流石に次回で終りますが、六月中には終えたいところ……
なおこの延長により京都編が前中後ではなくナンバリングになります。
斎藤を伴い、芹沢鴨の待ち受ける壬生寺へと侵攻するリン。その道中は不自然なほど静かで、時折離れた場所で発生している散発的なシンセングミ対百鬼夜行の音が聞こえてくる程度だった。
しかし、直後その静寂が破られる。警告音と共に展開した立体映像モニターには、真剣な表情のキャナル。
同時に展開した地図が示すのは、シンセングミらしき反応がリン達を迂回し、壬生寺へと向けて続々と集合しつつある、という動きだった。
『マスター、敵に動きがありました。軍勢シンセングミ、大半が壬生寺に向けて移動開始! 追いますか?』
「いや、放っておけ。恐らく芹沢の仕業だろうが……奴め、壬生寺で決戦と洒落込むようだな」
『あの、マスター、ほんと壊しちゃだめですよ? ね?』
「だからやらんというに。どうにかする方法もある。皆本当に気にしすぎなのだ。……まあいい。
向こうも出迎えてくれるのだ、こちらも派手にやる。キャナル、『バビロン』の慣らしは済んでいるな?」
『え゛』
「準備ができ次第呼ぶ。いつでも出せるようにしておけ」
硬直した(しつつも管制の手は止めていない)キャナルを尻目に、リンは歩みを止めず壬生寺への道を突き進む。
そこに斎藤が追い付き、先程のやり取りについて苦笑する。
「あんまりお嫁さん困らせちゃだめだぜマスターちゃん? 今回本当にみんな胃袋押さえてるようだし……
……ってか、バビロンって何するのさ? 派手にやるってのは字面から想像できるけど」
その問いに、リンは『見てのお楽しみだ』とにやりと笑い、斎藤は『あ、これ絶対ろくなことしない奴だ』と直感したのだという。
同時刻。京都某所の路上で、2人の男が睨み合っていた。
片や、黒い着物を片肌脱ぎにし、だんだら模様の黒い羽織を羽織った長髪の青年。
片や、浅葱色のだんだら羽織の上に毛皮の肩掛け、鉢金を付けた長髪青年。
驚くべきことに、黒い羽織の方が憎しみと恨みに歪んだ表情、浅葱の羽織の方が凛と引き締まった表情である違いがある程度で、その顔は瓜二つであった。
「
両の腕を血に染めてなお、無様に首を斬られた俺達が! どの面を下げて羽織ると!」
「羽織るとも。
それが、この世において二度目の生を受けた私達が、『近藤勇』が果たさねばならない責任なのだから!」
そう、彼らはともに『近藤勇』。黒い羽織の方が今回【軍勢シンセングミ】のネームド個体として発生した【悪霊コンドウイサミ】。*1
浅葱の羽織の方がかつて福島県において斎藤と共に発生した【英傑コンドウイサミ】。
その出自こそ違えど、共にかつて『誠』を掲げ、剣を振るった男『近藤勇』として発生した悪魔であった。
浅葱色の英傑は、腰の刀―――『銘刀虎鉄』を抜き、構える。黒の悪霊もまた、全く同じ構えで構える。
「私は、会津の地において皆の祈りから産まれた
だからこそ、私にはお前たちを斬らねばならぬ理由がある」
その言葉に、黒の悪霊は答えない。深い怒りと憎しみ、他者にではない。己自身へのそれを、目の前にいる英傑へと向けている。
それを受けて、浅葱の英傑もまた、真摯な眼差しを黒の悪霊へと向ける。それが、自分が
「怒りと、憎しみと、恨みと。破れ、散って行ったのだから、恨みを抱いているに違いないと。
「抜かせ、負け犬がぁっ!」
「―――今宵の虎徹は、血に飢えている。恨みとともに生まれた者達よ! その恨みの血、この虎徹が、新選組局長、近藤勇が吸い尽くしてやろう!」
冴え冴えとした月光の下、2人の『近藤勇』は刃を交える。恨みを吐くために、そして恨みを晴らすために。
「……ちょっとあそこに割って入るのは無粋だな、遠回りするぞ斎藤」
「いやまあ、
そう言って道を外れ、路地裏へと入るリンと斎藤。流石にリンにもシリアスな場に割って入ろうとしない程度の人情はあった。
そうして近藤の邪魔にならないようなルートを取って移動し、路地裏から道路に出たその時。警告音と共にキャナルからの報告が入る。
『マスター! 壬生寺に集結中のシンセングミの一部がそちらへ向かっています!』
「ああ、分かっている。それに―――」
言いつつ、リンは抜刀し刃を振り上げる。そこに白刃がぶつかり、甲高い音を立てた。
「どうやら大将首を狙いに来たな、良い心がけだ」
そう言うリンの目前に降り立ったのは、浅葱の羽織を羽織った、少女とも少年ともつかない、中性的な人物。*3
その表情からはおよそ感情という物が抜け落ちており、その瞳からは、揺るぎない、そして純粋な殺意がリンへと向けられていた。
「新選組一番隊隊長、沖田総司。お命頂戴しますよ、たとえ斎藤さんだったとしてもね」
「悪霊・オキタソウジ……これでネームドは全員出そろったな」
「そうだよなあ、この場で沖田ちゃんは大将首狙いに来るよな。そんで……マスターちゃん、囲まれてるぜ?」
苦笑する斎藤。気づけばその周囲はシンセングミで包囲されており、突破は容易であろうが、余力は残しておいた方がいいだろう。
斎藤が己が殿に残る、と口を開こうとした瞬間、包囲しているシンセングミの一角が吹き飛んだ。
そこから現れたのは、忍者のような装束を見に纏った、黒い長髪の蛇のような印象を受ける男。
その傍らには格子のようなマスクで目元を隠し、どこか神職のような印象を受ける衣服を身に纏った、末端にかけて赤く色づいた、足元にまで届く黒髪の少女。
その後ろには数人のトレンチコートを纏った屈強な男たちが控えており、シンセングミ達もその異様さに手が出せないでいるようだ。
「大蛇丸ニキか。そいつらは……ああ、そう言えばこの間
大蛇丸ニキ。漫画『NARUTO』の再現術を作った縁でリンと知り合った『原作持ち』で、自分もまた同作品の『大蛇丸』に似た外見であった。
普段は同様のNARUTO作品の『原作持ち』と共に傭兵集団『暁』を結成しそのブレーンとして所属しているが、現在は宮城支部所属としても活動している。
そしてリンはトレンチコートの男たちに覚えがあった。見違えるほどに屈強になっているが、かつてアメリカにおいてメシア教徒として拘束され、リンを激怒させるも最終的に放免された穏健派の者達だ。
その後リンの過去を知り、己が言行を悔い、棄教して大蛇丸ニキ付の実験体として贖罪の日々を過ごすこととなった。その
少女の方は確か、その為に作った大蛇丸ニキのシキガミだと聞いている、
「ええ。露払いはこの子達に任せてもらおうかしら。コロンビーナ?」
「分かったわ、お父様。さあ、あなた達。お仕事よ」
「「「「「はっ!」」」」」
コロンビーナと呼ばれる少女がそう言って手を上げると、それに応じ男たちが彼女の前に並び、その肉体が変異を始める。
膨れ、トレンチコートを内側から弾けさせ、白い筋肉質な肉体に、各部に黒い甲殻を備えた異形の人型へと姿を変じさせる。
「……『リベルタス』か。いい趣味をしている」
「宮城支部製人造デビルシフター『
「リベルタスを指揮しているという事は、そっちの『コロンビーナ』は……そう言う事か?」
「そう言う事よ、幼女ネキさん?」
そうコロンビーナが呟くと、その額に宝玉が現れ、光を放つ。直後、そこにいたのは薄桃色の、ロングヘアの女性を象ったような異形。
「『
私、これが初陣なの。折角お父様が見ててくれるんだから、見せ場の1つぐらいは欲しいのよ」
「ならば任せた。悠長に歩くのにも飽きて来た、掴まれ斎藤、跳ぶぞ」
「えっちょっとマスターちゃんもう掴まれてるっていうかそこ首――――――ぐぇっ」
言うなり問答無用で斎藤の襟首をつかみ、地面を陥没させる勢いで大跳躍。それを追おうとした沖田はその際斎藤の首が曲がってはいけない方向に曲がっていた気がしたが、
それに言及している余裕も、ましてや追撃する余裕も、沖田にはなかった。目の前の
そして、その後方で
「あら、そのまま追ってくれれば背中を撃てたのだけど。―――リベルタス、行動開始。ああ、そうそう。周囲に被害を出さないようにね?」
少し後、壬生寺付近。リンは使い終わった反魂香をしまいながら申し訳なさそうに頭を掻いていた。
斎藤は青い顔をしながら首元をさすっていたが、特に問題がないと分かると大げさにため息を吐く。
「いやーすまんな斎藤。まさかあれで死ぬとは」
「首が折れたら普通死ぬと思うんですけどねぇ!?」
「いやお前悪魔だしギリ耐えるかなって。それに首が取れた程度で死ぬような友人あんまおらんかったし……」*7
ついうっかり、とでも言いたそうな顔で首を捻るリンに『そう言えばうちのマスターこんな人だったわ……』と今日何度目かの沈痛な面持ちとなる斎藤。
夜空に淀んだ笑顔でこちらにサムズアップして来る宮城支部長が見えた気がしたが、気のせいか幻覚だと思いたい。
「……ともあれ、壬生寺かぁ……なんか養老院*8もあるって聞いてるけど、どうすんの?」
「殴り込むが?」*9
「いやそうじゃなくて。民間人とか建造物に被害出しちゃだめって言われてるよね? 芹沢さんならまあ人質に取ったりはしないと思うけど……」
「交渉の余地もないのに無駄なことはすまい。まあ、さっきも言ったが方法はあるぞ」
「例のバビロンってやつ?」「それは別」「別なんだ……」
などと言いつつ壬生寺の南門へと差し掛かる2人。門からは左に本堂、右に鐘楼が見え、その奥にある壬生寺会館、その手前にある広場に、浅葱の羽織の集団が待ち構えていた。
曖昧な顔立ちの無数の者達の中心にいるのは、日本人にしては長身で大柄な男。アナライズによれば『猛将セリザワカモ』。この壬生寺で待ち構えていた軍勢シンセングミ、そのネームドの最後の1人だ。
「キャナル、伏兵は?」
『周囲に反応有りません! ……あの、本当にやるんですか?』
「合図をしたら出せ。さて、それでは……戦場を整えるとするか」
そう言ってリンは軍服のような衣装に着替え、学帽を被りマントを羽織る。リンが『葛葉ライドウ』として動くときに纏うと決めている、通称『ライドウスタイル』だ。
そして刀……『赤光葛葉』を抜き放つと、その刀身が仄かな光を放つ。
「【ディバイディングドライバー】、
呟き、抜き放った刀を逆手に構えて地面に突き立てる。瞬間、突き立てた場所からエネルギーが迸った。
身構える芹沢やシンセングミであったが、不可解なことにその奔流は彼らに痛痒を与える事すらなく通り過ぎ……直後、その足元の大地が消え去った。
それも芹沢達だけではない。リンと斎藤の足元からも大地は消え去り、リンと斎藤、芹沢とシンセングミは空中に放りだされる。
周囲を見れば、地面がえぐり取られたように広い円柱状に穴が開き、そこに自分達は落ちて行っているようだ。
「足元に気を付けろよ、斎藤」
「それやる前に言って欲しかったなぁ!?」
言いつつも、斎藤もリンも、危なげなく地面に降り立つ。敵方も欠落なく着地したようだ。
斎藤は地面を確かめるように足踏みをする。硬い。柔らかくはなく、踏み固められた地面のそれ。直径は18町*10と言った所か?
「これがあるから別に多少派手に暴れても良いんだがな、みんなは本当に心配性で困る」
『あの、私達それ出来るって聞いてないんですけど』
「サプライズだな! びっくりしただろう!」
『マスターそう言う所ですよ!?』
「マスターちゃんそう言う所だよ!?」
「てへぺろ」
キャナルと斎藤からのツッコミを腹の立つ顔で受け流し、リンは赤光葛葉を鞘に収める。
【ディバイディングドライバー】、これはリンがかつて搭乗した『ガオファイガー』が登場する『勇者王ガオガイガー』に登場する装備の名前である。
ガオガイガー、及びその後継機ガオファイガーには戦闘支援を目的とした各種装備を運用する機能が供えられている。
【ディバイディングドライバー】もまたその1つで、左腕に装着する巨大なマイナスドライバーのような形状をしたツールだ。
このツールは簡単に言えば、打ち込んだ一点を中心として空間を押し広げ、周囲に被害を与えないように戦闘フィールドを構成するもの。
リンの使ったものはそれを術式として再現したもので、リンの使う領域『
以前よりガオファイガー用ツールとして開発を進めていたがその構成術式はリンが開発しており、魚沼ロボ部のスピードキングニキ開発の術式『ミノフスキードライブ』同様、生身で軽々と運用しているのであった。
リンは刀に手を掛けぬまま前に歩み出ると、遠方、1kmほど先でシンセングミを引き連れていた芹沢に向けて声を張り上げる。
「新選組筆頭局長、芹沢鴨殿とお見受けする! 我が名は十六代葛葉ライドウ! そちら、他の新選組の者達とは
その言葉に、芹沢は目を見開き、直後にやりと獰猛な笑みを浮かべる。
「ほう、あの葛葉四天王がこんな幼子とはな! だが、その強さは本物のようだ……良いだろう、なら私も本気で応えてやらねばなるまい!
――――――如何にも! 私は近藤達や周りにいる悪霊共とは違う。この地に眠る新選組の、それ以外の無数の無念、そして後世の勝手な
私は私としてここにいる! こいつらのような
そう声を張る芹沢。確かにリンから見ても芹沢は存在がどこか茫洋としていた
隣の斎藤に目をやれば、半信半疑という風ながらもこくりと首を縦に振った。
「……だそうだが、その辺りどうだ?」
『恐らく本当です。彼以外の隊長クラスは、個性があるとはいえ【軍勢シンセングミ】から分化した存在です。ですが彼だけは違う……
影響を全く受けていない訳ではないでしょうが、彼自身は【猛将セリザワカモ】という一個体の悪魔としてここに存在しているようです』
「なるほど。まあ、やることは変わらんが……まあ、一応声を掛けてはおくか。
――――――おい芹沢、はっきり言うぞ。私はお前より強い。降伏し我が配下となるなら今のお前のまま召し抱えよう。
出来ないなら……まあ、殺すがな。安心しろ、お前のフォルマとMAGは私が護国のために役立ててやろう。返答や如何に?」
「いやマスターちゃん、事実なんだろうけど芹沢さんにそう言う事言うと……」
斎藤が制止しようとするも、それを中断させたのは芹沢の笑い声。
暫し呵々大笑した後、刀を抜き、その切っ先をリンへと向けた。
「そう言われてはいそうですかと頭を下げる壬生狼はおらんさ! なあ、斎藤!」
「……こうなるからさ」
肩をすくめる斎藤。それにリンもまた芹沢の様に獰猛に笑い、一息に赤光葛葉を抜き放つ。
「その意気やよし! 遊んでやる、沖田や永倉と並び称された剣腕、見せてもらおうか!」
「見せてくれよう! 今なら、お前との間を詰める方法もあるわけだからなぁ!」
直後、芹沢の周囲の無数のシンセングミが塵と化し、芹沢に吸い込まれてゆく。
それだけではない。戦闘フィールドから、その外から、深い
リンは、その度に芹沢の力が増していくのを感じた。自分に迫るほどに。
『マスター、芹沢のMAG反応増大! 負のベクトルのMAG……マガツヒを吸収して力を増しています!』
「キャナル、ディバイディングフィールド内の異界化深度を上げる。外部に漏れんように結界を張れ」
『もうやってます!』
「ならもう1つ注文を付けておく。芹沢のマガツヒ吸収は妨げるな。このまま吸わせておけ」
『了解しました! 今のマガツヒ吸収でネームド以外のシンセングミは消滅! 外は問題なし、そちらはお任せします!』
キャナルからの報告にいくつかの注文を付け、リンは改めて芹沢に向き直る。その体には未だ膨大なマガツヒが吸収され続けており、血色の良かった肌はどす赤く濁っていた。
かつて悪路王異界でアテルイが地脈と接続しMAGを吸い上げていたのと似たような事例だろう。
「……で、マスターちゃん、何か考えがあるんで?」
「ああ。このまま吸わせられるだけ吸わせてから祓う。そうすれば向こう暫くは事件も起きづらくなるだろうからな」
「倒せるんだよね?」
「倒すさ。そのためにお前を連れて来ている。お前を
言うなり、斎藤はリンに引き込まれる感覚を覚える。先程無理やり跳躍に引っ張って行かれた時とは違う、かつて近藤についていこうと思った時のような、全てを委ねても良い、そう思えるような。
そして気が付くと、その視点は随分と低くなっていた。そう、ちょうどリンより少し高い程度のの高さだ。
『え、何これ』
「言ったろう、背負うと。私の使うオーバーソウルとは似て非なる業……呼び名は魔装術、あるいは、
そう言うリンの姿も、先程のライドウスタイルからはやや様相を異にしていた。
黒地に赤い雲の『暁』仕様のコートから、背に『誠』と描かれた浅葱色の羽織、首からは鉢金を垂らしている。
そして、自分が今、リンと半ば合体しているような状態であることも理解した。それも、リンと自分の間でお互いのMAGが循環増幅されているような形で。
「簡単に言えば、信頼し合う仲間の『
お前と近藤は厳密にはイズナの部下だが……少なくとも、
『まあそりゃ、契約相手はイズナちゃんだけど、大本の親分はマスターちゃんだもんなぁ……それに、俺らが会津松平家の元で侍働き出来るようにしてくれたのは、マスターちゃんだぜ?』
【鬼纏】。それは漫画『ぬらりひょんの孫』において主人公の父、人と妖怪のハーフであった奴良鯉伴が開発した業である。
おのれの人間部分に仲間の妖怪を憑依させ、仲間の力と自分の妖怪部分の力を合わせ、元の仲間の何倍もの力で行使する。
元々オーバーソウルは得意であったものの、似て非なる技術であった魔装術は幾度も黒死ネキとの殺し合いで見て、術理そのものは理解出来ていたものの、己の宿す悪魔で行う事は出来ていなかった。
その理由は分からない。ただ、直感的に『可能ではある、しかし無理だ』という矛盾した結論を悟り、その後黒死ネキの指導の元練習を重ねるも成功することはなかった。
さてどうしたものか、と悩んだ後、リンが思い出したのは東京観光*11をしていた際に知り合った妖怪、その名を奴良鯉伴。
奇しくもこの世界においても半妖として生まれ鬼纏を開発していた彼に教えを請い、『自分の宿す悪魔』ではなく『信頼関係を結んだ悪魔』となら可能であることを見出す。
そうして体得したのがリン仕様の魔装術、【鬼纏】であった。
「さて……では、行くか。斎藤、私の体は気にするな。全開で回す。ついてこい」
『あーそうだ、なんか既視感あるなあと思ったらこの子芹沢さんと人としての方向性が大分近いんだ!
……お手柔らかにお願いします……いやマジで……』
そう言って斎藤が夜空を見上げれば、淀んだ笑顔の宮城支部長がこちらにサムズアップしている様が、さっきよりはっきりと見えたのであったという。
どっとはらい。
そんなわけで133話でした。近藤さん対近藤さん、ゾアノイドお披露目、ようじょの鬼纏お披露目とやりたいことねじ込んでったら戦闘描写要れたら長くなりすぎると思って分割。
もはや魔王ネキ編というか既に京都新選組編である。
□解説
・ようじょ
実は自分用ロボで使う術式は大体自力で再現できる。
今回のディバイディングドライバーも術式をようじょが組み上げて、ロボ部がそれをロボで実用可能なレベルに落とし込むという工程で作られていたりする。
・はじめちゃん
多分今回最大の胃痛枠。一応はじめちゃんを連れて来て鬼纏ったのにも理由はある。
・シンセングミ
元々近藤さんVS近藤さんがやりたかったので京都編始めたのでようやく本懐。
芹沢さんのあれこれを調べるに、多分これ芹沢さんだけ独立してそうだな……と思ったので彼だけ独立した悪魔として登場。外見は大体FGO芹沢さん。
なお、沖田は外見FGOおき田だけど男性です。
・獣化兵&獣神将
大蛇丸ニキ製人造デビルシフターとその制御用シキガミ。
人格を残したまま霊質だけごっそり変わっており、ほぼほぼ悪魔人間。
リベルタスに宿してあるのは専用に調整した【聖獣キマイラ】。原作同様モードチェンジも可能で、肉弾戦メインのモードA、放射型ジオダインでの射撃戦メインのモードB、自爆用のモードCがある。
実は原作と違って寿命が縮んでたりもしないし、自爆しても蘇生可能。
レベルは40ぐらいだが、モードAではジオダインが撃てないし、モードBでは肉弾戦能力は下がる。そう言う手間を挟むことでレベルに比して高めぐらいの性能を担保している。
グリセルダの人間体の外見は『原神』のコロンビーヌ。大蛇丸ニキの肉体ベースのシキガミで、続柄上娘。普段は海魔ネキ&虚空ネキと同じ学校に通っている。
獣化兵と同じような工程で人工的に悪魔変身能力を植え付けたシキガミで、コロンビーヌには獣化兵管理用のシキガミパーツ『ゾア・クリスタル』が移植されている。
これによって獣化兵からは上位存在として認識されており、に念話を飛ばしたり、意識を支配して操ったりもできる。
宿してある悪魔は【邪神エキドナ】。ようじょの契約しているエキドナから株分けされた悪魔カードを用いており、魔獣の母という属性からくる権能で獣化兵を従えている。
・大蛇丸ニキ
獣化兵の制作者だが自分は獣化兵ではない。
なお専用シキガミ(1体目のシキガミ)はNARUTOのカブト。純粋に助手や息子として作っている。
・鬼纏
ようじょ流魔装術。どういう理由か自分の宿す悪魔で魔装術を行う事が出来ず、色々考えた後に東京の知り合いを尋ね、鬼纏としての習得となった。
方式としては黒死ネキのいつも使っている魔装術に近いが、己の潜在能力ではなく憑依させた悪魔の力を自分の力と重ね合わせて増幅する点で異なる。
ようじょ自身ヤトノカミと仙猿、加えてデビルシフターと悪魔人間の血筋であり、生来常人よりはやや悪魔よりの性質を持っている。
信頼関係を結んだ(契約した)悪魔を自分の『悪魔としての部分』に憑依させ、『人間としての部分』でその力を振るう。
なお、習得過程で悪魔系の嫁とは鬼纏を実行済み。ノワールが一時ちょっと拗ねた。
その性質上(悪魔と信頼関係が成り立っている、という前提が必要なため)、悪魔カードだけでの使用は不可能。