN値0.5(ここから一切変動しない)というか
74:鉄球
あー……確かにあの人、常時ギリ正気というか正気と狂気の境界線でブレイクダンスしてるようなとこありますもんね……
84:カジオー
一蔵君*5もダクサマ業界長いけど、一蔵君と比べても10年以上業界にどっぷりだった芸歴30年の化け物だからなあ
あれで適正が製造系なの何かのバグでしょ。いやあたし含めて宮城の製造系、そんなの多いけど
あ、脱線してた。本筋もどそっか
カ『ちなみに今回あたしの旦那含めた幼女ネキ舎弟と直属部隊『百鬼夜行』の面子を動員して悪霊シンセングミとやり合ってるよ』
鉄『あの、なんか画面に動物と妖怪しか映ってないんですけど……あ、雪車町さん映った』
カ『幼女ネキの配下って大半人外だからなぁ。なお連れてきてるのは総じてレベル10以上の面々だよ。10~20ぐらいが大半だけど上位層になるとレベル70越えとか普通にいる』
93:名無しの転生者
色んな方面の映像を切り替えて見れるのは有り難いね……ってなんかでっかいエリンギとアイルーとバイオショックのビックダディが大暴れしとる……
ビッグダディはこれドクトルニキだかの作ったデモニカだっけ?*6
[動画]
(巨大な二足歩行するエリンギ・右腕がドリルになった巨大な潜水服、様々な武器を持った二足歩行の猫がシンセングミに躍りかかる)
96:カジオー
ああ、そっちは簡易シキガミ部隊やね。アイルーはまあそのまんまアイルーだけど、エリンギはダクソのキノコ人*7をモデルに幼女ネキが作った新作だよ
スピードは遅いけどタフでパワーのある壁役に最適な奴だね。ぶっちゃけ殴るしか能がないけどその分ステータスに全振りしてるからお値段以上のパフォーマンスを発揮できるってさ
ちなみにレベルは15ぐらいだったかな確か。ビッグダディはドクトルニキの作ったデモニカを改造して小型簡易シキガミ系が2体乗り込んで動かしてる
ナマズオとかは知能は高いけどちょっと戦闘力という面では落ちるから、こういうのに乗せて指揮官にしてるんだってさ
他にも幼女ネキのコレクションからATとかTA*8を改造して複座型ロボに改造してるとかなんとか
101:先生
お、やってるやってる。あたしの仕事は終わったんで顔出しに来たぜー
お土産にさっき撮って来たシンセングミVSテラフォーマーの戦いをば。配信管理してるアイリスさんにも渡してきた
[動画]
(数十体のてらほくんが一斉にガイアメモリを起動。「コックローチ!」の音声が多重にハモり、メモリを刺すと筋骨隆々の戦闘モードへ変身する)
114:名無しの転生者
うわぁ
というか先生ネキ、あんたは参戦せんでええの?
127:カジオー
あ、さっき上がってた画像あれ先生ネキ出所か。いやー笑った笑った
138:先生
あたしは今回の一件の首謀者をぶっ殺して情報ぶっこ抜くのが仕事だったし……あたしが参戦しなくても何とかなるっしょ
確か今回近藤さんとはじめちゃんも来てるんだよね?
142:名無しの転生者
そういえば福島でその2人が出たとか……あれもダクサマ絡みの話だったっけ?*9
146:鉄球
今回の件とは無関係だそうですけどね。いやほんとびっくりしましたよね、何か事件があって、幼女ネキの娘さんのイズナちゃんが応援に来て、解決したと思ったら新選組なんですもん
152:カジオー
笑ったよねえあれは。親子そろってほんと妙なもんばっか拾ってくるし……
百鬼夜行の構成員の大半は人間含めて幼女ネキとたまにイズナちゃんが拾ってきた連中なんだもんよ、そりゃ実質幼女ネキ直属部隊になるよねって
一蔵君とか夢澤と殺島、聖華天メンバーはあたしの紹介だけどあの辺は人間だから百鬼夜行メンバーじゃねえしな*10
153:先生
ポチちゃんとマシロちゃんは割と最初期から幼女ネキの子分だったけど、ほんと強くなったよねえ。あの子ら確か幼女ネキの子分になった時点でレベル1ケタ台だぜ?
それが今やレベル50台、人間でもそうそういないレベルの成長株になっちゃったんだから
マシロちゃんは覚醒動物だけど、ポチちゃんは今確かハイレベルアップにハイレベルアップを重ねた結果聖獣ビャッコじゃなかったかな*11
155:名無しの転生者
育ちすぎィ! でも幼女ネキ見てるとまあこんなもんか……ってなるのほんと感覚バグるよね
確か百鬼夜行の幹部メンバーはおおよそレベル70~50ぐらいだろ? ほんと生え抜きの精鋭が揃ってんだよな……
156:レン子
ぶっちゃけるけど私の配下に当たる宮城の現地民でもどうにもならんレベルの数と質なのよね……
いや私の配下の人達も新潟の黒騎士部隊並の質はあるし、人間だからこその政治力とかそう言うのは高いんだけど
純粋に戦闘能力だけ見ると幼女ちゃんのとこが突出してるのよね。覚醒動物や妖怪は大半は高くて20ぐらいだけど、何より数が多いし、動物たちはどこにいても人間は気にしないし
百鬼夜行の早期警戒網で察知して、その援護を受けながら私の部下たちが突っ込む……という流れができてからはほんと安定してるからあんまり拾ってくるなとも言い辛くて
165:名無しの転生者
あ、胃痛でぶっ倒れた支部長だ。生きてる?
172:レン子
一応ね……胃に直接ディアかけながら胃薬を液体タイプの傷薬で飲み下すと唐突な胃潰瘍にも効果的よ、みんな試してみてね*12
183:名無しの転生者
そんなん試す状況になるほど胃に負担掛かったことねえよw
185:名無しの転生者
お労しやレン子ニキ上……
192:鉄球
あ、あの!? 配信眺めてたらカジオーネキさんが唐突にむせて大爆笑し始めたんですけど!?
[動画]
(床に転がって笑いながら痙攣しているカジオーネキ)
200:名無しの転生者
何があった!?
209:鉄球
分かりません……なんか「ケツァレクション」……とか?
219:名無しの転生者
……もしかしてこれか?
[動画]
(オオテノシロケツが尻(顔)に刀を挟み、力むと刀の形が変わり、シンセングミを薙ぎ払っている)
222:名無しの転生者
ケツバトラー*13だこれ!
225:カジオー
いやぁ笑った笑った……死ぬかと。そういえば大分前に幼女ネキ達が『創造ってあそぼ』で変な鉱石作ってたっけなぁ……そうかあれケツバトラーの決命石*14か
238:脳缶
説明しよう! なんか適当に適当な素材をぶち込んで出来た鉱石の用途を色々模索してたら、シロケツ君がケツに挟んだ時だけ異様なパワーを発揮したんだよね
その後ヨロイニキやサスケニキの協力の元調べた結果、丹田から発された気に反応して力を解放する性質の鉱石だという事が判明したんだ!*15
そしてケツバトラーになぞらえて「決命石(ケツメイシ)」と名付け、そこから3本の刀*16を作ってシロケツ君、ヨロイニキ、サスケニキにそれぞれあげたんだ
シロケツ君の刀が「尻闘(けっとう)」、ヨロイニキのが「尻雷(けつらい)」、サスケニキのが「尻風(けっぷう)」と名付けたよ
[画像]
(尻に刀を挟んだサスケニキとヨロイニキ)
249:名無しの転生者
うわでた
何でそれでケツバトラーにしちゃうんだよw
丹田からの気に反応するなら別に尻に挟む必要なくない?
252:脳缶
残念ながら丹田からの距離が一定以上離れると反応しないんだよね
だから丹田から近く、かつ強靭な筋肉。つまりお尻で保持することで凄まじい力を発揮する「決気刀」になったわけだね!
ちなみに僕らは尻で刀を挟むなんてかっこわる過ぎるからやらなかったけど
258:名無しの転生者
お前らなw
268:脳缶
なお「ケツァレクション」は「尻解放」と書き、ぶっちゃけるとBLEACHの斬魄刀解放みたいなもんだね!
シロケツ君の尻解放はシンプルに威力と身体能力が上がるタイプみたいだ
他の2人はそこまでたどり着けてないみたいだけど、これはシロケツ君がケツの妖怪だからこそ決気刀との親和性が極めて高いのではないか、というケツ論が出てるよ!
以上、解説終わり! 僕は幼女ネキへの依頼の準備で忙しいからまたね!
274:名無しの転生者
あっ逃げた!
287:名無しの転生者
逃げるな卑怯者!! 逃げるなァ!!!
298:鉄球
……まあ、結果的にシロケツさん専用装備が出来たという事でいいんでしょうか?
303:カジオー
いいんじゃねーかなー……
しかも爆弾もついでに落としてったし、幼女ネキへの依頼って何させるつもりだあいつ……
いやな予感しかねえ……
312:レン子
カジオーネキも胃薬を傷薬で飲む? キくわよ?
320:カジオー
準備はしといたほうがいいかもしれんね……
322:鉄球
……その、ご愁傷様です……?
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『みんな、撹乱しつつ散会! 浮き駒を包囲して各個撃破だっぺ!』
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個々の戦闘力では劣るものの、巧みな連携と人間に比べ圧倒的に小さな体で撹乱し、何よりシンセングミの物量にすら匹敵する数で端から削っていく。
時折負傷者は出るも、すぐに治療を受けに後方に下がり、治療を受けて戦線に復帰する。これがリンの配下、非人間部隊『百鬼夜行』の基本戦術であった。
『百鬼夜行』の士気は高い。特に覚醒動物のそれは顕著である。何故ならば、それはリンやイズナが拾い、ボスとして君臨しているからだ。
リンは人でも悪魔でも、あまつさえ動物ですらその配下の出自を問わず、微力を尽くす者には助力を惜しまない。
歯向かうものには容赦はしないが、裏を返せば忠義を尽くすならば相応の報酬をもって返すのが常だ。
野生動物たちには食うや食わずの生活を送っている者も多い。食住の提供を報酬としている者もいれば、地域猫として自分を世話してくれている人間の保護を求めてくるものもいる。
そしてリンはきちんと働きを示せばきちんと報酬を与える。それによる負傷や病などにも福利厚生の一環としてしっかり対処してくれる。
そのため、リン配下の野良・野生動物の士気は、その末端に至るまで非常に高いものとなっていた。
『……エネミーソナーに感無し、この場の殲滅は終えたっぺな。本部、担当区域の殲滅完了。周辺警戒に移行するっぺ』
『本部了解。マップに赤い円で表示されている範囲では隊長クラスとの戦闘が行われています。接近は出来るだけ避けてください』
少し後。ビッグダディ内部の指揮官ナマズオがコンソールを弄りつつも周囲を警戒し、孔雀明王で京都市街上空で全体の管制を行っているキャナルへと報告を上げる。
現状、状況は優勢に推移している。軍勢悪魔は百鬼夜行メンバーで問題なく撃退できているが、一部隊士、隊長格は独立した悪魔として出現し、部隊に被害が出ている。
そちらに対しては幹部メンバーや主人であるリン、その伴侶たちやリン麾下の人間メンバーによって対処されているので、問題はないだろう。
一息ついたところで、ナマズオはふと疑問に思ったことを口にする。
『そう言えば……リン様は大人しくしてるっぺか? まあ、リン様が全力で暴れたらこの町丸ごと一瞬で吹き飛ぶだろうから、大分大人しく戦っているとは思うっペが』
『通信切れてませんよ。……一応、何とか、現状文化財への被害は皆無、一般家屋への被害も空き家以外精々屋根瓦が割れた程度です。
現状京都市街全体に突発的な台風警報と認識阻害と人払いの合わせ技で外に注意を向けることなく大人しくしてもらっていますが……! うぅ』
あ、これ本当に大丈夫ではあるけどいつ爆発するか分かんないから終わるまで胃が痛い奴だ。ナマズオはそう直感し、それ以上の言及を避けたのだという。
「ああもう、数が多いったら!」
襲い掛かるシンセングミを切り払うのはステレオタイプな吸血鬼の装束を纏った銀髪の少女。リンの配下である吸血鬼、ミディアだ。
今回とにかくある程度の質を兼ね備えた数が必要だ、との事で、宮城県に住まわせている者、普段月架手町に住まわせている者達も含めて配下を招集。ミディア指揮の元シンセングミと対峙していた。
――――――いたのだが。
「ふははははは! 壬生の狼何するものぞ! ミディア、援護は吾輩達に任せるがよい!」
そう発言するのは吸血鬼らしくマントを纏った筋骨隆々の偉丈夫。しかしその姿が異様であった。
およそ衣服と呼べるものは一切纏っておらず、隆々たる体躯を惜しげもなく晒し、股間にだけゼラニウムの花が咲いている。
あまつさえその股間のゼラニウムから無数の蔓を伸ばし、ミディアに的確な援護を行ってすらいた。
彼の名は天竺葵、吸血鬼としての通り名をゼンラニウム。*17『全裸の上股間に花が咲いている』のではなく、『悪魔化したゼラニウムの花から筋骨隆々の偉丈夫が生えている』というタイプの吸血鬼である。*18種族で言うなら【夜魔】【幽鬼】ではなく、【妖樹】にあたる。
かつてミディアがリンの配下になった折、人間を敵視する者達はまとめて処分され、人間に対し悪意を持たない、または好意を持っている吸血鬼たちだけが残された。
つまり比較的人間と協調できる精神性を持った者達が残る事となったのだが、いかなる訳か大体奇癖・奇怪な生態を持ったトンチキ共ばかりとなったのである。
勿論真っ当な吸血鬼もいるにはいるが、問題を起こすのが前者のバカ共なので大体まとめ役をしているミディアの胃に負担がかかっている。是非もなし。
「そうだぜミディアちゃん! 俺たちは端から潰して行きゃあいい! ま、ぼやきたくなる気持ちも分かるがな!」
「全くだ。いくら我が眷属と変えても次から次へと湧いてくる……まあ、これこそがこの地に降り積もった恨みや憎しみの強さでもあるだろうがな」
「まあミディアさんの頭痛胃痛の半分は兄ちゃんたちのせいだと思うけどね」
「あんたら全員のせいだーっ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そう口々に言う3人の吸血鬼たちに絶叫するミディア。
法被を着て手拭いを巻いた吸血鬼、マイクロビキニを着て中折れ帽を被り、ドミノマスクで目元を隠した吸血鬼、目の部分だけ穴の開いた覆面を被り、いかにも幽霊と言った風体の下半身が透けている吸血鬼(?)。
法被の男が『吸血鬼野球拳大好き』ことケン、マイクロビキニの男が『吸血鬼マイクロビキニ』ことミカエラ、下半身が好けている幽霊もどきが『吸血鬼下半身透明』ことトオル。
彼らもまたミディアのまとめる吸血鬼たちであり、年齢こそ離れているが吸血鬼としては珍しく血縁関係のある3兄弟である。*19
また彼らの周囲ではマイクロビキニを着た上でその上からだんだら羽織を羽織った新選組隊士のような男たちがシンセングミと斬り合っているという地獄絵図が展開されている。
冗談のような光景と通り名だが、ミディアがまとめる吸血鬼達の中ではなかなかの強豪かつ比較的扱いやすい面々なのであった。
野球拳大好きはその通り名の通り野球拳が大好きで、相手とタイマンのじゃんけん勝負に持ち込むために非常に強力な結界を張る能力を持つ。
他の兄弟やミディアの援護のために襲い来るシンセングミに対し強引にじゃんけんを挑み、その際に発生する結界で他の敵をはじいたり、仲間への攻撃を防いでいる。*20
マイクロビキニは血を吸った相手を(マイクロビキニ姿にした上で)操るという強力な催眠能力を持つ。この能力でシンセングミを支配して操り、数の利を覆さんとしている。
下半身透明は通り名通りの『下半身だけ透明になる』というだけの能力であるが、それを活用して襲い掛かるシンセングミの足を引っかけたりして転ばせ、ミディアの攻撃やミカエラが血を吸う隙を作り先頭に貢献している。
そしてゼンラニウムもまた仲間思いで器用な能力を持ち、*21この戦闘においては非常に役立っている。癪なことに。
「ほんとこいつら頭痛くなるような馬鹿共なのに連携させるとめっちゃ役立つのが釈然としなーいっ!」
ミディアは苛立ち紛れに絶叫しながらもサーベルを振り回し、胃袋を犠牲にしてこの戦いにおいての黒札を除くキルスコアトップを記録したのだという。
『あの、マスター? ミディアさんめっちゃキレ散らかしてますけど大丈夫なんです?』
「人選はミディアに任せたから私のせいじゃないぞ、一応。暇な奴らがあいつらしかいなかったんじゃないか?
まあ今のレン子ニキとかマルコーニキよりはマシだろ」
『F1マシンに轢かれるのとダンプに轢かれるの、どっちが辛い? みたいな話をされましても……』*22
キャナルからの報告に眉根を寄せるリン。実際今回リンがミディアにしたのは『ある程度のレベルを持ち暴走しづらい(しても押さえ込める)奴らを選べ』のみ。
その結果集まったのが奴らなのでリンとしては何とも言い難い所である。*23
「まあその話はいい。戦況はどうだ?」
『あ、はい。全体的に優勢に推移しています。シンセングミ討伐に関しては九分九厘問題なし……
出現した【ネームド】に関しても、百鬼夜行上位陣により現在半数が討伐完了済みです。一部この地で死んでいない面子がいるのが気になりますが……』
「まあ、その辺は『この地に眠る恨みが新選組という形を取った悪魔』ということなのだろうな。具体的には?」
『現状確認している【ネームド】は8名、近藤勇、芹沢鴨、土方歳三、沖田総司、永倉新八、原田左之助、山南敬助、斎藤一。うち土方・永倉・山南・原田の四名は討伐を確認して―――』
そうキャナルがいいかけたところで、前方の方から何かが飛び、リンの足元へ落着。それはだんだら模様の羽織りを来た、ウェーブのかかった長髪の青年。
致命傷であろう傷を負ったそれが新選組の三番隊隊長、斎藤一であることに気付いたリンは、眉一つ動かさず抜刀するとその心臓に突き立てた。びくりと震え、MAGへと還る『斎藤一』。
『――――加えて、斎藤一の討伐を確認』
「おい、こっちに飛ばすな。
そうリンが飛んできた方に苦情を飛ばすと、そちらから歩いて来るのはス―ツの上から黒い軍服と思しきコートを羽織った青年。
彼の名もまた斎藤一。とはいえ今京都に出現している【軍勢シンセングミ】のネームド個体ではなく、かつて紆余曲折ありリンの配下となった英傑悪魔、【英傑サイトウハジメ】であった。*24
「いやー、ごめんねマスターちゃん。同キャラ対決なんて初めてだったから思いのほか盛り上がっちゃって。でも一瞬という割には寸毫ほども太刀筋に迷いなかったけど?」
「一瞬考えた結果『悪霊っぽいし敵の方だろ、間違ってても蘇生してごめんなさいすればいいか』と思ったからトドメ刺しただけだぞ」
「えぇ……」
『すいませんうちのマスターこういう人なので……でも多分斎藤さんじゃない、敵の方だって直感してたからやったんだとは思います……』
ドン引く斎藤。今回、京都での新選組退治という事を聞いた彼であったが、悪霊とは言え同胞を斬らせるまいと思ったリンは留守居を命じようとしたが、それを固辞。
同時期にリンの配下となった近藤勇と共に、今回の作戦にぜひ参加させてほしいと申し出たのだ。
「いやまあ、分かってたけどね。ともあれ、だいたい『名前持ち』も残り半分ぐらいだっけ?」
「今私が殺したので残り3人だ。芹沢は壬生寺に陣取って動かん、近藤はこっちの近藤と睨み合ってる、沖田が所在不明、だったか?」
『はい。なので沖田総司の捜索をしつつ芹沢鴨はマスターに打ち取っていただければな、と』
「わかった。斎藤、ついてこい。他の者達にはシンセングミ共を削ることに専念しろと伝えろ。
……そうだ、キャナル、名前持ち共からフォルマは回収しているな?」
『はい! 討伐した【ネームド】、斎藤さんを除く4名からはフォルマやMAGの残滓を回収済です。また、軍勢シンセングミからも構成MAG、フォルマの回収は終えています』
「ご苦労。……どうした斎藤、そんな不思議そうな顔をして」
そうリンが水を向ければ、斎藤は頭を搔きながらも口を開く。
「いやぁ、わざわざ何やってんのかなって。まさか俺達みたいなの作るつもりで?」
「そうだが。まあ、レベルはお前らと同程度ぐらいになるか? まあ、ほどほどだが、そこからは自分で鍛えてもらうことになるな」
「えっ」
絶句する斎藤。薄々感じてはいたが、ガイア連合は本当にとんでもない集団のようである。
自分達を拾ったリンの娘(!)であるイズナですら自分達の倍近い強さを持ち、自分が普段詰めている会津の地ですらそれに匹敵する強者がうようよいる。*25
その時に聞いた所によると、自分達のレベルですら一般的には超人の域を越えているのだという。*26そんなレベルを「ほどほど」と言い切るこの主人は、絶対なんかの物差しがズレている。*27
斎藤は、後に酒の席でそう語っていたのであった。
そんなわけで132話でした。
いずれやりたかった新選組VS新選組をぶち込んだら伸びる伸びる……
流石に次回で終ります。
□解説
・人妻コンビ
ヒマだったのでようじょの依頼で実況スレの管理をしつつ酒飲みに来た人妻と、旦那が夜勤でいないので知り合いの所に飲みに来た人妻。
この後スレを適当に管理しつつ配信見て爆笑したりドン引きしたりした。
・ようじょ
全体の指揮をしつつ降りかかる火の粉を払って出来るだけ我慢してたようじょ。
多分嫁達に『指揮官は後ろでドンと構えててください』とか説得されたものと思われる。
ただこれから暴れはじめるので出来るだけ壊れないようにみんなが祈り始めた。
・はじめちゃん
目の前で躊躇なく主人が自分と同じ外見の奴にトドメ刺したのでちょっと引いてる。
そして自分ぐらいの強さが『ほどほど』と言い切るのにも割と引いてる。
でもそうならざるを得ない過去がある事は聞いてるので心配はしてる。